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Last modified on June 29, 2012

 

A Good Man is Hard to FindThe Assistant



「英語専門講読」(島田)受講者へ(April 23, 2012)

    このホームページを使って連絡事項や課題などを掲示していきたいと思います。


    お知らせ:

  • 授業での配布物は、中央棟617研究室のドア脇のスツールの上に置いています。未取得の方は、取りに来て下さい。



「英語専門講読」(島田)

講義の目標

  まず第一に「英語で」小説を読むことにより英語力の向上を図ること、第二に討論による作品理解を深めることを目的とします。

講義概要

  20世紀最大のアメリカ作家と言われるWilliam Faulknerの最高傑作The Sound and the Fury (1929)に挑戦します。難解な小説と言われていますが、100%理解できなくても十分楽しめ、人間の想像力の素晴らしさを味わうことが出来る作品です。いくつかの例外はありますが、比較的平易な英語で書かれている箇所も多く、一般的に言われているほど英語学習者にとって読むことが困難な小説ではないと考えます。最近はインターネット上で難解な箇所を解き明かしてくれるサイトなども出現していますので、それらを利用すればさらに理解を深めることが出来るでしょう。アメリカ南部が舞台の作品ですが、「家族崩壊」、「初恋」、「兄弟間の愛贈」など現代の学生諸君にも十分理解・自己投影できる普遍性をもった作品と考えます。

  質問表は教師が用意し、教師が討論の司会をしますが、途中から、学生諸君にプレゼンテーションや司会をしてもらうかもしれません。

  授業で積極的に発言して、討論・意見交換に参加する学生の受講を希望します。

授業計画

春学期:
第1回〜10回:第1章
第11回〜15回:第2章前半

第1週に授業の進め方などについての説明と質問表にもとづく質疑応答・討論による体験授業を行います。
第2週以降、質問表にもとづく同様な方法で毎回平均ほぼ10〜15ページずつ読んでいく予定です。

秋学期:
第1回〜5回:第2章後半
第6回〜15回:第3章と第4章

テキスト

William Faulkner, The Sound and the Fury (Vintage International, 1990)

参考文献

The Sound and the Fury: A Hypertext Edition このページの画像(本の表紙)をクリックしてください。

評価方法

  学期末の試験、および平常点(出席点ではありません。授業での発言による貢献度を加味します)
  基本的には100点満点の試験の結果を基に、授業中の質疑応答、討論への参加度を加味して最終評価を出す予定です。

学生への要望

  やむを得ない事情で、欠席する場合は、e-mailでshimada@dokkyo.ac.jpに欠席届を出してください。その際、メールの件名は、講読欠席:自分の氏名と入力し、本文に欠席理由を書いてください。就活の場合は、就活イベントの内容(説明会、試験、面接など)、場所(最寄り駅)、日時なども明記してください。会社名は、書かなくても構いません。特別な事情がない限り、無断欠席が4回以上になった場合は、受講者名簿から削除します
毎週の予習をこなして授業に臨んでください。英語でテキストを読み、質問表の答えを自分なりに用意して授業に来てください。そうしないと、上記「講義の目標」を達成することが出来ないばかりか、授業に出席することが苦痛になるはずです。

今年度卒業予定の学生諸君へ

  4年生から「就職活動などは考慮していただけるのでしょうか」という質問がありました。他にも同様な心配をしている方もひょっとしたらいるかも知れないと思い、このホームページを使って回答いたします。
  この授業の評価方法は最初の授業で説明したように、上記「評価方法」の通りです。「就職活動などで欠席が多い学生は多少定期試験の成績が悪くても考慮する」とは書いてありません。「欠席が多い人は点数が低くて当たり前だから、悪い点でも単位をあげますよ」という評価方針は間違っていると思うからです。ただし、平常点は出席点ではありませんので、一度も授業に来なくても、上記の欠席届をメールで送っていれば、減点することはありません。試験に60点以上とれば、単位を取得することが可能です。しかし、授業内容を知らないまま受験して、60点以上とれる学生は極めて希と思います。この授業の単位が卒業に必要な単位なら、当然ですが欠席した授業の内容がどのようなものであったかを理解しておくことが必要と思います。
  私の専門講読の試験は、質問表の質問の答えが分かれば、大丈夫という説があるようですが、それは必ずしも正しくないので、もし質問表の自学自習によって試験に対応しようとしている方がいましたら、ご注意下さい。出題形式はテキストの引用部分の解釈を求めるものです。引用が直接的に質問と対応している場合もありますが、そうでない場合もあります。質問の答えを導き出すのに必要な複数箇所の一つが引用(出題)されたり、ある質問との関連で解説されたりした箇所が出題される場合もあります。「卒業に必要な授業」であるなら、しっかり予習して授業に臨むことが賢明と思います。どんなに行きたい企業の内定がもらえても、卒業できなかったら就職できないのですから・・・


