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2018年度 参加者:7名

Auslandsgesellschaft Intercultural Academy gGmbH(森下 実莉)

森下実莉(ドイツ語学科3年)

インターンシップ先:Auslandsgesellschaft Intercultural Academy gGmbH


1.はじめに
私は獨協大学に入学する以前からこのドイツのインターン・プログラムには興味があり、学生時代に実現しておきたい目標の一つでもありました。また語学を生かした経験をしたい、ドイツで仕事をする環境が自分にあっているのかなど将来のことも考えて一度体験しておきたいという思いで、今回の研修プログラムに参加させて頂きました。

2.事前研修
 このプログラムにあたり、獨協大学での春学期の授業で「インターンシップ特殊演習」を受講し、ビジネスドイツ語、電話対応の仕方やインターン先で活用できる会話表現などを学びました。ドイツではいきなり仕事に取り掛かるのではなく、最初の10日間はドルトムントにある語学・文化教育機関Auslandsgesellschaft(外国協会)でドイツ語の集中授業を受けました。個人的な感想になりますが、ドイツでも異例の猛暑が続くなか、この10日間は毎日教室にこもってドイツ語の勉強に明け暮れる、正直体力的にはかなり消耗する日々となりました。実際の授業では、部屋の中で毎日5~6時間ドイツ語を勉強する他、パン工房や古城の見学、美術館訪問やミュージカル鑑賞など教室の枠を超えたさまざまなアクティビティも用意されており、これはこれでとてもよい経験となりました。

3.ホームステイ
 私が今回お世話になったのは、若いカップルのご家庭でした。ドルトムントの中央駅から電車と徒歩をあわせて計1時間かかるため、とても交通の便が良いとは言えない、郊外にある2階建てのお家でした。地下鉄もバスも通っていない地域でしたが、ここは郊外という立地上、自然がすぐそばにある快適な場所で、心地良い生活拠点となりました。
ホストは今までにこうした部屋の提供や外国人を受け入れたことがなかったうえに、新居に引っ越して半年と短いにも関わらず、私を受け入れてくれたみたいです。部屋は、非常にかわいらしく、机、クローゼットやベッドも備え付けで、居住環境としてはとても快適なものでした。洗面所や冷蔵庫は、ゲスト用が設備されていたため、共有するのはシャワーくらいでした。食事は、全額自己負担でした。外食やスーパーに一緒に食材を買い出しにいく際も、別会計でしたが、フェストなどに行った時にはご馳走していただきました。
 二人が結婚してないカップルで、正式には「家族」とは言いづらいためか、はじめの頃は、そこそこなじめていても、どこか人間関係の「壁」を感じてひとり悩むこともありました。ロック音楽好きでディスコやクラブに行って踊ったりして楽しむことが好きなホストだったため、クラシック音楽愛好家の私にとっては、異文化の差だったり価値観の違いを感じることもありました。しかし、リビングのテレビで映画を一緒に見たり、小さなお庭でバーベキューをして外で一緒に過ごしたりもしました。帰国日も駅まで車で見送ってくれて、再開の約束をして別れました。はじめの頃に悩んでいた自分が嘘かのように深い充実感を抱いたことを思い出します。

4.研修先について
 私が働く研修先は先に述べた語学・文化教育機関の外国協会でした。期間中は事務作業の他、授業を聴講させてもらったりしました。主にプッシェルさんという女性が働いている傍で、学生のメーリングリスト入力や移民の人たちが受ける試験の問題用紙の確認・準備、監督業務などをアシスタントとして任されることが多かったです。また、こうした作業がないときは、通常のドイツ語コースから移民向けの統合コースまで多くのドイツ語コースを聴講させていただきました。コースやクラスの授業進度はさまざまで、なかにはアルファベットからゆっくり進んでいくクラスもありました。以前から、移民や難民の受け入れに関して興味や関心があった私にとって、この職場では直接、彼らとコンタクトが取れる機会も多く、シリアなどの紛争地の現状や背景、またどのようにドイツへ逃れてきたのかなどについて詳しく話を聞くこともできました。プッシェルさんをはじめスタッフのみなさんには、短期滞在の私にも多くの興味深い内容の仕事を分け与えてくれたことにとても感謝しています。

5.私がインターンを通じて得たもの
今まで学んできたドイツ語を生かし、研修先の上司や同僚と話しながら、自分の関心分野である移民や難民の人たちとの交流を目指していた私ですが、今回のインターンを通じて、将来に対する重要な示唆を得ることができたと思います。それは、ドルトムントの近郊都市オーバーハウゼンにある「ドイツ国際平和村」との出会いです。外国協会で働くことで、多くの移民や難民の人たちとの交流を持つことができ、彼らが苦労してドイツへ逃れてきたという体験談を聞くことで、私はこうした困窮者への支援活動を行うボランティア活動に目覚めました。職場の人からの紹介をきっかけに、インターン中に「ドイツ国際平和村」のフェスティバルを約2時間かけて訪れたことがありました。さらに帰国前直前のプログラム終了間近、私はこの「ドイツ国際平和村」で実際に一泊二日の研修も体験させてもらいました。その結果、私はボランティア活動をここで実際に行ってみたいと強く思うようになりました。

6.おわりに
ドイツに滞在することで、日本での生活よりも自分を見つめなおす時間が増え、やりたいこと、学生時代にまだやり残していることなどをじっくり考えることができました。また、外国協会で働くことで、職場の人たちやそこに通う難民や移民の人たちと交流が持てたり、近い将来やりたいことが見つかったりと、とても貴重な経験を積むことができました。このように今回のインターンシップは自分の今後の人生に対する大きな糧になったと思います。さらに、素晴らしい人たちにも出会えて、学ぶことの意義に改めて気づかされることもたくさんありました。初期の頃は、異文化の違いからホストファミリーとすれ違うこともありましたが、今ではこの出会いを大切にしたいと心から感じています。
獨協大学で指導していただいたアルブレヒト先生と古田先生をはじめ、関係者の方々に感謝を申し上げます。

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Bäckerei Kanne GmbH & Co.KG(村 美里)

村 美里(ドイツ語学科3年)

インターンシップ先:Bäckerei Kanne GmbH & Co.KG


1. はじめに
 私がこのインターンシップ・プログラムを知ったのは1年生の秋学期でした。同じ部活の先輩が夏休みを利用してのドイツでのインターンシップ体験を話してくれました。元々私はドイツの大学へ留学したいと思っていました。しかし将来ドイツ語をいかした仕事をしたいと思っていたので、私のさしあたりの目標は、留学からこのインターンシップへの参加に変わりました。

2. 事前研修期間
 8月3日~11日の約10日間、私たちはドルトムントにあるAuslandsge-
sellschaft(外国協会)で語学研修を行いました。先生は外国協会のHein氏が担当してくださいました。授業では日常会話で使われるドイツ語のほか、職場で使うドイツ語も学習しました。特に私が役にたったと思った授業は電話の聞き取りです。日本語でもそうなのですが、電話を通して相手の声を聞くと音がこもってしまい、とても聞き取りづらいのです。そのため大切な情報を聞き逃してしまったりすることがあります。電話での会話や聞き取りの練習は、現地で会社やホストファミリーと連絡を取るにあたってとても重要なことだと思いました。
 またこの研修期間にはドイツ語の勉強だけでなく、ドルトムントの周辺事情についても教えていただきました。ドルトムントで生活するにあたり、外国協会のインターン生であるアプト君とムディ君が電車の乗り方や切符の買い方、日用品の買える場所、美術館や図書館の場所などを教えてくれました。彼らがドルトムントで生活するにあたりヒントをくれたことで、休みの日や仕事の後は有意義な時間を過ごすことができました。

3. インターン先について
 私のインターン先はKanne Bäckereiというパン屋さんで、ドルトムントの近くの町のリューネンで一番大きなパン屋さんでした。研修期間中にKanneの社長さんとお話をする機会がありました。その会話の結果、私は6週間あるインターン期間で工場での製造部門と店頭での販売部門を3週間ずつに分けて体験させてもらえることになりました。ここではこの2つに分けて私の体験を記したいと思います。

4. パン工場での勤務
10日間の事前研修期間の後、最初の勤務先はKanneのパン工場でした。勤務開始時間は朝6時半からだったので、毎朝5時に起きる生活になりました。その代わり、退勤時間が12時と早かったので、午後はゆっくりと過ごすことができました。工場までの通勤時間は約30分で、電車とホストファミリーからお借りした自転車を使って通勤していました。工場での仕事内容は主にパンとケーキの製造でした。ドイツはパンの種類が豊富で、パンによって使う材料や配合が全て異なります。そのため手でパンの形を作る際にはとてもてこずりました。特にプレッツェルのような特殊な形をしているパンはコツをつかむのに時間がかかりました。Kanneではケーキの製造も行っていました。プルーンやりんご、いちごなどのフルーツとたっぷりのカスタードクリームで作るケーキには観るだけでワクワクさせられました。もしかしたら工場勤務で一番楽しかったのはケーキを作っている時だったかもしれません。
 その日のパンやケーキの製造を終えたら、次の日の仕込み作業です。特殊な装置を使った卵の黄身だけを取り出す作業や、いちごのへたとりなど地味な作業が多かったですが、職場の人と話しながら作業をしていたのでそこまで辛くはありませんでした。Kanneの工場ではインターン生が私だけではなく、ギムナジウムや職業訓練学校を卒業した人たち、難民の人も受け入れていたので、みんなで助け合いながら仕事をすることができました。
 そして3週間が経ち、販売業務に移ることになりました。

5. カフェでの販売業務
 販売業務は家からバスで約30分のところにある、Kanneのカフェで実践することになりました。勤務スタイルは朝番と昼番から選ぶことができ、私は朝から働くことにしました。そのためカフェでの勤務に変わっても勤務時間は工場と同じく6時半開始でした。早朝ということもあり、出勤前にパンを買いに来る人が多かったのが印象的でした。業務のなかでは、特にその場でサンドイッチを作るサービスが大変でした。具やソースを聞きながら作るので、当初作業に不慣れなわたしはすっかり焦ってしまいましたが、判らなかったらちゃんとお客さんに確認し、丁寧に作ることを心がけていたら、皆さん温かい目で見守ってくださいました。早朝の販売が静かになると次に来るのは朝食の支度です。
Kanneのカフェではモーニングセットのサービスもしており、注文のあったパンとともにお客さんにお出ししていました。この業務のときは、サンドイッチを作るときよりもはるかに多い情報を言われるので、毎回同僚の方に助けてもらったことを覚えています。その後、お昼のパンを買い求めてくるお客さんもやって来ます。工場勤務でも書きましたが、ドイツのパンは種類が多いのです。特にブロートと呼ばれる大きなパンは種類によって小麦とライ麦の配合量が違うので、説明するときは困りました。しかし毎日見ていると覚えてくるもので、インターンシップが終わりに近づく頃には私からお客さんに「おススメ品」を紹介することができました。
 午前の仕事が終わると、お昼休憩です。昼食は店長さんのご好意で好きなパンをいただいていました。甘い菓子パンもあったのですが、私は種が入ったフォルコーンブレートヒェンという小さなパンが好きだったので、それでサンドイッチを作って食べていました。
 お昼の時間が過ぎると、コーヒーブレイクに来たお客さんにケーキとコーヒーのセットの販売をしていました。余裕があるときはそれをお客さんの席まで持っていくということもしていました。最初のうちは緊張しましたが、最後には常連さんと仲良くなることができたのでとても嬉しかったです。
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6. ホストファミリー
続いて、私のホストファミリーについて紹介したいと思います。私をホストしてくれた方はMaike Pueschel(マイケ・プッシェル)さんという方で、外国協会の職員であり、今回のインターンシップ・プログラムのコーディネーターでもありました。プッシェルさんはリューネンに住んでおり、私はその家の屋根裏部屋をお借りして生活をしていました。平日は私の出勤時間が早かったこともあり、顔を合わせる機会も少なかったのですが、夜に時間があるときは一緒に夕食をとりながら映画を観たりしました。また週末にはプッシェルさんの恋人のフィリップさんもオランダから帰ってくるので、3人で一緒に散歩をしたり、食事をしたりしていました。  また2人の趣味がサッカー観戦だったこともあり、ホームチームのボルシア・ドルトムントの試合があったときにはチケットを取ってくださり、一緒に試合観戦に行きました。2人と一緒に過ごす時間は少なかったものの、時間があるときは一緒に料理をしたり、映画を観たりと温かい時間を過ごすことができました。2人には心から感謝しています。私を受け入れてくれて本当にありがとうございました。
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7. おわりに
 このインターンシップでは楽しかったこともたくさん経験しましたが、もちろん自分の思い通りにいかない事も多々ありました。語学力の欠如という問題だけではなく、自分の意見をうまく主張することができないことにも原因があったと思います。私はこのインターンシップではパン屋さんで接客をすることを望んでいましたが、工場での勤務が続きました。そして2週間半経っても販売業務の連絡が来なかったので、事務の方に尋ねてみると私が販売業務に携わることすら伝わっていなかったことが判明しました。しかしその方と自ら交渉し、無事、次の週には接客に携わることができました。そこで私が学んだのは、受身では何も始まらない、自分から動かなければいけないということです。インターンシップではその大切さに気づくことができました。
 ドイツでインターンシップができる機会は滅多にありません。たくさんのことを学ぶことができ、仲間にも恵まれ有意義な2ヶ月を送ることができました。このような機会を与えてくださった先生方、そしてドイツで助けてくださった方々に心から感謝申し上げます。本当にありがとうございました。


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Mercure Hotel Dortmund Centrum(五十嵐 むつみ)

五十嵐むつみ(ドイツ語学科3年)
インターンシップ先: Mercure Hotel Dortmund Centrum


1. はじめに
私がこのドイツ語学科のインターンシップ・プログラムをはじめて認識したのは、1年生時の必修科目である「ドイツ語圏入門」の授業内で先輩方が興味深い体験談を披露された時でした。大学に入ってからドイツ語を習い始めたので、当時はただ「すごいなあ、行けたらいいなあ」とそんな軽い気持ちでいました。次第に進路のことを考えるようになり、今後の人生においてドイツでインターンシップをすることがいかに貴重な経験となるのかということに気づきました。そこから、参加をするうえで必要となるGoethe Institutの資格取得に向けて勉強をはじめ、2年生の秋にB1を取得し、今回のプログラムに参加をすることができました。

2. ホームステイ先について
私のステイ先は一人暮らしの女性のお宅で、私のほかに医者を目指しているコロンビア人の男性も住んでいました。しかし、彼は二階の部屋に滞在しており、食事も別々にとっていたため、私はほとんどホストマザーと二人暮らしのような状態でした。ここのお宅は大きな公園の中にあるのですが、立地は大変良いところで最寄駅までは徒歩3分ほど、そこから中央駅までは10分もかかりませんでした。2週間に一度清掃業者を呼んでいることもあり、家の中はいつもきれいでした。家の中には、素敵なインテリアも多く飾られていて、とても快適な暮らしができました。ホストマザーは平日は毎日17時頃まで働き、その後はヨガ教室や絵画教室を訪ねたりする他、イタリア語も熱心に勉強していました。休日は水泳やボートを漕ぎに行くなど、とてもアクティブで忙しい方でした。しかしそうした多忙な合間にも、私とバトミントンや重いボールを使った腹筋トレーニングをしたり、料理をつくって一緒に食べたりと様々なことをしてくださいました。プログラム最終日には、仕事を早く切り上げて一緒に出掛けてくださったり、最後には心のこもったお手紙とプレゼントを頂けたりと、本当に親切で情に厚い方でした。
ただ、一つだけ私は一緒に暮らす上で難しさを感じたことがありました。それは、ホストマザーがベジタリアンであり、環境に配慮したBio商品をこよなく愛している人だったということです。ドイツではベジタリアンの存在はそう珍しいことではありませんし、Bio商品も食品や洗剤をはじめ、服や化粧品など多岐にわたって存在します。ベジタリアンよりももっと野菜中心の食生活をするビーガン向けの食事もレストランでは用意されているので、日本に比べて多様な生き方、生活ができるなあ、というのが私の考えでした。しかしながら、私がBio商品でない安物の服を買ったときは商品について小言を言われましたし、友達を家に招いて一緒にパスタを作った時には使ったパスタソースについて厳しく批判されました。家で食べたければお肉も食べていいよと言われていたので自分で調理したこともありましたが、その際にもあまりいい顔をしていなかったりと、半ばホストマザーの暮らしぶりを「強要させられる」ことがしばしばありました。自分の立場や意見をしっかり示す、という点ではまさにドイツ人らしく、良いことだと言えますが、他人に自分の考えを強要するのはよくないのではないかと思います。最初はホストマザーとの関係が悪化してしまうのを恐れて、「そうだね。その通りだよね。」と賛同することがほとんどでしたが、次第に勇気を出して反論するうちに、しっかりと自分の意見を示すことができるようになったので、苦い思い出ではありますがこれも良い経験になりました。

3. インターンシップ先について
私は世界中に拠点を持ち、日本にもいくつか存在するメルキュール・ホテルのレストラン部門でウェイトレスとして働かせていただきました。2年生の夏に、1か月ドイツに留学した際に、店員と客との距離の近さに感動し、今度は自分が店員の立場になってお客様と接してみたいと考え、ホテルでのインターンシップを希望しました。
まず、勤務時間は平日の朝7時から午後3時頃までで、他のインターンシップ先と比べると長時間でした。10時台に一度朝食休憩、昼食の業務が終わるとまた休憩が与えられ、どちらもビュッフェの料理を自由に食べさせてもらうことができました。仕事内容は、日本のウェイトレス業務と大差はなかったように思います。お皿を厨房内にあるワゴンへ下げたり、食事がおわったテーブルを片付け、次に来るお客様のためにナイフ、フォーク、ナプキンなどのセッティングをします。基本はビュッフェ式のレストランでしたが、昼食時や予約に応じてコース料理の日もあったので、希望のドリンクを聞いてそれを提供したり、料理を一人一人に提供する機会も得ることができました。ホテルのレストランならではの仕事だなと感じたのは、朝食時に一人ひとりのお客様に部屋番号を聞かなければならなかったことです。もし、朝食付きで予約をしていないお客様がいたら、その場で朝食を追加で予約し、お客様にサインを頂かなければなりませんでした。お客様の中にはドイツ人でない方々も多くいたため、そのような方とは英語でのコミュニケーションが必要とされました。それゆえ、最初はドイツ語と英語が混ざってしまうことがよくありましたが、終わりのころには流暢に英語を話すことはできないものの、しっかりと英語とドイツ語を分けて使うことができるようになったので、二か国語を習う上でとても良いトレーニングだったと思います。
このホテルのお客様の多くは、会社のセミナーなどで団体で連泊されていました。連泊をして下さることによって、従業員はそれぞれのお客様の要望を事前に知ることができるようになります。その利点を活かそうと考え、毎朝ホットミルクを飲む方、カフェインレスのコーヒーを飲む方には、言われる前に用意しテーブルに持っていくなどの工夫をすることにより、とても喜んでいただけました。そのようなことを通してお客様と近づくことができ、連泊の最終日には「あなたのおかげでとても良い滞在ができたよ。また私たちはここへ来るわ!」と言って握手、またはハグをしてくださったり、接客経験のあるお客様には体を使って効率のよいお皿の持ち方を教えていただけたりと、とても温かい気持ちになることが多々ありました。チップを頂けたときには、外国人である私の接客が現地、または外国の方に通用し、認められたのだなと感謝の気持ちと嬉しさで胸がいっぱいになりました。
 同僚のホテル従業員たちは、陽気なシェフを筆頭に本当に良い人たちばかりで、毎朝7時からと朝早く真っ暗な中での出勤でしたが、一度も出勤するのが嫌にはなりませんでした。初日は緊張してしまい、私の表情がこわばっていたこともあり、うまくコミュニケーションをとることができず、明日から9月末までやっていけるのだろうかと泣きそうになるほど不安に思いました。しかし、2日目からは父から言われていた「笑顔でいればまわりが助けてくれるよ」という言葉を意識し、朝の挨拶をとびっきりの笑顔でしたところ、そこからはすぐに打ち解けることができました。業務上の質問はもちろん、ドイツ語の言い回しやお客様に対して使う言葉、またはミルカ(私の大好物だったチョコレート)をどこで一番安く買うことができるかなどといったことまでも自ら積極的に聞く(話しかける)ことによって、気づいたときには冗談やたわいもない話ができるようになっていました。インターンシップの終わり頃には、レストラン内だけでなく、各部署の方々とも仲良くなることができ、仕事中は自然と笑顔でいることが多かったように思います。特に厨房内のシェフたちは、本当に冗談好きのおじさんばかりで、お皿を下げに行くたびに笑っていました。ある一人のシェフの息子さんが20歳で私と同い年であることを知った時に、「ちょうどいい!結婚だ!」なんて冗談を言われたこともありました。外国人である私のことをこれほどにも皆で受け入れて、外国人だからといって特別扱いをすることなく、仲間の一人として普通に接してもらえたことが、何よりも嬉しく思います。別れの際に頂いた「Bleib so wie du bist !」(そのままの君でいてね。)という言葉は私の宝物です。本当にここでインターンシップができてよかったと心から思います。

4. おわりに
たった2か月間ではありましたが、このプログラムに参加して肌で感じて学び取れたことがたくさんありました。その中でも私がここで一番お伝えしたいのは、どんな状況下でも、笑顔でいることの大切さです。接客をするうえで笑顔でいることは大前提でしたが、接客以外のところでも笑顔を意識することで、関わるすべての方にまず悪い印象を与えることはありません。笑顔でいることによって相手もこちらに近づきやすくなりますし、自然と不安も解消されたように思います。このことは海外においてのみならず、日本国内で生活していく中でも大切なことだと思うので、今後の就職活動をはじめ、常に意識していこうと思います。
最後になりましたが、このプログラムを支えて下さったアルブレヒト先生や古田先生をはじめ、現地で関わったすべての方々に心からお礼申し上げます。本当にこのプログラムに参加して良かったです。ありがとうございました。

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Wasserschloss Haus Bodelschwingh (小峯 萌花)

小峯萌花(ドイツ語学科3年)
インターンシップ先: Wasserschloss Haus Bodelschwingh


1. 応募理由
私がこのインターンシッププログラムに応募した理由は大きく分けて3つあります。
1つ目はドイツ語を実生活の場で使うことを重要視したからです。海外で働くとなると、その地域での言語は必須となります。私はドイツ語を「使う」ということを第1に考えていました。高校から学習してきて1番苦手なのはアウトプットでした。日本で学習しているとどうしても母語に頼ってしまうのでその状況から脱したかったというのもあります。留学を選ばなかった理由は、「ドイツ語を勉強する」「ドイツ語で授業を受ける」というよりも、「ドイツ語を使って何かをする」ということに目的を置いて、ドイツで生活したいと考えていたからです。
 2つ目はホームステイです。今回のインターンシップでの渡独が私にとって初めての渡独でした。海外で長期滞在をしたこともなかったので、留学のように1人暮らしは不安だったというのもあります。ですが、ホームステイを望んだ1番の理由は、ドイツでの現地の人の暮らし方を実際に体験したかったということです。自分が生まれてからずっと生活してきた日本と何が違うのかを自分で体感するためには、ホームステイがベストだと思いました。
 3つ目は「ドイツで働く」という経験を積みたかったからです。ドイツ語を学びながら、将来的にはドイツで働く、もしくはドイツ語を使って働くということを常に意識していました。学生のうちにその経験ができるのは、今後の人生で大きな糧になると思いました。こういったドイツでのインターンシップ・プログラムを用意してくれている大学はなかなかありません。最初はその珍しさからの興味もありました。海外、しかもドイツで、自分が専門的に学んでいるドイツ語を使ってその経験ができるというこのプログラムは絶好のチャンスでした。

2. 日本での準備
私はこのインターンシップ・プログラム参加のために、大学内外で様々な準備をしました。
1) 学内(このプログラムの準備として受講した授業)
・木曜1限「インターンシップ特殊演習」 担当教員:アルブレヒト先生
 授業はすべてドイツ語で行われました。この授業はインターンシップ・プログム
に参加する学生は必ず受講しなければなりません。授業では毎回受講生の1人が
プレゼンテーションを行い、質疑応答、評価をしました。また、ドイツで仕事をす
るうえで必要な、電話応対、メールの書き方なども学習しました。宿題として毎日
ニュース番組のTagesschauを見て、知らない語句を5つ以上挙げて、次回の授
業で確認するというものもありました。
 ドイツ語でプレゼンテーションをする機会が今までになかったので、最初は難し
く感じたように思います。テーマがフリーだったので自分の好きなスポーツについ
てプレゼンテーションをしました。興味のある内容だと苦手なSprechen(会話)
も単語がどんどん出てきて自信につながりました。

