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教員メッセージ

2022年経営学科長平井岳哉の挨拶

経営学科長 平井岳哉

これからの大学生活について

経営学科1年生の皆さま、ご入学おめでとうございます。数ある大学から本学を、そして数ある学科から経営学科を選んでいただいたことに、感謝を申し上げます。

国内に新型感染症が蔓延し始めてから約2年が経過したものの、終息の時期はいまだ定かではありません。感染症の蔓延と小康状態が定期的に繰り返される中で、とても残念ですが皆さんの大学生活が始まります。

まずもって、ご家族を含めて健康にご留意していただきたいと思います。そして、こうした制約の中でも、有意義な時間の過ごし方を発見・創造していただきたいと思います。

大学が高校教育と根本的に異なっているのは、第一に、学生個人が自主的に授業科目を選択して履修することです。各学部および各学科では所定の決められた科目(授業)群があり、その中には必修科目もありますが、一方で多くの選択科目があります。

1年生時は必修科目が大半なのですが、学年が上に行くにしたがって選択科目の比率が圧倒的に増え、学生達は各自の判断で科目を選択することが可能となります。

同じ教室で待っていれば、教師がやってきて授業を行うというスタイルではありません。学生個人が教室を移動して履修するスタイルに代わります。

この場合、どんなに仲がいい友人がいたとしても、選択科目は自分で選ぶことをおすすめします。他人が選んだ科目に付き合っても、必ずしも自分にとっての楽しい科目にはならないからです。

第二に、大学の授業科目の多くは高い専門性をもった内容の深い授業になっています。その学問領域での主流をなしている学説や理論、現在の最先端の考え方など、いずれの科目も皆さんの「知的な好奇心を満たす面白い」内容となっているはずです。

特に経営に関連する学問の多くは、企業や社会での適用や応用を念頭につくられたものが多く、今すぐ自分の身のまわりの生活で役立つはずです。一方で、皆さんが社会人として企業などで仕事をしている時に効果が発揮されるものもあります。

自分の意思で選択した科目群の履修を通じて蓄積した知識は、やがて自分のセールスポイントとなる専門的知識となり、自分が社会で生きていくための武器(自分の強み)になっていくことになります。

経済学部では、ゼミナール(演習)という専門分野における少人数教育を2年生から開講しており、ここでの熱意をもった履修をお願いしたいと思います。同時に、皆さんには、自分の関心のあるものをできるだけ早く見つける、そして、それを長期にわたって続ける努力をしてほしいと思います。

第三に、大学生活は授業履修だけで完結するわけではありません。社会人における人物評価を見ると、学業成績も重視されますが、その一方で大学時代にどんな経験をしたかが問われています。

最近の就職活動での面接やエントリーシートでは、「今までの自分の最大の失敗談と、それをどのように克服したか」といった質問があります。学生本人の総合的な魅力、いわゆる人間力が求められているのかもしれません。とするならば、大学内でのクラブやサークル、ゼミナール以外に、アルバイトや地域でのボランティア活動、留学・旅行、習い事やコレクションなどの自分の趣味、さらには資格取得などいろいろなことに積極的に挑戦してほしいと思います。

私は、経営史という時間軸をからめた学問を専攻しています。これに関連した話を1つだけしたいと思います。新型感染症に関して、蔓延以前の単調だった生活が実はかけがえのないほど安寧で豊穣な生活であったことに、われわれは気がついたはずです。

同時に、世の中には理屈や論理では通用しない不条理な出来事が存在し、それがいつ起きるか誰もわからないことも体験しました。こうした時代の断絶面を、科学史の世界では「パラダイム・シフト」といいます。天動説から地動説への変化のように、それまでの知識や価値の基盤が全面的に転換することを意味します。

感染症が完全終息しても、生活や仕事での遠隔通信の活用が減少するとは思えません。人々の価値観が劇的に変化したのです。企業経営者を主人公にするならば、旧来の価値基盤から脱却して、これから構築される新しい価値基盤に見合った経営をする者が生存・繁栄の果実を獲得することができるのです。時間の流れを客観的に、そして冷徹に眺める術を皆さんには持ってほしいと思います。

最後に、大学生活の中には1人1人の学生にとって、これからの人生における多様な選択肢と無限の可能性が満ちあふれています。貴重な4年間の時期を大いに楽しんでください。

われわれ教職員は、皆さんにこの教育環境の中で選択肢と可能性の機会をできるだけ数多く提供・提示していくとともに、皆さんの将来への道筋におけるアドバイスやフォローを全力で行っていきたいと思っています。

キャンパスで、そして授業で、皆さんとお会いしたいと思います。

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