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活動報告 |
2011年8月2日から7日までの6日間の日程で、犬井ゼミの東日本大震災復興ボランティア合宿が行われた。犬井教授をはじめ参加した33名の学生は、岩手県内の復興支援拠点の一つとなっている遠野市の公民館に宿泊し、自炊を行いながら瓦礫撤去や全国から寄贈された図書の整理作業等の活動に参加した。遠野市は柳田國男の『遠野物語』の舞台であり、「民話のふるさと」としても著名な観光地である。
3.11以降は、巨大津波により甚大な被害を受けた陸前高田市や大槌町の復興支援の中心拠点として自衛隊やNPO法人などにより活用されている。これは万一、津波が起こった際には、遠野市を復興支援の拠点として機能できるよう計画的な町づくりを行ってきた現遠野市長の本田氏の先見性によるところが大きい。本田市長は花崗岩を中心に形成された北上山地のほぼ中央に位置し、太平洋沿岸部からおよそ50q、時間距離にして約1時間の距離にある遠野市の立地に鑑み、都市計画を行ってきた。こうした市を上げての取り組みの一助となるべく、本学OBで同市役所に勤務する京谷氏の協力のもと、復興ボランティア合宿を行った。
津波被害の現場を実際に訪れ、被害の甚大を目撃したことで、我々に様々な恵み与えている自然が時折もたらす脅威の威力を肌で感じた。震災から5カ月以上の月日が立つなか、未だ残る大量の瓦礫や不自由な暮らしを強いられている人々、震災後多少の混乱はあったものの、これまでとほぼ変わらない生活を送っている我々。また、首都圏で暮らす我々が使う電力を賄たために、強制退去や県外移転を強いられ、かつ風評被害や健康への影響を危惧しながら暮らしている人々。阪神大震災の時よりも日本人の復興ボランティアの参加が少ないといわれるなかで、中国や台湾をはじめ海外からボランティアに参加している人々が以外に多い現実。一週間ほどの短い期間であったが、様々なことを考えさせられた。参加した学生諸君には自ら体験し考えたことを、今後の生活に生かしていってくれることを期待したい。
最後に、今回の合宿を行うにあたり終始お骨折り頂いた京谷さんを始め、ボランティアセンターの平井さん、宿泊場所の提供や交流会を行って頂いた宮代地区「やかまし村」の皆さん、お忙しい中、ご協力頂き本当にありがとうございました。心より感謝申し上げます。 |
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@ 約8時間の夜行バス移動のため、初日は寄贈図書の整理作業に参加 |
活動1日目 寄贈図書の整理に参加します。 遠野文化研究センター事務局長の小笠原さんから 活動の目的や手法に関する説明を受けます。
東洋大の学生さんと一緒に、図書の分類作業。 送り主の宛名の転記作業をおこなうゼミ生。
犬井教授は、本田市長と会談。会見予定時間を上回り、およそ1時間ほど本田市長が進める災害復興支援都市構想について意見交換をおこなった。
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陸前高田市市街地@ 瓦礫が撤去された道路と積まれた瓦礫の山
陸前高田市市街地A 地盤沈下により海水が溜まる。一見、水田のようだが、以前は住宅地だった。
陸前田高田市街地B 巨大津波を耐えた「復興 千昌夫氏が建てた「キャピタルホテル 1000」。
の松」。
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グループ毎に別れ、瓦礫撤去作業へ。 ガラスや瓦の破片、鉄骨、流木等を拾い分別する。
瓦礫撤去作業 暑さと砂埃、魚などの腐敗臭が漂う。
瓦礫の中には思い出の写真も。 土砂に埋もれた人形
山林の中まで押し流された柱。 家の土台だけが、在りし日の痕跡をとどめる。
作業3日目、作業分担にも積極性が。 住宅跡地内の瓦礫を撤去。
熱中症対策には、水分休憩も大切 午後の作業を前に、円陣。
赤く枯れたスギは、塩害による立ち枯れ。 瓦礫撤去作業に自ら参加する犬井教授。
before After |
宿泊場所となった宮代地区の公民館。 ご飯は羽釜の竃炊きです。
今日の夕食は、牛丼です。 皆でおいしく頂きました。
激励にいらして頂いた、獨協大学岩手県支部同窓 本学OBで合宿のお世話をして頂いた京谷さん。
会会長の石塚さん。 本当にお世話になりました。
ボランティアセンターの平井さん、スペイン語の 大槌高校で教鞭を取る本学OBの谷地先生生。
先生で、ピザ焼きの達人です。 20年ぶりの再開、犬井先生の顔にも笑みが。
地元で肉牛を育てている通称「にいさん」。 宮代地区の「やかまし窯」で交流会。
忙しい中、色々手つだって貰いました。ありがとう。
ゼミ生を代表して、二人ゼミ長がごあいさつ。 遠野名物「ジンギスカン」と地ビールで乾杯。
どちらも旨いが、地元のお母さん方が差し入れてく れた味噌おにぎりが絶品でした。
誕生日の二人のためにケーキも登場。 村長さんと「やかまし村」のみなさん
お世話になった皆さん、本当にありがとうございました。参加した学生諸君にとって非常に有意義な経験をさせて頂くことができましたのも、皆さまのご助力によるものと深く深く感謝いたしております。皆さまのご厚意やご助力に応えられますよう。今後とも被災地域の復興に向けて微力ながら、協力して参る所存です。
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