新 ゼ ミ 員 募 集






テーマ  意味から考える英語の語法と文法

テキスト 影山太郎(編)『日英対照 動詞の意味と構文』大修館書店
     (高見健一『機能的統語論』くろしお出版)

内 容

 今まで習ってきた英語の語法や文法についての知識の中には、納得して覚えてきたこともたくさんある一方、ただわけも分からずに「英語ではそう言うんだから」と言われて丸暗記したものもあろう。でも、人間がこうして言葉を喋ることができるのは、言葉の規則をただ電話番号を覚えるようにして覚えてきたのではない。「こう言えて、ああ言えない」のにはれっきとした理由があり、とりわけ、問題としている文を意味の観点からいろいろと考えてみると、常識的にも「なるほど!」と納得が得られることが多い。
 このゼミでは、高校時代に習ってきた英語表現や実際にふだん使われている言い回しを題材にし、「なぜああ言えて、こう言えないの?」という素朴な疑問にぶつかり、その答えを見つけ出すことを狙いとする。
 例えば、次のようなことについて疑問を抱いたことはないだろうか。

(1)'write a letter to Mary'と'write Mary a letter'とは同じ意味だと習ったのに、どうしてbは言えないんだ!
   a. John wrote a letter to Mary, but later he tore it up.
   b.*John wrote Mary a letter, but later he tore it up.    
   (*が付いている文は、それが容認されないことを意味する。)

(2) 次の各組の文はどういう用法(意味)の違いがあるのだろうか。
  @ a. She is starving to death.
    b. She is starving himself to death.
  A a. An old man was sitting on the bench.
    b. There was an old man sitting on the bench.
    c. Sitting on the bench was an old man. 

(3) 「人を傷つける」という意味では同じなのに、どうして容認性に違いが出るの?  
   a. Jesse { shot / *knifed } him dead.
   b. Jesse { shot / knifed } him to death.

(4) 「そもそも、冠詞のtheってどういうときに使うんだ?」

 こうやって英語を勉強するついでに、その英語に対応した日本についても同じことが言えるのどうかも考えてみたい。英語と日本語は「違う!違う!」と言われているのに、どうして「こんなに同じなの!」と思うことはないだろうか。例えば英語の虹は6色で日本語の虹は7色なのに、「暖かい色=warm color」と言ってピッタリ対応する。
 また、「沸く」のは「やかん」ではなく「お湯(水?)」のはずなのに、どうして英語も日本語も「やかんが沸く」なんて非論理的な(?)表現を使うのだろうか。

(5) a. The kettle is boiling.
  b. ヤカンが煮えくり返っている。

 逆に、英語と日本語とが異なる例を挙げると、誰もいないと思っていた夜の学校の廊下で突然人影が見えたとき、無意識に口をついて出る言葉は次のように、英語では他動詞構文だが日本語では自動詞構文となる。どうしてか。もののとらえ方や発想が関係しているのだろうか。

(6) a. Oh, you scared me.
  b. あー、びっくりした。

 こういった疑問はほんの一部だが、このゼミはこのような素朴なことがらに「なぜそうなの?」と好奇心を抱く人であれば、今までの成績がぱっとしなくても、TOEICやTOEFLの点数が低くとも、語法・文法が苦手な人でも、とにかく、大学生活でクラブやサークルやバイトや男女関係以外でも「やった!!」という思い出がほしい人であればだれでも歓迎する。(新4年生も応募可) テキストは、このような分野を初めて勉強する人にもわかりやすく、現在の研究を見渡し、問題点を整理し、間違いやすい英語にも注意を払うよう書かれているので、あとはまじめにやりさえすれば、英語学科に学ぶ大学生として恥ずかしくない、いや十分自慢できるだけの知識が身につくことは請け負えよう。

 
※なお、本ゼミには現3年生の応募も可。また、他学科の学生であっても、学則で認められた他学科科目の履修として来年4月に登録が可能。希望者は相談に応じる。その他の情報はゼミのホームページ参照のこと。また、そこに記載の電子メールアドレスへの問い合わせ、電話や研究室に来訪しての質問も可。


〜『2002年度 演習の手引き』より〜