環境と身体システム
わたしたちを取り巻く「環境」は国や地域、気候、言語、文化、スポーツというように多様でそして日々変化しています。またライフステージにおいてもヒトをとりまく「環境」は大きく変わります。しかしわたしたちはその環境に巧みに適応し生きています。
そこで本ゼミでは、様々な環境下でのヒトの生きている仕組みについて、主に生理学的実験およびパフォーマンス分析の手法を用いて明らかにし、その仕組みを成立させている個々の因子を理解することを目指します。
対象となるのはスポーツ、音、香り、ストレス、学習、暑熱・寒冷といった「環境」です。その「環境」下での「身体」の機能とその働きがどのような意味を持つのかを実験、調査により明らかにすることが課題の一つです。そして「環境」が変化した場合、「身体」機能の調節、そしてその他の「身体」に関わる事象はどういった変化・対応をするのか、その機能的意義について分析します。
本ゼミは、対象とする環境下での身体の変化や特徴をつかむために生理反応測定(心電図・深部体温・皮膚温・筋電図・唾液アミラーゼ値・発汗量など)や動作解析(高速度カメラ、モーションキャプチャーなど)、行動観察(視線計測装置)などの実験を行います。
動作分析のため、モーションキャプチャー設定中
精神性発汗を手のひらで測定中
スパイクボールによる行動選択能力への影響の実験中
例年、ゼミには 4 年生も参加し、4 年生から 2 年生、3 年生に研究の方法が伝授されています。実験は複数の機器を用いて行ったり、被験者の人数が多かったりするため、ゼミ生同士の協力が欠かせません。ゼミ仲間の研究テーマを理解して、共に取り組んでいくこと、これがとても大切なことで、学年を超えたつながりの強さと仲の良さが本ゼミの特徴です。
認知科学ゼミ(田口雅徳先生)と合同発表会を各学期、実施しています。3 年生は個人で、2 年生はグループで発表します。お互いの分野の研究を知ることで、新しいアイデアが浮かんだり、研究手法を教え合ったりしています。卒論に絶賛格闘中の 4 年生も参加し、アドバイスをしてくれました。とても良い刺激になっています。
田口ゼミ・依田ゼミ 3 年生合同ポスター発表会の様子。発表後、みんなで記念写真を撮りました
研究施設訪問や展示会見学、ワークショップへの参加やスポーツ観戦(野球、サッカー、バスケットボール etc.)などで資料収集も行います。
プロ野球観戦!実はちゃんと心拍計をつけて実験中です。
ゼミ合宿は夏休みに行っています。個人の研究発表や 2、3、4 年生がグループに分かれてヒトを対象とした測定・調査(生理反応や動作解析のほかアンケート調査など)を行い、得られたデータをその場で考察し議論する、といった内容を、計画立案・下調べを含めて経験する機会にしたいと考えています。
ゼミ合宿では発表はもちろん、全学年がチームに分かれてスポーツをしたり、レクリエーションしたり、全力で楽しみます。
そのほかに(測定を兼ねて)スポーツをみんなで楽しんだり、親睦を深めるイベントを行ったりしています。
クリスマスケーキをみんなで食べました
4 年生の追いコン、4 月からの新ゼミ生も参加しました
4 月、ゼミの教室で新ゼミ生歓迎会