岡部ゼミ
<2014年、KDDI本社で役員を前にプレゼン>
 12月3日、飯田橋のKDDI本社で、経営戦略本部の理事の方や各部門の専門家の方々を前に、今後予測されるMVNOの増加による通信料の減少にどう対応するかという課題に対するプレゼンを行った。以下各グループの発表内容とそれに対するコメントである。



私達はau WALLETによって得られるビッグデータやパーソナルデータを用いてKDDIが力を注いでいるM2M事業を促進することを目的とした提案をしました。

具体案は4つのコンテンツから成り立つau LIFEです。電子版お薬手帳であるau Medical、購入した食材から適した献立を提案するau food manager、購入した洋服に合わせたコーディネートを提案するauクローゼット、そして「au WALLETでの消費情報」の全てを自動的に記録しいつでも閲覧することができ、その1ヶ月間の収支を明確に示し分析てくれるau家計簿があります。

これらのコンテンツはau WALLETでの決済を前提とし、auユーザーにしか使うことができません。au LIFEの4つのコンテンツをスケジュールという一つのプラットフォームにまとめて展開して、既存ユーザーを囲い込みます。KDDIの方から、どうのようにしてM2Mを掘り下げ、実現性のあるものにするかが課題というご意見を頂いた一方、内容やプレゼンのレベルが高いというコメントをいただきました。

(文責:阿部なつみ)



私達は「消費者同士が動画を通して個人の得意を売買するプラットフォーム」を提案しました。消費者ニーズが多様化している現状とKDDIの持つ資源を利用できると考えたからです。

ポイントは多様なニーズに応えるためのパーソナライズです。パーソナライズの方法はユーザー同士の相性を合わせる性格パーソナライズ、学ぶ人の現状のスキルから目標とするスキルまでの差を埋める為のシナリオ型レコメンデーションがあります。これらは人の手を介さず自動的に行います。また、このサービスの脅威となるのがコンテンツを無料で配信しているYouTubeなどの既存動画サイトです。有料で展開するこのサービスにとって脅威ですが、実名制での会員登録による安全性の保証やリアルタイムの授業が行える点を活かすことで競争優位に立てると考えました。

KDDIの方々からは「新たな視点があり、面白い。」や「現在、展開しようとしている事業にも活用できる。」などの講評を頂きました。

(文責:大塚太郎)



 私達は、カーシェアなどの普及が進み、自家用車以外の利用が増えているという背景を基に、全ての車(自家用車・レンタカー・カーシェア)を瞬時にパーソナライズできるカーナビ連動アプリ、napicaを提案しました。napicaの機能は、お出掛け前とお出掛け中の二つに分けられます。お出掛け前機能では、ウェブサイトやSNS上で検索したものを、カテゴリー別に分類し、アプリ内に保存します。その中から場所、目的などの条件に合わせ、自動または手動でお出掛けのルートを設定できます。お出掛け中の機能では、現在の位置情報と日常の検索履歴によってパーソナライズされた道中の情報をナビ上に反映します。

 KDDIの方からは、「日常のスマホ利用をワンストップで充実したお出掛けに繋げるnapicaはユーザーにとって利便性の高いものである」、「パーソマライズされた情報をお出掛け中に提供することは、ユーザーにとって煩わしくなく、かつ費用対効果の高い新しい広告の形が期待できる」との評価を頂きました。

(文責:吉田賢史)



私達の提案は、HEMS推進とKDDIトータルソリューションを目的としたau smart electricityです。まず、「電力の定額化」「通信と電気料金のセットプラン」「電力、パケット、walletポイントの互換性」です。通信と電気料金の一括支払や、電力不足分をパケットで補え、離れた場所に住む家族間で電力を分け合えるサービスです。次に、「コンセントとスマートフォンのM2M」つまり、各家電の電源管理をスマートフォンで行えるサービスと、各家電の消費電力をリアルタイムに収集し、その情報を無線で送信できる機器です。更に、得られた消費電力はビックデータとして活用します。

次に、「ネガワット取引」です。顧客が節約した分の電力を売買し、walletポイントとして顧客に還元するサービスです。最後に、電力事業から他事業への応用として「高齢者向けマンション電力サービス」です。特定のターゲットを包括的に囲い込むことができます。以上を提案し、役員の方からは、「特に電力料金の定額化は面白い。」「高齢者をターゲットにした点は良く、我々も視野に入れている。」といったお言葉を頂きました。

(文責:鶴田あすか)



今回は諸事情により、非常に高いレベルのプレゼンをという強いプレシャーがあった。ゼミ生に3日間で最新の論文200本を読ように求め、そして発表内容に何回もダメだしをした。
その結果、比較的高い評価をいただいた。

森田さんをはじめ各部門の方にご協力を頂いたことに感謝致します。また、前田さんにはいろいろ御配慮を頂きお礼を申し上げます。


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