受け入れ通知の受領


通知はいつ頃届くか


出願書類をちゃんと送ればあとは大学からの受け入れ通知を待つだけだ。いつ頃届くかは大学によってマチマチだが、「出願書類が届き次第できるだけ早く通知を発送している。」と言っている大学が多い。
しかしながら、大学のAuslandsamtではたいてい数名で何千件もの出願書類を処理している。場合によってはそれぞれの学期の締め切り日の1ヵ月程度後になる場合もあるし、遅い場合は学期の始まる2週間前ぐらいになってやっと通知がくることもある。つまり夏学期の場合は3月中旬、冬学期の場合は9月上旬ということになる。

出願書類をuni-assistに送った場合は、uni-assistのホームページによると「書類到着後遅くとも1ヶ月以内には通知する」となっている。uni-assistの設立理由の一つに「これまでよりも飛躍的に速い書類処理と出願者への行き届いた対応」というのが挙げられているので、uni-assistを通した出願の場合は迅速な対応が期待できる。

入学許可制限(Numerus Clausus)のある学科へ出願している場合は、通知が届くのは締切日以降になる。

Zulassungsbescheid


さて、希望する大学から手紙が届いたらまず確認して欲しいのは"Zulassungsbescheid"、あるいは "Zugangsbescheid"という書類。これがお目当ての「入学許可通知」で「希望学期の希望学科にあなたのために席を用意しました。」というお知らせ。

確認項目


願書で希望した通りの専攻課程へのZulassungかどうかを確かめよう。

学期の確認
予定している通りの年度の学期への入学許可になっているかどうかを確かめよう。留学許可は学期単位で出るので、1年の留学予定であっても許可は最初のセメスター分だけとなる。2学期目以降についてはRückmeldenという継続手続きを行う。

学籍登録の条件
条件付きでImmatriklation(正規の学籍登録)を認められている場合はその条件が明記されている。「DSHに合格すること」が条件になっている場合が多い。願書の11.で"ja"として語学コースを希望した場合は、この語学コースの受け入れ試験を課される。或いは11.で"ja"としたにもかかわらずいきなりDSHを受けるように指定されていることもある。指定されていても最初からDSHを受けるつもりがない場合は、その旨メールなどで連絡し、語学コースの受け入れ試験の受験を改めて申し込もう。DSHに受かる自信がないのに無駄に受けてしまうと、DSHは生涯2回しか受けられないことになっているので留学の可能性を狭めてしまうことになる。もし、どうしてもDSHを受けろと言われたら、この大学への入学は今回は見送る。

試験日程
学籍登録の条件として試験が課せられる場合は試験日程が書かれているはずなので、日程を確認する。

その他の書類


Zulassungsbescheidの他に、寮の申し込み用紙、財政能力証明申告用紙、オリエンテーションの案内、授業開始前の集中語学コースの案内等が同封されることがある。

全ての書類を確認する
送られてきた書類はとにかくすべてに目を通して理解し、返送する必要があるものは返送し、指定された試験やオリエンテーションがあればそれに出られるように出発しよう。
「ドイツ語を読むのはおっくうだ」とここで思ってしまうようなら、この時点で留学は考え直した方がいい。ドイツへ行ったら授業はもちろん、全ての諸手続きをドイツ語で行うことになる。特に紙に書かれている文言は一言一句正確に理解する習慣を身につけるようにしよう。

Ablehnungsbescheid


"Zulassungsbescheid"ではなく"Ablehnungsbescheid"が入っていたら残念ながら出願は認められなかったことになる。理由が書かれてあり、「この決定に異議がある場合は・・・」と異議申し立て方法が書かれているが、これをもらってしまったら当該学期の入学はできない。"Ablehnungsbescheid"とはっきりと書かれた通知書ではなくても、手紙の中に「残念ながら受け入れはできません。」といった内容が書かれていればこれも断わりの通知ということになる。
なお、この種の通知は志願した学科単位で送られてくる。第1希望の関しては"Ablehnungsbescheid" が送られても、第2希望で"Zulassungsbescheid"が同封されていることがあるので、よく確かめてみよう。

入学許可が下りないケース


ドイツ語能力証明が不十分
Zulassungsbescheidをもらえないケースとして「ドイツ語能力証明が不十分」という理由が最も多い。このドイツ語能力とはDSHに受かるためのレベルであり、語学コースを希望している場合は語学コースで設けられている最低レベル(大抵はMittelstufe)のことだ。
ゲーテインスティトゥートのZMPやTestDaFの語学証明、あるいはゲーテインスティトゥートのMittelstufeの受講証明などがあれば、少なくとも語学コースのためのレベルの証明としては十分だが、大学の成績証明書だけでは語学能力の証明とはみなしてもらえないことがあるので、ドイツ語受講時間数の証明書を大学で発行してもらい、出願書類として同封することをおすすめする。

入学許可制限の学科
Numerus Claususになっている学科(NC-Fächer)に出願した場合は、成績順や待ち期間順(外国人の場合は待ち期間は考慮されない)、或いは国籍のバランスを考慮して受入許可者を選び出す。これに漏れると入学不許可となる。願書提出時はNC-Fächerになっていない学科を少なくとも第2希望として書いておこう。

大学入試センター試験の証明書の提出がない
2003年6月にZABが出した認定基準「日本からの志願者はセンター試験の成績証明が必要」を受けて、センター試験の証明書がないので受け入れ不可とされる可能性がある。
これについては本サイト「ドイツ留学相談室」管理人よりZABにこの認定基準の見直しを求めたところ、大学に1年以上在学することでセンター試験の証明は必要ない、という回答を得た(詳細はこちら)
この理由で受け入れ不可となった場合は早急に、志望先大学へ問い合わせること。

