出願先大学を決める

留学のテーマを決める



大学で専門にドイツ語を学んでいてドイツの大学に留学したいのなら、目標は「ドイツ語圏の大学で専門分野を学んでくる」ということになるだろう。漠然と「留学したい」と思ったら、次は「留学して何を学びたいか」を考えよう。留学して学びたいものは文学?言語学?歴史?経済?それとも音楽?現在大学でゼミナールに参加しているなら、ゼミのテーマを中心に据えて関心を広げて行こう。

「専門課程の勉強はこれから」という段階なら、まずは大学のカリキュラムやシラバスを眺めて、自分が在学する大学で何を専門として学びたいかをはっきりさせていこう。まずは視野を広く持って何ができるかを概観し、そこから自分に関心のあるテーマを絞って行くといい。

テーマがある程度はっきりしてきたら、それに関する文献(最初は日本語でも構わない)をできるだけ読んで、専門知識を深め、視野を広げて行こう。

留学先大学の候補を選ぶ



ドイツには1999年現在で354の大学がある。これは殆どが公立で授業料は無料。この中からどんなことを目安に自分に合った大学を選んだらいいのだろうか。以下に留学先候補を決める際に重要な要件をあげてみる。

1. 専攻したい分野の学科、専攻したい分野と関係する学科がある大学
2. 日本学科(Japanologie)や、日本の大学と協定のある大学
3. ドイツ語コースを併設している大学
4. 在籍している日本の大学が協定を結んでいる大学
5. 条件に合った地域にある大学
6. DSHが免除される大学


1.専攻したい分野の学科、専攻したい分野と関係する学科がある大学

留学先で「何を勉強したいか」ということは、留学の目的を設定する大前提。ドイツのどの大学に自分が専攻したい分野やそれと関係した分野の学科が開設されているかをまず調べよう。

自分が専攻したい分野を、ドイツのどの大学で勉強できるかを探すには、HRK(ドイツ大学学長会議)の検索ページを利用しよう。こちらのページを開いて、左のメニューから[Grundständiges Studienangebot suchen]を選ぶと検索画面に跳ぶ。この検索画面ではいろいろと条件を入れられるようになっているが、とりあえずStichwortのFachの欄に"Germanistik"とか"Geschichte"とだけ入れて、[Weiter]のボタンをクリックすれば、該当する大学を見つけられる。

実際に出願する段階では願書の志望コース欄に主専攻、副専攻など複数のコースを書き入れる必要が出てくるので、留学のテーマと関連のあるコースが複数あるような大学を選ぶのが望ましい。留学先が決まってからテーマを変更したくなることもあるかも知れないので、関心のあるコースを複数扱っている大学を探し出そう。

三修社発行の「ドイツ留学案内 大学編」(山本浩司、小篠直美著)の資料編には、ややデータは古いがドイツの大学のゲルマニスティク関係教員一覧が載っていて、どの大学にゲルマニスティクのどんな分野を専門にしている教員がいるかを概観するのに役に立つ。

2.日本学科(Japanologie)や、日本の大学と協定のある大学

私達は日本は欧米先進国の仲間だと思っているが、ヨーロッパの人達の日本への関心度や理解度が驚くほど低いということは、多少なりとも在欧経験がある人なら実感して頂けると思う。そんな社会で一人で生活し、勉強していくのは相当の忍耐力を要する。できれば親日家の友達が何人かいれば、心強いし孤独感も解消される。大学に日本学科があれば、そうした友達や先生と知り合うことは難しいことではない。日本学科には当然日本に興味を持つ学生が集まってくる。副専攻として日本学科関連の授業を取れば、授業中も何かと日本のことに関心を示してくれ、質問を向けてくれることだろう。そこではあなたはみんなの注目と関心を浴び、日本の様々な実情、事情を説明し、日本人としての意見を述べることができる。

また、ドイツの大学にはタンデムパートナーと言って、違う国の人同士がお互いの言葉を教え合うようなシステムがある。日本学科のある大学ではそうしたパートナーを探すのも楽だ。