・月曜5限「外国語特殊演習」 担当教員:ビティヒ先生
 この授業もすべてドイツ語で行われました。協定校のレーゲンスブルク大学の学
生と授業内外でビデオチャット(タンデム)をする授業です。授業で1時間、プラ
イベートで1時間、決まったタンデムパートナーとタンデムをして、最後に私たち
はドイツ語で、ドイツのタンデムパートナーは日本語でプレゼンテーションを行い
ました。
 この授業は自分のドイツ語会話能力を上げようと思い受講しました。このタンデ
ムで使ったドイツ語は授業で習うドイツ語というよりは日常会話に近い印象でし
た。タンデムパートナーにこのインターンシップ・プログラムでドイツへ行くこと
を話していたので、仕事するうえで不安なことを相談したり、「ドイツで働く」と
いうことをよく質問したりしていました。スモールトークが苦手だったのですが、
ネイティブと話す機会を設けられたので鍛えられました。
2) 学外(このプログラムの準備として参加した学外のプログラム)
・インターウニ・ゼミナール
大学間を越えたドイツ語学習のための4泊5日のキャンプ。グループディスカ
ッションやグループワーク、プレゼンテーションなどを行った。1年次の春休み、
2年次の夏休みと春休みの3回参加。
・KisDaF(韓国のインターウニ・ゼミナール)
 韓国で開催されるインターウニ・ゼミナールに日本からのゲスト学生として参加。
期間は3泊4日。
    
3. 事前研修
事前研修は日曜日を除く8月3日から8月11日にかけてドルトムントのAus-
landsgesellschaft(外国協会)で行われました。そこで受講したドイツ語の授業
では、ゲーテ講座対策のようなテキストのプリントを用意してもらい、これに取り
組みました。Lesen(読解)を中心にちょっとしたプレゼンなども行いました。内
容は職業や職場、将来の夢などに関係したものが多くこれから自分がドイツで「働
く」ということを自覚するとともに楽しみな授業になりました。

4. インターンシップ
私はSchloss Bodelschwinghというお城のお庭で開催される3日間のお祭り
の準備、運営、後片付けを行いました。お祭りの当日までは事務所で招待状の準備
や、リストの作成、倉庫での備品整理など、集中して行う作業から体力勝負の作業
まで様々でした。事務所には、私たちの上司の女性が1人、その方の同僚の女性
が1人、ドイツ人のインターンの男子学生が1人いました。敷地内のお城にお祭の
主催者である男爵夫人がお住まいになっていて、事務所にいる職員に用事がある
ときのみ事務所にいらっしゃるという感じでした。事務作業を任されたときは、
データや資料とのにらめっこでした。特に苦労したのは現地の人の筆記体の資料の
解読です。普段筆記体でのアルファベット表記になれていなかったので、この作業
はとても神経を使って少しストレスがたまる作業でした。また、お祭りが近づくと
現地のアルバイトの学生が準備のためにお城に集まるようになり、そこでやっとド
イツ語を話す機会が増えてきました。
 お祭り期間中はDepot Serviceというサービスのお手伝いをしていました。日
本でいうクロークみたいなものです。お客様の荷持をお預かりして、帰宅時に再
びお渡しするというサービスです。「どんな荷物ですか?」「何を預けましたか?」
などいろんな表現をアルバイトの学生のまねをして使うようにしました。お祭りが
終わってからは、テントや花壇の整理などおと片付けに追われました。これもまた
体力を要する作業で汗をかくこともありました。私たちの担当となっていた女性職
員は気分の波が激しくて温厚な時とそうでないときで使うドイツ語の難易度にも
波がありました。最初はその波についていけず、大分戸惑いましたが、3週間すぎ
位から、自分も順応していけました。

5. ホストファミリー
ドルトムントではSchröder家にお世話になりました。お父さん、お母さんと大
学院に進学が決まったお兄さんの3人家族で、中型犬を飼っていました。一緒に生
活していたお兄さんは二男で、長男はすでに結婚し、奥さんとお子さんと別の場所
で生活していましたが、週末にはよく実家に顔をだし、その娘さんと遊ぶことも何
度かありました。Schröder家は一軒家で大きな庭がありました。その庭には、ゲ
ストを受け入れるための小さな建物があり、私はそこで生活していました。その建
物にはキッチン、冷蔵庫、ベッド、机、トイレ、テレビがあり、一人暮らしには十
分な設備が整っており、シャワーのみ母屋のものを借りていました。朝食は母屋で
時間が合えばホストファミリーと一緒に取り、昼食は自分でサンドイッチを作り職
場へ持参していました。夕食は母屋のキッチンや自室のキッチンで作ったり、ホス
トファミリーが振舞ってくれたり、友人とレストランへ食事に行ったりと日によっ
てまちまちでした。Schröder家は私のことを本当の家族のように扱ってくれまし
た。お父さんはよく庭で工具を使って何かを作っていたり(私が滞在している間に
自転車の自動ドアつき車庫を完成させていました)、お母さんは料理上手の方で、
仕事が終わるとウォーキングやサイクリング、ジムへ誘ってくれたりとアクティブ
な方でもありました。お兄さんは車に乗せてお祭りや、友人のBBQに連れて行っ
てくれたりしました。お父さんとお母さんは、毎朝今日の予定を聞いてくれて、毎
晩その日あったことに耳を傾けてくれました。私が心配をかけたくなくて、少しご
まかして話をしているとき、少しでも私の表情に違和感を覚えたらすぐに声をかけ
てくれたり、相談に乗ってくれたり、「そういう時はおいしいものを食べよう!」
と気分転換を促してくれました。初めて海外で2週間以上過ごしたので、ホームシ
ックになることを心配していましたが、Schröder家のおかげでホームシックにな
ることなく無事に2か月の滞在を終えられました。

6. おわりに
 「働くこと」に関してひとつ、日本との違いを挙げるなら、ドイツでは定時で必
ず仕事が終わるということです。最初は就業後の時間の使いかたに戸惑いましたが、
過ごしていくにつれて、就業後の自由時間は自分のやりたいことを目一杯できる大
切な時間だと気づきました。今後、このプログラムに参加したいと考えている学生
のみなさんには、インターンシップとは別にもう一つ目的をもってドイツへ渡るこ
とをお勧めします。私は大学で体育会フライングディスク部に所属していたのでド
ルトムントのアルティメットチームの練習にお邪魔して週2~3、仕事終わりに練
習に参加し、週末は小さなトーナメントに出場させてもらったりしていました。
 このプログラムを終えた今、総じて言えるのは参加してよかったということです。
いいことも、悪いことも、うれしかったことも、嫌なことも、実体験してみないと
自分を成長させることはできないし、自分のドイツ語能力も上がりません。海外で
働くこと、海外で生活すること、他人と「家族」になること、いろんなことをこの
プログラムで初めて体験できたと思います。

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Litfass Bücher und Medien GmbH(藤原 寧嶺)

藤原寧嶺(ドイツ語学科3年)

インターンシップ先: Litfass Bücher und Medien GmbH


1.はじめに
 私は高校3年次に獨協大学のオープン・キャンパスでインターンシップ・プログラムの存在を知り、当時から参加する事を決めていました。将来何をするのか進路が決まっていない私にとって、このプログラムは働くことを考えるきっかけにもなるのではないかと考えました。また長期留学とは異なり、ステイ先がホストファミリーであることも魅力でした。実際にひとつの家庭のなかで生活することにより、文化、習慣を肌で感じることができることも参加する動機のひとつでした。

2.事前準備
 プログラム前の春学期にアルブレヒト先生の「インターンシップ特殊演習」を受講しました。アウトプット重視の授業なので、プレゼンテーション、スモールトークの練習、ドイツのニュースを聞いて話し合うことが中心でした。ドイツで働くために大切な知識を得られるだけではなく、会話をする機会が他の授業よりも多く、職場で同僚と話すための準備練習ができました。ドイツに渡航してからインターンシップが始まるまでの約1週間、ドルトムントのAuslandsgesellschaft(外国協会)でドイツ語コースを受講しました。受講期間中は授業だけではなく、パン工場見学、ミュージカル鑑賞、市内観光など、さまざまな課外活動を体験することができ、ドルトムントの歴史、ドイツの職場について多くを知ることができました。

3.インターンシップ
 研修先の書店「Litfass Bücher & Medien」は私が想像していたものと少し違っていました。主な顧客は市の図書館、大学、研究所などの団体が多く、店頭で書籍の販売もしていますが、インターネットによる購入や定期購読書の注文応対が業務のほとんどでした。書店に訪れるお客様は1時間に1、2人だったので、最初の2週間店頭で働いていた私は、業務内容にすこし物足りなさを感じたため、社長とこのことについて話し合うことにしました。その結果、ひとつの業務に特化するのではなく幅広い業務を体験することになりました。そこからの4週間では、領収書の整理などの事務作業や、本を配達しているトラックに乗り荷物を運ぶこと、新規の顧客に送るメールの作成もお手伝いさせていただきました。
 なかでも一番おもしろかった仕事は、図書館に送る本やギムナジウムで使う本にカバーをつけることでした。作業自体は簡単だったのですが、そこの部署の同僚がバイエルン出身だったため、はじめは彼女のドイツ語を聞き取ることがとても難しく何回も聞き返してしまいました。私が聞き返すと彼女は、毎回笑顔で、簡単な言葉に言い換えて説明してくれました。
 研修先は社長を含めても10人ほどの小さな会社だったので一人一人の距離が近く、お昼もみんなで食べるほど雰囲気が良かったです。勤務時間は平日は8時から16時(金曜は15時)まででした。通勤時間が大体30分ほどかかったので朝がすこし辛い時もありました。しかし、休憩時や週末にはすきな本を読んでいいと言われていたので色々な本を読むことができました。また、研修最終日には本をプレゼントしていただきとても嬉しかったことを覚えています。6週間という短い期間でさまざまな仕事を体験することができ、何をしたいという明確な職種が決まっていなかった私にとってもとても参考になるドイツでの就業体験でした。

4.ホストファミリー
 私はもともとWagnerさんがホストファミリーだったのですが、急遽Burmannさんの家に滞在させていただくことになりました。Burmannさんは娘が日本に住んでいることもあり、日本のことにとても詳しい方でした。食卓の場では日本とドイツの違いについて議論したり、家族の紹介をしたりしてたくさんドイツ語を話すことができました。食後はふたりで映画をみたりラジオをきいたりしてドイツ語の勉強をしました。休日には近くの公園に木の実を取りに行き、その木の実を使ったケーキを一緒に作りました。基本的に食事はふたりで準備し片付けることがいつの間にかルールになっていました。Burmannさんは私のドイツ語がまちがっているといつも訂正してくれ、不自然な単語や文法も、より自然な言い回しや同じようなニュアンスの言葉に置き換えて教えてくれました。ドイツの家庭の文化や習慣を直接肌に感じるとともに、ドイツ語力もさらに高めることができたと思います。

5.おわりに
 今回このインターンシップを通して、海外で働くこと、海外で暮らすことを実際に体験することで今まで知らなかったことがたくさん見えてきました。外国語環境の中で働くことは想像どおり決して簡単なことではなかったのですが、自分の思っていることを伝えることがとても大切だと改めて気づくことができました。このプログラムを通じて、語学力の向上だけでなく人としても成長できたと感じています。 
 最後になりましたが、このプログラムは周りの方々の助けがあったからこそ参加し、無事にやり遂げることができたと感じています。プログラムを支えてくださったアルブレヒト先生、古田先生、ドルトムントで事前研修を担当してくださった外国協会の方々、ホストファミリーのBurmannさん、応援してくれた家族に感謝しています。このプログラムで得たことをこれから発揮できるよう頑張ります。

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Super Bio Markt AG(浅川 穂乃香)

浅川穂乃香(ドイツ語学科3年)
インターンシップ先: Super Bio Markt AG

1. はじめに
大学2年生になり、ドイツ語の能力を習得するだけでは無く、ドイツ語を"使って"何かをしたいなと考え始めました。また、将来は海外で働いてみたいという憧れをずっと持っていたのですが、外国人として働くということがどんなことなのかを知らずに、将来を決めていいのだろうかと悩んでいました。そこで、1年生のときにドイツ語圏入門で先輩方がお話しして下さったインターンシップのことを思い出し、日本の大学に在学しながらも、海外で働く経験ができるというこのチャンスはかなり貴重だと思ったのと、何よりも、ドイツ語を使って働けるという私の希望にぴったりのプログラムだったので、参加をする事に決めました。

2. 事前準備について
このインターンシップに参加するにあたっての条件であったB1の資格は、2年生の秋に取得しました。インターンシップの参加が決まってからは、3年生の春学期にアルブレヒト先生の「インターンシップ特殊演習」の授業を取り、ビジネスで必要なドイツ語の言い回しやドイツについての知識を学び、スモールトークやプレゼンを通してアウトプット力も身につけることができました。ドイツに到着してからの8/3〜8/11までの約1週間はAuslandsgesellschaft(外国協会)で参加者みんなで授業を受けました。ドイツ語のアウトプットに慣れることや、現地の雰囲気に慣れるためのいい準備期間だったと思います。授業の後には、外国協会の方々が用意してくれたお出かけプログラムでドルトムントの街を散策したり、炭鉱やパン工場を見学に行ったりと、とても充実した内容でした。インターンシップが始まるまでの緊張した気持ちを落ち着かせることができたので、この授業期間のプログラムはとてもありがたかったです。また、インターンシップが始まってからも外国協会の方がStarlight Express というBochum にある有名なミュージカルのチケットや、BVBの試合のチケットも手配してくださり、とても貴重な経験をすることができました。

3. インターンシップ先について
私の職場は、ドルトムントの中心地から少し離れたところにあるSuper Bio Markt という、オーガニック食品や商品のみを扱うスーパーでした。そのスーパーのなかにはカフェと一体化したパン屋さんがあり、主に私はそこで働かせてもらいました。8/13〜9/21の間、勤務日時は月〜金で、基本的には12:00〜18:00まで働きました。仕事内容は、陳列棚での仕事とパン屋さんでの仕事でした。
 陳列棚では、お客さんの減ってくる時間帯の17:00からは棚の整理を任され、陳列している間に日本では見たこともない商品を発見したり、新たな単語も沢山覚えたりすることができたので、常に新しい発見がありました。お客様に商品の場所を聞かれることもよくあったので、会話の練習にもなりました。
 パン屋さんでは、レジ作業の他、お客様からの注文を受けて、パン、ドリンク、ランチを提供するのが主な仕事でしたが、ドイツのパンは驚くほど沢山種類があり、まずはそれを覚えることに必死でした。
 また、良くも悪くも、シェフは放任主義だったので、細かい指示は無く、棚の陳列に呼ばれたり届いた商品の開封作業を手伝った後は放置されたり、知らぬ間にシェフは帰ってしまっているという状況に途方にくれたこともありました。こうした経験を通じて痛感したことは、受け身ではなく自発的に行動する力が必要だということです。特に、シフトの関係で日々入れ替わる同僚たちとの関わりも、私から積極的に行かないと、挨拶は交わすもののそれ以上仲良くなるチャンスすら得られないと思ったので、挨拶だけではなく共通の話題を見つけたり、積極的に話しかけるようにしました。その甲斐もあり、サッカー好きの同僚とはスタジアムで合流することもできたり、アジアに興味のある同僚からはドイツ産のお醤油をプレゼントしてもらえたりと、仕事以外の面でも関わりを増やすことができました。お客さんと仲良くなるために、緊張しつつも自分からスモールトークを始めてみたり、日本人である自分ならではの心遣いを大切に接客をしたりと工夫をしました。スーパーがあったHombruch というところはアジア人がものすごく少ない地域だったので、日本人の私が珍しかったこともあり、興味を持って話しかけてくださるお客さまも多く、常連の方々も私のことをだんだんと受け入れてくれました。このようにして、仕事や環境に慣れるまでの間は、仕事内容や人間関係に関して日々試行錯誤を繰り返しました。
 インターンの後半には、1人でパン屋さんの仕事を任せてもらうこともでき、やり甲斐を感じられました。いつも私の面倒をみてくれていた同僚ととても仲良くなり、仕事の休憩時間には一緒にアイスクリームを食べに行ったり、街をお散歩したりしました。他の同僚もみんなとても親切で、分からないことがあればなんでも教えてくれました。この職場では年齢や役職に関わらず、みんなファーストネームで呼び合い、親しい間柄で使用するDuで話していたことが印象的でした。また、お客さんとの距離も近く、同僚がいつも楽しそうに会話をしながら接客をしていることがとても新鮮でした。お客さんや同僚との関わりの中で、人との繋がり、オープンな心でいることの大切さを改めて感じられたインターン先でした。

4. ホームステイ先について
私はドルトムントの中心部にあるお家に、ホストマザーと2人で2ヶ月間生活をしました。家には、2匹の猫もいました。家の周りにはスーパーが沢山ある良い立地環境で、買い物に困ることはありませんでした。ホストマザーは以前はお医者さんをしていた方で、退職後の今は週に2回、難民の方々にドイツ語と英語の授業を行なう他は在宅していたため、一緒に過ごせる時間がとても多く、朝食も毎日一緒に食べていました。食事についてですが、基本的に私は自炊生活を送りました。親切なホストマザーは、冷蔵庫と、パスタなどを保管しておく棚を私用のスペースを空けて貸してくださり、キッチンや、調味料、家に置いてあるフルーツは自由に使ったり食べたりしていいよとも言ってくれました。
 彼女はとても趣味の多い方で、水泳、スケッチ、バイオリン、サイクリング、コンサート鑑賞など毎日様々な活動をしていて、私も一緒にプールやサイクリング、コンサートに連れて行ってもらい、とても楽しい時間を過ごせました。夜はその日1日のことをお互いに語り合い、テレビドラマを一緒に見るなどして過ごしました。8月の最後の1週間、ホストマザーはUrlaub(長期旅行)に行ってしまい、一人暮らしのような期間が1週間だけありましたが、自分のペースで暮らすことができ、楽しい時間でした。2ヶ月も一緒に暮らしていると、意見が合わないこともたまにありましたが、その時はしっかりと話し合い、無事に解決することができました。最後の日には「私はあなたの友人よ。またいつでも来てね!」と言ってくださり、ステキな出会いに感謝でいっぱいです。

5. おわりに
このプログラムを通して、ドイツでの働き方や生活の仕方についてよく知ることができました。そこで特に感じたのは、"外国人"として暮らすことの大変さです。言語や文化の壁を越えることは簡単ではないけれども、まずは積極的にその地に溶け込もうとする姿勢が必要なのだと痛感しました。YesかNoか、自分のはっきりとした意見を求められることや、アジア人であるが故に奇妙な目で見られる辛さなど、日本に住んでいるだけでは体験することのないようなことも起こりましたが、ドイツで暮らしている以上はそこの文化に上手く順応することが、自分のストレスを減らし楽しく生活するために1番大切な秘訣だなと感じました。
 大変なこともあったけれど、試行錯誤をしながら無事にインターンを終えることができ、達成感でいっぱいです。このインターンで学んだことは、これから先の人生においても必要になるものだと思うので、ここでの経験を活かしていきたいです。ドイツ社会に溶け込む経験のできるこのプログラムに参加して本当によかったなと心から思います。このような機会を作ってくださった古田先生、Albrecht 先生、外国協会の方々、そしてインターンシッププログラムで一緒に過ごしたみんな、応援してくれた家族、関わってくれたすべての人に感謝します。
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Wasserschloss Haus Bodelschwingh (椎名 智也)

椎名智也(ドイツ語学科3年)
インターンシップ先:Wasserschloss Haus Bodelschwingh

1. はじめに
 私がこのインターンシップ・プログラムに参加した理由は、日本での自分を客観視するためでした。あらゆるものが異なるドイツで、ある家族の一員として暮らし、ある会社の一員として働き、現地のリアルな生活を体験する機会を提供してくれるのがこのインターンシップでした。私は語学力向上を目的に参加したのではありません。そのため夏休みの間は、他の国で生活することも考えていました。しかし大学で学んだ集大成として、そして言語的にリアルな日常を送るためにも、ドイツでのインターンシップに参加することを希望しました。もちろん金銭的な面も、言わずもがなです。

2. 事前研修
 このプログラムに参加するためには大学で春学期に、「インターンシップ特殊演習」の授業を受けることが必須でした。この授業ではドイツ語で、簡単なプレゼンテーションやスモールトークを行ったり、Youtubeの動画をみたりしながらドイツ語を学習しました。その結果日本にいるのにもかかわらず、ドイツ語を用いることに対しての抵抗感は確実に減りました。またドルトムントでもインターンシップ開始前、Auslandsgesellschaft(外国協会)で約2週間にわたるドイツ語の授業を受けました。内容としては実用的で基本的な、ドイツ語の習得を目指すものでした。

3. ホストファミリー
 私はドルトムント中央駅から電車で約20分の場所にある、Schröder家でホームステイをしました。家族構成は父と母、次男、そして一匹の犬でした。数年前に結婚をして実家を出ていった長男の部屋を、私は借りました。
父は建設会社に長年勤めており、何でも自分で作ってしまう人でした。そのため長男の部屋を獨協のインターン生のためにリフォームしただけではなく、庭に大きな小屋をつくったり、家を自ら設計して作り直したりと、とても頼りがいのあるホストファーザーでした。また母はケーキを焼くことが趣味であるそうなので、ティータイムの時間が待ち遠しかったです。また日ごろから掃除を熱心にしているため、家は常に清潔に保たれていました。次男は日本が大好きで、日本を訪れたこともあるそうです。部屋にはワンピースの漫画が全巻置かれていたりと、大のワンピースファンでもありました。そんな彼は休日、様々なイベントに連れ出してくれたり、彼の友人らとのパーティーに招待してくれたりもしました。犬に関してはやたらと人懐っこく、部屋のドアを開けていると勝手に入ってきては、足元で眠ってしまうことも多々ありました。家族は総じて親切で、彼らと生活することで多くのことを学ぶことができました。例えばお互いを尊重したうえで主張し合う大切さや、物に対しても尊敬し大事に扱うことなど.........。Schröder家の一員として生活することで、人生における基本的で重要なことのいくつかを身をもって学び、体に染みこませることができました。

4. インターンシップ
8月13日から9月19日までの間、私はドルトムントにあるSchloss Bodel-
schwinghという城で、インターンシップを行いました。この城でのインターンシップの目標は8月末から3日間、開催される祭りを成功させることでした。この城でのインターンシップには同じく3年生の小峯さんも参加していました。私たちの仕事は主に祭りの準備と後片付け、そして次の祭りまでの準備でした。仕事現場は城の近くの事務所か屋外テント、倉庫が主でした。仕事内容としては正直、頭と口を全く使わない雑用的な単純作業がほとんどでした。インターン生が2人いるのは今年度が初めてだったそうで、担当の方も色々と手こずっているようでした。
ここからは少し愚痴的なものになりますが、まず仕事が単純すぎました。例えば祭りの入場券を黙々と何時間も数え続けたり、封筒に何時間も書類を入れたりするような単純作業が多かったです。またインターン生が2人いたため言語的にも簡単であったり、オフィス外でぽつんと仕事をすることが多かったため、インターン先でドイツ語を日常的に使う機会はとても少なかったです。
反対に良かった点と言えばまず一つ目に毎日、非日常すぎる空間で仕事をすることができることにあります。毎日、城や広大な自然を見ながら出勤し、マイナスイオンを感じながらのんびりと帰宅することができるのは、この城でのインターンシップの魅力でした。また2つ目に、休みがしっかりもらえる点も嬉しかったです。今年は特に参加者が2人いたこともあり、仕事が早く終わってしまった日や、仕事が済んでしまった日は早く帰宅したり、丸1日休みになることもありました。その休みを利用して多くの地を観光することも可能だったため、アクティブな僕にはそういった点で良い環境でした。

5. おわりに
私はこのプログラムを通して多くのことを吸収し、日本での自分をしっかりと客観視することができました。幼いころから自分の意見をしっかりと持てるように教育するドイツと、集団行動を徹底し、協調性を叩き込む日本。この考え方の違いをドイツでは強く感じました。もちろん両者とも一長一短であると思います。例えば日本には「出る杭は打たれる」という言葉もある通り、日本人の多くは目立ってでも主張することを苦手とし、集団に合わせがちです。そういった環境下で育ち、教育されていては、協調性こそが美であると盲目的に考えてしまいがちです(自分はそうでした)。しかし日本を飛び出してドイツで生活することにより、その考えは自分には合っていないことに気がつきました。もちろん、常に主張ばかりして自分が一番、とばかり考えていたらそれはそれで社会不適合者となってしまいます。
今回のプログラムを通じて、こういった日本とドイツでの考え方の違いを実際に体験し、両者の特徴を客観的に理解することができました。それによってこれからの人生、自分に自信を持ち、よりよく進んでいけるのではないかと考えています。
 最後に、このプログラムを進めてくださった古田先生やAlbrecht先生、そして受け入れてくださった外国協会の方々やSchröder家、Schloss Bodelschwinghの方々、2か月間本当にありがとうございました。思い返してみるとたった2か月という短い期間ですが、日々挑戦の連続で、大きく進歩することのできた期間であり、人生の岐路にもなったのではないかと考えています。ドイツでの実りある日々の経験を忘れずに、これからも多くのことを吸収し、自分を形成していきたいと思います。ありがとうございました。

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2017年度 参加者:6名

Mercure Hotel Dortmund Centrum(保坂 有里奈)