これまでに学習歴のない学科への出願
ドイツの大学へ出願する時点で、これまでに日本の大学等で専攻したことのない内容の学科へ出願した場合は入学不許可となる場合がある。

「世界の大学一覧」に載っていない大学からの出願
ドイツの大学には「世界の大学一覧」というリストが備えてあり、これを基に認知されている正式な大学かどうかを判断している。新設大学など「大学一覧」に載っていない大学から出願すると、そこに載っていないことを理由に入学不許可となる場合がある。また短大の多くはこのリストに載っていないので、卒業しても「大学」として認定されない可能性がある。
これを理由に入学不許可となった場合はすぐにあきらめてはいけない。自分の大学が文部科学省から認定された正式な大学であることを証明する書類を説明の手紙をつけて送付するなどして、入学許可を再度申請しよう。但し、これを出したからといって絶対に認めてくれる保証は残念ながらない。最終判断は結局各大学に委ねられることになる。
再申請であっても締切り期限を過ぎないように注意すること。

ドイツの大学に備えてある「世界の大学一覧」の内容はホームページでも参照できるので、自分の大学がちゃんとリストに載っているかあらかじめ確認しておくと良い。

学位取得を目的としない短期の留学としての出願を認めていない大学
入学願書(Antrag auf Zulassung zum Studium)の書き方の項でも説明しているが、この願書の1.で、"Kein formeller Studienabschluss"にチェックしたことで、受入れが不許可となる場合がまれにある。
こうした大学では、交換留学など協定に基づく留学以外は学位取得を目的としない留学としての出願を認めていない。
親切な大学は、こうした出願はMagisterやDiplomへの出願と読み替えて普通に処理してくれるが、単に不許可通知を送る大学もある。

こうした事態を避けるためには、たとえ1〜2年の留学を想定していても出願時に最初からMagisterやDiplomにチェックをするというのが一つの方法だが、こうするといくつかの大学が実施している短期の留学志願者へDSHの免除という恩恵には預れなくなってしまう。従って、時間に余裕を持って出願前に「一般の出願者によるKein formeller Studienabschlussによる出願が認められるか」ということをあらかじめ問い合わせておければベスト。

"Kein formeller Studienabschluss"にチェックしたことで不許可通知をもらってしまってもまだ望みはある。「学位取得目的への出願に変更したい」と告げれば、そのための追加書類について連絡してくれることもある。最後まであきらめてはいけない。

※Stuttgart大学では、「2002年より学位取得目的の留学は自国の大学を卒業している場合のみ認める」という規定が導入された。高校卒業+自国の大学合格という全国一律であるはずの受入れ条件に外れたこのような規定の効力には疑問の余地はあるが、現実問題としてはこのような大学への留学は難しいと見るべき。

その他、あらぬ誤解から不許可となるケース
時として、どうしても不許可の理由がわからない場合がある。
なかには思わぬ誤解をされていることも少なくない。例えば大学3年の学生が2年生までの成績が載った証明書を送ったところ、「短大相当の2年間の課程に在籍中でまだ修了していない」とみなされ、大学入学資格自体が認められず、Studienkollegへ行くよう通知をもらうケースがあった。この場合は大学の第3学年(第5学期)以降に在籍していることを証明する書類を送っておけばこの誤解は回避できたのだが、誤解といっても、相手が協定校などでない限り、締め切りが過ぎてしまった後の手段は殆どない。

「遠い極東の国の学校事情に精通している担当者はまずいない。」ことを念頭に、できるだけ誤解されないように願書を作成し、有効そうな証明書は何でも同封し、誤解されたとわかった時点でも間に合うように早めに出願するように心掛けよう。

願書受理通知書


"Zulassungsbescheid"ではなく、願書受理通知書が送られてくる場合がある。これは文字通り「確かに出願関係書類を受理しました」という証明で、これを入学許可書と勘違いしないように("Bestätigung"と書かれていることが多い)。願書受理通知書はドイツで留学滞在のための在留許可申請に有効な書類として認定される。"Zulassungsbescheid"を受け取らないままドイツへ出発するような場合は必携書類となるので大切に保管しておこう。

通知が来ない


「通知はいつ頃届くか」で述べた期日になっても通知が来ない場合もある。この場合は直接大学のAuslandsamtへ問い合わせてみよう。EメールかFaxでもいいが、一番確かな方法は電話。自分の氏名と願書の発送日を告げ、どうなっているかを問い合せる。すべてのやり取りを電話でする自信がなければ、まずFaxかE-Mailを出して、そこに「いついつ頃に電話をするので、それまでに調べておいてください」と書いておく。願書受理通知書をもらっている場合は、受付番号のようなものも入っているはずなので確認しておこう。
願書締切日以前にこうしたことを問い合わせても「もうしばらく待ってください」と言われるのがオチ。少なくとも願書締切日の10日後ぐらいまでは、じっと待とう。獨協生の場合は、まずは本学国際交流センターに相談してみよう。

出願書類をuni-assistに送って1ヶ月以上通知が来ない場合は、直接uni-assistのホームページからメールで問い合わせてみるといい。「これまでよりも飛躍的に速い書類処理と出願者への行き届いた対応」を謳い文句にしているので、すぐに返事がもらえるハズ。

中には問い合わせてもらちがあかず、とうとう通知も来ないということも全くないとは言えない。ドイツの大学の留学担当者は概ね大変熱心だし、きちんと対応してくれるはずだが、こういう場合はいかんともし難い。この大学とは縁がなかったと、あきらめるしかない。こんなことも想定して、複数の大学に出願しておくことをオススメする。

渡航準備

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