学校教育を問い直す

安井一郎


 学校に通うことが当たり前のように考えられていますが、そこには様々な問いが含まれているはずです。「学校にはなぜ行かなければならないのか?」、「学校とは何を学ぶところなのか?」、「先生とは何をする人なのか?」、「学校にはなぜ教科があるのか?」、「学校と塾とは何が違うのか?」学校に通っていたときに、このような疑問を持ち、先生や親に聞いたことはありませんでしたか。

 

 それに対して、先生や親はどのように答えてくれましたか。現在のあなたは、どのように答えますか。学校は、子どもの成長にとって、きわめて重要な役割を果たす場所ですが、そこには、様々な「よくわからないこと」があります。現在の学校は、学力問題、子どもの荒れの問題などをはじめとして、多くの問題を抱えながら、その解決に向けて努力しています。しかし、それらの問題について、マスコミの報道等を見聞きしているだけでは、やはり「よくわからないこと」があるのではないでしょうか。あなたは、「よくわからない」ままに、学校や先生に対して否定的なイメージを持っているのではないでしょうか。

 このゼミでは、あなたのそのような「よくわからない」疑問を大切にしながら、改めて、学校とは何か、学校で学ぶとはどういうことなのか、ということについてゼミ生とともに考えてみたいと思っています。