保坂 有里奈(ドイツ語学科3年)
インターンシップ先:Mercure Hotel Dortmund Centrum


1.  はじめに
 将来どんな職業に就きたいのかについて、私自身、何となくイメージはしていましたが、それが自分に向いているのか、本当にやりたいことなのかを確認したいと常々思っていました。そのためにはインターンシップに参加する必要性があったのですが、私の場合、2017年2月からヒルデスハイム大学に交換留学生として1年間行くことがすでに決定していたため、ドイツ留学中は日本で行われる様々なインターンシップに参加できないという事実に直面することになりました。留学の準備をちょうど進めている時に、私はドイツでの夏のインターンシップ・プログラムの説明会があることを耳にしました。もともとドイツで働くことに興味をもっていたこともあり、話だけでも聞いてみようとその説明会に参加したのが今回このプログラムに参加することになったきっかけです。


2.  インターンシップ先について
私の職場は、ドルトムントの市中心部にあるMercure Hotelという大手ホテルの中のレストランでした。勤務時間は月~金、基本的に8:00~16:00ですが、やることが終われば15時にあがれる日も頻繁にありました。仕事内容は、まず朝食の時間に出勤し、お客様が食べ終えたお皿を片したり、ビュッフェに関しての質問があればそれに応対することでした。同時にドリンク提供やビュッフェの料理の有無を常にチェックし、空になればそれをコックさんに伝えたり、グラスを洗浄器にかけて一つ一つ磨いたりすることも朝食時の仕事内容に含まれていました。
朝食後は、机や椅子を綺麗に整頓したりビュッフェの後片付けに移ります。その後すぐに休憩が30分与えられKantine(社員食堂)で自身でパンや野菜を好きに取り、朝食を済ませていました。休憩後は、昼食の準備開始となり、ランチのセッティングをします。セッティングの仕方(フォーク、ナイフ、ナプキンなど机上のセット)も何パターンかありましたが、ここですべてを学ぶことができました。セッティングに加え、昼食ビュッフェの準備やドリンクの供給も仕事のひとつです。その他、時間があればキッチンでフォークやナイフなども綺麗に磨き上げました。ホテルの昼食は予約制で基本はビュッフェ形式です。会議前後に団体で食事をとられる方が多かったように思います。基本的には、お客様の来店を待ち、飲み物の提供をし、お客様が食べ終わったお皿を片付けます。昼食後には朝と同じように後片付けをします。その後2度目の休憩が与えられ、私たちもビュッフェをいただくことができました。その後はグラスの洗浄やごみ捨て、後片づけの仕事です。食器類を棚に戻したり、会議室の食事の後片付けをして一日の仕事が終わりました。
私のインターンの世話人は体調を崩し、仕事を休んでいることが後から分かりました。その為、当初はレストランのシェフが面倒を見てくれることになっていましたが、多忙のためか気にかけてもらえることがかなり少なかったのが残念です。
8月はUrlaub(長期休暇)で同僚がいないことが多く、最初の頃は他の研修生の人に教えてもらったり指示してもらうことが多かったのですが、彼女も同じように訓練中であるために、すべてを判断できるわけではなく、戸惑うことが多くありました。8月の終わりからはUrlaubも終わり、職場を熟知した年配職員の方が戻ってこられ、そこからは的確な指示をもらえるようになりました。それからはやるべきことが明確となり、しっかりと仕事に取り組むことができました。
正直に本音を述べるならば、サービス業を学ぶためにお客様とコンタクトを多くとれることを期待してホテルでのインターンを希望しましたが、実態は想像していた仕事とはかなり違っていたように思います。実際にはお客様が「見ていない・気づかない」ような作業が多く、お客様とのコミュニケーションも限られていました。とは言え、こうしたことはインターン生の私に限ったことではありません。同僚も普段から同じような仕事をしています。こうした経験を通して、ホテルで働くことやサービス業がどんなものであるのかをしっかりイメージすることができました。
また、ドイツで働くことに興味を持っていた私は、実際に働いてみて外国で外国人として働くことがいかに難しいことかを痛感しました。それは、同僚とお客様との関係両方においていえます。同僚との仕事に関してのコミュニケーション、お客様からの要望や質問に対する受け答えはほとんど問題ありませんでした。しかし、それだけでは彼らと深い関係を築くことが出来ませんでした。これはインターン期間を通して解決すべき大きな課題になりました。自分が仕事に関しての質問しかしなければ、相手もそれに答えるだけでそれ以上の関係は生まれません。言語の壁を理由にせず、同僚とは時間を見つけて仕事以外の話を自分から始めることを心掛けてからは、同僚との関係もかなり上手くいくようになりました。最終的にはみんなで冗談を言ったり笑ったり、どうすれば効率的に仕事を回せるかなどを相談しあったりできるような関係になれました。お客様との関係においても、例えば機械的に食事を終えたお皿を片付けるのではなく、一人一人のお客様のペースを大事にすることをインターン期間中に学びました。連続宿泊しているお客様は、一度信頼してくだされば、翌日も私に向けた要望を下さいます。そして宿泊最終日にはとても暖かい言葉で感謝をしていただいたのを鮮明に覚えています。このように、言語や文化の違いを超えて働くのは難しかったものの、自身で模索し試すことで解決することが出来ました。
職場の環境は年齢に関わらず皆、Du(親しい間での呼び合い方)で話すとてもフレンドリーな雰囲気であり、毎日冗談や笑いが絶えないような所でした。日本の職場で年上の方を下の名前で呼び、敬語を使わない環境はなかなか珍しいものだと思います。最初こそかなり驚きましたが、皆働く上で同じ立場であるという考え方が前提にあるようです。上下関係がないことでフレンドリーな働きやすい環境になり、職場が明るくなります。更に個人個人が私的なことでさえ理解しあっているということにも気づきました。私の同僚はほとんど皆口をそろえて、「働く上で楽しいのが前提である」ことを主張していました。ドイツの職場で働き、同僚やお客様との関係や仕事上のモットー、考え方や振る舞い方など、いくつも日本との違いを認識しました。

3.  ホームステイ先について
 私は、大きな公園の中にあるお家にホストマザーとドイツの大学入学を目指している台湾人の3人で2カ月間生活していました。ホストマザーは朝から夕方まで働き、仕事の後はヨガ教室や瞑想など様々なアクティビティに参加していて、毎日が忙しい方でした。それにも関わらず、一緒にお茶をしたりご飯を食べながら会話を楽しんだり、友人のパーティーに参加したり、日本食を一緒に作り彼女の友人をお家に招待したりなどしました。また近所の人もとても親切で、休日には一緒に朝食を取り何時間も話しながらみんなで楽しい時間を過ごしました。ホストマザーはとても陽気で人柄の良い方で、「あなたは私の良い友達だよ」と言ってもらえるほど仲良くなれたことが嬉しいです。また、私は大半の時間をルームメイトの台湾人と過ごしていたのですが、お互いドイツ語を勉強中であったので毎日単語を紙に書いて交換したりし、常に工夫しあい互いのドイツ語力を高めようとしていました。同じアジア人からみたヨーロッパ人の考え方や違いなど、深い話を長時間したことも良い思い出です。このルームメイトは、刺激的で多様な視点を私に示してくれました。ホストマザーも台湾人も今では私にとってかけがえのない友人です。素敵な出会いに感謝しています。

4.  おわりに
インターン期間中は悩んで考えて試してみることの繰り返しでした。同僚とお客様との関係をよりよく改善できたことは自分の中でとても大きな収穫でした。ホテルでの仕事が想像していたものとは違ったにもかかわらず、黙々と仕事をこなし、自ら課題を見つけそれを克服できたことによって、最終日に感じた達成感は特別なものでした。また、最後に同僚から心のこもった言葉とプレゼントを頂いた時、涙が出そうになり、心からこのプログラムに参加して良かったと思いました。
 同じ境遇にある日本人の友達とともに授業を受け、ドイツで働き、ホストファミリーの元で生活をするこのプログラムでは本当に様々なものを得ることが出来ます。ここで出会えた友達やAuslandsgesellschaft(外国協会)の方々とこのプログラムを支えて下さった、古田先生とアルブレヒト先生に感謝の気持ちでいっぱいです。

インターン1

インターン2

Auslandsgesellschaft Intercultural Academy gGmbH(木下大斗)

木下大斗(ドイツ語学科2年)
インターンシップ先:Auslandsgesellschaft Intercultural Academy gGmbH
 
1. はじめに
 ドイツでの就労機会が卒業後の職業観や人生観を豊かにする良い経験になると考え、入学当初からこのプログラムへの参加を希望していました。研修先はドイツでの外国人に向けたドイツ語教授法が、日本で行われるものとどの様に異なるのか興味があった為、このインターンシッププログラムを現地で運営するAuslandsgesellschaft Intercultural Academy gGmbH(公益有限会社外国協会インターカルチャー・アカデミー)を希望しました。
 
2.  日本での準備、対策など
 プログラム開始の一学期前に参加の可否が決まるため、春学期ではアルブレヒト先生のインターンシップ特殊演習と、マッコイ先生のビジネスドイツ語を受講しました。授業ではどちらもドイツで働くために必要な基礎知識や、会話に必要なより実践的な文法および語彙の習得を目標に、授業が行われました。特にインターンシップ特殊演習はクラスが少人数だったので、参加者の希望に沿った授業ができたと思います。中でもドイツのニュース番組を毎週聞き取る練習をしたり、そのテーマについて討論およびプレゼンテーションする機会を持てたことは、プログラムに向けてだけではなく実践的なドイツ語力の向上に役立ったと思います。また大学での授業以外でも、獨協大学に留学しているドイツ人学生と会話をしたりすることで、日常的にドイツ語を使う機会を増やせたことは、ドイツに来る上での良い準備ができたと感じています。
 
3. ホストファミリーについて
 私がプログラム参加期間中にお世話になったのは、Schröderさんという両親と大学生の男の子、それに中型犬が一頭の家族でした。住んでいた場所はドルトムント中央駅から電車で北西に15分程の距離にある一軒家で、そのお宅の敷地内にある離れの一棟を個人で使わせていただきました。部屋にはキッチンや冷蔵庫、トイレも備わっているため、半分一人暮らしのような生活ができました。Schröder家の皆さんは非常に親切で、初日の夕飯に庭でBBQをご馳走になったのを皮切りに、朝晩問わず家族が揃って自宅にいる時は常に食事に招いてくださいました。食事以外にも家族で出かける時には声を掛けて下さり、また近所の人や親戚の方との交流も盛んで、非常に沢山話をする事ができました。個人的には動物が大好きなので、飼ってる犬と庭で遊んだり定期的に散歩に出掛けたことはとても幸せな時間でした。
4. インターンシップ開始前のセミナー期間について
 プログラム参加者は8/4-12日までの期間にAuslandsgesellschaftでの合同セミナーに参加しました。内容としては毎日ドイツ語講座(午前又は午後)と、ドルトムント近郊の様々な場所に訪問する課外活動の組み合わせで構成されていました。授業ではゲーテインスティテュートのB1-2前後のレベルを基に、仕事の場面で必要となる表現方法や語彙などを中心に学習しました。この授業そのものがインターンシップにおいて手助けになることはあまり多くはないかもしれませんが、実際の勤務が始まる前の準備段階として、気持ちや心構えを整理する良い機会であったと思います。
 課外活動では市庁舎や地元にある様々な商店の裏側などを見学させていただきました。個人的に印象に残ったのは、Das Schürener BackparadiesさんとKrämer Likörfabrikさんです。どちらもそれぞれの商品の製造工程を丁寧に説明して下さり、一部の工程では実際に体験させてもらい、試飲や試食までさせていただきました。この様な見学を通じて、実際にドイツで働く人々の日常が垣間見えたことは、大変有意義であったと考えています。また任意での参加ではありましたが、ボーフムでのStarlight Expressというミュージカルをバックステージツアーも含めて鑑賞できたことは、このドルトムント滞在中の最も想い出に残ったことの一つと言えるほどの感動的な体験でした。来期以降もこのプログラムが行われるのであれば、参加費有料ですが参加する事を強くお勧めします。
 
5. インターンシップ先での勤務内容について
 私が行ったAuslandsgesellschaftでのインターンシップは、主にドイツ語コースに参加することでした。まず最初の活動として、初級者コースのA1レベルの授業に聴講生として参加させていただきました。授業は毎週月曜日から金曜日まで、毎日午前中の08:30-13:30まで行われていました。そのクラスには様々な国籍の学生が在籍しており、初級者コースであっても授業はすべてドイツ語で行われていました。その為、仮に生徒から英語で質問があっても、必ずドイツ語で返答をすることが徹底されていました。また教師の方も大変親切で、授業中に扱うテーマについて何を心掛けているか、または生徒が理解するためにどういった事が必要かなどを常々説明してくださいました。
 ドイツ語コース以外にもファイリングや手紙の作成などの簡単な事務作業を手伝ったり、様々な講座の受付業務や語学試験の監督を担当したりと、団体運営の裏側を体験させていただきました。これによってドイツでのオフィス業務への取り組み方や、日本との働き方の違いなどが自らの目で確認することができた為、大変有意義でした。
 プログラム担当のSchulzさんもいつも親切で、私の希望する講座に積極的に関与させてくださったり、仕事の少ない時は早めに帰宅させていただいたりと、常に負荷のかかり過ぎないように監督してくださりました。また他のドイツ語教師や同僚の方々も皆さん気さくな方ばかりで、いつも笑顔で挨拶する雰囲気の良い職場でした。
インターン3

 
6. おわりに
 今回のプログラムに参加して、ドイツでの働き方やホームステイ体験による家族での過ごし方がよく理解できました。このプログラムでは職場でも家庭でもとにかくドイツ語での交流が求められるため、語学力だけでなく日本とは異なるコミュニケーション力が必要になります。特に感じたことは、自分の意見は何なのかをはっきりと告げることの重要性です。日本では衝突を防ぐために個人の主張を控える場面も必要ですが、ドイツでは自分が何をしたいのかを明確に伝えることが求められます。それは家庭においても同様であり、相手が自分の意思を汲み取ることを期待していては十分な交流ができないかもしれません。また今回に限らず、今後のプログラムにおいても色々な場面で自分の希望とは異なる状況に陥ったり、対人関係でのストレスや失敗も起こりうると思います。その時には一人で抱え込まず、他の参加者やプログラム担当の方、ホストファミリーなどと正直に話すことで解決を目指すことが大切ではないかと感じました。私は幸いにも大きな問題が起きることなくプログラムを終える事ができましたが、今後の参加者の方々には様々な状況を想定し、いかにしてその時々の最善を尽くせるかを考えながら参加していただきたいと思います。
 最後にこのプログラムを管理してくださった古田先生、アルブレヒト先生、そして現地での企画運営を担ってくださったAuslandsgesellschaftのSchulzさん、Sulimanさん、それに滞在中の生活を支えてくださったSchröder家の皆様、二ヶ月間本当にありがとうございました。この機会を今後の大学生活および卒業後の進路に活かせるよう、常に精進していきたいと思います。

Wasserschloss Bodelschwingh(清水 優)

清水 優(ドイツ語学科2年)
インターンシップ先:Wasserschloss Bodelschwingh
 
1.  はじめに
 私は獨協大学入学当初から、このインターンシップ・プログラムに参加することを一つの目標としていました。理由は様々ですが、何よりも「語学を学ぶだけではなく、語学を活かして何かをしたい」という気持ちが私の中で一番大きかったので、そのはじめの一歩として、今回のPraktikumに参加させて頂きました。
 
2.  事前研修
このプログラム参加にあたって、渡独前に大学の春期の授業で(インターンシップ特殊演習)を受講し、ドイツではPraktikum開始前の約10日間、DortmundにあるAuslandsgesellschaftにて集中ドイツ語コースを受けました。日本でもドイツでも授業内容としては、ビジネスドイツ語、プレゼンテーション、スモールトークや電話対応の仕方など、実際にインターン先で活用できる内容の授業でした。Auslandsgesellschaftでのドイツ語コース期間中は授業だけでなく、ミュージカル鑑賞やパン屋さんの見学などの多くのアクティビティが用意されており、それらを通じて異なった様々な職業に触れることが出来ました。
 
3.  インターンシップ
 私が今回インターン生として働かせて頂いたのは、Wasseeschloss Bodelschwinghという現在も男爵と男爵夫人、そしてそのご家族が住んでいる、700年以上の歴史があるお城でした。毎年8月の終わり、又は9月のはじめに、このお城の広大な庭で“Gartenflair”という大きなお祭りが3日間開催されています。私に与えられた仕事は基本的にお祭りの準備、運営、後片付けでした。準備期間中は、出店者リストの作成や書類の管理といったようなオフィスワークから、プラカードの作成、ケータリングの管理や倉庫の整理などといったような体力を使う仕事まで様々な仕事をしていました。お祭り期間中は同世代のアルバイトの子たちも集まり、みんなでDepotserviceを手伝ったり、入り口でチケットコントロールをしたりと、楽しみながら働くことが出来ました。お祭り終了後は後片付けとして、備品や倉庫の整理、冬に開催されるお祭りの準備を行いました。 
 普段の職場では男爵と男爵夫人、そして秘書の方2人、犬1匹という少人数体制のため、とてもリラックスした雰囲気の中で働けました。時に私がミスをすることもありましたが、どうしてミスをしてしまったのか、どうしてそう思ったのかなどをしっかり伝えることで、上司も理解を示してくれ、一緒に解決してくれました。また基本的な勤務時間は朝の10時から夕方の17時まででしたが、お祭り一週間前やお祭り期間中は準備や運営で忙しくなるため、それ以上の時間を10日間ほど連続勤務で働かなければならなかったのは、体力的にきつい部分もありました。もちろん、その分の振替休日はもらえました。しかし終わってみると達成感に満ち溢れていただけでなく、「もう終わってしまったんだ…。」とどこか寂しくも感じました。それくらいやりがいを感じられたインターンシップ先でした。
 
4.  ホストファミリー
 今回私がお世話になったのはVissmannさん一家でした。お父さん、お母さん、子供が3人いるのですが、それぞれ大学や仕事の関係で独立しています。お父さんもお母さんも本当に優しく、「好きなようにしてね」といつも言ってくださいました。 
 仕事から帰宅するとその日の出来事を話し、夜には一緒にテレビを見たり、食事に行ったり、家族の友達も交えてボードゲームをしたりしました。その他にもビリヤードやBVBの試合に連れて行ってくださいました。特に嬉しかったのは、私が誕生日を迎えた際に頂いたバースデーカードの最後に“Deine Familie Vissmann”と書いてあったことです。また、日本に興味を持たれていて、よく日本についての質問をしてくださいました。また、日本からのお土産を渡した時や、カレーを振舞った時にはすごく喜んでくださいました。本当の家族の様に接してくださったので、困ったこともなく、とても居心地がよかったです。
 
5.  おわりに

 「働く」という人生の中で必要不可欠な事を、自分が好きな事を活かしながら体験できたこのプログラムに参加して、改めて本当に良かったです。外国で、まして違う言語を使って働くという事は、決して簡単な事ではありません。しかし、それだけタフにならなければいけない分、この短い期間中でも自分が成長できるだけではなく、将来やりたいことに対しての一歩を踏み出せた気がします。
インターン4
インターン5

Super Bio Markt AG (坂下慶夏)

坂下慶夏(ドイツ語学科2年)
インターンシップ先:Super Bio Markt AG 


1.  私がインターンシップに応募するまでの流れ
 去年の12月、私は水曜3限のドイツ語圏入門でこのドイツでのインターンシップの存在を知りました。皆さんの体験談がとても魅力的で私も行きたいと思いましたが、2年生の夏休みをドイツでのインターンシップに費やすのは自分にとってプラスの経験になるのか、アルバイトでお金を貯めて友達と遊んだ方が楽しい夏休みを送れるのではないか、とも考えていました。そんなこんなで私は締め切りのぎりぎりまで迷っていました。しかし、これまでの自分の人生では、いつも不安な気持ちが先だって行動せずにあとですごく後悔していたことを思い出したのです。結局、プラスになろうがマイナスになろうが、ドイツでホストファミリーと過ごしながらインターンシップを経験する機会というのはそうそう簡単に見つけられないことに思い至り、思い切って応募してみました。

2.  インターンシップ前の語学研修
 私たちはインターンシップが始まる前に約1週間語学研修を行いました。ここで行われた語学研修は普段大学で勉強する一般的な文法や、ドイツ語の複雑な言い回しというのを学ぶ授業ではなく、インターンシップ生それぞれの職場で必要とされる単語をみんなで一緒にブレインストーミング形式で学んだり、電話応対を学んだりする、とても実用的なものでした。       授業が終わった後は、Auslandsgesellschaftの方が企画してくれたプログラムに参加しました。パン工房を視察したり、ミュージアムを訪問したり、とても素敵な時間を過ごすことができました。なかでも、Bochumで行われたStarlight Expressは特に印象に残っています。上演前に特別に舞台裏を見させていただき、ひとつのミュージカル作品が完成するまでの過程を知ることができとても感激しました。そこでは、出演する人はもちろんのこと、照明さん、衣装さん、メイクさん、音楽の担当さん、それぞれが一丸となって一つのミュージカル作品を作っていました。プロフェッショナルな人たちの舞台裏での活動のすべてを直接見聞きできるのは、本当にドルトムントのAuslandsgesellschaftと獨協大学との深い信頼関係がないと、実現することはできないと思いました。面白く、興味深いプログラムを考えてくれたAuslandsgesellschaftの方々、そして施設を見学するに当たり、親切に案内してくれた劇場関係者の方々にはとても感謝しています。ありがとうございました。

3.  ホストファミリー先
 私のホストファミリー先はFamilie Merzさんでした。お母さん、お父さん、息子さん、娘さんと猫2匹からなるファミリーは、Tierpark駅から徒歩1分、Brünninghausenのバス停まで徒歩5分、私のインターンシップ先のSuper Bio Marktまで徒歩約20分、ドルトムント市内まで20分以内で行くことができる交通至便な地域にありました。この自然豊かな素敵な環境で私は2か月間過ごすことができました。家の使用方法については、1階にリビングルーム、両親の部屋、息子さんの部屋があり、2階に娘さんとゲスト用の部屋があります。バスルームは娘さんとシェアして使っていました。食事については、朝食と夕食(昼食は職場)の両方を用意していただきました。「冷蔵庫の中は好きに使っていいのよ」と言ってくれますし、たまにライスも出していただきました。息子さんと娘さんがベジタリアンでしたが、特に2人の前で肉を食べてはいけないということもなく、食については特に困ることはありませんでした。家族の皆さんは、週末は息子さんの大学入学準備のため、家探しなどでとてもバタバタしていて、私と一緒にゆっくり過ごすことはあまりできませんでしたが、それでもその他の空き時間をとても大切にしてくれました。一緒にトランプゲームをしたり、ドルトムントの街を車で案内してくれたり、ドイツ語の文法の勉強を教えてくれたり、家族みんながクリエイティブなアイデアを持っていて空き時間も素敵な時間を過ごすことができました。

4.  インターンシップ先
 私のインターンシップ先はHomruchというドルトムントの郊外市区にあるオーガニックショップ(通称Super Bio Markt)でした。ここでの私の業務内容は品物の陳列作業、棚拭き、お客様に対面式でチーズやお肉を売ることなどでした。同僚をはじめ、お客様もとても親切でした。Hombruchという地域自体がすごく落ち着いた街で、いつも街に笑顔が溢れていて、とても温かい印象を持ちました。 同僚の人たちはいつも私からの質問を大歓迎してくれました。それどころか、私の質問したことに対して倍以上の回答をくれるので、新しいドイツの知識やオーガニックの知識を学ぶことができました。こうして毎日があっという間に過ぎて行きました。 私がインターンシップ先で一番やりがいや楽しさをみつけられたのはパン売り場での業務でした。そこでは、私のおばあちゃんか親友かと思えるようになった同僚やお得意様との多くの出会いがありました。私はその業務の中でコミュニケーションの素敵さ、楽しさを改めて感じることができました。また、私の業務について、単純作業と思える仕事が多すぎないか、と思う人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。日々の業務のなかでは常に面白い品物や単語を発見できますし、たくさんのお客様との会話を通じていろいろなドイツ語の言い回しを知ることができる素敵なインターンシップ先だったと思います。そして、今回のインターンシップ先との繋がりによってドイツの記者の方と出会うこともできました。その方は、今回の私の経験、体験についてドイツ語でインタビューして、その記事を新聞に載せてくださったのです。これはとても貴重な経験になりました。周りの方々に恵まれた最高のインターンシップ先でした。 関係者の方々に心から感謝いたします。

インターン6インターン7

Robert Kortenbrede GmbH/ Kortenbrede  Energiesysteme GmbH(野津 良輔)

野津 良輔(ドイツ語学科4年) 
インターンシップ先:Robert Kortenbrede GmbH/ Kortenbrede  Energiesysteme GmbH
 
1.  はじめに
 私は2017年3月よりハイデルベルク大学での交換留学を開始することが決まっていましたが、過去3年間の大学生活を振り返り、必ず半年が過ぎるあたりで中弛みの時期が来るであろうと思い、中間目標となるものを模索していました。加えて、自身の研究活動や年度末に計画しているインターンシップの充実を図るために、より多くの実地経験を積んでおきたいとも考えていました。こうした経緯から、今回、当プログラムへの参加を決意するに至りました。
 大学のゼミナールおよび日本での長期インターンシップの両方で、一貫してエネルギーに関わる行政学に取り組んでいたこともあり、当初インターンシップ先としてドルトムント市環境局、Dortmunder Stadtwerke AG (DSW21)、BUND Dortmund (ドイツ環境自然保護連盟)を強く希望していましたが、いずれも調整が難しいとのことで、急遽ミュンスターにある上記のインターンシップ先で働かせて頂くことになりました。
 
