犬井ゼミナール 夏合宿2010 in 北海道 本文へジャンプ
活動報告

獨協大学経済地理学研究室(犬井 正ゼミ)3年生(19名参加)の夏合宿が2013年7月31日〜8月2日までの3日間、富士山周辺で行われました。

 

 

犬井ゼミでは毎年春と夏の2回、宿泊をともなった実践的な合宿プログラムを行っています。


 

今年の夏合宿は、このほど世界文化遺産に登録された富士山周辺における「自然と観光との調和」に焦点を当て、 さまざまなプログラムに参加することで、持続可能な「ツーリズム」のあり方について学ぶことを目的にしました。

 

 
「獨協大学の森」で記念写真

 


第1日( 7/31) 「獨協大学の森」づくり
早朝、獨協大学に集合したゼミ生たちは、チャーターしたバスで、 静岡県御殿場市に向かいました。

 

 

今回、最初のアクティビティーは、「森林再生プログラム」。御殿場市で活動するNPO法人「土に還る木・森づくりの会」の全面的な協力・指導を受けながら、かつて建設残土置き場として、小高い山となっている場所の森林再生・植林活動を行いました。

 

 

今年、富士山はユネスコにより「世界文化遺産」に登録されましたが、もともとは「自然遺産」での登録をめざしていました。しかし、登山者によるゴミやし尿の問題、そして、観光施設開発などが問題視され、「自然遺産」での登録を断念した経緯は有名です。

 

 

今回の活動場所は、国立公園エリアではありませんが、かつて、残土が積み上げられていたところでした。2000年にNPO法人として設立された「土に還る木・森づくりの会」では、木工品の加工販売などともに、こうした森林再生に取り組んできました。2008年からは、市内にウィスキーなどの蒸留所を構える「キリン・ディスティラリー」とともに、「キリン富士山麓水源の森づくり活動」にも参画しています。

 

 

ゼミ生たちは、3班に分かれ、 植林した木の添え木・くい打ち、土留め、木材チップづくりを行いました。

 

 

植林した木の添え木・くい打ちは、土地の栄養分が少ないため、なかなか成長が遅いということで、富士山特有の強風や、雨から守る必要があるとのことでした。女子学生を中心に、間伐された太い木の杭をハンマーで打ち込んでいました。

 

 

土留め作業では、土砂の流出を防ぐため、山の周囲を丸太などで固めます。体育会系を自称する学生たちを中心に、力強くハンマーやつるはしを使っていました。

 

 

木材チップ作りでは、森で出た間伐材や枝葉などを細かく裁断する作業を行いました。

 

 

こうして、それぞれの活動が一段落すると、10本ほどの木の植林を行うとともに、「土に還る木・森づくりの会」がわざわざこの日のために用意してくださった看板に参加した学生一人ひとりがサインしました(ちなみに、同会メンバーの一人は、獨協大学のOBです)。

 

 

この瞬間、「獨協大学の森」の歴史がスタートしました。植林活動は長い期間がかかります。今後も、定期的に活動に参加していく予定です。

 

 

 

 

[写真:獨協大学の森づくりに取り組むゼミ生たち]

 


第2日(8/1) 世界文化遺産・富士山周辺の見学
この日は、当初の予定では富士登山でしたが、朝から 富士山周辺で大雨となり、登山を断念。

 

 

予定を急きょ変更して、富士山周辺の観光施設などをバスでまわることにしました。

 

 

最初に、富士ビジターセンターで富士山に関する大まかな知識を習得し、その後、鳴沢の氷結へ。30℃近かった外気温が、洞窟内に入ると一気に0℃近くまで下がり、夏とは思えない天然の冷蔵庫を体験しました。

 

 

このあと、富士山をぐるっと周り、酪農の盛んな静岡県富士宮市の「富士ミルクランド」、富士山信仰の総本山「富士山本宮浅間大社」、山梨県の環境科学研究所などをまわり、見聞を広げました。

 

 

しかし、お昼頃からは朝の大雨が一転、晴れ間も見られるようになり、なんとも恨めしい一日となりました。

 

 

 

 

 

 

 

[写真: 鳴沢の氷結と浅間大社]

 


第3日(8/2)  カーリング体験
いよいよ合宿最終日。この日は、山中湖村にある「山中湖メイプルカーリングクラブ」でカーリング体験を行いました。

 

 

このカーリングクラブは、オリンピック・女子カーリングの解説でおなじみの小林宏氏がオーナーを務めているクラブで、今回、 幸運にもゼミ生たちは小林氏から直々にレクチャーを受けることになりました。
 


 

日本では数少ないカーリング専用リンクで、小林氏のこだわりが随所で活かされていました。なかでも、換気システム。氷の温度を一定に保つ必要があるため、外気を導入するに当たっては細心の注意が必要。このリンクでは、自然換気システムを採用し、常に富士山のキレイの空気をリンク内に入れているそうです。

 

 

なお、小林氏の話によると、カーリング大学選手権の初代優勝校は、なんと獨協大学だったそうです。

 

 

さて、30分ほどのレクチャーが終わると、4チームに分け、ガチンコの勝負が始まりました。最初はなかなか思い通りにストーンを投げることができなかったゼミ生も、何度か投げているうちに、サークルの中にきちんと収まったり、相手のストーンにぶつけて外に出すことができるようになってきました。およそ3時間の体験でしたが、時間を感じさせない、充実したプログラムでした。この様子は、同クラブのブログで紹介されています。

 

 

 

こうして、3日間の夏合宿はあっという間に過ぎていきました。

 

富士山を取り巻く、さまざまな自然や環境、そしてそこに暮らす人々の生活に触れながら、有意義な時間を過ごすことができました。

 

 

最後に、今回の合宿を行うに当たり、「NPO法人 土に還る木・森づくりの会」ならびに「山中湖メイプルカーリングクラブ」の方々には大変お世話になりました。この場を借りて、厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。

 

 

 

 

[写真:カーリング体験の様子]

 


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