講義予定(進行状況):各週にやったことを掲載していく予定です。


春学期

Week 11(6/28): テキストThe Sound and the Furyの質問表39番までを終了。但し、38番の最後の質問は保留。配布物: 無し。次週の課題: 質問表40番の質問から、第2章(June Second, 1910)の3番まで。

Week 10(6/21): テキストThe Sound and the Furyの質問表33番の途中から質問表35番までを終了。Benjyの名前付け替えシーンと考えられる箇所を以下に示します。#数字は、シーンの順番を表します:
#3 What you want to get her...(p. 56),
#4 I could hear the clock...(p. 57),
#5 That's right, Dilsey said....(p. 58),
#1 Your name is Benjy...(p. 61),
#19 Versh set me down...(p. 61),
#2 We could hear the roof...(p. 62),
#6 Father took me up. He smelled like rain...(p. 64),
#7 You can look at the fire...(p. 66),
#8 We could hear the roof...(p. 66),
#9 I could hear the roof...(p. 67),
#10 Versh smelled like rain...(p. 68),
#11 Versh said, Your name Benjamin now...(p. 69),
#12 Versh said, "You move back some....(p. 70),
#13 Steam came off of Roskus...(p. 70),
#14 It got down below the mark...(p. 70),
#15 Roskus said, "It going to rain...(p. 71),
#16 Then I don't know what...(p. 71),
#17 "She sulling again...(p. 71),
#18 "Mother's sick again...(p. 71),
#20 Caddy gave me the cushion...(p. 71)
配布物: なし。次週の課題: 質問表36番の質問から41番(テキスト、p. 75)まで。

Week 9(6/14): テキストThe Sound and the Furyの質問表29番(途中)から33番(途中)までを終了。次週の課題: 質問表33番の質問から38番(テキスト、p. 71)まで。

Week 8(6/7): テキストThe Sound and the Furyの質問表23番(途中)から28番までを終了。配布物: 無し。次週の課題: 質問表27番の質問から34番(テキスト、p. 53)まで。

Week 7(5/31): テキストThe Sound and the Furyの質問表20番の最後の質問から23番までを終了。Dummadyの死、Quentinの死("June 2, 1910" この時、Benjyは15歳)、2年後にMr. Compsonの死、Roskusの死。Caddyは白人は死なないと思っている。なぜ、そう信じているのか?社会的、歴史的背景。配布物: 第1章の最後の質問表と第2章最初の質問表。次週の課題: 質問表24番から29番(テキスト、p. 39)まで。

Week 6(5/24): テキストThe Sound and the Furyの質問表16番から20番までを終了。"They got company tonight."(p.23)=「今晩はお客さんたちが来ている」 "You'll know in the Lawd's own time."(p.25) the Lawd's own time=the Lord's own time=神が定めた時=the Day of Judgmentを指すが、「神様が定めた時が来たら、分かる」=「分かる時が来たら、分かる」と解釈できる。"They been two, now."(p. 29) "two"=Dummudy and Quentin 「もう、これで(死んだのは)二人目だ」配布物: なし。次週の課題: 質問表28番までの答えを準備する。

Week 5(5/17): テキストThe Sound and the Furyの質問表12番から15番(テキスト、p. 22)まで。小川でCaddyが7歳の時、Compson家の子供たちが遊ぶ記憶は、Benjyの一番古い記憶で、この章の現在についで主要な意識の流れ。Quentin, Caddy, Jasonの性格対比。Quentinは、騎士道精神的な価値観を持つが無力、Caddyは、自己主張が強く、たくましく、叛逆精神あり、Jasonは、ひとりで遊び、兄や姉から距離を置く。"Caddy was all wet and muddy behind...Caddy smelled like trees in the rain."(p. 19)泥で汚れたパンツ(下着)はCaddyの将来を予兆。まだ木の匂いがするinnocentな状態との対比。3歳前後のBenjyはまだ知的障害があるとは認識されず、伯父さんからもらった名前で呼ばれていた。T. P.とBenjyは地下室で見つけた大量の瓶の中身を飲んだもよう。配布物: 無し。次週の課題: テキストThe Sound and the Fury質問表16番から21番(テキスト、p. 32)まで。

