2011校外巡検in清瀬 本文へジャンプ
活動報告

6月19日、経済地理学研究室の校外巡見が行われました。梅雨の晴れ間にも恵まれたこの日、参加した40数名の学生たちは、犬井教授から都市近郊地域における農業の現状や課題についての講義を受けるとともに清瀬市でおよそ40年農業を営んでいる横山さんからお話を伺った。武蔵野台地の北東部、埼玉県との境界に位置する清瀬市は、都市住民への新鮮な野菜や牛乳の供給地域としての役割を果たしている。また、都市近郊にありながら緑地が多く残存するという特性をいかして、サナトリウムなどの医療の町として発展してきました。現在でも、総面積の約46%を緑地が占め、約20%を農地が占めています。しかしその一方で、首都近郊の住宅地としての需要の高まりを受けマンションや戸建て住宅などの建設が進められており、転用による農地や緑地の減少が認められる地域となっている。

清瀬市における近郊農業
 清瀬市は、結核の治療を目的とした病院の町として発展した。病院が集中して建てられた場所は、江戸時代の新田開発時よって設けられた平地林(農用林)で、かつては畑の地力を維持するための落ち葉掃きや薪炭材の採取がおこなわれ枝葉山とよばれていた。現在では平地林も少なくなってしまったが、芝山の地名がこの地域の歴史を語っている。
 都市近郊畑作地域(生産緑地区域)では、犬井教授から土地利用の特徴や住宅地の増加による営農環境の変化についての講義が行われた。域内農地の約9割が生産緑地となっている事実やその指定を受けるための条件などの説明をうけた学生たちは、教授の話をノートに取るとともに、写真に収めていた。


   
 結核病院に隣接する芝山の平地林           生産緑地の説明を受ける学生たち



園芸農家 横山さん
 横山さんは、40年近く清瀬で花卉を中心とした農業を行っている。横山さんはクリスマスローズ、ダイヤモンドリリー、原種シクラメンの専門家でNHK趣味の園芸の講師も努めている。横山さんのお宅で栽培している3種の花は、どれも特殊なもので他の人がなかなか真似できないようなモノを作りながらも、あまり管理に手間がかからないものを峻別しているという特徴がある。横山さんによれば、これも都市の近郊地域で営農を続ける上で重要な要素の一つとのことであった。また、自分にあった花を探すことが大切で、出会うまでに花だけでも300種類以上栽培したとのことであった。また、横山さんのお宅では野菜の庭先販売も行っており、常に10種以上の野菜を販売できるように多種少量栽培で1年間に50種以上の野菜を栽培している。
 新しい品種を見つけるために年に数回海外へ視察に出かけるという横山さんのお話を伺った学生たちは、今まで自分が抱いていた農業のイメージを一新するとともに、自分の好きなことに真剣に取り組むことの大切さを学んだようであった。

 
花卉栽培についてお話して頂いた横山さんご夫妻   横山さんの話を聞く学生

 
奥さん手作りのパンやクッキーを頂きました。    手作りジャムや手作り味噌など絶品でした。
ごちちそうさまでした。

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