2.  事前研修について
 事前研修は8月4日から8月11日まで、(日曜日を除いた)7日間で設定されていました。担当の先生であるWrobelさんが、初回の授業で各参加者のドイツ語学習レベルや授業内容として期待するものを確認したうえで、それに沿った構成で進行してくださいました。具体的には、仕事に関わる語彙・フレーズにはじまり、ドイツの職場での適切な振る舞い、スモールトーク、電話応対、労働に関わる法律や危機管理などについて、学ぶことができました。研修期間中、講義以外のアクティビティとして、市内観光、市庁舎訪問、DASA(労働環境・労働者保護について展示を行っている博物館)、リキュール醸造所見学、Starlight Expressミュージカル鑑賞などが設けられ、総合的にドルトムントという街の理解を深めるきっかけになりました。全体として、かなりタイトなスケジュールでみな常にクタクタになっていたように思いますが、その間にメンバー同士の対話も生まれ、結果的に連帯感が育まれていたように感じます。
 
3.  インターンシップ先
 Robert Kortenbrede GmbHは57年(執筆現在)の歴史をもつ中小企業で、ミュンスター中央駅から更にバスでおよそ30分行ったNienbergeというStadtteil(市区)にあります。パートナー企業として、太陽光部門を担うKortenbrede Energiesysteme GmbHと、通信ネットワーク部門を担うKortenbrede Datentechnik GmbHが、それぞれ内包される形で事業展開しています。私は、当初よりエネルギー分野の業務を切望していたこともあり、太陽光部門で働かせていただくことになっていました。工具や鉄骨などを取り扱うため、初日に安全靴と作業用ズボン、作業向けのゴム手袋を支給していただけました。店舗・会社の敷地内にはカリーヴルストの屋台店があり、倉庫管理作業(後述)をする日は、そこで昼ご飯を買うことが多かったです。また、マスターのおじさんがRobert Kortenbredeの従業員にはこっそり割引価格で提供しており、途中、自分にも割引価格で対応してくれるようになった際には「自分もちゃんとRobert Kortenbredeで働いている人間として認知してもらえた」という嬉しい瞬間もありました。SommerjobやAusbildungとして働いている同世代の同僚が数名いたほか、異文化的背景を持っている方々も多くいらっしゃったので、皆さん、私自身や日本のことに様々な角度から興味を持って接してくださり、職場での孤立感を感じることは少なかったと思います。
 
4.  仕事について
  勤務時間:
・Lagerarbeitの場合、8時(8時15分)~16時(16時30分)
・Baustelleで作業をする場合、8時~作業終了および会社に戻ってくるまで(15時30分~16時30分)
 
  曜日:週5日(月~金)が勤務ベースでしたが、往復の通勤で4時間前後かかることもあり、Chefとの相談を経て、週1日希望を出せば休暇をもらえることになりました。
 
  業務内容:
・太陽光パネル設置業務
  太陽光エネルギー部門を担当するパートナー企業としてKortenbrede Energie-
systeme GmbHがあります。太陽光設置業務は、「①Baustelle(作業現場)に向かう車が出発する時間(朝8時15分が目安)に出勤できた日で、②当日必要になるパネルやインバーターなどの納入が完了しており、③屋根上作業が危険でないと判断された」場合にのみ、携わることができました。具体的な作業内容は、細かい部品の用意(ボトルとナット、レールの事前準備)、屋根上でのレール運搬および設置、電気配線の補助、屋根上でのパネル運搬および設置を行いました。屋根の形状は、以前にお世話になった方のときとは異なり、どの現場もすべて勾配屋根でした。
 
・倉庫管理業務(Lagerarbeit)
  何らかの理由で太陽光パネル設置作業に参加できない日には店舗・会社に残って、倉庫管理員として働くことになっていました。具体的な作業内容は、オンラインショッピングで注文を受けた商品の梱包、納品された商品のラベル貼り、在庫整理、自社ブランド商品の梱包(陳列用の容器にオイルを入れるなど)を行っていました。
 
 職場がドルトムントではなくミュンスターにあり、定期券が他の参加者よりもかなり高額でした(まずはDBの窓口で187ユーロ/月を私が支払ったあと、Auslandsgesellschaftで100ユーロをいただくという形に落ち着きました)。なにより、毎朝5時には起きて6時発の電車で出ても、職場には早くても8時10分ごろにしか到着できないので、なんとなく「遅刻してくるやつ」と勘違いされかねない雰囲気を感じ、その点では最初かなり居心地が悪く辛かったように思います。また、基本的には肉体労働なので、疲労回復が間に合わない日も度々ありました。朝早く起きて夜遅く帰り、早く就寝しなければならないスケジュールであることで、ホストマザーと交流するゆとりがなかなか持てないことも相当精神的にこたえていました。
 Baustelleに赴いた際には、作業自体の説明が複雑になることがあるため、「見て覚える」ことを念頭に置いて取り組みました。また、屋根上で取り扱うもので、鉄製のレールが最低3メートル最大7メートルあり、太陽光パネルが1.5メートル25㎏はあるので、「体格がよい、手足が長い、最低限筋肉がある」と、安定した作業ができるのだろうと思います。
 設置したパネル設備は10~15年そこに留まり使用されることを考えると、自然と責任感をもって作業をすることになりました。それが良い方向に働くこともありましたが、慎重になりすぎて作業ペースを遅らせてしまっていたかもしれないと反省する日もありました。
 もともとは大学院進学か就職かという今後の進路のため、エネルギーないしは環境に関わる行政業務を広く経験しておきたかったので、太陽光の現場業務のみの研修になったことは気がかりではあります。しかし、日本で素人が実際の太陽光パネル設置業務に関わることは様々な理由から比較的困難であるため、今回、純粋にこの領域で仕事を体験できたのは嬉しかったです。また、年度末に予定しているインターンシップを前に、ドイツの職場に順応する足掛かりをつかめた気がしています。
 
5. ホームステイ先について
 1か所目:Frau Tête
当初予定していたホストファミリーのご家族の体調急変により、急遽Auslands-
gesellschaftの職員であるTêteさん宅の1室にお邪魔することになり、インターンシップ開始前日まで短期間滞在しました。私が来る前から、既に2名の学生が間借り人として、それぞれ別の部屋で生活していました。自分の部屋は来客用といった感じなのか、部屋には冷蔵庫やキッチンがあり、すぐ隣にシャワー&トイレがありました。基本的には、それぞれの生活空間が独立しており、一人暮らしのような感覚でした。洗濯もお願いすれば可能であったようなのですが、語学研修期間中のみの滞在であったこともあり、1度もお願いすることはありませんでした。食事は基本的に自分で用意する形でしたが、近くにLidlやREWEがあったので困ることはありません。結局、滞在期間中は何かと外で食事を済ませることが多かったので、いずれにしてもTêteさんと一緒にご飯を食べるのは難しかっただろうと思います。
 他方で、平日はTêteさんもAuslandsgesellschaftで働いていたため、授業の合間に言葉を交わすことが度々ありました。週末は友人との予定が入っていることが多かったのですが、出かける前に声をかけに来てくれたり、常に気をかけてくれているのがわかりました。最初の3日間は、同プログラム参加者の坂下さんも滞在していたため、3人で過ごす最後の日には庭のテラスで一緒にティータイムを楽しみました。坂下さんとは、その日のことを振り返ったり、お互いの興味や関心、悩みなどを楽しく語り合うことができました。おかげで一番最初の不安な時期というのを必要以上に気負うことなく乗り越えることができたように思います。
 
  2か所目:Frau Burmann
インターンシップ開始前日から滞在を開始しました。既に、別の1室には同プログラム参加者の北島さんが滞在しており、自分はBurmannさんの娘さんが以前使っていたという部屋を借りていました。一般的な一戸建て住宅で、洗濯機もそれぞれ自由に使わせていただいていました。平日は私が午前5~6時に家を出て遅くに帰ってくるため、疲労と睡眠時間を確保するためにも、ゆっくりと歓談する暇(いとま)がなかなかありませんでした。それでも、自分にゆとりがある時や週末は3人で話したり、映画鑑賞、散歩、食事やティータイムをともにすることができました。
Burmannさんは完全菜食主義ではないものの、少しベジタリアン寄りの食事を好んでいるようでした。そうしたこともあってか、頻繁に植物に関わる語彙を教えてくれたことが印象に残っています。また、過去に何度か同プログラムでのホストファミリー経験があり、ドイツ語を時折訂正してくれたり、日本人の気質や接し方といったものをとてもよく理解されている方だなと感じていました。一緒に食卓を囲んだときには、日独の政治や社会について折に触れて語り合い、学び多き日々であったと思います。
一緒に滞在することになった北島さんとは、お互いのことやインターンシップ先での出来事を度々語り合っていました。とりわけ、インターンシップ期間中はお互いに精神的に辛くなることもあったので、それを分かち合える仲間・よき理解者がすぐ近くにいたことは大きな支えになっていました。また、プログラム期間中は、他のメンバーとの差異が気になってしまうこともみな等しく起こりうるので、素直な気持ちを打ち明ける場があるというのは本当に大きかったと思います。
身近なところで苦楽を共有していただけあって、Burmannさんや北島さんとの間には、アットホームな関係や強い連帯感が育まれていたように感じていて、そうした貴重な財産を与えてくれたことに心から感謝しています。
 
6.  おわりに
今回、ドイツ語の発話能力の上達や家族のような良き友人たちに恵まれたことはもちろん、学内の閉鎖的な「外国人留学生」という視座を超えて、ドイツ社会をある程度内部から眺めることができたのが非常に大きな収穫でした。基本的に、ハイデルベルクでの最初の半年間は、留学生と現地学生の間に隔たった並行世界があると感じ、ドイツに居ながら結局はドイツ・コミュニティを内部から眺めることはなかなかかないませんでした。その影響で、ハイデルベルクを魅力的な街だと感じているものの、ドイツという国の捉え方や自分の立ち位置の認識が安定せず、ドイツ・コミュニティへの愛着もなかなか湧いてはいませんでした。しかし、ドルトムントというまた異なった性質の都市で一定期間生活をしながら、様々な属性を持った人々と(学問・学修活動を前提としていない領域で)触れ合うことで、今まで以上に「ドイツ」という国を肌感覚で感じることができたように思います。また、インターン先での自らの姿勢・振る舞いについて、上司や同僚からポジティブなフィードバックを頂くにつれ、日本人ひいては日本人留学生という属性云々ではなく、ひとりの同僚・人間として居場所を感じることができました。今は、ハイデルベルクやドイツ社会に対して、愛着も深まり、残りの半年間をより主体的に過ごせるような原動力となる予感がしています。
こうした貴重な機会を与えてくださった獨協大学の古田先生やAlbrecht先生、AuslandsgesellschaftのSchulzさん、Wrobelさん、Sulimanさん、ホームステイでお世話になったTêteさん、Burmannさん、インターン生として温かく迎え入れてくれたRobert Kortenbredeの皆さん、インターンシップ・プログラムで一緒に過ごしたみんな、その他お世話になったすべての人に心から感謝したいと思います。本当にありがとうございました。
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Wohnstift auf der Kronenburg(北島 瑠璃子)

北島 瑠璃子(ドイツ語学科3年)
インターンシップ先:Wohnstift auf der Kronenburg
 
1.  はじめに
 私は2017年の3月から交換留学生としてウィーン大学に通っています。ずっと、外国人として現地で働いてみたいと思っていた私は、大学の夏季休暇期間を利用して、オーストリアでインターン生生活を送ることを考えていました。しかし、以前オーストリアに1年間留学した際にオーストリアが大変気に入ってしまい、それ以来ドイツへの関心が薄くなっていたのも事実です。このドイツでのインターンシップ・プログラムは、外国人として働きながらドイツを自分の目で見ることができる最後のチャンスだと思い、ドルトムントのインターン生になることを決意しました。
 コミュニケーション力が重視される職場(=ドイツ語を話す機会が多い職場)に就ければと思い、当初は、子供が好きなこともあり保育園・幼稚園を希望しましたが、残念ながら夏季休業中のところが多く、「他人の面倒を見る、世話をする」といった共通点から、老人ホームで働くことになりました。
 
2.  事前研修
 約1週間、Auslandsgesellschaftでビジネスドイツ語の授業を受けました。文法や語彙等の基本から、インターン先で必要になるであろう電話の受け答えやオフィシャルな場での話し方等の実践的なドイツ語まで、幅広く学ぶことができました。少人数での授業でしたし、先生も優しく、モチベーションが常に維持できる、非常に勉強しやすい環境でした。事前研修といっても1日中教室の中での授業だったわけではなく、様々なアクティビティが用意されていました。市庁舎や博物館を見学したり、ドルトムントの歴史や文化にも触れることができてよかったと思います。また、この期間中に他の参加者の方とも交流が深められ、いよいよ始まるインターンを前に緊張していましたが、リラックスすることができたと思います。
 
3.  ホームステイ先
 私がお世話になったBurmann家には、ホストマザーが一人で住んでいました。ホストマザーには学生の娘さんがいるのですが、彼女はデュッセルドルフで暮らしているため、休日に一度お会いしただけでしたが、とても気さくな方でした。ホストマザーは多忙な人で、特に最初の一週間は話す時間を見つけるのに苦労しました。キッチンが私たちの共同スペースで、彼女は仕事から帰ってからしばらくそこで作業をすることがわかり、私も同じように時間帯を合わせてキッチンに残るように努めました。初めは緊張してしまい、言いたいことが上手く伝えられなかったり落ち込むことも多々ありましたが、時間が経つにつれて緊張もほぐれ、積極的に会話を進めることができるようになりました。ドイツ語のミスはいつも的確に訂正してくれたので、文法の勉強にもなりました。私はウムラウトの発音が苦手で、ホストマザーと一緒に練習したのも良い思い出です。また、彼女はよくおいしいサラダやスープ、ケーキなどを振る舞ってくれました。私もキッチンに残るようになってからは、ホストマザーの料理作りを手伝い、それがきっかけになって話が弾むのはとても楽しいものでした。
事前研修を終えた後、同じプログラム参加者の野津くんが引っ越してきて、3人暮らしになりました。仕事の終わる時間が重なれば3人で夕食を取り、様々な会話や議論もしました。3人でいるときはドイツ語で話す、というルールを決めていたため、日常会話はほぼドイツ語で行われていましたが、ホストマザーの帰りが遅い日もあり、そんな時には野津くんと、仕事先での反省や悩み事、それに対する策を話し合ったりもしました。
他の参加者とは違い、私ともう1人日本人とホストマザーというファミリー形態だったため、完全にドイツ語に浸かるという生活ではありませんでしたが、とても恵まれた環境のホームステイ先だったと思います。インターンシップ中精神的に辛いと感じた時(訃報の知らせを聞いた時等)もありましたが、ホストマザーと野津くんの優しさに何度も救われ、最後まで全力で頑張ることができました。
 
4.  インターン先
 私のインターンシップ先はホテルのように綺麗な老人ホームでした。大きなエントランスに受け付け、プールに庭やちょっとした売店、歯医者、美容室まであり、老人ホーム内だけで生活が事足りる、そんな立派な施設でした。
私はSozialdienstという11人体制の少人数部署に配属されました。月曜日はGymnastik (体操)、火曜日はSingen(歌唱)、水曜日はJakklo(オランダの遊び)、木曜日はBingo、金曜日はGedächtnistraining(記憶力の訓練)といったように、週ごとにアクティビティが組まれていて、それに参加するBewohner (入居者)の送り迎えをしたり、自分自身もそのアクティビティに参加したり、司会進行を務めたりしました。
彼らの話すドイツ語ははっきりしなかったり方言であったりと非常に聞き取りづらく、初めは語学面で苦労しましたが、耳が馴染むにつれ段々と理解できることが増え、西ドイツならではの言い回し等を教えてもらえて面白かったです。
また、入居者の聞きなれないドイツの苗字に、初めの数日は覚えること、顔と一致させることに苦戦させられました。しかし日々彼らと接していくうちに自然に覚えていけるようになりました。反対に入居者にも私の名前を呼んでもらえるようになっていき、受け入れられてゆく感じが仕事の励みになりました。
一番戸惑ったことは、同僚に、何をするにも具体的な指示を与えてもらえなかったことです。健康体で身の回りのことはほとんど自分でこなせる人もいれば、体の一部が不自由だったり、認知症だったり、様々な事情を持つ方がこの老人ホームには住んでいました。そういった環境の中で、どんな対応をすべきか、何に注意するのかということについて口での説明は一切なく、まさしく習うより慣れろという状態でした。同僚に同年代はおらず、皆さん気遣ってくれてはいたのですが基本的には常に忙しく、質問をしても後でねと言われたり、ここでちょっと待ってねと言われ長時間放置されることもありました。特に私は、本来Pfleger(介護師)として持っているべき資格を持っていなかったため、ご飯を食べさせる仕事は誤飲の危険があるため請け負えなかったりと、出来る仕事が限られてしまい手持ち無沙汰になることも多く、歯がゆさを感じていました。しかし、この時間に入居者の部屋に出向いてみることにしました。初めは上からの指示がないのに自分一人で行動していいものかと悩みましたが、そうしたことで入居者一人一人との距離が縮まりました。特に折り紙で折った鶴や日本語の歌は好評で、アカペラで一人歌うのは大変恥ずかしかったのですが、時には涙を浮かべて喜んでくれるおじいちゃんおばあちゃんもいて、私自身も嬉しい気持ちになれました。
そういった素敵な思い出の一方で、辛かった思い出ももちろんあります。特に認知症の方と接するのは人生で初めての経験で、最初は怖いとすら感じてしまいました。そんな自分が嫌になったり、今自分はきちんと笑えているだろうか?他の入居者と差別することなく接することができているだろうか?と不安に感じたり、たびたびの訃報にも胸を痛めました。
このように様々な出来事があった6週間ですが、インターン最終日が近づくにつれ、おじいちゃんおばあちゃんが私との別れを本当に惜しんでくれて、私自身も最終日を迎えることを寂しく感じました。短い間でしたが、ここで出会った人々の暖かさを忘れません。また会いに来てね、と沢山の方に言ってもらえたので、いつか成長した自分を見せられるように頑張ります。
 
5.  おわりに
 私はこのインターンシップ・プログラムを通して、多くのことを学びました。言語面ではもちろん、外国人として働くということがどれほど難しいか、身をもって体験させられました。しかしこの体験はネガティブなものなどでは決してなく、むしろ厳しい現状をどうより良いものにするか考え、実行する力に変わったのだと思います。そういった力や忍耐力、他人の優しさ、この夏ドイツで学んだことを全て忘れず、残りの留学生活も励んでゆきたいと思います。
 最後になりましたが、このインターンシップ・プログラムに携わってくださった獨協大学の先生方、Auslandsgesellschaftの皆様、インターンシップ先のWohnstift auf der Kronenburgの皆様、ホストファミリー、参加者の皆、全てに心より御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
2016年度 参加者:7名

Auslandsgesellschaft / Kornhaus Naturkost(竹内優)

竹内 優(ドイツ語学科4年)
インターンシップ先:Auslandsgesellschaft / Kornhaus Naturkost

はしめに
 私は 1 年間のハイデルベルク大学での交換留学を終えそのままインターンシップに参加しました。交換留学開始前に参加することも考えましたが、それまでドイツに行ったことがなく語学力の面でも環境に適応するという面でも不安があったので、留学後にインターンシップをすることを選びました。インターンシップ特殊演習は、3 年次春学 期(留学出発前)に履修していました。

事前研修
 8/1 に留学先のハイデルベルクからドルトムントへ移動し、その翌日からAuslandsgesellschaft でビジネスドイツ語の事前研修を受けました。私たちの授業を 担当してくれた先生はとても優しくフレンドリーでした。最初に親しい間柄で使う du で呼び合おうと言ってくれたので、私たちも先生を du で呼んでいました。
 授業内容はアルファベットの口頭でのつづり方、電話の掛け方のシミュレーション、 職場での振る舞い方、スモールトークなど実践的なものばかりでした。事前にこのコー スを受けたことで、インターンへの不安が和らぎ良かったと思っています。 授業の他にもドルトムント市内の企業や市庁舎訪問、市内観光など様々なアクティビ ティがありました。インターン開始後も、基本的に週に一回 Suliman さん、または先 生を含めた全員で集まり現状や問題点を話したりする機会があったので、不安があっても相談に乗ってもらうことができ大変助かりました。

インターンシップ 【Auslandsgesellschaft】
 今回私は 2 か所でインターンシップを体験させてもらいました。最初の約 10 日間は Auslandsgesellschaft で主に独→日の翻訳をさせてもらいました。まずは Auslandsgesellschaft の来年度のコース案内を日本語に訳し、次にドルトムントにあ る歴史的建造物(ナチ時代の牢獄)である Steinwache のパンフレットの一部を翻訳させてもらいました。その他にも初日は Integrationskurs(統合コース)に参加している子ど もたちの博物館見学に一緒について行かせてもらったり、最終日にはIntegrationskurs の参加者と共に Steinwache を見学したりしました。翻訳は頭をたくさん使うのであま り長時間やりすぎない方がいいよ、と私の Chefin にあたる先生や Suliman さんが配慮 してくれたので、朝 10 時に出勤しお昼に 1 時間の休憩、そして遅くとも 16 時までに 退勤と実質労働時間はかなり短かったです。翻訳をするときは日本語キーボードが必要なので持参したノートパソコンを用いて作業していました。ドイツ語で分からない箇所 があったらすぐ隣で仕事をしている先生に質問したり、作業中も他の職員たちがどのよ うにオフィスで働いているかを目にすることが出来たりしたのでとても有意義でした。 非常に短期間で、翻訳をお願いされたパンフレットはかなり情報量が多く高度な歴史の 知識も必要だったため、最初のほんの数ページしか翻訳し終わりませんでしたが、とに かく翻訳のインターンをやりたいというのが私の希望だったので、このような貴重な機 会をいただけたことに本当に感謝しています。翻訳は自分が想像していたより何倍も難 しいということ、また多くのリサーチが必要なのでたった数行を訳すのにもかなり時間 がかかるということがわかりました。

【Kornhaus Naturkost】
 8 月下旬からは 1 カ月間 Kornhaus Naturkost という Bio 製品を扱うお店でインターンをさせてもらいました。シフト制で、平日の 7:00-14:00 または 14:00-20:00 に 働いていました。このお店は過去に何度も獨協生を Praktikant/in として受け入れているのでとても慣れている様子でした。翻訳のインターンとは全く違うのでとても不安で したが、初日に Chef が店内や私が担当する仕事について説明してくれたり、他の Kollegen 達も私の数多くの質問に嫌な顔を一切せず丁寧に答えてくれたりしたのでとても働きやすかったです。私は店内のパン売り場と、そこに併設しているレジを主に担 当しました。最初の週は注文されたパンを包装することと担当する売り場の商品の名前 を覚えることに集中しました。慣れてくると、お客様に試飲をしてもらい、買ってもら うように宣伝するという仕事も任されるようになりました。その商品の特徴を頭に入れ て自分の言葉で説明し、お客様を買う気にさせるのはかなり難しかったですが、一つ 12 ユーロ以上する高額な商品を購入していただいたときはものすごく嬉しかったです。
 Kornhaus に来られるお客様はとても心の広い優しい方たちばかりで、常連さんもた くさんいました。Chef は「ここではお客様とゆっくりお話しすることを心がけている」 と言っていたので、お店の雰囲気そのものが温かかったです。私が日本人だとわかると 日本語で話しかけてきてくれたり、インターン最終日にお客様から私に餞別として小さ なお菓子を買ってくれたりと、素敵な体験をたくさんしました。1 か月間楽しんで働くことができたのもユニークで心優しい同僚たちや Chef のおかげだと思っています。イ ンターン先を悩んでいる人がいたら、Kornhaus を強くお勧めします。

ホームステイ
 私はホストマザーと 1 つ年下のホストシスターの二人暮らし(+ペットの犬)の家庭に 1 カ月半滞在させてもらいました。9 月に 2 週間 Urlaub でフランスに行く関係で家 に誰もいなくなってしまうので、当初は途中から別の家庭にホームステイをする予定でしたが、とても居心地がよくホストファミリーとも離れがたいということを伝えたとこ ろ、最後までここにいていいよということだったので結局帰国当日までその家庭に滞在 させてもらいました。
 偶然にもその家庭は私の親友が昨年度のインターンシップに参加したときに滞在し た家庭だったので、事前にどのような様子か友達から聞くことができた上に、ホストフ ァミリーとも共通の話題ができたので良かったです。私は交換留学直後にこのインターンに参加したので、家にいるときは学期末のレポートや留学後の手続き等に追われホス トファミリーと出かけることは出来ませんでしたが、夕食や日曜の朝食を時々一緒に食 べたり、一緒に庭でバーベキューをしたりして過ごしました。ホストマザーもホストシスターもとても優しく親切で、いつも笑顔で会話をしてくれました。その他にもホスト シスターのおじいさんや彼氏、友達など様々な人と知り合うことができてとても楽しか ったです。ホストマザーは毎晩時間を作って私の進路相談などに乗ってくれて、いつも 温かい言葉で勇気づけてくれました。当初はホームステイをするのが不安でしたが、別 れるのがすごく惜しくて、本当にこの人たちと出会えて良かったと思いました。ドイツ の家族として、この先もずっと交流していきたいです。

