ドイツ語研修の選び方Deutsch-Sprachkurs

大学の夏休みや春休みは2ヵ月近くある。学生時代しか取れない長期の休みを利用して、ドイツやオーストリアでドイツ語を勉強してきたい、と思う人は多いはず。このコーナーではそうしたドイツ語研修の選び方から、役に立つ研修中の過ごし方を紹介しよう。

大学のドイツ語研修

ドイツやオーストリア、スイスの多くの大学では夏休みに「外国人のためのドイツ語コース」を実施している。講師は大学のスタッフを中心に集められることが多く、授業の質もいいし、授業以外のさまざまな催しもあって楽しい。ドイツ語圏の大学は殆どが公立なので、参加費はかなり低料金。特に旧東独の大学で行われる語学研修は講習費と滞在費を含めて、民間で行われるものの半額近い料金だ。
図書館や学食、コンピューター室などの大学の施設を学生と同じように使えるところも大学の語学研修のメリット。また、大学の研修ではその大学の学生がチューターとしてさまざまなケアをしてくれるところもあり、語学研修の生徒同志だけではなく、その大学に在学する学生と交流するチャンスがある。
このように、大学の主催で行われるドイツ語研修はメリットが多いので、条件が合えば参加する価値は大きい。

民間のドイツ語研修

民間の語学学校は夏休みに限らず、年間を通して様々なプログラムがある。中でも歴史と定評があるのは全世界に支部を持つドイツ政府公認のゲーテ・インスティトゥート。 きちんとしたメソッドが確立されておりテキストも共通なので、どこの支部でも均質な授業を受けることができる。 ドイツ国内にも多数あり、ドイツの大学へ入学する際に有効な公式なドイツ語能力証明を取得できる試験も実施されている。 ゲーテ・インスティトゥートでの夏の短期講習はこうした試験に合格するための近道と言えるかも知れない。
ゲーテ以外の民間の語学学校でも質の高い充実した講習を受けられる学校は多数ある。下に述べるような条件を比較して、目的にあった学校を選ぼう。

ドイツ語研修を選ぶ基準

数え切れないほどあるドイツ語研修のうちから1つを選び出すのだから慎重にやろう。選ぶ時は多方面の要素を考え合わせて決めるといい。

コースの中味で選ぶ

授業時間

同じ4週間の講習期間でも授業時間ということでみると大きな隔たりがある。講習料金に含まれる教室内での授業が総計何時間あるかを確かめよう。

1クラスの最大人数

少人数制と言っていながら実際行ってみると1クラスが20人もいることもある。 1クラスの人数の上限を確かめよう。

レベル分けは適切か

クラスのレベルが細かく分かれている程、自分の能力に合ったクラスに入ることができ、学習効果が上がる。 大学の夏の講習では初級者用のクラスが設けられていないことも少なくない。まだ初級レベルの人はGrundstufe(基礎レベル)のクラスのあるコースを選ぼう。

専任のスタッフの割合

専属のスタッフが多いということは、そこで行われる講習のステータスがはっきり出て、信頼度も高まり、先生による当たりはずれも少なくなる。 専属のスタッフの人数が銘記されていることも選択の際の参考になる。

授業科目、コースのテーマは目的に合っているか

大抵のコースは一般的なドイツ語力を身につけるためのコースだが、中には「ドイツの経済」とか「ドイツの政治」といった限定されたテーマで開講されているコースもある。 自分の目的に合ったテーマのコースが開設されているかを確認しよう。

エクスカーションはどんなものがあるか

近郊への小旅行やアトラクションなど、大抵のドイツ語研修では授業以外にもいろいろと催しがある。自分にとって興味をそそられる魅力的な催しがあるかどうかを調べてみよう。

宿泊形態で選ぶ

宿泊形態には以下のようなスタイルがある。 自分の目的にあった宿泊形態のある講習を捜そう。

・ホームステイ
家族の一員としてホームステイすることで、コミュニケーション能力は確実に向上、ドイツ人の文化、生活を肌で感じる上でも貴重な体験となり、家族との交流は忘れ得ぬ思い出ともなる。 いろいろなタイプの家族があることは言うまでもないが、ある程度の適応力のある人ならプラスの面が大きい。
ただし、ホームステイと言っても鍵を渡されて、空いている部屋を使わせてもらえるだけで、家族とのコンタクトは殆どないという形態のホームステイもあるので事前によく確かめること。 宿泊料金に食費が含まれない場合は、このタイプのホームステイだと考えた方がいい。

・学生寮
多くの大学の講習、一部の民間の語学学校では、学生寮を利用できる。 学生寮は主に1) 一人部屋、2) 二人部屋、3) WG(Wohngemeinschaft)の3つのスタイルがある。 WGというのは玄関ドア、キッチン、シャワー、トイレなどの共有施設を2〜6人ぐらいの学生が共同で使用し、それぞれが鍵のついた個室を持つといった、プライバシーが守られたうえでの共同生活スタイル。 学生寮での生活は同じ語学コースの生徒やその大学のドイツ人学生と交流する上でいいチャンスになる(特にWG)。

・ゲストハウス、アパート
大学や語学学校が所有する宿泊施設や一般のアパートが利用できる講習もある。 一人部屋と二人部屋を選択できることもある。 他の参加者との交流も特に望まないし、誰にも邪魔されずに1人暮しを満喫したい場合はいい。

地域で選ぶ

同じドイツ語圏でも、国や地域によって風景も文化も人々の気質も異なる。 研修期間の1ヵ月余りをどこで過ごすかということを決めることは大切だ。 ガイドブック等を読んで、行ってみたい、住んでみたいと思った町のドイツ語講習を捜してみよう。

