松井ゼミについて −− ゼミを志望する皆さんへ −−


 今年もゼミ募集の時期がやってきました。以下に松井ゼミのこと、ゼミに対する私の考えなどを記してみましょう。

 ゼミで学ぶことは、データ解析の方法と、その実現 − 実際のデータに応用し、それぞれの方法の意味をより深く理解し、データの由来する現象を深く見つめること − にあります。

 データの取り扱いや、データ解析の方法はコンピュータと密接に関係しています。経済学部の学生は1年次にコンピュータ処理についての基本的な能力を得ているはずですが、それでも新たにゼミを迎えるとすぐにコンピュータの使い方について、再度その基本を押さえるための努力をしてもらっています。コミュニケーションやメディア操作、シミュレーションや計算などの手段として十分にパソコンを使いこなせるように徹底しているわけです。

 今ご覧になっているホームページの作成もそんな中の一環です。ホームページ作りはもはや多くの人が経験している作業ですが、それでもまだ作成したことのない学生もいるため、ゼミ生にホームページ作成の基本と、いかにクリエイティブな情報発信のための発想が出来るかということを理解してもらうために、4月になるとさっそく、他に色々と忙しい中、しかも1ヵ月程度の作業なので十分なものはできませんが、ゼミ構成員のホームページを作成してもらっています。「ゼミ生紹介」の個所でゼミ生各人の作ったものをご覧いただけると思います。技術的にはともかく、あまりとらわれない自由な発想のものが多いと思います。短期間でもこのくらいはできるのです。別にホームページ作りが簡単だとか難しいというのではなく、要は若さにあふれた印象的なものであればということです。ゼミの卒業生には情報処理全般にかかわるプロもおり、それらの人たちの観点からはまだまだ幼なく、センスもまだまだということでしょうが ...。

 このようなもの作りのための作業は、ゼミ員同士の協調性に大きな意味を持ちますが、こんな作業から出発して、順を追ってデータ解析の方法と、その実現に向けてのゼミ活動が始まるわけです。







 さて、今年のゼミ募集の案内には次のように記しました。来年3年生、2年生になる皆さんへの案内を順次載せておきます。もう一度読んでみてください。


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データ解析の方法(新3年用)



松 井  敬

 データ(data)を辞書で引くと「(観察によって得られた) 事実、知識、情報」あるいは "assumption or premise from which inferences may be drawn" とある。データ解析とは観察や実験、調査などを通して得られたデータの由来する諸現象について、それらの本来的な知識や情報を得るための方法であり手段であるといえる。

 データには様々なものがあって、映像や文字を含むもの、プロ野球で使われるような経験や直感にもとづくものも“データ”と呼ばれている。このゼミで考えているのはこのようなデータに対峙する感性(データマインド)を磨く−すなわち、ものの見方を鍛える−ということである。

 諸君が就職に際して求める関心領域は様々であろうが、たとえ異なる場であってもデータの獲得の仕方や見方には共通した部分がある。ゼミではそのあたりをSASなどの有効なアプリケーションを使いながら探っていきたい。

受講生への希望等  「情報」処理能力はこれからの社会で大変重要な「力」であるが、ただボーッとしていてそのような力が得られるわけではない。いろいろな現象に興味を持つ、データで表現する、コンピュータで実際に処理を行うといった自助努力が必要である。私の方からもホームページ、インターネット、SASなどに関連した諸資料は準備するが、何よりも受講者の熱意が必要であることを強調しておきたい。  ゼミは和やかに、楽しくをモットーとしている。

履修すべき科目  統計学、情報処理概論など。詳しくは説明会のときに。


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データ解析の方法(新2年用)



松 井  敬

 情報処理の基礎をようやく終えたばかりだが、2年生のゼミではデータマインドの獲得と、より高い情報処理能力の涵養に向けて、次のようなことを考えている。 (1)より高い情報処理能力の獲得(インターネットの周辺のこと、ホームページ作り、より高度のエクセルなど)。 (2)コンピュータを通しての統計的諸概念の確認とシミュレーション技法。 (3)統計的アプリケ−ションの利用と処理能力(応用力)。

 なお、2年次のゼミを終えた後、3年次以降については次のような進路が考えられる。(1)統計的データ解析の研究 --- 方法論と応用。 (2)コンピュータ(情報)処理にかかわる研究。 (3)データマインドを持って、他の分野に進出。

 いずれの方向に進むにしろ、長期的な展望と将来の専門の方向を意識しながらゼミの選択に望んでいただきたい。

受講生への希望等  ゼミを希望する学生の皆さんには計数マインドを期待したいが、実際には色々なタイプの学生がいてよいと思っている。しかし、データ、統計、数学、パソコンなどが好きな学生がぜひ志望して欲しい。