最後に
 改めて、このインターンシップに参加して本当に良かったです。ここで得たものは留学中には得ることができなかったものなので、自分の視野も以前より広がったと思います。このプログラムで得た経験や出会いは一生の財産になるので、インターンに応募するかまだ迷っている人がいたら、とにかく参加してみることをお勧めします。
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Wasserschloss Bodelschwingh(ボーデルシュビング城)(小野かんな)

小野 かんな(ドイツ語学科2年)
インターンシップ先:Wasserschloss Bodelschwingh(ボーデルシュビング城)

はじめに
 私は 1 年生のときの語圏入門の授業でこのインターンシップの話を聞いてから興味を持っていました。そこで2年生の春学期にインターン特殊演習の講義を受講し、夏休 みを利用してこのインターンシッププログラムに参加しました。私はまだ将来の職業など何も決まっていなかったので、興味のある歴史に関するお城や文書館などをインターン先の希望として出していました。そして最終的に、Auslandsgesellschaft の Suliman さんがドルトムント郊外のボーデルシュビング城を見つけてくださり、そこでのインターンが決まりました。

ホームステイ先:Familie Schröder
 ホームステイ先は、お父さんとお母さんと 22 歳と 26 歳の兄弟と犬が一匹いる、Schröder さんの家で、9週間滞在しました。ドルトムント市街から電車で 20 分、イ ンターン先までも自転車で 15 分だったのでとても便利でした。部屋はトイレと台所、ベッドがある離れの小部屋が与えられ、一人の時間もとても快適に過ごせました。 Schröder さん一家はみんな働いていたので食事は基本的に別でしたが、時間が合えば 一緒に食べました。特にお父さんとは仕事が終わってよくおしゃべりをしました。これ はとても楽しかったですし、お互いの国のことをそれぞれの目線や立場で話せたことがなによりも嬉しかったです。また、土日はお兄ちゃんたちに連れられてサイクリングに行ったり、お母さんと Düsseldorf にお買い物に行ったりもしました。いつも冗談が飛び交う、笑いの絶えない家族でとても素敵な時間をすごしました。

インターン先:Schloss Bodelschwingh
 インターン先のお城では、朝 10 時から基本的に 17 時まで働きました。仕事内容は、 お城の広大な庭園で毎年行われる三日間のお祭りの準備でした。初めは基本的に事務所 で、データ入力や集計、ファイリング、名簿や備品のリスト作成・管理、招待状の送付などの事務仕事をしました。お祭りの三日前になると、学生アルバイトの人たちとお祭りに出店する企業に提供するケータリングサービスや、お祭りの準備全般の手伝いをし ました。お祭りの当日も、学生アルバイトの人たちと入場ゲートでのチケット切りや、 Depot サービス、お城の歴史ツアーの付添などをしました。お祭り後は、後片付けや 事務仕事をしました。
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 ボーデルシュビング城は、700年前から変わらず男 爵さんとその家族の方が住む個人所有のお城です。仕事は基本的に男爵さんと、二人の秘書の方が事務所で働いているため、とてもアットホームな雰囲気の中で 仕事ができました。時には、仕事の指示の確認を怠っ たため間違えてしまったり、与えられた仕事がその日 に終わらなかったりして反省することもありました。 しかし、失敗や反省することがある度に、上司と一緒 に改善点を考えたり、アドバイスをもらったりと、得 るものは大きかったです。これらの経験を通して、少なくとも与えられた仕事を滞りなくこなすには、事前 準備と確認、報告を怠らないことが大切ということを 学びました。
 お祭りの際にはたくさんの出店者の方や、来場され た方と交流しながら働いたことや、学生アルバイトのみんなと一緒に働けたことが楽しい思い出として残っています。お祭りの最終日は、みんなで作り上げ成功させたことの達成感で一人ひとりとハグをしたことも、一生忘れられない経験となりました。
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Mayersche Buchhandlung(福士明日香)

福士 明日香(ドイツ語学科2年)
インターン先: Mayersche Buchhandlung

はじめに
 私は獨協大学に入学した当初から当インターンシップ・プログラムに参加したいと考えていました。以前から、将来ドイツで働いてみたいという思いがありましたが、実際にドイツで働くということがどういうことなのか全く判らなかったので、このプログラムを通してドイツの労働環境やワークライフを身をもって体験し、自分の将来について考える参考に出来たらよいなと思っていたからです。実際に私はこのプログラムで多くの貴重な経験をさせていただくことができました。
事前研修について
 インターンシップが始まる前の一週間はドルトムントの Auslandsgesellschaft でビジネスドイツ語の語学研修がありました。ここではドイツ語での電話対応の仕方や接客の仕方を学びました。また、この事前研修にはドルトムントの市内観光や博物館、工場見学やミュージカル鑑賞などの課外活動も含まれていました。このような課外活動のおかげでインターンシップが始まる前にドルトムントの街にすっかり親しむことができたように思います。
 このような語学研修や課外活動はインターンシップが始まってからも毎週木曜日、全 員の仕事が終わった後に近況報告もかねて行われました。湖を訪れたり、遊覧船に乗ったり、ドルトムントのサッカーチーム BVB の試合を見に行ったりと課外活動は毎回とても充実しており、ドイツについて知るうえでもとてもよい経験であったと感じます。
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インターンシップ先について
 私がインターンシップをしたのは Mayersche Buchhandlung という Nordrhein-Westfalen 州でも1位、2位を争う大型書店のドルトムント支店でした。この支店は Mayersche Buchhandlung の支店中でも特に大きな支店のひとつで、カフェなども併設している3階建ての書店です。私は主に児童書、教科書類や料理本などのコーナーがある 3 階に配属されていましたが、決まった仕事があるわけでは なく、人手の足りないところに随時割り当てられるという形でした。そのため、商品の包装、値札の印刷、本の整理、棚の移動や掃除、商品の値札の張りなおし、棚や ショーウィンドウのデコレーション、在庫の確認、お客様の質問への対応、取引先との会議への参加、万引きの予防など本当に毎日様々な仕事を経験させていただくことができました。
 私は自分なりに活躍できる道を見つけようと思い、「自分の中で与えられた課題は全て完璧にこなす」、「挨拶を必ずする」、「いつも明るく親切でいる」、という 3 つの目標をたて仕事に取り組むようにしていました。その成果もあってか、最初は掃除や単純な整理作業の仕事を与えられることが多かったのが、徐々に信頼してもらえるようになり、最終的にはお客様への対応や棚や机のデコレーションや配置、移動などの大きな仕事も一人で任せてもらえるようになりました。特に私が一番得意としていたデコレーションの仕事においては、ひとつの大きな机、棚、商品の入った段ボール箱を与えられ、私の思うように商品を並べさせてもらえることも度々あり、とても楽しかったのを覚えてい ます。
 しかし、私のインターンシップを担当するはずだった上司が最初の 1 か月休暇をとっていたため最初は放って置かれることもしばしばあり、何をやっていいのか分からな いなど、大変なこともありました。せっかく来たからには何もしないではいられないと思い、自分から色々な部門に仕事を探しに行くようにすることで徐々に様々な仕事を任 せてもらえるようになりましたが、慣れるまでは苦労をしました。また、お客さんの中には移民・難民問題の影響もあるのか、外国人を心よく思わない方も時々いらっしゃり、 あからさまに態度に示されることもありました。そのような時はとても悲しかったです。
 インターンシップ先には年の近い研修生達や他のインターン生も多く、彼女達とは週 末オランダに出掛けたり、ショッピングをしたり、夕飯に招待されたりと、とても仲良 くなりました。最後の日には研修生達や、所属していた児童書チームの同僚や上司が優しい言葉とたくさんの贈り物で送り出してくれ、このプログラムに参加して良かったと心から思うと同時に、ドルトムントから離れるのがとても寂しかったのを覚えています。

ホストファミリーについて
 私は今回、日本人を受け入れるのは初めてだったという Laven 家にお世話になりました。Laven 家はホストマザー、ホストファーザーと二人の娘からなる素敵な 4 人家 族でした。娘二人は旅行に行っていたり、一人暮らしをしていたりとほとんど家にいな かったため、私はほとんどの時間をホストマザー、ホストファーザーと過ごしました。 この家族は私にぴったりの家族だったと言っても過言ではなく、インターンシップ・プ ログラムの間、ホストファミリーと過ごす毎日はとても楽しく、良い思い出でいっぱいです。ホストマザーとはよく一緒にジョギングをしたり、編み物をしたりしました。ホストファーザーとは毎週 2 回バドミントンのトレーニングに出掛けたり、一緒に料理 したり、お庭で政治的なテーマについて語り合ったりしました。たまに帰ってくるホストシスター達も私をよく映画に連れて行ってくれ、仕事で疲れていても、家に帰ってくるとホストファミリーとの生活が楽しくて、すぐ元気になりました。4 人とも私と本物 の家族のように接してくれ、6週間とても過ごしやすかったです。

最後に
 このインターンシッププログラムは私に多くの貴重な経験と出会いを与えてくれました。現在留学している Marburg 大学においてもインターンシップで学んだことはとても役に立っていますし、このプログラムで出会った友人達やホストファミリーは今でも 連絡を取り合う大切な友人になりました。また、この経験は自分の得意なことは何か、 逆に、自分のこれからの課題は何であるのかなど自分を見つめ直すきっかけにもなりま した。 このようなプログラムに参加するきっかけを与えて下さった方々とドルトムントでお世話になった方々に感謝の気持ちでいっぱいです。
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書籍店で研修中

Röstwerk / PÂTISSIÈRE & CHOCOLATIÈRE(原嶋 咲也子)

原嶋 咲也子(ドイツ語学科3年)
インターンシップ先:Röstwerk / PÂTISSIÈRE & CHOCOLATIÈRE

はじめに
 私がこのプログラムに初めて興味を持ったのは、1 年生のドイツ語圏入門の授業で、先輩方が話をして下さった時でした。大学在学中に必ず何かしらの形でドイツへ行こうと思っていた私は、このプログラムがあることを知り、ドイツで働くという体験はとても貴重でなかなかできないと思い、今回参加しました。インターンシップの準備として、 ヴェルナー先生のインターンシップ特殊演習とマッコイ先生のビジネスドイツ語を受 講しました。

事前語学研修
 初めの 1 週間は、Auslandsgesellschaft でビジネスドイツ語を勉強しました。ドイツの働き方や働くにあたっての注意点、実際のインターンシップで使われるようなフレーズを学びました。私たちのレベルに合わせて、丁寧に教えてくださり、インターンシップをするにあたって役に立ちました。事前研修では、授業の後にミュージカルを見に行ったり、博物館見学やドルトムント市内観光といったアクティビティも行われました。 少しハードなスケジュールでしたが、とても楽しく過ごせました。

インターンシップ
 私は 2 か所でインターンシップをしました。1 つは、Café Röstwerk というカフェ で、もう 1 つは PÂTISSIÈRE & CHOCOLATIÈRE という小さな洋菓子店で働かせていただきました。カフェでは約 2 週間、週 5 日 6 時間程度働きました。仕事内容は主に接客で、お客様に注文を聞いて、ドリンクやケーキを提供することでした。他にも、時間があれば自主的に清掃作業を行いました。また、コーヒー豆のブレンドや焙煎の仕 方についても、丁寧に教えてくれる 4 人の同僚たちから多くを学ぶことができました。 このカフェは常連客が多く、私の存在が珍しかったのか、よく話しかけていただきまし た。お客さんと会話する時間が 1 番楽しかったです。常連のお客さんとたまたま道で 会ったりすると、インターンシップ後であったにもかかわらず声をかけていただき、こ のカフェでインターンが出来て良かったと思いました。私のドイツ語が拙かったことも あり、迷惑をかけてしまっているのではないかと不安でしたが、最終日にはお手紙とひまわりをプレゼントしてくださり、少しは役に立てたかと思うと嬉しかったです。
 2つ目の洋菓子店では、残りの4週間、週4日5時間ほど働きました。こちらでは、 ケーキを焼いたり、デコレーションしたり、チョコレートづくりを学びました。そこは、店長の Monika さんとたまにお手伝いさんが 2 人手助けにくる、小さなお店でした。 Monika さんは、材料や自分のこだわりについて詳しく教えてくれました。日本食にも興味を持っていて、一緒に寿司を食べたり、日本のことについてもお話ししました。他 にも一緒に市場に行って買い物をしたり、不定期に開催している料理教室にも参加させ ていただきました。Monika さんは陽気な方で一緒に働いていて楽しかったです。
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研修先の同僚と

ホストファミリー
 私は Vissmann さんの家にお世話になりました。お母さん、お父さん、私と同い年の 20 歳の娘さんがいる家庭でした。私はもうすでに自立しているお兄さんの部屋を借 りていました。Vissmann さん家族はとてもよくしてくれて生活で困ることは何もなかったです。好きなようにしていいよと言って、何か問題があると、手伝ってくださりとても助かりました。毎日、仕事から帰ってきたら、お菓子を食べながらテレビを見たり、 その日のことを話すのが日課になっていました。
 他にも、一緒に買い物や、遊園地に連れて行ってくださったり、家に友達を呼んでパ ーティーをしたりしました。週末もよくお出かけに誘っていただきました。お父さんは 日本に興味を持っていて、二人で色々な話をしました。最後に、家族みんなで寿司パー ティーをしました。巻きずしを一緒に作って振る舞うととても喜んでくれて嬉しかった です。ドイツに行ったときはまた訪ねたいと思います。
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最後に
 インターンシップに行く前は、2 か月間上手くやっていけるのか不安でした。ところが、いざ行ってみたらものすごく楽しくて、充実した毎日を過ごすことができました。 言いたいことが伝わらなくて、もどかしくて悔しい思いもしたけれども、この体験のお かげでドイツ語の勉強に対するモチベーションも上がりました。2 か月間、家族の元を離れ、異国の地で過ごすことは初めての体験で、失敗しながらも上手く切り抜けることができ、自分の成長を感じることができたと思います。勇気を振り絞って参加してよかったです。このような機会を与えてくださった獨協大学、Auslandsgesellschaft の皆様、インターン先、ホストファミリーの皆様にこの場を借りて感謝いたします。

Leo Evels Blumenstudio(上野梓)

上野 梓(ドイツ語学科2年)
インターンシップ先:Leo Evels Blumenstudio

インターンシップ参加の動機
 私は大学の授業でこのプログラムについて知りました。そして去年参加された方々の話を聞き興味を持ちました。基本的にこのプログラムに参加するのは 3 年生と聞いていましたが、留学との兼ね合いもあり 2 年生で参加させていただきました。また今まで学んできた、ドイツ語を使ってのインターンシップ体験というのはとても貴重だと感 じ、このプログラムに日本でのアルバイト経験も活かせるのではないかと思い参加しま した。

事前研修
 インターンシップが始まる前に 1 週間ほど準備期間ということで、Auslandsge-sellschaft で事前研修が行われました。名前のように固いものではなく、授業内容は私たちが学びたいことに合わせて先生が用意してくれましたし、勉強だけでなく様々な課 外活動もあったので楽しみながら 1 週間はあっという間に過ぎました。課外活動とい うのは例えば、ドイツの企業や工場を見学させて頂いたり、博物館にも連れて行って頂いたりしたことです。

インターンシップ
 私はドルトムント駅構内の地下にある花屋さんでお仕事をさせて頂きました。勤務時間は 8 時から 2 時でした。仕事内容は本当に様々で毎日新しいことを学び、色々な体 験をさせてもらいました。私は日本で花屋でのアルバイト経験があるわけでもなく、花について詳しいというわけでもありませんでしたが、Chef がいつも入荷する花の名前 を教えてくれたり、配達やマーケットにも連れて行ってくださいました。私は初めの 3 日間で、花束の作り方、花の扱い方、花飾りやデコレーションの作り方を教わりました。 そうして次の週からは、販売用の小さな花束をほぼ毎日、多い日で 15 個ほど作らせてもらえるようになりました。目の前で初めてその花束が売れた時には、涙が出そうなくらい嬉しかったです。
 私たちは毎日 4 人体制で、Chef、Chefin、同僚と私でした。もう一人同僚がいたの ですが、ずっと休暇中だったので毎日同じメンバーでした。そのため周りの方や常連の 方にもすぐに慣れることができ、花束を作りながらよく会話をする、楽しい毎日を送り ました。Chefin はおしゃべりや冗談が大好きなユーモアのある方で、最初の頃私は何 が冗談で何が本当なのか分からずいつも焦って、笑われていましたが、そんなみんなで笑い合う日々がとても大好きでした。同僚は毎日私にやることを指示してくれたり、暇 になると話をしたりしてとても仲良くなれました。皆さんはいつも私のドイツ語を向上 させるためにたくさんの言葉やことわざを教えてくれたり、新聞を読む時間を与えてくれました。私はこの場所で働くことでいろいろな経験をし、多くのことを知ることがで きました。例えば、少し床が汚れていたりすると私は「お客様が来た時に気になるだろ う」と思い、適宜自主的に掃除をしていました。私はそれが普通だと思っていましたが、 掃除をするたびに Chef や Chefin にそのことで凄く褒められました。日本人は細かいところまで気にしすぎなのかな、と感じましたが、それが逆に日本人の良い所でもあるということを知ることができました。この花屋さんは駅の小さな花屋さんでしたが、毎日いろんな方がいろんな目的でお花を買いに来て、たくさんの注文が入りました。日本人には花を贈るという文化や習慣があまりないと思いますが、ドイツでは、おじいさんが奥様のために花束を頼まれていたり、お子さんがお母さんのために頼んだり、恋人のために花を選んだり...なんでもない日に誰かのために花を買われる方もいたりして、 とても素敵だと思いました。私はこのような花屋さんで将来働いてみたいと思いました。 ドイツの文化とともに花文化も知ることができ、とても貴重で素敵な経験になりました。 私はこの場所を一生忘れませんし、ドイツに来たら必ず訪れたいと思うくら思い入れの ある場所になりました。

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ホストファミリー

 私はホストマザー、彼女のお母さんと犬 1 匹の家族でした。息子さんが 2 人いるのですが、2 人ともすでに家を出ていたので、私を含めて 3 人のみでした。ホストマザーとは、いつも忙しくなかなか会う機会がありませんでした。私自身家を出るのが早かったので、家で会うのも数回でした。ドルトムントの駅からは電車と徒歩で 30 分くらいでした。ホストマザーは土日に仕事が入ってしまうこともあったので、一緒に何かをすることはありませんでした。食事も 2、3 回一緒に取った程でしたが、その時にはたくさん話をしてくださり、よく勉強ができました。

さいごに
 私はこのインターンシップを通して、日本にいては知ることのできないことをたくさん経験させていただきました。文化の違いを身をもって体験し、また毎日ドイツ語に触 れることで、自分のドイツ語力も向上したと感じています。また私は将来についての考えが不明確でしたが、この経験が私に新たな選択肢をくれることになりました。言葉の壁がある中での仕事は簡単なものではありませんでしたが、たくさんの周りの方々の優しさに助けられやり抜くことができました。改めて人の優しさを知ることができましたし、たくさんの新しい出会いもあり、素晴らしいインターンシップになりました。この ような経験をする機会を与えてくださった皆様に感謝しています。ありがとうございま した。

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Mercure Hotel Dortmund Centrum(濵田眞実子)

濵田 眞実子(ドイツ語学科3年)
インターンシップ先:Mercure Hotel Dortmund Centrum

*はじめに*
 私がこのインターンシップに参加しようと思った理由は、将来ルフトハンザ航空で客室乗務員として務めたいという夢があるからです。ドイツ企業に就職を希望する際、ドイツ国内での就業経験が重要になるという話を 1 年生のときに聞きました。「そのような経験できるはずがない...キャリアセンターで取り扱っている海外インターンシップ にドイツ語圏はないし...」そう途方にくれていたとき、ドイツ語学科の必修科目「ドイツ語圏入門II」の中で開催されたインターンシップ報告会で参加者の報告を聞き、3 年 生の夏に絶対ドイツにインターンシップに行こう!と決めました。
 しかし私はドイツ語の語彙力がかなり低く、参加要件となっているゲーテ検定の B1 取得もそう簡単にはいきませんでした。2 年生の 1 年間をインターンシップ参加のための B1 取得に捧げ、ようやく選考面接直前に全 4 モジュールの資格が揃ったときは本当に嬉しかったです。

*6 週間のインターンシップ*
 私のインターンシップは、ドルトムント中心街にある Mercure Hotel Dortmund Centrum という 4 つ星ホテル内、BRASSERIE というレストランでのウェイトレスでした。勤務時間は朝の 8 時から平均 15 時前後まで(退勤時刻は日によって異なるため、13 時半の日もあれば 16 時半の日もありました)で、朝食ビュッフェと昼食(当日の 客数によってビュッフェだったり注文提供だったり)を担当させてもらっていました。
 仕事の流れとしては、まず朝食ビュッフェ時間中に出勤し、お客さんが食べ終わったお皿を下げ、ドリンクを提供し、お客さんから直接ご要望があればこれに対応する等の 仕事をして、早番の同僚に合流します。そして 10 時半になり朝食が終わると、残った ビュッフェから好きなものをお皿にとって(いわゆる「まかない」)30 分~1 時間ほど ブランチ休憩があります。その後、昼食予約のお客さんのためのテーブルセッティングや食器などの手入れをし、来店を待ちます。昼食時も朝食同様にお皿を下げたりドリンクの提供をしたりして、無事に食事が終わると、今度は夕食予約のお客さんのためのセッティングをします。
 以上が毎日の主な仕事でしたが、毎週月曜日と水曜日にはレストラン奥の会議室で大きな会議が開かれていたので、その前日の準備や会議後の片付けもしました。また、週 によっては土曜日に誕生日パーティーのケーキビュッフェの予約があったり、日曜日に結婚式の予約があったりと、心が温まるイベントの準備もたくさん手伝わせてもらいま した。
 お客さんはほとんどが会議室を利用する団体や会社名義で宿泊するビジネスマンでしたが、みなさんは私の胸にある「Praktikantin(職業訓練生)」という名札を見て明るく話しかけてくれて、本当に毎日が楽しかったです。中には日本人ということで 「Shinji(Dortmund のサッカーチームで活躍中の香川真司選手)!」と呼びかけて盛り上がってくださる方や、何気なく教えた「ありがとう」などの日本語を次の来店時に使 ってくださる方もいました。
 ホテルで働く人は、マネージャーもフロントマンも関係なくみんなレストランに出入 りし、ドリンクを飲んだりまかないを食べたりしていました。そのため私が関わる人も多すぎて、最初は名前を覚えるのに苦戦しました。しかし同僚も上司もみんなとてもいい方たちで、私を娘や妹のように可愛がってくれて、空き時間には将来のビジョンや日 独の違いなどについて様々なことを話しました。
 2 ヵ月間はあっという間に過ぎてしまいましたが、お客さんだけでなく働く人の憩いの場でもあるこのレストランが、私にとって、とても居心地の良い場所でした。

*ホストファミリー*
 私が今回お世話になった Szwed 家は、残念ながらあまりお勧めできないホストファミリーでした。家の構造は 2 世帯住宅のようで、家族は主に外階段を上がった 2 階にある家で暮らしていました。1 階には左右対称に 2 つ住居があり、それぞれ外国人が 3 人ずつ暮らしています。私は左側の住居にエジプト人と 18 歳のシリア人と WG(シェ アハウス)形式で暮らすことになりました。
 2 ヵ月間同じ建物内の違う住居で暮らして感じたのは、私のホストファミリーが自分 の「家族」というよりは単なる「大家さん」だったという点です。その理由となる出来 事を 2 件、記したいと思います。
 まず 1 件目は、ホームステイが始まって 2 週間ほどで起きた出来事です。私の同居 人の 2 人が台所を使ったままフライパン等も洗わずに放置したため、害虫が大発生したことがありました。私は 2 人に対して「食事をしたら片付けてほしい」と注意したのですが、翌日ホストマザーが「この災害の原因はテーブルに置きっぱなしのあなたの 食事よ!今すぐ台所を掃除しなさい!」と怒りながら、勢いよく部屋に入ってきました。 もちろんテーブルにあった食事は私のものではないのでそれを伝えたのですが、まったく聞き入れてもらえず、結局私がすべて綺麗にしました。家族として受け入れてくれたのであれば、もう少し信じてくれてもいいのではと思いました。
 2 件目はホームステイも終盤になった頃に起きました。ある日仕事が終わって家に帰ると、私の部屋の前に台所やお風呂場にある全てのゴミ箱が集められていました。隣の 部屋にいたシリア人の子から「たぶんホストマザーの仕業だ」と言われたので、2 階の家を訪ねました。するとマザーは不在でしたが、ファーザーが「君が掃除やゴミ出しを全くしないから彼女がそうしたのだと思う」と言いながら下に降りてきて、説教を始めました。どうやら掃除やゴミ出しをした人が記入する表があるらしく(表の存在もそのとき初めて知りました)、それを見て私がまったくやっていないと判断し、行動したそうです。私は以前、掃除等について同居人に尋ねた際「君は 2 ヶ月しかいないし、今まで通り自分たちがやるから」と言われ、ほとんどやり方を教わっていなかったのでその旨を伝えました。しかしファーザーは、「3 人で住む家なのだから君もやれ!」の一 点張りでした。結局何を言ってもダメだったので、同居人 2 人には「また怒られてしまうから、残り 2 週間は私にやらせてほしい」と言ってやり方を教わり、最後の 2 週間は私がすべてやりました。Szwed 家は生活に関するルールを直接私に伝えてくれず、 2 件目の原因となった掃除やゴミ出しのルールも含め、すべての説明をすでに暮らしている家々の外国人に任せています。これらをホームステイの開始時に家族から伝えてもらっていれば、お互いに不快になることはなかっただろうに...と思いました。
 この他にも、トイレットペーパーや掃除グッズ代として代金を請求されたり(現地責任者である Frau Suliman が払わなくていいように話をつけてくれました)、家を出る日も特に見送りはなかったりと、残念ながら「大学からのお金目当てで私を受け入れたのだろう」と思わざるを得ませんでした。

