犬井ゼミナール 夏合宿2016 in 白神山地
 活動報告
 2016年9月5〜7日、犬井ゼミナール23期生の夏合宿が行われました。今回合宿の舞台は、世界自然遺産白神山地です。東北地方の青森県と秋田県に跨る白神山地は、人の手が加わっていない原生的なブナ林の希少性が認められ1993年に日本で初めて世界自然遺産に認定されました。今回の合宿では、白神山地の高倉森や十二湖、森吉山といったブナ林や天然秋田杉など貴重な自然が残されている地域を訪ね、持続可能な観光の在り方について学習しました。
 今回の経験は、日頃、自然と触れ合うことの少ない学生たちにとって自然の大切さや素晴らしさを実感させるとともに、自然の恵みを上手に利用しながら暮らす知恵とその素晴らしさについて再認識させるものになりました。今回の合宿で大変お世話になりました自然観察ガイドの皆様、ならびに朝昼晩の三度の食事を通して山の幸の美味しさを教えて頂いた地元のお母さん方に心より感謝申し上げます。
 
                                                          
図 合宿活動地域の位置
資料:地理院地図に加筆して作成

9月5日 合宿1日目 十二湖散策
 十二湖は江戸時代に起こった能代地震(1704年・宝永元年)による山崩れ(現在の崩山)により堆積した土砂が川の流れをせき止めて出来たと考えられている。白神山地は現在でも隆起を続けており、岩石自体浅い海の堆積物や比較的新しい火山灰で形成されているため土砂崩れが起きやすい地形となっている。
 
崩山(中央)と白い崖が連なる日本キャニオン          お弁当を食べ十二湖散策へ、2泊3日の合宿が始まります

  十二湖の案内板ここではやませみ、かわせみ、        ブナ林の中に点在する十二湖の湖沼(湖沼の総数は33)。
アカショウビンのかわせみ三兄弟が観察できる。   

    
樹齢およそ300年のブナの巨木          日本キャニオンの頂から日本海を望む

 
十二湖一の景勝地「青池」                      青池についてガイドの河田さんから解説を受けるゼミ生

 
「沸壺の池」から流れ出る清水、とても冷たい          清水で入れた抹茶で一休みする犬井学長

 
白神の青と空と海の青 3つの青が眺望できる行合崎海岸 合宿でお世話になった皆さん(ガイドの藤田さん、市川さん、
                                    ガイドの河田さん、ぶなっこ教室代表の佐尾さんと美味しい食
                                    事を作って頂いた地元のお母さん方)

 
地元の食材を使った晩御飯、メインは天然イワナの塩焼き。  佐尾さんから白神の魅力についてのお話を聞くゼミ生。 

 
白神の生き字引、市川善吉さんを囲んでの勉強会の様子。 初日の最後は花火で締めくくり、充実した一日でした。

9月6日 合宿2日目 高倉森登山
 2日目は、白神山地のシンボルマザーツリーがある津軽峠から高倉森の山頂(829m)を目指します。行程は往復4時間、アップダウンの多いコースです。天候はあいにくの土砂降りですが、雨の日にはブナの木特有の樹幹流(じゅかんりゅう)を見ることができるというガイドさんの言葉を頼りに出発しました。
 
藤里町から白神山地へ           かつて鉱山が建設された太良峡

 
地上約30m藤琴川にかかる橋、もうすぐ登山開始です。  G藤田さんのお話を聞きながら、高倉森山頂を目指します。

 
白神山地に暮らすアズマヒキガエル             広大な白神の森、シシガミ様が出てきそうです。

 
ブナの幹を流れる「樹幹流」                  荒天の登山でも元気な犬井学長

    
                    高倉森山頂で記念撮影(1班)


        
             白神のシンボル「マザーツリー」迫力の大きさです。

 
宿に戻って、きりたんぽ作りを体験。                初めての割には、皆手際が良いようです。

 
きりたんぽを焼いてくれた佐々木ご夫妻、藤里町の自然に  比内地鶏で出汁をとったきりたんぽ鍋と高倉森でG河田さん
魅かれて最近移住してきた写真家さんです。          が採取したトンビマイタケの炒め物。

 
あまりの美味しさに、合宿期間中、一瞬だけ訪れた静寂。  夕飯の後は親睦会、地元の方達と楽しい時間を過ごしまし
                                     た。

9月7日 合宿3日目 森吉山散策(桃洞滝)
 3日目は、宿泊地(白神ぶなっこ教室)から南に約30キロ、森吉山の裾野に広がるブナの原生林を通ってノロ川上流の桃洞滝(とうどうのたき)を目指す往復9キロの行程です。ブナの葉が降り積もった腐葉土を通って浸み出す水が流れるノロ川の水は、茶色に透き通っており、ブラジルのアマゾン川上流のネグロ川(黒い川の意)の水を彷彿させます。森吉山は、世界自然遺産には登録されていませんが、その自然が織りなす景観は白神山地にも劣らぬ素晴らしいものでした。
 
ブナの原生林の中をながれるノロ川               ノロ川に架かる一本橋。

 
トリカブト きれいな花ですが、猛毒です。注意。        蚊に襲われながらも、記念撮影。

 
茶色く透き通ったノロ川の流れ、栄養満点です。       丸木の足場を渡って、対岸へ。1名落水。

 
上流の河床には、花崗岩の固い岩盤を削った甌穴が点在  小さな滝も沢山あります。

  
  目的地桃洞滝に到着です。世界中の数々の秘境を経験してきたG河田さん(左、獨協探検部OB)が薦めるとおり素晴ら
 しい景観の場所でした。

 
河原で、お母さん達が作ってくれたお弁当を頂きました。   帰りは川の中歩いて、気分は「スタンド・バイ・ミー」かな。
最高においしかったです。
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