出願資格を満たす

ドイツの大学が定める出願資格


ドイツの大学が日本からの留学生の出願を受け入れる条件は、

@ ドイツで通用する大学入学資格を持っていること
A ドイツ語能力を証明できること

という2つの大前提がある。@を持っていないと、その資格を得るためにStudienkollegという特別の補習学校に通い、Feststellungsprüfungという試験に合格しなければならない。
Aを証明できない場合はまずはとにかくドイツ語を勉強してドイツ語能力証明を獲得するしかない。

@ 大学入学資格とは

ドイツの大学に入るための大学入学資格とは、ドイツ人にとっての大学入学資格であるAbiturを持っているか、それと同等の資格ということになる。Abiturを取るにはドイツのGymnasiumや他の国のドイツ人学校等を卒業しなければならないので現実的ではない。Abiturと同等の資格ということで、ドイツの大学は世界各国のそれぞれの国の教育制度に合わせて条件を提示している。日本から留学する場合の日本人、或いは日本の教育制度で学んだ外国人に提示している最低条件は、

1) 9年間の義務教育、および3年間の高校での教育、併せて12年間の学校教育を修了していること
2) 大学入試センター試験を受けて、受験科目の全てにおいて62%以上の得点を得ていること

または
日本の大学で1年間の学業を修めていること※1

の2つ。従って現在日本の大学(4年制)で1年以上学んでいるならば、誰でも※2ドイツの大学が定める大学入学資格を保有していることになる。
なお、出願できる学部・学科は、日本でのそれまでの学業内容に即した分野か、これに類する分野の学部・学科に限定される。
4年制大学ではなく、短期大学や高専(高等専門学校)の場合は、それらの学校を卒業していることが条件となる。

※1
ここで言う「大学」とは、ZAB(国外教育事情認定センター:ドイツ留学辞典参照)という機関が認定した大学であることが求められることが多い。ZABの出す基準に絶対的な拘束力はないが、ドイツの大学においてこの基準は、外国からの出願書類を審査するうえで重要な拠りどころとなっいる。また、外国からの出願書類の審査を代行しているuni-assistでもこれを元に審査を行っている。ZABが認定した大学一覧はanabinのサイトで確認できる。ドイツの大学への入学資格については、DAADの「ドイツ留学FAQ」のページでも参照できる。

※2
「高卒」の代わりに「高卒認定(旧大検)」の資格でドイツ留学するには・・・

大学入試センター試験の証明書について

2003年6月にZAB(上述)が、「日本からの志願者はセンター試験の成績証明が必要という認定基準を発表し、NRW州の大学を始め、多くのドイツの大学がこの基準に基づいて日本からの志願者にセンター試験の証明書を求めてくる時期があった。

しかしながら、私立大学の学生はセンター試験を受験していないケースも多いため、「ドイツ留学相談室」管理人より2005年1月にZABに対し、センター試験についての事情説明を行い、基準の見直しを求めたところ、以下の回答を得ることができた。

2003年6月に出した基準に変更はありませんが、そのような日本での状況を考慮して「センター試験を受けていなくても、日本からの志願者は、日本の大学で1年間の学業証明があれば、ドイツの大学への全ての学科への出願は可能である」という注釈を加えます。この点については2005年2月に行われるZABによるドイツの全大学対象の会議でも特に説明を行います。(会議でこれについての告知がなされたことは確認済み)

この回答に基づき、anabinで案内する日本からドイツの大学への入学条件として、センター試験で62%以上の得点を取得することと並び、「日本の大学での1年間の学業証明」が加えられた。ただし、当初の告知では「ドイツの大学の全ての学科について出願が可能」となっていたものが一歩後退して、2012年3月現在では「これまでの学業内容に即した分野か、これに類する分野の学科への入学資格」となっている。

uni-assistに書類の審査代行を委託していない大学のなかには、上記の「センター試験必須」という旧来の条件が残っているところもないとはいえない。もしも志望先大学からセンター試験の証明書がないことで許可が得られない場合は、anabinの記載内容を示して、再度志望先大学へ理解を求めることをお勧めする。

A ドイツ語能力証明とは

ドイツの大学へ留学すれば、当然のことながらそこでの授業はすべてドイツ語で行われる。しかも高等教育機関である大学の授業なわけだから、専門性の高いハイレベルなドイツ語ができないと授業に参加することは出来ない。ろくにドイツ語もできない学生を受け入れてもお互いに困るし、安易に留学ビザを与えてしまえば留学以外でドイツへ入ってくるやからをいたずらに増やすだけ。というわけで、ドイツの大学に留学するには、事前にドイツ語能力を証明しなければならない。

ドイツ語能力のレベル

ドイツの大学でいきなり学科の専門科目を履修したい場合は、学期の始まる前にまずDSHという外国人のためのドイツ語試験に合格しなければならない。このDSH受験資格としてMittelstufe Tのレベルを求めている大学が多い。ちなみにDSH自体のレベルはOberstufe。難易度はかなり高い。
ドイツの多くの大学は、いきなり学科の専門科目を始めるのはまだきついという留学生のために、DSH受験のための特別なドイツ語コースを1学期単位で行っている。このドイツ語コースに入るにも試験があるが、この場合はGrundstufeUかMittelstufeT(大学によって異なる)のドイツ語能力が必要。こうしたドイツ語コースには殆どの場合Grundstufe用のコースはないので、Grundstufeを終えていることが出願の条件となることが多い。

