Seminar Paper 2000
Umezawa Naoko
First Created on January 9, 2001
Last revised on January 9, 2001
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「The Great Gatsby と American Dream」
「ギャッツビーの高感度な感受性で作られたアメリカンドリームともたらされた悲劇」
私達はこの小説を読んで、アメリカンドリームの始まりから、その成功、そして消えて行くまでの過程を追うことができる。 "Mayer Wolfshiem? No, he is a gambler." Gatsby hesitated, then added coolly: "He is the man who fixed the World's Series back in 1919." "How did he happen to do that?" I asked after a minute. "He just saw the opportunity." "Why isn't he in jeil?" "They can't get him, old sport. He's a smart man." (p. 78)
有名なワールドシリーズの八百長事件に関わっているウルフシェイムとの交流や、ドラッグストアーを買収してエチルアルコールを売ったり、酒の密売人と噂されたり、長官に便宜を図っているから、交通違反のキップを切られるのを免れたり、極めつけは、
Gatsby's notoriety, spread about by the hundreds who had accepted his hospitality and so become authorities upon his past, had increased all summer until he fell just short of being news (p103)
などから、ギャッツビーは裏の世界で財を成してきたことが明らかであるが、それも活気みなぎるアメリカのパワーとなっていて、彼の必死に生きる姿が浮かび上がってくるのである。 Rise from bed ----------------------------------------------------6.00
からも、希望似満ち、純粋な夢を頼りに将来の自分の姿を確認する姿が見えてくる。デイジーとの出会いを機に、彼のアメリカンドリームの形は変わったのだ。 Gatsby and I in turn leaned down and took the small reluctant hand. Afterward he kept looking at the child with surprise. I don't think he had ever really believed in its existence before.(p. 123) He wanted nothing less of Daisy than that she should go to Tom and say: "I never loved you "(p.116)
デイジーは彼の中では出会ったころのままの18歳から変わっていないだ。夢の象徴ともいえるものに位置づいているように思う。その原因はギャッツビーの持っている、"some heightened sensitivity to the promise of life"(p.6) にある。
ニックはギャッツビーのことを"some heightened sensitivity to the promise of life"(p.6)を持っている人だとあらわしている。彼のそれがデイジーをとらえ、普通の人間では見出せないようなその才能、その強すぎる感受性によってデイジーは彼の中のすべての象徴となったのであろう。ニックは"Gatsby who presented everything for which I have an unaffected scorn"(p.6)と言っている。しかしこれに相反して、"You are worth the whole dawn bunch put together"(p.162)と叫ぶ場面もある。これもギャッツビーの持つ"some heightened sensitivity to the promise of life"(p.6)によるものである。まず、はじめの軽蔑するすべてのものを持て合わせているという文だが、例えば普通に世間一般から見られている表向きは、裏の仕事に手を染め富を築いている成金野郎という人物であり、それは事実なのであるが、これは普通の人とは違った感受性を持つギャッツビーだからこそ選ぶ手段であり、それによって出てきてしまう思想、行動であるからこそそのように思われてしまっているのだ。それは本文でも "It is what preyed on Gatsby, what foul dust floated in the wake of his dreams"(p.6)とある。そして、奴らを皆合わせたより価値があるというセリフは、ニックがギャッツビーとだんだんと接近する中で、デイジーやトムやジョーダンにみられる、金持ちでも中身がなく無責任な彼らを目の当たりにして、ある意味一番純粋な象徴に基づいて生きていて、それがあるからこそどんな手段でもアメリカンドリームを追いかけている彼の本当の心の姿に気づいたから出てきたものである。 "Oh, you want too much !" she cried to Gatsby. "I love you now-isn't that enough? I can't help what's past." She began to sob helplessly. "I did love him once but I loved you too." (p.139-140)
と、昔に戻ることを望んでいて夢を実現させようとしているギャッツビーに対応しきれなくなるのである。そして、何一つ自分で決める事ができない、ましてや方向転換なんてとてもできないデイジーが描かれている。こんなデイジーが相手でこんな情況ではギャッツビーのロマンスは幻想でしかなく、昔を取り戻す事は到底無理だった。
"it's all wiped out forever"(p.139)とギャッツビーは言うが、デイジーは"I never loved him"(p.139)とは断言することはできない。それはうそになるからである。過去を消す事はできないのである。 |
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