*終わりに*
 以上のように今回のホストファミリーは残念ながらお勧めできませんでしたが、今回のプログラムのメインであるインターンシップ先は非常に素晴らしく、職場の同僚が家族のようでした。そこで私が学んだのは、主に日独における接客の違いです。日本では お客様は神様であり、何一つミスのない完璧なおもてなしに徹します。しかし視点を変えてみれば、サービスをする側とされる側とで縮めることのできない距離があるように思います。一方ドイツでは、初対面のお客様ともお互いが爆笑してしまう話題で盛り上 がったり、常連さんとはハグをしたり...「4 つ星ホテルのレストランでもこんなにお客 様と店員との距離が近いのか」と驚かされる毎日でした。
 そのような発見を踏まえて、私は自らの夢をより明確にすることができました。将来 は日本流でなく、今回ドイツで体験したような“お客様との心の距離を縮めることがで きる接客”をしたいと考えています。
 今でも恋しくなるホテルの上司や同僚の方、Auslandsgesellschaft の Frau Suliman、 ドイツ語教師の Christina、こうした貴重な経験をさせてくれた獨協大学の先生方に感 謝をこめて、以上報告書とさせていただきます。ありがとうございました。
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Theater im Depot / Auslandsgesellschaft Intercultural Academy / Arbeiterwohlfahrt(労働者福祉協会) Unterbezirk Dortmund(矢野さゆり)

矢野 さゆり(ドイツ語学科2年)
インターンシップ先:Theater im Depot / Auslandsgesellschaft Intercultural Academy / Arbeiterwohlfahrt(労働者福祉協会) Unterbezirk Dortmund

1. はじめに
 将来ドイツ語圏で働きたいなら、Praktikum の経験がとても重要であること、入学前から獨協大学がこの素晴らしいプログラムを持っていることを知っていたため、入学 後はこのプログラムに参加させていただくことを 1 つの目標としていました。

2. 事前研修について
 日本での半年にわたるインターンシップ特殊演習の後、8 月 2 日から 8 日までの 1 週間、Auslandsgesellschaft で事前研修を行いました。内容は同僚とのスモールトークや電話での会話、苦情への対応、職業応募書類の書き方などでした。また、私達の要望を聞いて授業内容を考えてくださったりしたのですが、事前にインターン先での仕事 内容がはっきりしていなかったこともあり、残念ながら実際にはあまり役に立ちませんでした。今考えれば、事前にどのような仕事をさせていただけるのかを想像するだけで なく、できるだけ具体的な仕事内容を聞き出す努力がもっと必要だったように思います。 私が実際に必要としたのは、聞き取り能力に加えて指示をもらうテクニックや指示を確 認する能力、遠慮せずに自分の意思を伝える能力、多人数で話している時に聞き返せる 能力などでした。

3. ホームステイ先について
 私のホームステイ先は Ispholding さんというお宅で、夏の間はほとんど家にはいないということでした。それでも 1 週間か 10 日に一度帰ってくるので、その際には洗濯をしていただきました。それ以外の洗濯は手洗いになります。こちらのお宅はインターネット契約をしていないため、Mobile Wifi をドイツで調達しましたが、家では電波が弱くほとんどネットは使えませんでした。ルールなどは書面でいただけるのでわかりや すく、1 階部分を全て使わせていただけるのでかなり広く、1 人暮らしのような生活が出来ました。

4. 研修先について
 Auslandsgesellschaft では、学生のメーリングリストの入力や、通常のドイツ語コースから移民向けの統合コース(語学、ドイツの歴史、法律などのオリエンティールン グコース)、日本語コースなどを聴講しました。その他、移民の人達が受ける試験の監督もしました。また、Mieterfest というイベントでは Kinderschminken(子供の顔に絵を描く)を担当させていただきました。  Arbeiterwohlfahrt (労働者福祉協会)Unterbezirk Dortmund では、Djelem Djelem というシンティ(ロマ)に関するイベントに関わりました。約 2 週間の期間中 に、音楽コンサート、演劇の公演、映画の上演、朗読会、写真の展示、移民を支援する 方との勉強会、パネルディスカッションなどの様々なイベントがありました。パレードの際には、フライヤーを参加者に渡し音楽コンサートの宣伝をしながら歩いたり、プフ ァンクーヘンにジャムを塗って、子供には無料で提供したり、大人には販売するなどしました。
 Theater im Depot は当初予定に入っていなかったところですが、現地で急遽お願い してプラクティクムをさせていただけることになりました。こちらでは、新聞や雑誌の記事を探して切り抜きアーカイブを作ったり、フライヤーやポスターの在庫確認や公演日の張り替えなどの業務を行いました。公演日には、ポスター出しなどの準備をし、飲み物の補充や販売などを担当させていただきました。公演は全て見学させていただけた上に、最終日には音響・照明室の中で仕事を近くから拝見することもできました。こちらでは、仕事はリストでいただき、また自分と同じ Praktikant が一緒に作業をしたのでスムーズにすすみました。
 仕事内容は他の人に分け与えるより、自分でやった方が早いのは誰もがわかることですし、さらに短期間で去ってしまう人にその人ができる内容の仕事を探し、またそれを 教えるのは骨が折れることだと思います。それでも仕事を考え出し、私に分け与えてくれたこちらの方々にはとても感謝しています。

5. 終わりに
 様々な体験はさせていただけましたが、ドイツ語を話す同僚とコミュニケーションを緊密に取りながら働くことを目指していた私にとって、今回のインターンが見学ばかりの内容に終わってしまったのはとても残念に思います。それでも、その中で素晴らしい出会いもありましたし、学ぶことの意義など改めて気づかされることもたくさんありました。また、異文化下の対応の違いなどの中から、自分のこれからの研究のテーマが見 つかったことはとても大きな収穫でした。今後またドイツ語圏で働くときに、この経験が必ず役に立つと思っています。関係者の方々に感謝申し上げます。
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2015年度 参加者:5名

Wohnstift auf der Kronenburg(宮田瑶)

宮田 瑶(ドイツ語学科2年)
インターンシップ先:Wohnstift Auf der Kronenburg

はじめに
 私は入学当初から、ドイツでインターンシップをするこのプログラムに興味がありました。現地で働きドイツ語を使い、自分のドイツ語をより良いものにし、そして自分の成長を実感したいと思ったからです。本来なら3年生から参加できるプログラムですが、私は2年生だったため、決定から出発まであまり時間がありませんでした。獨協大学では、Werner先生のインターンシップ特殊演習を受講し、インターンシップに備えました。
ドイツでは、インターンシップが始まる1週間前にAuslandsgesellschaftでビジネスドイツ語を勉強しました。そこでは勉強だけでなく、Dortmundを観光したり、プラネタリウム、ミュージアム、Münsterを訪れたりしました。参加した学生の年は様々でしたが、この1週間で全員の仲を深めることができました。インターンシップが始まってからも近況報告会があり、週に1度会っていました。私たちは楽しくていつも笑っていました。Auslandsgesellschaftの方々も本当に優しくてたくさんのことを教えてくれました。やることがたくさんあり、かなりのハードスケジュールな1週間でしたが、私にとって忘れられない思い出になりました。

‐6週間のインターンシップ
 インターンシップ先の“Wohnstift Auf der Kronenburg“は、とても大きくて、ホテルのようにきれいな老人ホームでした。私が老人ホームをインターンシップ先に選んだ理由は、昔住んでいたMünchenの家の近くに老人ホームがあり、そこで出会うお年寄りたちは私の家族に気軽に声をかけてくれたことを思い出したからです。ゆっくりやさしく話しかけてくれるおばあちゃんやおじいちゃんは、とても印象的でした。また、人生経験の多い彼らからいろいろなものを学んで、自分の知識にしたいと思ったからです。彼らは愛らしく、面白くて、そしてとても親切で、おしゃべりしたり観察したりしているのがとても楽しかったです。
私の仕事は主に、毎朝行われるゲームやギムナスティック、歌、記憶力トレーニングなどに住人(老人)を連れて行き一緒に参加したり、散歩をしたりすることでした。住人からの要望があれば病院や買い物に同行することもありました。また、住人がお昼寝をしている間は、庭の整備、資料の整理、計画書の記入などを行っていました。私は資格がないため、食事のお手伝いや、身のまわりのお世話をすることができませんでした。しかし、個人的におしゃべりをしたり、一緒にゲームをしたりすることで、私と住人11人の距離がかなり縮まり、私たちは互いに近づき仲良くなることができました。
 一緒に働いた同僚、世話役、チーフたちもまた、親切で面白くて、私にたくさんの話を聞かせてくれました。私は本当に恵まれた環境で仕事ができたなと思います。また、将来、このような人たちと仕事ができたら幸せだろうなとも思いました。
私以外にも、高校生やAusbildungをやっている人がインターンシップ生として働いていました。彼らとは同年代だったため、雑談したり、一緒に買い物に行ったりと、ここでも楽しい時間を過ごすことができました。
6週間はあっという間に過ぎ、別れの日が近づくたびに悲しい気持ちになりました。おばあちゃんおじいちゃん、同僚のみんなも私が帰ってしまうことを本当に悲しんでくれ、私も辛かったです。最初、私はお年寄りのドイツ語を理解できるのか、と不安に思ったことはありましたが、やはり慣れていくごとに彼らとコミュニケーションをとることができました。私のことをいつも褒めてくれて、会いたがってくれて、毎日おばあちゃんおじいちゃんに会っておしゃべりするのが楽しみでした。またいつか会いに行くと約束をしたので、その日を今から楽しみにしています。

ホストファミリー
 私が今回お世話になったSzwed家は、とても大きな家族でした。というのは、8人家族の他に、ドイツ語を勉強している外国人5人住んでいました。ひとつの大きな家の1階に外国人、2階に家族が生活している感じで、私たちは“WG“(共同生活)のように暮していました。彼らSzwed家はポーランド人で、よくポーランド料理を振舞ってくれました。 
1階には私の他に、スペイン人やシリア人、ヨルダン人とパレスチナ人が住んでいました。ドイツに留まっている理由は皆それぞれでしたが、ドイツ語を勉強している若者同士ということでお互いの文化に触れ合いながら仲良く生活していました。彼らと休日散歩をしたり、夜語り合ったりすることで、ドイツ語を話す機会はもちろん、お互いの知らなかった文化や興味深い体験談を聞くことができて、そこから学ぶことはたくさんありました。彼らのドイツ語を学ぶまじめな姿勢に刺激をもらい、私ももっと頑張ろうと思いました。
ホストママは元気で優しくて、アクティブな方でした。日本人が好きということで、彼女が働いている小学校に私たち獨協生を招き、折り紙教室を開いてくれました。子どもたちは日本や折り紙に興味津々で積極的に参加してくれました。ドイツ語で折り方を説明したり、ネイティブの子どもたちとたくさん喋ったりと、この折り紙教室はドイツ語の勉強にもなりとても良い経験になりました。
 私が帰る前日には、家族と外国人全員でお別れパーティーを開いてくれました。そこでは自分たちの国の伝統料理を作って振舞い、みんなで食し語り合いました。将来の夢の話をしたり、意見を言い合ったりと、貴重で楽しい時間を過ごしました。私はまた、大切な人たちに出会ったなと思いました。

さいごに
先ほども書いたように、今回のインターンシップ生活はとても充実していて、あっという間の毎日でした。土日には、買い物に行ったりMünchenに旅行に行ったりして、個人的に充実した日々でした。異言語での仕事ということで、難しいことやうまくいかないと思うことは多々ありました。しかし、その悔しい気持ちから生まれるもっと頑張ろうという熱意を今回たくさん感じ、モチベーションを高めることができました。約2ヵ月間みっちりドイツ語を使うことで、新しい表現方法を使ってみたり、状況に合ったことばを選んだりし、自信を持って話すことができるようになった気がします。
また、今回のインターンシップでいろいろなことを学び、いろいろな人と出会いました。そして、たくさんの人の思いやりや優しさに触れることができました。その経験と思い出を生かし、これからもたくさんのことに挑戦していきたいです。私に関わった皆さん、ありがとうございました。私は皆さんのことが大好きです。

宮田


~Marktbesuch mit Frau Raida~

Hotel Mercure Dortmund Centrum(深作香菜)

深作 香菜(ドイツ語学科2年)
インターンシップ先:Hotel Mercure Dortmund Centrum

*はじめに*
 私がこのインターンシップに参加した理由は、ドイツで働くということはどういうものなのか体験してみたかったのと、場所がドルトムントということで、以前二年前に一年間滞在していた町から近いということから、このプログラムに参加しました。

*事前研修*
 最初の一週間はAuslandsgesellschaftで他の獨協生とビジネスドイツ語の授業がありました。丸一日授業があったのではなく、途中で博物館や美術館、プラネタリウムに行くなど、最初の一週間で、ドイツ語の文法や語彙だけでなく、文化や歴史をたくさん学びました。私たちの先生はとても優しく、楽しい時間をすごすことができました。しかし、毎日予定が詰められていたので、一週間すごく忙しく夜にはすごく疲れていました。そして、今年はこの授業が月曜日から始まって次の週の月曜日にはインターンシップが始まるという予定だったので、一週間授業をうけ、そのまま休みなしで一日目のインターンシップが始まりました。

*ホームステイ先*
 私のホストファミリーは、ホストマザー、ホストブラザー(18歳)、韓国からの女子学生(20歳)と犬2匹でした。八月下旬からホストブラザーが一WGで暮らし始めたため、それ以降は三人で暮していました。ホストマザーは仕事で忙しい人で、一緒に二回買い物に行き、一回ホストおじいちゃんのところに朝ごはんを食べにいったくらいで、他はとくに一緒にやることはなかったです。彼女はとても明るく楽しい人で、食事のときや、買い物の帰り道などでは、面白い話をたくさんしてくれ、楽しい時をすごせました。 ホストブラザーとはほとんど一緒に時間を過ごすことはなかったのですが、話す機会があると色々なことを聞いてきてくれ、とても優しい人でした。 そして、韓国からの学生は年が同じということもあって、とても仲良くなりました。彼女はAuslandsgesellschaftでドイツ語を勉強しているのですが、私が滞在していた期間はほぼ夏休みを取っていたので、毎日家にいました。なので私は時間があると、彼女と買い物に行ったり、お散歩に行ったり、他の獨協生達と一緒に映画を見に行ったりしました。さらに、ほぼ毎日夜には2人でテレビをみて、途中お互いの国のことについて聞いたり、日本の学生が話すようなことを話したりなど、すごく仲良くなりました。

*インターンシップ先*
 インターンシップ先の私の担当は、ホテル内のレストランでの朝食と昼食担当でした。ここのホテルは、四つ星のビジネスホテルでした。朝食は朝6時半から始まるため、最初の一週間以外は朝7時からの仕事でした。なので、毎朝5時半に起きる生活をしていました。朝食と昼食はホテルのビュッフェから、私も食べることができました。
仕事の主な内容は、ウェイトレスのような役割で、朝食・昼食ビュッフェでの仕事でした。お客さんが使ったお皿の片づけ、新しいお客さんのためのテーブルセッティング、ドリンク提供、食器の手入れ、飲み物の補充、そしてホテルの部屋があるフロアの廊下の見回りをしていました。昼食がビュッフェでないときはサービスも行っていました。このホテルには多目的室が10つあり、そこでは毎日のようにセミナーや会議のために使われていたため、その片づけや準備もしていました。 お客さんはドイツ人だけでなく、世界各国から来ていたため、英語を話す機会もたくさんありました。そして日本人のお客さんもいたので、日本語で地下鉄の乗り方等を教えたこともありました。ほとんどのお客さんが、仕事のために宿泊していて、常連のお客さんもいました。顔を覚えてもらえると、話しかけてくれて、お客さんとの会話も楽しめました。
 私がこのホテルで一番気に入ったところは、同僚です。彼らはとても優しく、明るい人がほとんどで毎日本当に楽しかったです。初めは朝早くからの仕事で、苦痛に思った時もありましたが、早朝からの仕事に慣れるとどんどん楽しくなりました。レストラン担当の人だけでなく、キッチンのコック達、レセプションの人達、バンケットの人達、ハウスキーピングの人達、さらには事務系のお仕事をしている人達とも仲良くなり、仕事がなくなると、世間話をしたり、ドイツ語を教えてくれたり、キッチンに行くと試しに作ったものを試食させてくれたりしました。
 そして、私が驚いたことがいくつかあります。その中の1つが仕事の仕方です。日本では、ウェイトレス同士が話していたり、サービス提供が遅かったりすることは好まれません。しかし、ドイツではあまり厳しくないためか、お客さんもそのようなことを気にするような人はいませんでした。そして、私は1つの仕事が終わると自分で仕事を探し、また次の仕事にとりかかるというかたちで、常に何か仕事をしていました。日本ではこれはごく普通のことですが、私の職場では驚かれ、よく仕事をしてくれるとほめられました。さらにシェフには、「いつでも戻ってきて働いてもいいよ」と言っていただきました。 
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*終わりに*
 私はこのインターンシッププログラムを通して、たくさんのことを学びました。もちろん、ドイツ語やサービス業について、今まで知らなかった事をたくさん知ることができました。しかしそれらだけでなく、ドイツの人の考え方やふるまい方、仕事をするといううえで見えてくる日本との違い、ドイツでの生活の仕方など、日本では学ぶことのできないとても貴重なものを得ることができました。知識だけでなく、同僚やホストファミリーと仲良くなれたことで、また会いに行きたいと思う場所や人ができました。
 最後に、このような機会を与えてくれ、サポートしていただいたすべての方に感謝いたします。この貴重な経験をもとに、これからも勉強に励んでいきたいと思います。

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Tierheim, Musikschule Dortmund(江川愛香)

江川愛香(ドイツ語学科3年)
インターン先:Tierheim, Musikschule Dortmund

1.はじめに
 私はインターンシップ前の20152月から、交換留学生としてウィーン大学で勉強しています。1年生のときにドイツ語圏入門でこのプログラムの話を聞いてからずっと参加したいと思っており今回は大学の夏休みを利用してインターンシッププログラムへ参加しました。もともとラジオ局でのインターンを希望していたのですがかなわず、さらに第二志望だったTierheimでもアレルギーを発症したため最終的にAuslandgesellschaftSulimanさんの紹介でMusikschuleでインターンをすることになりました。

2.事前研修について
83日から9日までの7日間、Auslandgesellschaftでドイツ語の事前研修に参加しました。最初にみんなで何を勉強したいか話し合い文法などの基本的なことに加えて履歴書を書く練習やビジネスドイツ語などを行いました。最後は私たちがお世話になるインターン先にそれぞれ電話をかけ質問や挨拶などをしました。先生は私たちと年齢も近くとても優しく親切でまた6人という少人数だったので質問や発言がしやすいとてもアットホームな雰囲気でした。事前研修といっても教室で授業を行うだけではなく沢山のアクティビティもありミュンスターを観光したり遊覧船にのったり、体験型博物館でクイズラリーをしたりと色々な体験をすることができました。しかし今年は事前研修とインターンの間に休みがなくスケジュールもかなりつらかったです。このプログラム中で一番忙しい1週間でしたがしっかりインターン備えることができました。なによりこの事前研修を通して他の参加者ともとても仲良くなることができたと思っています。

2.ホームステイ先について
もともと犬が好きでホームステイ先には犬のいる家を希望したこともあり約8週間、母・犬1匹のHeymann家に滞在しました。最寄駅は地下鉄47Hauptfriedhofでインターン先からは20分ほどでした。ホストマザーは耳が聞こえない方で常に補聴器をつけていましたが会話にはなんの問題もありませんでした。彼女はとても気さくで、私がドルトムントに到着したその日に彼女の父親の誕生日パーティーに参加しせてもらったり色々なところに出かけたりしました。またいろいろな場所に友達がいる方だったので突然アメリカからホストマザーの友達が泊まりに来たりすることありました。ホストマザーには現在オーストラリアに留学中の、私と同い年の娘がいたため本当の娘のようにかわいがってもらいました。彼女とは本当に話があい、一緒に夜ご飯を作ったり、平日は3時間近く、休日は1日中リビングで話し込むことも珍しくありませんでした。しかし会話については厳しい方で、「会話のキャッチボールを意識しろ」と言われたときにはとても落ち込みましたがめげずに毎日話すことでドイツ語の力だけでなくもっと基本的な会話の続けかたを学ぶことができたと思います。

3.インターン先について
もともと第二希望であったTierheimでインターンをする予定でしたが、ドルトムントに到着した日にAuslandgesellschaftSulimanさんにMusikschuleでも働くことができるといわれたため最初の1週間は2ヵ所でインターンをしていました。そのときは毎日8時から14時までTierheimで働き、そのあと18時近くまでMusikschuleで働いていました。しかしTierheimでの仕事内容が6時間猫の小屋の掃除のみで、大量の猫の毛によるアレルギーを発症してしまったため残念ながらTierheimでのインターンを断念し残りの7週間はMusikschuleで働きました。もともとウィーン大学で音楽学を専攻しているため結果的にはとても充実したインターンになりました。MusikschuleAuslandgesellschaftの裏側にあり毎日9時から15時までの勤務でした。またイベントやコンサートのある時には土曜日や日曜日も働きました。こちらが主な作業内容です。

Jekitsプログラムの楽器の貸し出し
0~2歳の赤ちゃんとその両親のための音楽教室のアシスタント
③小学校のオーケストラの授業でのアシスタント
④楽器の試奏、管理
⑤コンサートのパンフレット作成、チケット販売
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大前提として仕事にはたくさんの音楽用語や基礎知識が必要でした。最初の2週間は主にJekitsというプログラムの手伝いで楽器の貸し出しを行いました。このプログラムはドルトムントの小学生のためのもので、参加すると1年生から4年生まで無料で好きな楽器を借りられるというものです。楽器を受け取りに来た両親と話をして倉庫から楽器を取り出し渡すだけの作業ですが最初から一人でやらなければならなかったのでとても緊張しました。しかし半日もすれば慣れてしまい、寧ろ受け取りに来た人と話ができ楽器に触れられるとても楽しい作業になりました。また、貸し出す楽器の点検などもあり私は昔からやっているクラリネットを試奏したりギターのチューニングなども行いました。私の世話役だったHartman-HilterさんはJekitsのプログラムの責任者であり、小学校のオーケストラの先生やMusikschuleでピアノの授業を受け持っていたためとても忙しく他の先生の手伝いを任されることも多かったです。毎週火曜日には0-2歳の赤ちゃんとその親向けの音楽教室にアシスタントとして参加しました。また毎週木曜日にはPeter-Vischergrundschuleという小学校で1,3,4年生のオーケストラの授業のアシスタントをしていました。1年生の授業では植木鉢と和紙で太鼓をつくりみんなで演奏したり日本の童謡を歌い、3.4年生の授業ではオーケストラの練習に参加し楽器の指導などを行いました。土曜日や日曜日はコンサートのためドルトムントの劇場などで券の販売やパソコンを使いパンフレット作成なども行いました。インターン最終日には有名なピア二ストのコンサートチケットをプレゼントしてもらいインターン先の人たちとコンサートハウスに行きました。最初から最後までいつも音楽と触れ合える、私にとって最高のインターン先でした。

3.まとめ
このプログラムに参加して日本とドイツでの労働環境の違いを知ることができ、自分の将来を考え直す良いきっかけになりました。たくさんの人にかかわる仕事だったのでこのインターン中にたくさんの人の優しさに触れることができました。このような貴重な機会を与えてくださった獨協大学、Auslandsgesellschaft、インターン先の皆様、全ての方々に感謝しています。本当にありがとうございました。

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ART-isotope/ Galerie Schroeder(山口愛來)

山口愛來(ドイツ語学科3年)
インターンシップ先:ART-isotope/Galerie Schroeder

きっかけ
 就職活動を控えた大学三年生のこの時期に、私は「大学生活で一番力を入れたことは何か」を考えました。サークルもバイトもろくにやっていない私が語れることと言えば、必然的に大学での勉強、つまりドイツ語に絞られてきました。大学でドイツ語を頑張ったと胸を張って言えるためにもこのドイツでのインターンシップは最適だと考え、私はこのプログラムに参加することにしました。

事前研修
 ドイツでの最初の1週間はAuslandgesellschaftで事前研修を行いました。内容は、スモールトークや電話応対などの実際に仕事をすることを意識したものや、いままで習った文法のおさらいなどでした。少人数だったせいか、みんな集中して楽しんで授業ができたと思います。授業のほかにも、Sulimanさんにドルトムントを案内していただいたり、船に乗ったり、博物館や美術館などに皆で行ったりしました。遊びと勉強の差が激しく、この期間は忙しかったですが、すごく楽しくて他のインターンシップ生ととても仲良くなれました。