 ゼミの大事な点は専門を共有した人間関係で、先輩後輩を含めたなごやかな人間関係を築きたいと思っている。ゼミへの帰属性の強さ、関わりをゼミ志望の皆さんには強調しておきたい。なお、必ずゼミ別ガイダンスに出席してゼミの内容その他のことを確認しておくこと。

履修すべき科目  統計学、情報処理概論など。詳しくは説明会のときに。




 なお、昨年の案内(新3年生用)は次のようなものでした。今年からゼミの履修システムが変わり、来年度3年生と2年生とでは方向性は同じですが、内容に若干の違いがあります。参考のためにあげておきます。

  昨年の案内

データ解析の方法



松 井  敬

 大学にいて何を目標にしてよいか分からず、あたら無為の時をすごしている−しかも、こちらが方向性を示すとかなりやれるのに−といった学生を見かけることが多い。かくいう私も、工学部で機械工学を選んだのはつぶしがきくからという程度の認識でしかなくて、専門に集中しようと思ったのはゼミも決まった2年の終わりくらいからだった。
 経済学部もいわば「つぶしのきく」学部であろうが、それも景気のよいうちで、今の時代、はっきりとした目標、他に優れた専門性を持たなければ卒業後の30,40年をまっとうするのは難しかろう。
 ゼミではデータの扱いについて研究する。データはその背後に自身を生み出す現象の本質を抱えている。それをどのように明らかにしてゆくかということであるが、単なる技法だけでなくデータの持つ本質に迫る方法論の議論も含め、専門への志の高い演習にしたいと思っている。

 受講者に対する希望等:
 データを自在に扱えるということは物の見方、考え方に大きな手段を得たことを意味している。しかし、ただボーッとしていてそのような力が得られるわけではない。色々な現象に関心を持つ、データで表現する、コンピュータを使いこなすといった「努力」が必要である。ホームページやインターネットなども含め、私の方からも諸資料は準備するが、何よりも受講者の熱意が必要で、それが無ければどうにもならない。
 ゼミは和やかに、楽しくをモットーとしている。

 履修すべき科目:
 情報処理概論、統計学など。詳しくは説明会のときに。

−− ゼミ募集の案内 −−−>|





ゼミ活動の具体的なことを幾つか記してみましょう。

 ご存知と思いますが、獨協大学の情報基盤は大変良く整備されております。新たに建設される建物のように目に見える形のものではありませが、このことは特筆すべきことであります。メール、インターネット、図書情報など、これによって私たちの得ることの出来る、あるいは使うことの出来る情報リソースは莫大な量にのぼります。

 ゼミではこれまでも情報の取り扱いにかかわる基本的な事柄の習得から出発し、データ処理の方法について勉強してきていますが、情報環境が良く整備されてきていることを考えに入れ、インターネットなども含め、ダイナミックに情報リソースを利用できればと思っています。





情報の基本操作

 今パソコンでは(単体でも、ネットワーク化されたものでも)色々なことができます。ウィンドウズの操作はもちろんのことワープロや表計算、メールやインターネットといった基本は全在学生の必須事項となっていますが、その上でもっと自由なパソコンの使い手となってもらいたい。いわゆるマルチメディアとして音楽、映像、資料、ゲーム ...など十分に使いこなしていただきたい。使うにつれて、奥の深さを実感することかと思います。

データの収集と処理

 これまでゼミではデータを集めるということをゼミの中で何回かにわたって要求してきました。しかしこれがなかなか難しい。一見どこにでもありそうなデータもいざ適切なものを探そうとなると大変です。いわんや自分で作り出すのはもっと難しい。インターネットを利用したいとの発想はここからきています。インターネットを利用した統計、データ処理の教育はアメリカでも話題になってきていますが、事実インターネットはデータの宝庫なのです。ただし英語力も必要ですし、目的のものを探し出すことはなかなか思うようにはゆきません。

 いうまでもなくデータはそれを使ってなんぼのものです。その加工、処理の方法、を知ろうというのが次の目標です。これには様々なアプリケーションが準備されていますが、これらアプリケーションの助けを借りてデータにその由来するところを語らせようということです。

自己表現

 インターネットは見に行く − 情報(データ)を得る − ことばかりが強調されすぎているきらいがあります。これは情報の大きな発信基地でもあるのです。インターネットを使った情報発信は今後ますます必要になりますし、盛んに行われるようになります。このためには簡単な言語の習得が必要ですが、まずこの送る方法を知ろうということです。もちろんこのためには送る内容を持つ人間でなければなりません。これについては別のところにも記しました。

