努力が実り中国科学院の研究員に
今春、獨協大学大学院経済学研究科博士後期課程を修了した王 岱氏は、2009年6月に出身国の中国科学院地理科学・資源研究所「人文地理と地域発展研究部」に研究員としてむかえられた。中国科学院は、1949年11月に創立された中国最高レベルの科学技術を中心とした学術機関である。王氏の指導にあたってきた犬井正教授は、「最高レベルの研究機関である中国科学院において研究職を得たことは快挙であり、王君の獨協大学での努力と研鑽が実った結果である」と、高く評価している。王氏が現在携わっている中国科学院でのプロジェクトは、@中国環境保護部(環境省)の「環渤海地域における重点産業発展戦略の環境評価」とA中国科学院の「四川大震災再建の理論と方法」である
王氏は1997年6月に中国河北省保定市第三高等学校を卒業後、片言の日本語しか解らないままに日本の大学への進学を目指して単身来日した。同年7月から、アルバイトをしながら東京都内の日本語学校に通って猛勉強をし、2000年4月に獨協大学経済学部経営学科に入学した。学部卒業後の2004年4月に経済学研究科博士前期・後期課程に進み、経済地理学を専攻し、フィールドワークと地域生態論の理論的枠組みの構築に没頭してきた。大学院在籍5カ年という最短期間で、「農業構造調整下における中国農村地域の変容に関する地域生態論的研究―北京大都市圏の外縁地域を事例として―」という立派な学位論文を書き上げ優秀な成績で、2009 年3月に博士(経済学)の学位を取得した。獨協大学での学修を礎に、学問的成果を上げることはもとより、日中相互理解の懸け橋としての役割を果たして欲しいと、犬井教授は王氏に大きな期待を寄せている。
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