インターンシップについて
 私はこのドイツでのインターシップは、働く意識より学ぶ意識のほうが強く、実際に様々な経験をさせてもらいました。私のインターンシップ先はドルトムントにある小さなギャラリーと、週に一回だけ図書館で働かせてもらいました。それぞれの業務内容と得た経験を簡単に書いていきたいと思います。
ギャラリーは基本的にギャラリストが一人で運営していました。そのギャラリスト本人にしかできない仕事も多くあり、私がお手伝いできたのは、招待状の準備や配布、掃除、HP修正、翻訳、絵の額入れや引き取りなどでした。展示はギャラリーの15周年に向けたもので、Horst Janssenという画家の作品を取り扱いました。基本的には現役のアーティストの作品を扱っているギャラリーですが、Janssenはすでに亡くなられた有名なドイツの芸術家で、絵の値段もとても高いものばかりでした。
また、私以外にもドイツ人のインターンシップ生がいて、とても良くしてもらいました。仕事が終わった後、展覧会やKünstlerhausにも連れて行ってもらい、ドイツの芸術家の方々と知り合う機会を与えてくださいました。本当に親切で、貴重な経験をたくさんさせてもらいました。いままでお客さん側で見ていた美術を、展示側から見るいい機会になったと思います。
もう一つ、水曜日だけは図書館でインターンシップをさせてもらいました。普通の司書の方に近い仕事をさせていただき、とてもためになりました。業務は返却貸出、蔵書チェック、新しい本の登録、小学生の図書館ツアーのお手伝い、などでした。図書館の上司の方は日本に旅行されたことがあり、日本の写真を見せてもらったり、日本語を教えたり、週に一度だったにもかかわらずとても親切にしていただきました。休日には、お家に招待してもらってみんなでご飯を作ったり、ゲームしたりしました。


ホームステイ先について
ホームステイ先はホストファザーとホストマザーと19歳の娘さんの小さな家族でした。娘さんの誕生日が9月にあったので自立している2人のお兄さんも帰ってきていたのですが、彼らとはあまり話せずに残念でした。それでもドルトムントを案内してくれたり、休みの日には車で美術展に連れて行ってくれたり、Kirmesに家族みんなで行ったり、お寿司を食べに行ったり、サッカー観戦に行ったり、とても親切にしてくれました。普段の生活でも、なんでも好きに過ごしていいと言ってくれて、洗濯もお風呂も不自由なく過ごすことができました。夜はみんなバラバラに食べていましたが、休日はホストマザーが温かいご飯を作ってくれました。わたしも一度、抹茶を振舞ったらすごく喜んでくれて色んな人に写真をみせて話していました。

まとめ
インターンシップへ行く前はとても不安でした。しかし、いざ行ってみると意外とうまくやっていけて、何事もやる前からダメだと思わず、前向きに考えることが重要なのだと気づきました。三年生の夏となると、日本でインターンシップをするか迷う人もいると思います。私もそれで悩みました。しかし、私はドイツでのインターンシップをしてよかったと思います。確かに社会人としてのマナーや就職活動に直結するようなものではないかもしれませんが、私は知らなかった自分を知ることができ、また、ドイツという国で実際に2か月弱暮らすことで、日本人としてアイデンティティについて深く考え、結果としてそれが自己分析にも繋がったと思います。
このインターンシップを通じて、私は単なる語学力や知識以上に、人との繋がりや一歩踏み出す勇気を得ることができました。これらのことは、これからの人生においてずっと生きてくると思います。こうした機会を与えてくださった獨協大学、Auslandgesellschaftの関係者各位、また受け入れてくださったインターンシップ先の皆様、Gastfamilieにこの場を借りて心から感謝いたします。

Dicke & Partner(金子周平)

金子周平(ドイツ語学科4年)
インターンシップ先:Dicke&Partner

はじめに
 「将来ドイツで働きたい」という目標の第一歩として、今回のこのドルトムントでのインターンシップの機会を与えてくださり、大変感謝しております。インターンシップ参加以前に私はトリーアという小さな街で1年半の留学をしておりました。そこで得た生活のためのドイツ語力を基に、研修を通じて仕事のドイツ語にステップアップして学べたことに満足しております。
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事前語学研修
 最初の一週間は、獨協生のみで語学研修がありました。そこではビジネスドイツ語の授業だけでなく、ドルトムントの街観光やミュンスターへの遠足、遊覧船でのランチ、博物館見学など課外活動も盛りだくさんでした。ドイツ到着後の一週間だったということもあり、時差ボケと闘いながらも朝から晩までの研修を何とかやり抜き、ハードな一週間を過ごした後は少し達成感がありました。今回の参加者は計6人(4年生2名、3年生2名、2年生2名)で、私が唯一の男性でした。6人全員の仲は非常によく、たまにみんなで集まって近況報告から将来への悩みなど色々な話をしました。

インターンシップ
語学研修から一日も休むことなく私のインターンシップは始まりました。私は、「Dicke&Partner」という企業宣伝用商品の会社で働かせていただきました。最初この会社の名前だけを聞いたときは正直言って、「一体なんの会社なのか、ちゃんとした会社なのか」などと余計な心配をしたのを覚えています。それはともあれ、そこでは9名が働いており、子会社を含めると30名程度の規模の会社でした。そこで取り扱っている商品や取引先企業はとても多く、2か月ではなかなか仕事を覚えられないため、社長の計らいでドイツにある日本企業に営業や、オンラインショップの翻訳など、日本人である私にしかできないことをさせて頂きました。その他にも、お手伝いとしてデータ入力、書類整理、会社内メッセの会場設営、お客様の接待などを行いました。日本企業の営業では、仕事内容も十分に把握していない2日目あたりから任され、ドイツ語・日本語での営業電話や、メールでのやりとり、商品カタログから抜粋した商品にドイツ語の商品説明や価格を加えた資料作成などを行いました。営業という仕事において当初は大変緊張し、うまくいかないことが多かったですが、場数を踏むことにうまく対応できることが実感でき、また毎回電話を切るたびに達成感をもたらしていました。オンラインショップは「Dicke&Partner」が管理している独自のもので、それの日本語への翻訳を行いました。初めて翻訳作業だったということもあり、かなりの時間を要しました。一番苦労したのはドイツ語の文章の内容的理解もそうですが、なんといってもドイツ語と日本語の一致した専門用語を探すことでした。最終的に数週間かけて行った翻訳業務を終えて社長からお褒めの言葉を頂いた時の感動は、今でも忘れられません。
 社長や同僚は基本的には親切でしたが、常に忙しそうで話しかけづらい時もありました。しかし、それも2週間を過ぎれば遠慮なく質問できるようになりました。
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ホストファミリー
 私のホストファミリーは、父母、長男、長女、次男という構成で、長男と長女は大学生で一人暮らし、次男は高校生で実家にいました。ホストファザーは数学学者、ホストマザーは公文で算数の先生として働いておりました。長男はドルトムントの大学で物理を専攻しておりましたが、私が滞在していた時はちょうど大学を終え、大学院に向けての準備をしておりました。次女はハノーファーの医学部の学生で、つねに勉強している印象があり、次男は8月の終わりにカナダに留学に行ってしまいました。そのため家族5人が揃うことは結局なかったのが残念です。お気づきかもしれませんが、この家族は「The理系ファミリー」で文系大学生である私が今の知識で学問の話をすることは不可能でした。しかし、9月に入ってからは長男、長女ともに私が帰国する日までは帰省してくれて、(学問以外の会話で)楽しく時間を過ごすことができました。ただ一番息があったのはなんといってもホストマザーとで、料理という共通の趣味で意気投合し、いろいろなドイツの家庭料理をふるまっていただきました。そして私自身も日本の料理(とくに洋食、和食は具材が揃わなかったため)を披露し、日本の炊き方で炊いたお米のおいしさを伝えることができました。すっかりハマったようで、いつだかホストマザーが自分で炊いたお米を私に振る舞ってくれました。
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週末・休暇
 今回のドイツは、想像していなかった刺激的な体験ばかりの滞在でした。「ドイツでのインターンシップ」というだけでも刺激的ですが、それをもはるかに上回る体験がいくつかありました。というのも、まず私が「Ruhr Nachricht」という新聞に載ったということです。日本人学生がドルトムントでインターンをやっているということで新聞社が興味を持ち、取材を受けることになりました。唯一の男性であったためか、私と私のインターン先の会社が選ばれ、記事用のインタビューを受け、仕事内容のプレゼンテーションをしました。そして今度は新聞の反響から「Lindenstrasse」というドイツの国民的長寿ドラマのエキストラとしての出演も果たしました。撮影現場にはおそらく大御所(?)の俳優の方がたくさんいましたが、私はそのドラマを一度も見たことがなかったため、誰一人とも知らず、そのためか撮影自体には全く緊張しませんでした。(笑)
その他にもホストブラザーとミニゴルフやローラースケートでの散歩、ドルトムントのサッカー観戦に行き、ホストファミリー全員でオランダにヨットに乗ったりして、家族との時間を充分に楽しめました。初めての体験が非常に多く目まぐるしく毎日が過ぎ去っていきました。

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ドルトムントの滞在を終えて
 もちろん毎日が楽しいことばかりではありませんでした。いつもこういった報告書を書く際は決まって「最初は苦労がありながらも充実した日々を過ごせ、最終的には楽しかったです」という内容になりがちです。正直言って私は、モヤモヤしながら滞在を終えました。上記に述べたように一見楽しそうな出来事ばかりを体験しているようですが、あくまでもそれは一部であり、ほぼ毎日私はドイツ語能力で悩んでおりました。昔はたとえ理解できなくても聞き流して誤魔化してその場を乗り切っていましたが、しっかり情報を100%キャッチしないと情報量が足りず、行動もできないということに滞在中いつしか気づかされ、とにかく100%理解して100%自分の思っていることを正しく伝えることを私は目指しはじめました。もちろん急にはうまくすべてを理解できません。毎日につねに落胆しておりました。たまに文脈さえも把握できないこともあり、そういった場合はたとえホストファミリーの中にいても孤独を感じていました。語学の勉強は本当に終わりがありません。しかし、今までかなりの時間をかけて悩んできた分、簡単にドイツ語を放棄したくはないため、今後も自信と落胆を繰り返して、ドイツ語の勉強に専念していこうと思います。

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2014年度 参加者:7名

インターンシップ報告書 (宇崎貴子)

宇崎貴子 (ドイツ語学科4年)

インターンシップ報告書


<はじめに>
 元々、日本かドイツでインターンシップをしたいと考えており何か手はないかと模索していたところで、偶然このプログラムを見つけ応募しました。それまではプログラム自体 の存在を知らなかったため、私にとっては願ってもないチャンスであり、また、このよう にしっかりとサポートをしていただけるインターンシップは他の大学にはないと思います。 必ず希望先で働けるというわけではありませんが、極力希望に沿った職場を外国協会の方 が斡旋してくださるので、ドイツに興味のある方、将来働きたいと思っている方にもいい チャンスだと思います。
ドイツでのインターンシップは、言葉の壁、考え方の壁があること前提で働くことにな るため大変ではありますが、日本ではできない経験をたくさんさせていただけるので、少 しでも興味のある方はぜひ参加することをおすすめします。

<事前語学研修>
 1週間の語学研修は主に文法・頻出熟語の確認の他、スモールトークや実際に職場に電話 するなど実践的なものも含まれていました。半日は外国協会での授業、半日はみんなでど こかに出かけるなど時間的にも余裕があり、Frau Suliman をはじめ職員の方々の明るい雰 囲気に助けられ、そこまで緊張することなくインターンシップに向けての準備にあてるこ とができました。

<インターンシップ>
 私はドルトムントの空港で、もう一人のインターンシップ生と場所を交代しながら計2か所を3週間ずつ働きました。1階にはカフェや軽食屋・キオスク、2階にはイタリア ンレストランがあり、それぞれ違ったスタイルでの接客を求められました。また、ドルト ムント空港は近くのデュッセルドルフやフランクフルト空港と比べ比較的小規模で、東欧 やその先のアジア圏に向かう旅客がメインで、英語での接客を求められることも多々あり ました。

 *2F のレストラン
 前半ではグラス・料理提供の仕方・Kellnerin としての丁寧な接客の指導、後半は会議室 での設営やドリンクなどの補充・片づけなどの一連の流れを教えていただき、担当するこ とになりました。下の階に比べて職場のメンバーが固定されており、とても親切な方々で、 すぐにリラックスして取り組むことができました。全体的に雰囲気が落ち着いていて、同 僚同士仲がいいのか、常に笑顔が絶えない場所でした。実際にお客様に接するときはちゃ んと切り替えていて、ほどよい緊張感をもって働くことができました。
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*1F のカフェ・軽食屋・キオスク
 上の階と比べ、どちらかというと搭乗まで時間のない旅客がメインのスピード重視の接 客が求められました。そのため、便が重なると一気に忙しくなり、波が引くとひたすら片 づけに徹するというように、1日の大半のローテーションが決まっていて、単調ではあり ますが、接客する数でいえば圧倒的に2階のレストランよりも多い印象です。基本的にそ れぞれのお店は1~2名ずつで働いており、同僚が休憩に行く時や、混んだときなどに補 充要員としてよばれることもありました。仕事内容はいたってシンプルで、すぐに覚える ことができるので、入って1週間目でおそらく店番を任されることになると思います。

<ホストファミリー>
 約8週間、母・息子2人(内1人は一人暮らし)・犬2匹の家庭に滞在しました。ホストマザーが本当に面白い方で、インターンシップが始まるまでの2週間はよく彼女と一緒に 食事をしたり、庭でお茶をしながらおしゃべりをしたり、まるで実家のようにリラックス しながら生活していました。彼女には息子が2人いて、残念ながらどちらともあまり話す 機会はなかったのですが、別で暮らしている息子も日曜の朝には必ずと言っていいほど朝 食を食べに来るほど仲がよく、どこか行きたいところはないか、困っていることはないか ととても親切にしていただけました。わけあって、前半と後半でそれぞれ2週間ずつ別の インターンシップ生や、日本人の方も一緒に暮らしていて、お互いの悩みなどを共有でき たこともあり、インターンシップをする上での助けになったと痛感しています。周りの住 宅にはトルコ人やポーランド人?(失念してしまいました)の家族が住んでいて、墓地の 近くのためか、比較的閑静な住宅街に家はありました。ホストマザーは海外にすごく興味 がある方だったので、日本についてよく質問されたり、ドイツについていろいろと紹介し てくれたり、本当に話題の尽きない家庭でした。インターンが始まる頃にちょうど彼女も 仕事が始まり、少しずつ話す機会は少なくなっていきましたが、それでも毎日気にかけて くれる本当にやさしい方でした。生活に関しても、洗濯はしていただけるし、料理も毎回 ではないですが夕飯を多めにつくったときはお裾分けしてもらえたりと、困ったことは何 もなく本当に恵まれていたと思います。
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<週末の過ごし方>
  元々ドイツに留学していたため、そこでできた友達のところに泊まりに行ったり、友達が 会いに来てくれたり、はたまた思い立ってハンブルクに旅行に行ってみたりと、毎週気分 転換もかねて用事をつくるようにしていました。その際にジャーマンレイルパスを購入し ていると、手頃な値段でドイツを回ることができるのでとてもお勧めです。日曜日はでき るだけ家にいて家族に日本料理をふるまったり一緒にケーキを作ったりして過ごしていま した。また夏は夜の9時頃まで明るいので、平日は仕事帰りに近くの Poenix-see という人 口の湖に立ち寄ってのんびりして過ごしたりもしました。

<費用・準備について>
 約8週間の生活費として 1000 ユーロ(14 万)を持っていきましたが、それで十分足りる ほどでした。 特に私はジャーマンレイルパス(約 300 ユーロ)を買っていたので、普段の生活費と考え るともっと少なくて済んだと思います。それに加えてインターンシップ参加費(2 万)・保 険代(期間による)・飛行機のチケット代で約 30 万ほどでした。

<さいごに>
 獨協大学の先生方・外国協会の職員の方々および関係者の皆様、この機会を与えていただ き、本当にありがとうございました。このインターンを通して、実際に外国で働いてみる とはどういうことなのか、自分のスキルをどう将来につなげていくか、自分の考えを改め る機会を得ることができました。留学は難しいという方も、留学後にもう一度ドイツに行 きたいという方も、いいきっかけになると思いますので、ぜひ参加してみてください。

インターンシップ報告書(石崎千帆)

石崎千帆(ドイツ語学科4年)

Schönes Leben

1. 事前研修について
 8月2日から9日までこの事前研修プログラムに参加しました。主にAuslandgesellschaftでドイツ語の授業を受けていました。授業内容は、文法も習いましたが、スモールトーク、クレームの対処方法、ホテルでの受付やレストランでのお客さんとのやりとりや、電話の練習をしてから自分が働く職場に電話をかけたり、ドルトムントについてのプレゼンテーションをしました。先生は年が近い方で、とてもわかりやすく説明してくれました。ドイツ語の授業はそんなに難しいとは感じませんでしたが、今年のインターンに参加する獨協生はドイツに留学経験があるか、既習クラスの方々だったので、一緒に授業を受けていてとても刺激になりました。
 授業以外では、たくさんのプログラムに参加しました。市庁舎で、ドルトムントの副市長さんにお会いし、ドルトムントについて質問をしました。また、ドルトムントの今後のヴィジョンなどもお聞きしました。それから、ボルシアドルトムントのサッカースタジアムのツアーに参加して、BVBでプレーしている丸岡選手にお会いしました。普通なら入れない、選手が座るベンチにも座ることができ、とても楽しかったです。そして、私にとって一番心に残っているのが、パン屋さんでパンを作ったことです。ドイツにはたくさんパンの種類があり、どれもおいしいので、前から興味を持っていました。後日この模様がドルトムントの地方紙に載ったことも、いい思い出です。
 この一週間はどこかに出かけた後にドイツ語の授業があった日や、授業の後どこかに行って、またどこかに行くという日もあり、ハードでしたし、1日の終わりには皆が疲れていました。しかし、このプログラムのおかげで、職場で働くという不安が少し減ったような気がしました。

2. 仕事について
 インターンの面接を受けるとき、ヴェルナー先生にレストランで8時間働くのは大変だけど大丈夫なのか、と聞かれ大丈夫だと答えましたが、想像以上に体力のいる仕事でした。そして6週間同じレストランで働くというのは想像以上に長く、3週間目くらいになって、あと3週間もあるのか、と思ってしまうくらいでした。なので、2つのレストランを3週間ずつにできたら、もっとよかったのかな、と思います。
しかし、3週間めでこんなことを思っていても、終わってみるとこの6週間はとても充実していたと胸を張って言えます。私の働かせていただいていたSchönes Lebenはとてもおしゃれなレストランです。朝はカフェのような感じで、お昼から本格的な料理が楽しめます。ワインやビールの種類も多いです。同僚からは夜はもっと素敵だよ、と言われました。夜に行ったことはありませんが、おそらく夜はもっとたくさんのお客さんが来るのだと思います。
 私は9時に出勤して、一緒に働く同僚に挨拶をしてから、テラスの準備をします。テラスの準備はテーブルを拭いたり、食器や灰皿を設置したりします。この準備をしていると前を通る人が挨拶をしてくれるので、とても気持ちのいい朝でした。9時半近くに常連のジェームスさんという方が来ます。この方は本当に毎日来ているので、ジェームスさんとのおしゃべりも楽しかったです。9時半にお店があいて、そのときに私はオレンジを絞っていました。ほぼ毎日絞っていて、多いときで4リットルしぼりました。オレンジを絞りつつ、同僚がとってきた注文を見て飲み物を作りました。朝はコーヒーがよく出ます。ここの飲み物は、Milchkaffee・Cappuccino・ラテマキアート・ココアの場合、自分でミルクを泡立てて、ミルクの泡をのせます。私はカフェで働いた経験がなかったので、ミルクを泡立てるのがとても難しく感じました。しかし、2週目くらいになって、コツをつかみ、ある同僚に「私よりラテマキアートを作るのが上手」と言われてとても嬉しかったです。基本的に同僚が飲み物、食べ物を運んでいましたが、混んでいる時や、同僚が忙しそうなときは自分で運んでいました。私は飲食店で働いた経験がなかったので、トレーを扱うのも難しく感じました。しかし、もしレストランで働いた経験があるなら、「私は運ぶことができるからやらせて!」と言ったらいいと思います。オレンジがしぼり終わったら、オレンジを絞る道具を片付けて、食器をみがき、洗い終わったカップやお皿をもとの位置に戻し、ビールのグラスを並べ、スープのカップやスプーンの準備をしたりしていました。(毎日日替わりのスープがあります。)13時まで朝食メニューがあり、12時からお昼のメニューが始まります。だいたいお客さんが落ち着く13時半から14時半頃、私はお昼を食べさせてもらっていました。お昼のメニューからどれでも選べることができ、いろいろな料理を食べました。どれも本当においしかったです。お昼を食べ終わってから、また仕事を開始します。14時くらいになってまた、コーヒーなどの飲み物を注文する人が増えてきていました。だいたい16時で私は帰らせてもらっていましたが、混んでいて食器がふき終わっていないときなどは16時半まで働きましたし、一番長くて17時まで働いたこともありました。
 この6週間を通して、すいている日が何日もあり、1日中掃除をしていた日は少なくありませんでした。それに、重い荷物を上から下の地下へ運ぶために何度も行ったり来たりという体力的な仕事もしました。食材や飲み物が無くなったら、地下に取に行ったりもしていたので、どこに何が入っているのか、ということまで少し覚えられました。
 お客さんに何かを聞かれることも多かったのですが、ドイツ語が分からないだけでなく、お店のことについてわからないこともあったので、そういうときは、「今同僚が来るので待っていてください!」というか、同僚に聞いてから答えを返していました。
 9時から16時まで、6週間という時間をとても長いと思いながら仕事をしており、掃除ばかりで退屈だと思った日もありましたが、最後の日にその日一緒に働いていた同僚が、お疲れ様!という意味を込めて、スパークリングワインで「Prost!」してくれました。それにワインやジャム、写真やレシピなどが入った大きなプレゼントを頂きました。自分が役立っているのか疑問に思っていましたが、本当にありがとう!助かったよ!などと言われ、とても嬉しかったです。
 ドイツのカフェ・レストランは店員とお客さんがDuを使っているのでとても驚きました。また、まだ片付けていないテーブルにお客さんが座ってしまい、急いで片付けに行ったら、「そんなに急がなくてもいいんだよ!」とお客さんに言われたことも印象的でした。お客さんと働いている人の壁があまりなく、気軽に話せる関係なのは、ドイツのカフェ・レストランのとても素敵な所だと思いました。
in ISHIZAKI写真1

3. ホームステイ先について
 私は、とても仲良しで素敵な夫婦のお家に滞在させていただきました。2人ともとても優しく、2人のもとで過ごした2か月は幸せな時間でした。土日は必ず一緒にパンを買いに行き、朝ごはんを一緒に食べました。私に何も予定がないときは、一緒に散歩に行ったり、どこかに遊びに連れて行ってもらったりしました。平日の夜には一緒にテレビを見たり、お話したりしていて、ほぼ毎日何かの話をしていました。2人とはほんとにいろいろなことを話したので、自分のドイツ語向上にもつながったと思います。ちなみに、冷蔵庫のものやお菓子は自由に食べてよく、スーパーに一緒に行ったときは、なんでも食べたいものをかごにいれていいよ、とも言われていました。自分の部屋はとても大きく、お風呂とトイレは自分の部屋の隣についており、とても過ごしやすく、快適でした。私は引き続きEssenに住むので、また近々2人のもとに遊びに行く予定です。
 また隣の家には9歳の女の子と6歳の男の子(とても元気いっぱいです。)が住んでおり、ばったり会ったときに、いつも「遊ぼう!」と誘われました。サッカーや鬼ごっこ、UNOなどをして楽しみました。2人ともとても可愛くて、いつも癒されていました。

4. 休日や仕事の後の過ごし方
 前に書いたように、私の予定がないときはGastelternと過ごしていました。私はすでに半年間ドイツに滞在しているので、土日はドイツで出会った友だちと遊んだりしていました。仕事の後は、大学の授業の宿題のレポートを書いていました。毎週火曜日にはインターンのメンバー全員で集まることになっていたので、Auslandgesellschaftでの集まりが終わった後に、みんなでご飯に行って、近況報告などをしていました。毎週みんなに会って話すのがとても楽しみで、私にとってこの火曜日の集まりは、インターンを続けていくために大事なモチベーションとなっていました。
in ISHIZAKI 写真2


最後に・・・
 私はこのインターンのプログラムに参加できて、とてもよかったと思っています。レストランで働いている間に、今まで聞いたことのなかったあいさつや、ドイツ語の言い回しを知れたこと、おいしいご飯を毎日食べられたこと、いろいろな人と知り合って、たくさん話して笑ったこと、とても濃く、とても幸せな2か月でした。何より、「ドイツ語の会話向上のためにカフェかレストランで働く」という、インターン先を決める前に思っていたことが達成できたと思うので、嬉しく思います。
 スリマンさんをはじめとする、Auslandgesellschaftの方々、ヴェルナー先生、青山先生、そしてはじめに担当してくださっていた渡部先生にも感謝いたします。ありがとうございました。

