自分を大切にし、よりよい社会のために貢献できる人に
獨協大学経済学部生のみなさん.まず,自分を大切にしてください.そして,四年間かけて存分に『自分探し』をしてください.授業とその予習・復習はもちろん,体育会・文化会・サークルなどの学友会活動やアルバイト,さらには,ボランティア活動など,様々なことに積極的に取り組み,自分の世界を広げていきましょう.そのなかで,自分にとって大事なことは何か,絶対にゆずれないものは何か,考えてみましょう.若いエネルギーを注ぎ,時間と労力を費やして努力する価値のあるもの,失敗や空回りのリスクを背負ってでも追い求める価値のあるものは何でしょうか.このような問いに対する納得のいく『答え』は,もしかすると,四年間ではえられないかも知れませんが,それでも自分自身と,とことん向き合ってみてください.
学業においては,ぜひ,『ゼミ』,すなわち,「演習Ia,b」・「演習IIa,b」・「演習IIIa,b」を,がんばってください.獨協大学経済学部では,一学年800人の学生に対し,経済・経営・会計・情報など様々な専門分野の教員が,それぞれの個性を活かした50のゼミを開講しています.みなさんは,経済学科・経営学科・国際環境経済学科,いずれの学科に所属していても,経済学部におけるすべてのゼミの中から学科の垣根を越えて自由にゼミを選ぶことができます.自らの知的好奇心をくすぐるゼミにおいて,グループ学習・プレゼンテーション・ディベート,あるいは,フィールドワークなどをとおして学友たちと切磋琢磨し,四年生最後には,自分ならではの「卒業研究」を仕上げてください.
自分を大切にし,勉学に勤しむなかで,自分が暮らす地域から日本全体,そして,世界へと視野を広げ,それぞれにおける社会問題について考える余裕と気概を持ってください.もしかすると,みなさんは,私たち『普通の人』が,貧困や格差・気候変動・紛争などの世界的課題について議論したり,その解決に向けて取り組んだりすることを, おこがましく感じるかも知れませんが,忘れないでください.みなさんは,普通選挙が機能している,平和で,それなりに豊かな『先進国』で暮らしながら,高等教育を受けています.『ビリョクだけどムリョクじゃない』という健気で清しい合い言葉のとおり,できることは少なからずあるはずです.実際,国連のSDGsについてのWebサイト上で公表されている“The Lazy Person’s Guide to Saving the World’’には,消極的な人でもよりよい社会のためにできることが,いくつも挙げられています.獨協大学の建学理念は『大学は学問を通じての人間形成の場である』ですが,本学で形成される人間は『よりよい社会のために貢献できる人』であると私は考えています.
経済学部長 塩田 尚樹