勉強と関連する参考文献





  

今まで習ってきた英語の知識の中には、納得して覚えてきたこともたくさんある一方、ただわけも分からず「英語ではそう言うんだから」と教わって棒暗記したものもある。でも、人間がこうして言葉を喋ることができるのは、言葉の規則をただ電話番号を覚えるようにして覚えてきたからではない。「こうは言えてもああは言えない」のにはれっきとした理由があり、しかも「なぜそう言えるのか」という背景には、問題となる表現の意味しようとすることをよく考えてみると納得のできる説明が得られる場合が結構ある。とりわけ、問題となる表現を意味の観点からいろいろと考えてみると、常識的にも「なるほど!」と納得のいくことが多い。

 このゼミでは、高校時代の英語の授業で習ってきた語法や文法、あるいは実際にふだん使われている表現を題材にして、「なぜああ言えて、こう言えないのか?」という素朴な疑問にぶつかってその答えを見つけ出そうとすることを狙いとする。また、同時に、同じような表現が日本語ではどうなるのかということにも関心をもってもらいたいと思っている。

 たとえば、英語と日本語は「違うんだ!」と言われているのに、どうしてこんなに「同じななんだろう」と思うことはないだろうか。例えば英語の虹は6色で日本語は7色なのに、「暖かい色=warm color」と言ってぴったり対応するし、次のような例もそうだ。

 

(1) 沸くのは「やかん」ではなく「お湯(水?)」なのに、どうして英語も日本語も「やかんが沸く」なんて非論理的な()表現を使うのだろう。

a. The kettle is boiling.

b.      ヤカンが煮えくり返っている。

 

逆に、英語と日本語とが異なる例を挙げると、誰もいないと思っていた学校の夜の廊下で突然人影があらわれたとき、無意識に口をついて出る言葉は、英語では他動詞構文だが日本語では自動詞構文となる。どうしてだろう?もののとらえ方や発想の仕方が関係しているのだろうか。

 

 (2) a. Oh, you scared me.

      b. あー、びっくりした。

 

また、「説得する」=‘persuade’なのにどうして次のような差がでるのか?(*は容認されないことを示す。)

 

  (3) a.*I persuaded John to go, but he did not go.

      b. ジョンに行くように説得したけれど、行かなかった。

 

これは、英語が「スル型」言語で日本語が「ナル型」言語だからのようだ。

同じように、前置詞が挟まっているかどうかで容認性が異なるのも、英語が「スル的」だからである。

 

(4) a. John shot the elephant dead. (撃ち殺した)

      b.*John shot at the elephant dead.

 

あるいは、次のような疑問を発したことはないだろうか。

 

 (5)write a letter to Mary’と‘write Mary a letter’とは同じ意味だと習ったのに、どうし

   bは言えないのか?

      a. John wrote a letter to Mary, but later he tore it up.

      b.*John wrote Mary a letter, but later he tore it up.

 (6) 同じ事態を表現するのになぜ別の前置詞を使えるのだろう?

a. I’m standing { on / in } the street.

       b. I saw a plane fly { over / above } the hill.

  (7) 同じような否定の表現なのにどうしてaは「外出した」と「家にいた」という2通

   りの意味をもつのに、bは「サラダは好きだけれどトマト入りのは嫌い」という1

     の意味しかないのだろう?

      a. I did not stay at home because I had work to do.

      b. I do not like salad with tomatoes in it.

 

こういった疑問はほんの一部の例に過ぎないが、このような素朴なことがらに「なぜそうなのか?」と好奇心を抱き、大学生活でクラブやサークルやバイトや男女関係以外で「やった!」という思い出がほしい人であればだれでも歓迎する。あとはとにかくまじめにやりさえすれば、英語学科に学ぶ大学生として恥ずかしくない知識が身につくことは請け負えよう。そして、(これが大学で勉強することのいちばん大切なことであるが)そうやって真面目に「なぜ?」ということにたいする答を見つけ出そうとすることによって、発見の喜びを知り、その過程で、ものごとを筋道立てて考える習慣を養い、そうやって身につけた論理的思考方法を、将来実社会に出たとき、対象は異なろうとも、取り組む問題や現象が「なぜそうなっているのか?」と探りその解決方法を見つけるために役立てられるようになるであろう。

 

<以下のことも参考に>

     ゼミの授業では上のような問題のすべてを扱うことはできない。広く勉強したい場合は、「意味論」「カレッジ・グラマー」「専門講読」を履修してほしい。

○ 授業は、先生役になった複数の学生が順番にテキストを説明し、それについての質問・討論から始まり、さらに選ばれた小説や映画のシナリオやエッセイなどの英語テキストに出てくる、英語表現について調べたことをわかりやすく発表してもらう。そして勉強をやった記念として、卒業時にゼミ論を提出してもらう。

(教職を含む)就職時にTOEFLTOEICの点数が結構ものを言うため、自分の英語力を知り、目標を立てるため、年2回受験してもらう。

     合宿は、今年度の例でいえば、春休みと夏休みの終わりころに3泊で行う。

     ゼミ生同士の親睦を図るため、たまに食事会を行う。そのときに、「社会学講座」と称して、社会人を招いて就職のことなど色々とためになる話をしてもらう。

     問い合わせ先: 研究室 中央棟537号室(火・水・金の昼休み)

         電  話 (048) 941-6182(自宅/ただし、非通知お断り設定になっている)

             (048) 943-2198(研究室/火・水・金の授業時間以外に通じる)

             

担当教員の考え方などを知りたいひと大学ホームページの「在校生の方へ」→「授業関連のお知らせ」→「教員紹介」あるいは、大学ホームページの「ゼミ・授業のページ」→「府川謹也ゼミ」→「先生の部屋」を参照のこと。

…… 「2007年度 演習の手引」 より