いずれにしてもMittelstufeTのレベルに達していれば、ドイツ語能力の出願条件はクリアできる。MittelstufeTを日本語にすれば「中級の前段階」ということになるが、ドイツでMittelstufeTといえば最低600時間のドイツ語学習者が達するレベル(流暢に話ができ、幅広くかなり難しい文章の読み書きができる)と定義している。これに到底及ばないようなら、最初はドイツ語コースに行くような場合でも留学の計画はもう1年延長した方がいい。

ドイツの大学で通用するドイツ語証明書


ドイツ語能力を証明するためにはどんなものが有効かを下記の表で説明する。ただし、下記の全ての証明書がすべての大学で有効というわけではないので(表を参照のこと)個別には直接志願先の大学に問い合わせるか、複数の種類の証明書を送るようにしよう。
大学の成績証明書 大学生ならいちばん簡単に取得できる語学証明が、自分の大学の成績証明書。ドイツ語やドイツ語関連科目で600時間程度の履修を終えており、成績もほどほど("very good"や "good"が過半数を占める程度)ならば、これでMittelstufeTレベルと認めてくれる大学が多い。 ベルリン・フンボルト大学のようにドイツ語コースがない大学では600時間の学習証明では不十分。1000時間の証明が必要。
語学学校の
  修了証明書
ドイツ語学校に通って、そこで正式な修了証明書をもらえば、能力証明書として認められる。夏休みにドイツの大学で行われているドイツ語コースの証明書も認めてくれる大学は多い。いずれにしてもグレードと学習時間が明記されていることがポイント。 Duisburg大学など一部の大学では、ドイツ語学校で出す"Mittelstufe"等のグレードは評価されない場合あり。この場合は学習時間数のみ有効となる。
Goethe-Institutの
ドイツ語試験合格証
ドイツ語学校のGoethe-Institut(ゲーテ)はドイツならどこでも通用する正規の語学学校。ここで発行される語学能力証明は従ってドイツの全ての大学で有効である。ただし、一番レベルの低いZDの合格証は留学レベルとして認めていない大学が多い。ZMPを取得することが望ましい。獨協大学の学生はゲーテに通っていなくてもZMPの受験が可能。 マインツ大学、ベルリン・フンボルト大学、ポツダム大学などZDの合格証は認めていない大学が多いので、ZDでの志願は個別に各大学に問い合わせること。
大学の先生による
ドイツ語能力証明
Germanistikを専門とする大学教授に、グレードと学習時間数を証明する書面をサイン入りで作成してもらえば、そのままドイツ語能力証明として通用する場合がある。但し、これは留学先でGermanisitikを専攻する場合のみ、といったように条件が限られる場合もある。 大学の先生に証明書を出してもらえるなら、是非これを利用しよう。想像以上に効力を発揮する場合がある。
TestDaF TestDaFは2001年から世界で実施されているドイツ語統一試験で、TOEFLのドイツ語版とも言える試験。ドイツの全ての大学で有効なドイツ語証明となる。
読解、作文、聴解、口述の4項目でTDN5〜TDN3の3段階評価が与えられ、このレベルに達しないと全て「TDN3以下」と判定される。試験結果によってはDSHが免除となる。
日本でこの試験を実施しているのは2007年現在獨協大学のみ(応募方法)。TestDaFについてはリンク集よりTestDaFのサイトを参照のこと。
TestDaFは中級者以上を対象にした試験なので、評価で一番下のTDN3でも最低初級終了レベル(ゲーテのZDとZMPの中間ぐらいのレベル)は求められる。初級レベルで受けても一律「TDN3以下で判定不能」という評価しかもらえず、これではドイツ語能力証明にはならない。
大学の卒業証明書 日本の大学のドイツ語学科や独文科など、Germanistik系の学科を卒業すれば、そのままDSH免除で入学許可が下りる場合が多い。「留学は日本の大学を卒業して」というゆったり派は一番楽にドイツに留学することができる。 ドイツ語学科等を卒業してもDSHを課す大学は少なくない(マインツ大学、ベルリン・フンボルト大学)。また、卒業後にドイツの大学のDSHコースに通ったりするとDSH免除の資格は失われてしまうので注意しよう。
独検 ドイツ語試験で恐らく日本人が一番多く受けているのは「独検 (ドイツ語能力検定試験)」だろう。これは「日本国内のみ有効のドイツ語試験」と始めからあきらめるのは早い。独検 の各級のドイツ語の説明書きを添付して証明書を送れば、立派に語学証明として認めてくれる大学も少なくない。但し、認められるのは2級からというのが殆どなので、最低2級は取っておこう。 独検 の証明書をただ送るだけでは不十分。独検 はドイツでは殆ど知られていないので、独検 についての詳しい資料等を添付して、語学証明として認めさせる努力が必要。

※獨協生が獨協大学の留学制度を使って留学する際の資格・条件についてはこちらを参照。

出願先大学を決める

メインメニュー