犬井ゼミナール 夏合宿2015 in 広島 本文へジャンプ

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 活動報告

経済地理学研究室(犬井ゼミ)3年生の夏合宿が2015年8月3日〜6日までの4日間、広島県広島市を中心に行われました。

現在の3年生は、2014年夏に屋久島、そして今年2015年春に小笠原で合宿を実施しました。いずれも、日本国内にある世界自然遺産です。そこで、今年の夏合宿の開催地は、日本各地にある世界遺産の中から選ぶこととし、ゼミ生のよるコンペの結果、世界文化遺産に登録されている広島に決まりました。

折しも、今年2015年は戦後70年の節目の年。戦争の風化が叫ばれる中、今の時代だからこそ、考えなければならないことについて、4日間にわたり広島を巡りました。
 
嚴島神社で記念写真


第1日(8/3)  戦後70年の広島を歩く
朝、東京駅に集合したゼミ生たちは、新幹線で広島へ向かいました。

 

約4時間の電車旅。午後1時すぎに広島駅に到着。そこから広島電鉄に乗り、広島平和記念公園に向かいました。まず、原爆ドームを見学し、70年後もそびえる戦争の記憶を目に焼き付けました。14名の参加者の中で、過去、広島を訪れたことのある学生は1名しかおらず、改めて、戦争の悲惨さを学びました。

 

次に、平和記念公園にある資料館に向かい、ボランティアによるガイドツアーに参加しました。この日ボランティアを務めていただいた方は73歳の被爆経験をもつ女性でした。原爆により尊い家族を失った経験から、多くの人々にその出来事を伝えたいとの思いで、猛暑日となったこの日、約2時間、ほとんど給水もせずに案内していただきました。

 

広島ではNHKをはじめ、民放各局で被爆70年の関連番組を構成していました。なかでも、「風化」が深刻化し、こうした被爆者による戦争体験を受け入れがたい社会が広がっているとのことでした。また、広島県内で展開される平和学習も、平和記念公園などの被爆関連施設を社会科見学等で訪れる学校が減っている現実も伝えていました。

[写真:原爆ドームを間近にしたゼミ生とボランティアによる平和記念公園のガイドツアー]

 


第2日(8/4) 宮島でシーカヤック
2日目は広島市内から広島電鉄・フェリーを乗り継ぎ、廿日市市にある宮島へ向かいました。まず、宮島に着くと、ボランティアによる案内で嚴島神社を見学しました。

この日は干満の差が大きく、到着したときは満ちていた瀬戸内海も、午後になると大鳥居の周りまで歩いて行けるくらいまで潮が引いていました。ガイドの方の説明によると、瀬戸内海の潮の満ち引きは大きく、この潮汐差をしっかりと把握しないと、航海は難しいとのことでした。実際、この日の潮汐差は4m以上にもなりました。

嚴島神社の見学後、ハートアドベンチャーセンターが主宰する宮島シーカヤックツアーに参加しました。町家を一部改造した施設でカヤックの操作方法などの説明を受け、いざ海へ。

はじめて体験するという学生も多く、なかなか前に進むことができないグループもありましたが、徐々にコツをつかみ、記念撮影後、嚴島神社の大鳥居へ向かいました。陸地からみるものと違い、目線の高さが低いため、より大きく見えました。約1時間のカヌー体験、ゼミ生たちは大いに満喫して終了しました。

夕方、宮島フェリーターミナル前のバス停から、路線バスに乗って包ヶ浦自然自然公園に向かいました。この日はここのバンガローに宿泊。夜にはバーベキューを楽しみました。

[写真:宮島の歴史などについてガイドを受けるゼミ生とシーカヤック体験]

 


第3日(8/5) 西日本有数の秘境・三段峡へ
この日は瀬戸内から上がる朝日を感じながらの起床となりました。身支度を済ませ、朝一のバスでターミナルへ。昨日来たルートを戻り、広島そごうのバスターミナルから次の目的地・三段峡(安芸太田町)へ向かいました。

三段峡は「西日本一の秘境」とも言われ、中国・桂林の山水画に出てくるような光景が広がる景勝地です。路線バスに揺られること約3時間。生活感漂う日常を切り取りながら、ゆっくりと向かいました。

この日お世話になったのは、三段峡にある民宿・入江。夕食はお手製の餃子や刺身などが振る舞われました。

 [写真:振る舞われた料理]

 


第4日(8/6)  原爆投下の日に
朝、テレビをつけると、どのチャンネルでも広島平和記念公園から中継映像を流していました。原爆投下から70年、節目の年だけあって、今後に課せられた問題などについて言及していました。8時15分、この地域でもけたたましいサイレンが鳴り響きました。ゼミ生たちは思い思いに中継映像を前に黙祷を捧げました。

4日間を通し、猛暑が続く広島でしたが、三段峡は時折、涼しい風が吹き抜けました。そんな中、トレッキングが始まりました。

三段峡の玄関口・長淵を出発し、姉妹滝、竜ノ口、赤滝、女夫淵などの自然的景観をみながら、黒淵へ向かいました。黒淵からは渡船で対岸へ渡り、峡谷でのひとときを満喫しました。その後は同じ道を下山し、広島駅を経由し、帰京の途につきました。

70年という節目の年、今回の合宿はゼミ生にとって、貴重なものとなりました。

日頃、稲作や野菜栽培などの実践的な取り組みや、各種講読などを通じて、「人と農と環境」に対する意識を高めてきました。しかし、こうした取り組みの方策は「平和」あってこそ成り立つものです。今後は彼らがメッセンジャーとなって、周囲に広がりをみせることを期待したいと思います。

今回の合宿で多くの方々にお世話になりました。ありがとうございました。

[写真:三段峡にて]

 

 

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