 ゼミを志望する方々に伝えたいメッセージや、また要求したいことは色々とあります。以下に少しばかり記しておきますが、実際にゼミ志望の皆さんに会ってお話することもできます(中央棟・研究室)。ぜひ訪ねてきてください。なお、ゼミの行事などについては「ゼミ年間予定」の欄を見るか、あるいはゼミ生からの説明を聞いてください。(注:新2年生についてはゼミの年間予定がこれまでのものと変わるかもしれません)。





 

ゼミへの思い

 私の学生時代のゼミの原風景は 「猪苗代の青田の上をそよぐ風とともにある」 といえます。
 3年になった最初のゼミ合宿が猪苗代で行われ、武谷三男編「自然科学概論」を輪読したのですが、遅ればせながらそのとき始めて「社会」というものを意識することになりました。それまで「人生」や工学部でありながら文学的なことを好んできた私の人生の方向を決めた場であったといっても過言ではないと思っています。それだけに教師となった今もゼミのあり方についての思いは深いわけです。



 ゼミは専門のことに限らず様々なことを得る場であると思います。たとえば、大学での友人関係は1年のときのクラスやサークルから始まるわけですが、3年のゼミから始まる人間関係はそこに専門を共有することによる連帯感があるだけにそれなりの強さがあります。専門に対する思い入れや時間のかけかたには、ゼミ生によって差異があるのは当然です。しかし、共同で人間関係を含む何かを構築し、何かを求めてゆこうとするその姿勢が大事で、ゼミに迎えたいのはそういった点で真摯な学生であります。ゼミでは毎回言っていることですが、ゼミはこれから一生続くつきあいの第一歩なのです。

 今はいろいろな意味で大変困難な時代であります。何もかもありそうで、それでいて何か満たされない。自己のアイデンティティがなかなか見つけがたい。もっと俗にいってみれば、就職ひとつとっても難しく、夢を持てないような世の中となっています。しかし、こんな世の中だからこそ一人一人が自立した、自己主張のできるそして孤独にも耐えうる人になってほしいと思います。世の中自分勝手で大勢順応で、想像力の無い人たちが何と多いことでしょうか。



 かといってゼミは面白くなければならない、楽しくなければならないと思います。それにはゼミに参加する皆さんの積極的な関わりが必要となるわけです。
 ゼミで目指しているのは必ずしもコンピュータや情報ないしデータ処理の教育だけではありません。コンピュータもデータ処理の方法もそれを使って始めて生きてくるのであって、結局はそれらの生かし方、様々な事柄への問題解決能力を身につけてもらうことが最終の目標となります。別な言い方をすると、現実の社会に発生する事柄 − 政治も経済もあるいは家庭内のことも − にキチンと対応できる能力を身につけてほしいということなのです。コンピュータやデータ解析の方法はそんな人間形成やコミュニケーションのための媒体であるといってよいと思います。

 昨今はインターネット、インターネットで、情報化社会などという言葉が古めかしく聞こえるほどになっています。言葉が先行しているきらいはあるし、ちょっとまとはずれとも思えるような主張もあるが、インターネットは確かに面白いし、可能性も秘めている。何かと関わりを持ってみるのも面白そう − というより関わりを持たざるを得なくなりそうであります。ゼミではこの辺を大いに逍遥(いわゆるサーフィン)してみたいと思っています。



おわりに ...

 毎年2回の合宿は討論やディベートの場で、「議論する場」となっています。もちろんテーマはその役に選出された学生を中心に決められます。何十人もの仲間の前で自己主張するのは最初は大変な緊張を強いられることですが、これも前に述べたように、自分とは何であって、何をしたいのか、何をするべきかといった、アイデンティティの確認といった趣旨から始めたことです。要するに、ゼミに参加する皆さんに望みたいことは、主体性、参加、目的意識といったことであります。そういったことがあれば、技術的なことはすぐに乗り越えられるのです。こういった学生諸君によって、ゼミがなごやかな雰囲気、協調して、そして想像力あふれる形で運営されることを願っているわけです。


 おわりに ...と書きながら、ここまで読んでいただいた学生にごくろうさまといいつつ、ゼミ生への期待を要約すると ...

 1.自己の確立、動機づけ −− 終身雇用などといったことが余り期待できない中で、今後30年、40年生活していくわけですが、大きな視点でものを考え、変化に十分対応できる人間であってほしいということ。

 2.友人,人間関係 −− 専門を介した中で、生涯の友を得てほしいということ。

 3.大人になる、自立できる、孤独に耐えられるといったこと。千万人といえども我行かんの気概。

 生涯にわたる専門基礎の涵養に十分努めると同時に、上記の点を大いに期待しているところです。



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