Week 4(5/10): テキストThe Sound and the Furyの質問表7番から12番(テキスト、p. 17)の途中まで。プリントのタイムスリップした箇所にある記号は、P=present(現在で1928年4月7日)、UM=Uncle Mauryで、Caddy, BenjyがMrs. Pattersonに恋文を届けるエピソード、C=cemetryで、Mrs.CompsonがBenjyとともに夫と長男Quentinのお墓参りに行くエピソードを示し、数字はそのエピソードの断片の順番を示す。Caddyの娘の名前もQuentin(プリントのp. 7)。何軍兵士の像を中心にしてロータリーを馬車が回るシーンは、この小説の最後にもある。小川に飛んできたゴルフボールをLusterたちが取り合うのは、ボールを白人(white falks)に売れるから。studying=concerned with, bothering about, considering, usually in the negative: "I aint studying no quarter." (p. 14); "I aint studying that show." (p. 15) 配布物: 無し。次週の課題: テキストの26ページまで読み、 質問表(Wordファイルです)の18番まで考えてくること。

Week 3(4/26): プリントThe Sound and the Furyの第1章"April Seventh, 1928"のp. 7の第3パラグラフ "Yessum," T.P. said.まで、質問表の6番までを終了。Benjyの「意識」の跳び方について解説:イタリック体の部分はその時点に彼の意識が完全に移動していないで、跳ぶ以前の時点に意識はまだ残っている傾向がある(あくまで「回想」と意識されているために引用符が省略されている)。一方、普通の書体の部分は、完全に意識がそこの時点に移動しており、臨場感のある語りになっている。主要ポイント: Versh, T.P., Lusterの3人が順番にBenjyの「おもり役」になっているので、各々のエピソードの年代を知る目安となる。Mrs. Compsonの否定的性格とBenjyへの対処の仕方に注目("It's a judgement on me.")。Uncle Mauryの一見理解のある言動には裏があるので要注意("toddy"=a drink made of water, lemon [optional], sugar, and burbon whisky; "the bottle"=whisky bottle)。Benjyの舌足らずな表現は時には詩的("The sun was cold and bright.")。嗅覚はBenjyにとり世界を把握する重要な手段("I could smell the cold." "Caddy smelled like leaves.")。leavesやtreesの匂いがするCaddyはまだ汚れていないinnocenceな状態を示す。"Caddy smelled like trees and like when she says we were asleep."の直後、なぜ「現在」が割り込んだのか?Uncle Mauryはなぜ帰宅したCaddyを呼んだのか?語句: p. 5 ahun=iron; Nome=no, ma'am; yessum=yes, ma'am. 配布物: <なし。次週の課題: テキストの20ページまで読み、 新質問表(Wordファイルです)の14番まで考えてくること。テキストをまだ購入していない人は、テキストのプリント(3枚)を用意して研究室のスツールの上に置いてありますから、取りに来てください。

Week 2(4/19): プリントThe Sound and the Furyの第1章"April Seventh, 1928"のp. 4の第1パラグラフまで精読、そのあとp. 4の下から7行目までを読む。質問表の1番と2番を復習。3番までを終了。この章のnarratorであるBenjaminのnarrativeの特徴や"stream of consciousness"について解説。語句:p. 4 hickeynuts=hickory nuts; squirl=squirrel主要ポイント: Benjyがゴルフ場を"pasture"と呼ぶ理由。"April Seventh, 1928"は彼の33歳の誕生日、キリストが十字架にかけられたのは33歳のとき。"April Eighth, 1928"は復活祭。彼はidiot(知的障害)のため、ビデオカメラのような描写、語りをすること(例えば、目に直接見えることしか描写しない: "I could see them hitting." "Luster threw." "...and pointed his arm.", etc.)。タイム・スリップする(意識が別の時間帯に跳ぶ)ときは何らかの理由がある(例:以前と同じような経験[最初のタイム・スリップではおそらく同じ場所で釘に引っかかったこと]をした時点に跳ぶ)。次週の課題: テキストを読み、質問表の9番までの答えを準備する。

Week 1(4/12): 授業のやり方、評価方法などの説明。この小説の構成などについて概説。プリントThe Sound and the Furyの第1章"April Seventh, 1928"のp. 3の第3パラグラフ(質問表の2番)までを終了。主要ポイント: Benjaminがゴルフ場に行く理由。彼の英語が「舌足らず」、若干「奇異」であること。配布物: The Sound and the Fury第1章冒頭のプリントと質問表Q.1-29。次週の課題: 質問表の8番までの答えを準備する。




shimada@dokkyo.ac.jp

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