料金で選ぶ

上にあげた条件でいくつか候補を選び出したら、料金を参考にしてみよう。授業料、教材費、エクスカーションの料金、宿泊料金、食費などのうち、コースによっては全てが含まれているものやそうでないものがあるので、そこらへんも見落とさないようにしよう。

過去の参加者の情報を調べる

ドイツ語圏のいろいろなドイツ語研修に参加した過去の参加者アンケート結果を国際交流センターで閲覧できる。かなり詳しいコメントも書かれている回答が多いので参考になる。

どんな研修があるかを調べるには

ドイツの大学で行われている夏のドイツ語研修はDAADの検索サイトで情報、内容を調べることができる。

ドイツ語研修検索サイト(ドイツ語版)
ドイツ語研修検索サイト(英語版)

日本学生支援機構留学情報センターの詳しい手引きも役に立つ⇒ 「ドイツ語研修の手引き」

マインツ大学の夏期ドイツ語講習
マインツはラインラント・プファルツ州の州都。宗教・政治の中心として栄えた歴史を持つ町で、ラインワインでも有名。ライン川を挟んで対岸の町ヴィースバーデンと共に文化都市としても栄えている。
マインツのドイツ語講習では初級〜上級レベルのクラスを用意。どのクラスも最大15名の少人数制。毎週のエクスカージョン、コンサートやお祭りなどへのイヴェント参加プログラムも充実している。講習終了後、希望者は2週間のホームステイができる。このホームステイ制度は80年以上の伝統があり評判もいい。講習でみっちりとドイツ語を身につけたあと、ドイツ各地のステイ先で家族の一員としてドイツの家庭の日常生活を体験できる。

2013年のマインツ大学夏期ドイツ語講習は、主催者側の事情により開催できなくなりました。2014年には再開の見込みのため、下記の情報はご参考として掲載しておきます

期間:2013年8月4日(日)〜8月29日(木)
料金:540ユーロ(講習料)※宿泊費、教材費は別料金
エクスカーション:ローレライへのライン川遊覧、マインツ市内観光ほか
その他の行事:コンサート(ラインガウ音楽祭等)、パーティーなど
宿 泊:学生寮。希望者は講習修了後に特別価格(40ユーロ)で2週間の3食付ホームステイプログラム有り
申込み:ホームページ上で申込可能。
ドイツ語版ホームページ/■英語版ホームページ/■YouTube紹介ビデオ
締切り:2013年6月30日


            マインツ大学キャンパス                           マインツ大聖堂前広場

また、次の本にも詳しい案内が載っている。

⇒ ドイツ留学案内 語学学校・サマーコース編 山本浩司・小篠直美著 三修社


ドイツ語研修の申込み方法Anmeldung

行きたい研修が決まったら早めに申し込もう。人気のコースは締め切り日前でも一杯になってしまうことがある。今の時代の申込み方法の主流はインターネットだ。どんなドイツ語研修であってもまずそこのホームページがあるので、"Anmeldung"(申込み)という項目をよく読んでみよう。詳しい申込み方法が書いてある。ドイツ語初心者なら英語ヴァージョンの説明の助けを借りなければならないかも知れないが、書かれているドイツ語を苦労して読むところから研修は始まっていると思うと、ドイツ語を読むのにもやる気が出てきませんか?

ホームページ上での申込み

ドイツ語研修の多くはホームページ上の申込み用フォームで申し込むことができる。住所、氏名、生年月日、希望のコース、自分のレベル、希望の宿泊先等を指定された欄に入力して、"Ansenden"とか"Schicken"というボタンをクリックすると申込み内容が送信される。確認の画面が出た場合はそれをプリントアウトして保存しておこう。住所の表記の仕方は、留学願書の記入方法のページを参照しよう。
申込みフォームに入力するのではなく、プリントアウトした申込みフォームに記入して、郵便やファックスで送るという方法を取っているものもある。いずれにしても"Anmeldung"の説明をよく読むこと。

申込みをすると、間もなくメールによる返信か、郵便による申込み受付確認の手紙がくる。次にどんな手続きが必要かが書いてあるので、よく読んで書いてある通りの手続きを踏もう。次に必ず必要になるのが、お金の振り込みだ。

申込み金(講習費)の振込み

指定された料金を指定された口座に振り込む。振込み金額は参加費全額の場合もあれば申込金のみの場合もある。申し込み金は保証金としてキャンセル時に徴収される。特に全額振り込む場合はキャンセルした場合にいくら返ってくるかを払う前に確認しておくこと。

海外送金は郵便局からするのが割安。但し、料金の安い通常振替だと送金に2〜3週間と時間がかかるので時間的に余裕を持っておくこと。郵便局から送金する場合は受取人と振込先銀行の住所も必要となる。詳細は郵便局の国際送金の案内サイトを参照のこと。

銀行からの振り込みの際に気をつけることは、例えば100ユーロの振り込みで、100ユーロピッタリを送金すると途中で手数料が引かれて、相手に振り込まれるのは手数料を引いた額になってしまうことがある。「最終的に相手の口座に100ユーロピッタリが振り込まれるように」と指定して、場合によっては相手側にかかる手数料分もプラスした料金を送金しよう。

送金の控えはなくさないように。振込み期日が迫っている場合は控えをFaxしておくのも一手。

参加確定証の受領

送金が確認されると、参加確定証を送ってくれるところが多い。その他に、様々なインフォメーションも送られてくる。何日の何時までに、現地のどこへ行けばいいかも知らせてくるので、送られてきたものはよく読んでおこう。こうした連絡が来ない場合はE-Mailで問い合わせなければいけない。


「何を準備するか」