更に、日本学科のある大学では日本の新聞・雑誌も多種揃っているし、日本語対応のパソコンの台数も当然多い。「留学中はできるだけ日本とは関わらず、ドイツの環境に身を置く」という気概は立派だが、長い留学生活、心のオアシスを持つことは大切だし、外から日本を見つめるというのも有意義なことだ。日本学科の有無は大学選びの決め手ではないが、他が同じような条件なら、絶対に日本学科がある大学の方を選ぶことをお勧めする。

日本学科がある大学ではなくても、日本の大学と協定を結び日本へ留学生を送り出している大学なら、日本へ留学したい学生と知り合うのは難しいことではなく、同様の利点がある。

3.ドイツ語コースを併設している大学

ドイツの大学では学期開始の前にDSHという外国人対象のドイツ語能力試験が行われる。この試験に落ちてしまった場合、その大学にドイツ語コースが併設されていればそのコースで1学期間DSHの合格を目指したドイツ語の勉強をすることができる。DSHをいきなり受けずに、まずはこの大学併設のドイツ語コースで1学期間ドイツ語だけを勉強することもできる。ドイツ語にまだ自信がない場合はドイツ語コースが併設されている大学を選ぼう。詳しくは「 大学のドイツ語コース」の項を参照のこと。

4.在籍している日本の大学が協定を結んでいる大学

現在自分が在籍している大学が、ドイツ語圏の大学と協定を結んでいて交換留学などの制度があれば、これを有効に活用しよう。こちらに獨協大学の場合を紹介するが、どこの大学でも協定校へ交換留学で行く場合はいろいろな利点があるはずだ。

また、協定校ではなくても自分がいる大学の先輩たちが留学した大学や、先生が研究滞在した大学については、留学先大学の詳しいデータがあったり、場合によっては留学に際して特別に配慮してくれることもあるかも知れない。自分の大学で留学を担当している部署に問い合わせてみよう。獨協生はこちらを参照しよう。

5.条件に合った地域にある大学

留学といっても勉強ばかりしているわけではない。長期間生活する町が自分の趣味や趣向に合った場所であること、生活する上で好都合であることも大切だ。文化的な催しが充実した町、自然に恵まれた町、観光地として有名な町、親戚・知人のいる町、大学が複数ある町、国境に近い町等々、滞在する町を選ぶ視点はいろいろある。さらに旧東独地域の学生寮は比較的余裕があるところが多いが、入寮しやすい地域の大学を選ぶというのも1つの方法だ。

6.DSHが免除される大学

ドイツの大学に留学するには原則としてそれぞれの大学で行っているドイツ語試験(DSH)に合格しなければならない。DSHは上級レベルの試験で、かなり難しい。しかし、数は多くないが、学位取得を目的としない1〜2セメスター程度の留学の場合、この試験を免除してくれる大学がある。DSHに合格できるドイツ語力を身につけてからドイツ留学を開始するのが前提だが、どんなに自信をつけて試験に臨んでも必ず合格するとは限らない。ということで、DSHを免除してくれそうな大学はどこかを調べておくといい。
DSHに関しては「DSH等の受験」のページで詳しく述べてあるので、必ず読んでおくこと。


このように、留学先大学を選ぶ際は様々な角度から検討してみると良い。ここで候補をいくつかに絞ったら、次の段階へ進もう。

留学希望の大学の詳細を調べる


いくつかの候補に絞ったら、次に個々の大学の情報を集めよう。各大学の最新情報はホームページを参照するのが一番いい。講義概要などの資料を請求をすると「ホームページを参照してください」という返事が来ることもあるほど、ドイツの大学のホームページは充実したものが多い。授業内容が実際に自分がやりたい内容と合致しているか、受入れの条件を満たしているか、などを調べる。 ドイツの各大学のホームページへは、多くの場合以下の方法でたどり着ける。
例えばボン大学のアドレスは http://www.uni-bonn.de だが、"bonn"の部分を"koeln"とか"duisburg"に替えれば、ケルン大学やデュースブルク大学のホームページアドレスとなる。
また、HRK(ドイツ大学学長会議)のホームページの検索画面でも、各大学のホームページを探すことができる。こちらのページを開いて、左のメニューから[Hochschule suchen]を選ぶ。


これで実際に出願する大学を2〜3校に絞り込み、出願準備を始めよう。


出願書類を準備する

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