Park Inn Hotel Dortmund/Mercure Hotel Dortmund(三輪夏愛)

三輪夏愛(ドイツ語学科4年)

インターンシップ報告書


インターンシップ先:Park Inn Hotel Dortmund/Mercure Hotel Dortmund


はじめに:
私はこのプログラムに参加する約一年前にドイツに渡航し、交換留学生としてドイツの大学で勉強していました。このプログラムに参加したいと思ったきっかけはいくつかあるのですが、一番大きな理由は、ドイツでPraktikumをしてみたいと思っていたのですが、外国人が自分でPraktikum先を見つけるのはとても難しいので、このプログラムに参加しようと思いました。また、長い夏休みの間に何か大きなことをやりたかったこと、去年参加していた友人や先輩から話を聞き、興味を持ったことなども参加しようと思ったきっかけです。

事前研修:
事前研修は8月2日~9日まで毎日大体9時~15時の間に行われました。事前研修では、ドイツ語の授業と、遠足のようなものを行いました。
授業の中では、仕事で使うドイツ語の言い回しや丁寧なドイツ語の言い回し、また、ペアワークやプレゼンテーションなども行いました。今回の参加者は、今までで一番、既にドイツに留学したことがある人の数が多かったということもあり、皆発言も積極的にしており、また、ドイツ語のレベルも高かったので、毎日刺激的でした。私たちのドイツ語の先生は、私たちと比較的年齢が近く、とても話しやすく、私たちの質問にも優しく答えてくれました。授業の終盤には、各自がインターンシップ先に電話をかけ、当日の服装などについて質問しました。とても緊張したのですが、一週間の集大成となったと思います。
遠足では市庁舎を訪問したり、サッカースタジオを訪れたりしました。サッカースタジオ訪問の際に、香川選手のBVBへの復帰戦のチケットもプレゼントしていただき、みんなで観戦に行ったのは本当にいい思い出です。このプログラムに参加しなければ絶対に体験できないことが盛りだくさんで、とてもいい思い出になりました。

ステイ先について:
私は、最初はホストファミリーのもとに滞在していたのですが、都合が悪くなってしまい、途中からデュースブルクにある自分の寮から通いました。デュースブルクからドルトムントまでは電車で30分くらいなので、そこまで大きな負担ではありませんでした。
寮から通うことによって、今までの自分の生活スタイルを変える必要がなく、慣れない環境での仕事のあとに疲れを取ることができ、結果的にはよかったと思いました。

インターンシップ:
インターンシップ先のホテルはビジネスホテルということもあり、家族連れというよりは、仕事の都合で利用しているゲストが多かったです。毎日の勤務時間は基本的には朝8時から16時まででした。仕事が早く終わった日は早く帰宅することもありました。休憩時間は30分で、昼食にはホテルのビュッフェをもらうことができました。また、日によってはもう一度休憩をもらえる日もありました。ホテルの名前についてなのですが、インターンシップ中にPark InnからMercureに変わりました。
私は主にホテルのレストランとバンケットで働いていました。レストランの仕事内容は、毎食の準備、片付け、ドリンクの提供で、バンケットでの仕事内容は、テーブルのセッティング、会議後の後片付けなどでした。
私はホテルで働いた経験がなかったので、食器のセッティングの法則などを全く知らず、同僚に教わったことを毎回メモしていました。新しい環境での仕事でストレスもそれなりに溜まっていたのですが、同僚が本当に優しく、毎日仕事に行くのも辛くありませんでした。ホテルにはAusbildungをやっている同年代の子が何人もいて、仕事のこと以外にもお喋りをしたりして、とても楽しかったです。
ホテルには様々な国からのゲストが訪れ、その中には日本人もおり、日本語でお話しをしたりして、少しでも宿泊の手助けができ、とてもうれしかったです。また、ホテルに食事に来る常連のドイツ人のゲストにも顔を覚えてもらい、毎日話しかけてもらったのも嬉しかったです。

三輪1


最後に
このプログラムに参加して、ドイツ人と日本人は仕事の仕方が本当に違うと感じました。将来ドイツで働くことも視野に入れていたのですが、実際に働いてみて、両方のいい面、悪い面を経験し、自分の将来を考えるとてもいい経験となりました。
このプログラムがなかったら、ドイツでPraktikumをすること自体実現しなかったかもしれなかったのに、本当にたくさんの経験をすることができました。このような貴重な機会を与えてくださった獨協大学、Auslandsgesellschaft、インターン先の皆様、全ての方々に感謝しています。本当にありがとうございました。

三輪2

インターンシップ報告書(竹内真美)

竹内真美(ドイツ語学科3年)

ドルトムント・インターンシップ報告書
„Bella Vista“ „Pi Pa Po“

ドイツ語学科3年 竹内真実

・語学研修
 私がこのインターンシップに参加した理由は、1年間のドイツ交換留学の締めとなるような、自分が留学を通して成長した思えるようなことを成し遂げたかったからです。また、観光に興味があることと、人とのコミュニケーションを取る仕事をしたかったので、研修先はドルトムント空港にあるビストロとレストランになりました。  ドルトムントにおける最初の一週間は、語学研修とさまざまなアクティビティがあります。語学研修は獨協生の参加者全員で同じコースを受けます。内容は主に接客に使うドイツ語や、ビジネスドイツ語、電話の受け方など実際の仕事で使えるような内容でした。アクティビティでは手作りパン工場、ドルトムントのサッカースタジアム見学、アクセサリー作り(参加者が全員女子だったため)など盛りだくさんでした。一日に授業とアクティビティの両方があるので、スケジュール的には大変でしたが、どれも初めて見ることや聞くことばかりだったので新鮮に感じられて、楽しむことができました。印象に残っているのはドルトムントのサッカースタジアムを訪れた際に、日本人サッカー選手にお会いし、彼のインタビューを日本語の通訳としてお手伝いさせてもらったことです。突然頼まれたことだったのでうまくできるか不安でしたが、ボルシアドルトムントの広報担当の方々に「手伝ってくれてありがとう。」と言ってもらえて、とても良い経験になりました。また、お世話になった語学学校のドイツ人の方々はみなさんとても優しく、わたしたちの生活や仕事の様子などいつも気にかけてくれ、相談にものってくれました。語学学校で職業訓練をしていて、アクティビティに同行してくれたドイツ人たちは年齢が近かったこともあり、休みの日には一緒に遊びに行ったりもして充実していました。

・仕事
 ドルトムント空港では私と宇崎さんの二人がインターンをさせていただくことになりました。初めの2週間は私が1階にあるビストロで、宇崎さんが2階のレストランで働き、次の2週間では場所を交換して働くことになりました。月曜から金曜まで1日8時間でしたが、8月中は休暇シーズンで普段利用するビジネスマンが少なく、あまりお客さんが来ませんでした。そのため、できる仕事が終わってしまい、その場にただ立っているだけということが多かったのでスリマンさんや上司と相談し、勤務時間を1日6時間にしてもらいました。時間を短くしたことで無駄に立っていることがなくなり、仕事にも集中できるようになったのでよかったです。このときのように、上司やまわりの仕事仲間もどのようにしたらわたしたちに良い仕事環境にできるか、楽しんで仕事をできるかなどとても気にかけて親切にしていただきました。ビストロでは搭乗前の時間がないお客様のためにフライドポテトやピザなどの軽食、飲み物を提供し、空港内にある他のカフェやキオスクで売られるサンドウィッチを作るのが主な仕事内容でした。仕事自体は問題なくこなせましたが、私が日本ではなかなか経験できないなと思ったのは空港ならではの国際的なお客様に対する接客です。ドイツにいるからといってすべてのお客様がドイツ語を話せるわけではありません。お客様のほぼ半数は英語での接客でした。また、飲食の提供だけではなく、空港のインフォメーション的役割もこなさなければならない時がありました。英語はあまり得意ではありませんでしたが、空港の情報を頭にいれ、接客で使える英語を覚えて頑張りました。中には英語もドイツ語もあまり話せないお客様もいて、注文を受けたりするのに苦労しましたが、日本でこのような状況を経験することはなかったので、言葉を伝えることと相手を理解することはとても重要なのだと思いました。日本人のお客様がいらした時に、飛行機の搭乗手続きについて困っていたようで、ドイツ語も英語もよくわからないということだったので一緒に空港内の旅行会社まで行って、その方たちの状況を説明しました。日本人のわたしが対応したことでその方たちも安心してくれ、日本人として海外で役に立つことができて嬉しかったです。
 レストランの方では主に接客や会議室の準備・ケータリングサービスをしました。一緒に働いている人たちはトルコ人、ポーランド人、ロシア人などとても国際色豊かで、常に愉快で笑いの絶えない職場でした。9月に入ると会議準備や大きな催し物も増え、ケータリングや飲み物の準備で忙しくなり、自分で考えてとっさに対応しなければならないことも増えました。忙しいときでも、仕事仲間の人たちは何をどのようにしたら良いか分からないわたしに何か任せようと、いつも様々な仕事を与えてくれました。おかげで普通のレストランの接客だけでなく、会議室を利用しているビジネスマンへの食事サービスや大きなイベントの食事準備・片付けなどもさせてもらいました。レストランの接客ではお客様と会話したり、お会計の時にチップをいただいたり、英語で接客をすることも多かったです。最後の2週間は自分たちのやりたいように働く場所を決めていいと言われ、また1週間ずつレストランとビストロに分かれて仕事をしました。時には空港内の他のカフェやキオスクで手伝いをすることもあり、さまざまな人たちと出会い、客層や仕事において重要なことなどが違う色々な経験することができてよかったです。
in TAKEUCHI

・ホストファミリー
 私のホストファミリーはBurmannさんという女性の方で、日本での留学経験のある娘さんがいました。Burmannさんは近所づきあいや仕事で出かけることが多く、近所に住む知り合いの誕生日パーティーなどにも一緒に連れて行ってくれました。わたしの部屋は一人部屋でトイレ、バスルーム、キッチンは共同でした。家から最寄りの駅まで徒歩5分で、空港までも25分程度だったので通勤に苦労しませんでした。食事は生活リズムがバラバラだったので、時間が合ったときは一緒に食べたりしました。週末にはよくケーキを焼いてくれて、わたしがケーキの作り方を学びたいと言うと一緒に作ってくれたり、ドイツ人家庭らしい休日を過ごすことが出来ました。母娘共にベジタリアンだったので、オーガニックの材料を使っていつも健康でおいしいサラダやケーキを食べていました。洗濯は週に1回でしたが、まとめてきれいに洗って干しておいてくれたのでとても助かりました。娘さんはデュッセルドルフという近くの町で大学へ通っていたので、デュッセルドルフに遊びに行ったときには案内もしてくれました。Burmannさんは「今日の仕事はどうだった?」などと家で会うといつも声をかけてくれたり、会話の中で分からない単語があると丁寧に教えてくれたり、わたしが間違ったドイツ語を使うと「こう言う方がいいと思うわ。」と直してくれたりもしました。家もきれいで手入れの行き届いたお庭も印象的でした。
in TAKEUCHI 2


・休日
 土日は基本的にお休みであまり遠出はしませんでしたが、デュッセルドルフへ行って留学中に知り合ったドイツ人の友達と日本食を食べたり、ドルトムントで夜はバーやディスコなどへ行って楽しみました。ドルトムントには比較的安い値段でカクテルなどを楽しめる場所が多くあり、中央駅からすぐのところではデパートやショッピングモール、カフェ付きの大きな本屋、オーガニック食品店、市場などさまざまなお店が充実していて見るだけでも十分楽しめました。また、スリマンさんからブンデスリーガの試合のチケットを無料でいただき、人生初のサッカー観戦にも行くことが出来ました。ドルトムントのサッカースタジアムは約8万人の観客で埋め尽くされ、歓声や応援のすごさに感動させられました。また、同じくインターンに参加していた獨協生のホストファミリーが小学校の先生をしていたので、その小学校にお邪魔して3年生くらいの子供たちに日本の文化や地理について簡単な説明をし、一緒におりがみをしたのがとても楽しかったです。その日は平日だったのですが、そのことを上司に話してお休みをもらいました。ドイツの子供たちはとても自由で自己主張もあり、日本という彼らにとって未知の国に対する興味や質問も次から次へと湧き出てくるので、とてもやりがいがありました。ドイツにいても子供たちと触れ合う機会はあまりなかったので、とても新鮮でした。
・まとめ
 今回のインターンシップを通して、ドイツでの仕事や責任の在り方というのを学ぶことができました。日本の飲食店でもアルバイトをしたことがありましたが、接客も職場環境もドイツとは異なっていて、日本の飲食店や接客業では当たり前のことがドイツではほとんど当たり前ではなく、またその逆もあり、常識の違いにとまどうこともありました。自分は「ドイツで働く日本人」という意識を持ち、ドイツ風のやり方に合わせながらも接客やサービスなどは日本人らしく行う方がお客様にも満足してもらえるし、自分にとってもやりやすいと感じました。一緒に働いていても、ドイツ人の接客の仕方はどうしても丁寧さと親切さに欠けるところがあるように思ったからです。しかし、効率をよく考えて仕事をし、責任を持ってやるところや、仕事仲間と気持ちのいい職場環境を作ること、ルールに縛られずお客さんに対して柔軟に対応するところなどは見習うべきだなと思いました。インターンといっても、学ぶことは仕事や適性だけでなく、常識の違う海外の人たちとの付き合い方、イエス・ノーをはっきりとさせる自己主張など本当に多くのことを学べてよかったと思います。ドイツでの留学生活の締めとして、毎日仕事でドイツ語を話すことはいままで培ってきたドイツ語力を試されたと同時に、自分への自信にもなりました。もちろん常に完璧なドイツ語で接客できたわけでもありませんし、言われたことをきちんと理解しておらずミスをしてしまうこともありました。しかし、それでも困ったときには助けてくれ、やさしく支えてくれた上司や職場の人たちのおかげで6週間楽しくインターンをすることができました。インターンを通して出会った方々、常に面倒を見てくださったスリマンさん、職場決めからビザの延長など色々とサポートしてくださったヴェルナー先生へ、この場をお借りして改めて感謝の気持ちを伝えさせていただきたいと思います。本当にありがとうございました。

Umweltamt(田村英理香)

田村英理香(ドイツ語学科4年)

インターンシップ報告書

インターンシップ先: Umweltamt



1. はじめに
 私はインターンシップ前の2014年3月より活動報告書執筆現在、ベルリン自由大学へ交換留学生としてドイツに滞在しています。今回は大学の夏休みを利用してのインターンシッププログラムへの参加となりました。卒業後、日本の公務員職や公的機関で働くことを目標としていたため、ドルトムントのUmweltamtを志望しました。ドイツ社会の仕組みや行政の仕事を身近で体験し知ることができ、とても有意義なプラクティクムとなりました。また、自身が単なる留学生としての身分ではなく社会の構成員としてドイツ社会を学ぶことができたと思います。


2. 事前研修について
 事前研修は8月2日から8月9日の1週間行いました。私は毎朝7時30分に起床し、バスと地下鉄に乗ってドルトムント中央駅まで通いました。朝9時からドイツ語の勉強を開始し、講習後には外国協会のプログラムに参加しました。ドイツ語の講習は一日5-6時間程度行います。内容はビジネスにおける会話中心ですが、研修生の要望によってリスニング、ライティングなど必要な練習も行ってくださいました。先生は私たちと年齢も近いため、とても親切でフレンドリーに接してくださいました。生徒と先生は「Du」で呼び合い、質問も気になればすぐ気軽にすることができました。文法の間違いやドイツ語の知識だけでなく、ドイツのマナーや日独の違いなどを教えてくださいました。とても集中的なコースとなり、私も含めた研修生たちがすっかり疲れてしまう場面も多々ありましたが、ドイツ語をしっかり学べたと思います。しかし、意義あるドイツ語コースにも関わらず、1週間という短時間にたくさんの予定が詰まっているため予復習や宿題に割く時間があまりありませんでした。とても残念だと感じました。次回より事前研修期間をもう少し長めに設け、研修生たちがゆったりとしっかり準備する期間に計画していただけると嬉しく思います。

3. インターンシップ
 ドルトムント環境局では大きく6つの部門に所属し、インターンシップ期間をかけてほぼ全ての部門に配属されます。水質保全、土壌保全、大気保全、下水道処理、狩猟(動植物)・漁業保全、廃棄物処理部門です。他のインターン生と異なる点として環境局では特定の仕事をするのではなく、リーダーや同僚にから業務内容と各部署の特徴や特質などを教わります。野外活動が中心となり、環境局が所有する電気自動車や電気自転車に乗って、ドルトムントや郊外にある人工湖や自然保護地区に出かけていきました。私は環境学の知識が皆無の状態でインターンシップに臨んだため、目にする情報や業務が新しいものでした。
とりわけ印象的な部門は、狩猟・漁業保全部門でした。こちらの部門は環境局の中でも特に専門的な業務内容だと説明を受けました。狩人試験(Jägerprüfung)に試験監督側から見学しました。ドイツでは、個人の趣味だけでなく専門的な仕事をするため「狩人」の資格を必要とする人もいます。しかしこの試験は非常に難しく、実技・筆記・口頭試験すべてを合格しなければなりません。更に、銃器の取扱いにおける法律や動植物の知識、狩人の用いる専門用語など幅広い知識を必要とします。4人の参加者のうち、3人が落第となりました。1日かけ、試験の参加者と共に試験を追いかけましたが、私が普段触れることのない世界を見ることができ、また試験の合否で生まれる参加者のドラマにも深く感動しました。ドルトムントがエコの先進として、その先駆者である環境局の様々な活動を知ると同時に自然が減りつつある日本の深刻な環境問題を再確認することができました。

in TAMURA
4. ホームステイについて
 Isphording家にてホームステイを行いました。老夫婦ふたりだけのご家庭ですが、これまでに獨協大学性を5名程受け入れ、その他の国のインターン生も広く受け入れています。外国人学生にとても優しく接してくれる家庭でした。とても大きな部屋をワンフロア貸していただきました。バス、トイレ、リビング、テレビ、寝室にベッド二つ、キッチン、冷蔵庫、電子レンジ、そして可愛らしいテラスが付いていました。インターネット、洗濯機は使えません。家族と私の生活空間が離れているため、日々の生活用品はすべて自分で揃えます。家族は毎年恒例のザールランドへ休暇に行っており、実質的に一人暮らしのようでした。中心地まで地下鉄、バスで30分程度です。土日には1時間に1本しか最寄りのバス停にはバスが走らないため、少し注意が必要でした。近所にはフェーニクス湖があり自然豊かな田舎町でした。洗濯に関し、家族が居るときはお願いしましたがその他では自身で手洗いをしていました。インターネットはスターバックスの無料wifiやドイツで契約した1カ月のプリペイドインターネットを利用していました。交通、洗濯機とインターネットが使えないことは周囲のインターン生と比べ少し不便でしたが、大きな問題ではありませんでした。

5. 最後に
 今回のインターンシップは別の視点からも影響を与えてくれました。「コミュニケーション能力」です。今まではベルリン自由大学の語学講座でなんとか伝わるドイツ語を話すことを学んでいた私の留学生活をガラリと変えてくれました。半日以上、日本を知らないドイツ人の傍でドイツの環境や社会問題、日本の社会について話すことは私にとってこれまでにない苦痛でした。日本語を話さず、見ることもなく1日が終わることもありました。24時間ドイツ語漬けです。半年もベルリンで学んだにも関わらず、同僚と意志疎通ができないことや失敗を悔やんで落ち込んでいる日も多々ありました。しかし同僚たちは「もっと話しなさい、失敗を恐れるな、主張しなさい」と何度も言って、私の拙いドイツ語へ真摯に耳を傾けてくれました。時には、私が話すドイツ語を訂正してくれたりもしました。このことによって、まだまだではありますが、ドイツ語学力が飛躍的にアップしたと感じています。大学の閉鎖的な「外国人交換留学生」としての肩書からではなくドイツ社会に参加することができ、深くドイツの精神性にまで触れることができたのはこのインターンシップのおかげです。とても素晴らしい機会を与えてくださった獨協大学の諸先生方や外国協会の講師の皆さんに心から感謝したいと思います。そしてドルトムントで知り合い、共に頑張った獨協生たちともかけがえのない時間を過ごすことができました。残りのベルリン留学生活も精一杯に頑張りたいと思います。
in TAMURA 2

Hoesch Museum(小野寺 捺恵)

小野寺 捺恵(ドイツ語学科3年)

インターンシップ報告書

インターンシップ先:ヘッシュ博物館 Hoesch Museum


・出発前
 インターンシップに向けた渡独前の準備として、マッコイ先生のビジネスドイツ語とヴェルナー先生のインターンシップ特殊演習を春学期に受講しました。ペアワークによるスモールトークの練習や電話口での対応の仕方など、インターンシップに向けた内容だけではなく、ドイツの企業への志願書の書き方など、実際にドイツで就職することを想定した課題もありました。両授業で似た内容を取り扱うこともありましたが、たった1回受けただけで身につくような内容ではもちろんないため、両方受けておいて損することはなかったです。

・事前研修
8月2日~9日の1週間、Auslandsgesellschaftでインターンシップのための事前研修を受けました。研修内容には、語彙や文法の確認など初歩的なものから、スモールトークや電話対応など、インターンシップを想定した練習が含まれていました。後者の練習に関しては、ビジネスドイツ語やインターンシップ特殊演習でも予習をしていたので、あまり戸惑うことなく授業に臨めました。また、市庁舎訪問やパン工場でのパン作り体験など、研修期間中は授業だけでなくドルトムント市内を観光したりと内容の濃いスケジュールとなっていました。パン工場見学の模様がドルトムントの地元紙に掲載されたり、サッカースタジアムの選手やその関係者しか普段は立ち入りが許されない場所を見学したりと、インターンシップに来てまさかこんな経験ができるとは、という経験をたくさんできました。

・インターンシップ
インターンシップ先のヘッシュ博物館 Hoesch Museumは鉄鋼業をテーマとした小さな博物館で、もともとはルール工業地帯でも有数の製鋼所だったそうです。扱っているテーマがテーマなだけに、普段の来館者数は少なめですが、館内ツアーやイベントなどがある日は多くの人が集まりました。
出勤時間は、月~木が9:00~15:00で、金曜日は9:00~13:00でした。土日は基本的に休みでしたが、日曜日に家族向けイベントを開催していたときに1回だけ出勤させてもらい、その代わりに次の日の月曜日を休みにしてもらいました。
私が任された仕事は、

①他の博物館や個人から借りている絵画や展示物をリストと照合・新たなリストの作成
②イベントの手伝い(会場のセッティングや来館者に提供するコーヒーなどの準備)
③次の特別展の準備

が主なものでした。①の新たなリスト作成などのパソコン作業は、9月から入ってきたドイツ人のインターンシップ生がほとんどやってくれたので、パソコン作業が苦手な私にとって彼の存在は非常にありがたかったです。ただ、自分がもう少しパソコン作業に自信があたら、任せてもらえる仕事ももしかしたらもっとあったかもしれないな、とも思いました。
また、イベントや特別展などに関する会議がある日は同席させてもらいましたが、私が何か発言しなければならないとか、プレゼンをしなければならないということは特になく、会議の間は聞き取れた単語をひたすらメモしていました。仕事も会議も特に何もすることがないときは、インターンシップの初日に上司から頂いた博物館に関する本を読んで過ごしました。自分にできる仕事がないという状況は、お世話になっている身としては心苦しいものがありましたが、自分が活躍できるときにはその分より一生懸命に仕事に打ち込みました。
 博物館の従業員は、責任者と秘書の女性以外が年金で生活しているボランティアの方々で構成されています。毎週木曜日にはほぼ全員が博物館に顔を出し、当番制で昼食を作ってきてみんなでそれを頂きます。これは製鋼所時代の「毎週木曜日は全従業員が出勤する」という決まりの名残であると責任者の方が説明してくれました。私も、木曜日だけは自分で昼食を用意せずに、従業員用のリビングでみんなと交流しながら昼食をいただきました。

In ONODERA 2


・ホームステイ先
ホームステイ先は、1人暮らしで2匹の猫を飼っているおばあさんのお宅で、イギリスに留学中の娘さんの部屋を使わせてもらいました。滞在中は、洗剤やトイレットペーパーなどお互いが使う日用品を交代で買うというルールがありましたが、それ以外はキッチンや洗濯機など自由に使わせてくれました。彼女は実に多趣味な方で、ゴルフや水泳やサイクリングなど、毎日どこかしらに出かけていましたし、出かけていない間も、部屋で絵を描いたりヴァイオリンを弾いたりして過ごしていました。1日中家にいることがほとんどない方なので、休日はもっぱら部屋にこもる私に対して毎週何かしらのイベントがあることを教えてくれたり、一緒に出掛けたりと気を遣っていただきました。インドアな自分としては彼女の好意が鬱陶しく感じるときもありましたが、休日に特に何をするわけでもなくただ引きこもっているだけの姿が彼女にとっては異質に見えたのだろうということは理解しています。
9月には学士課程を修了した娘さんが帰宅し、3週間だけ同じ屋根の下過ごしました。インターンシップ先では年配の方々に囲まれ、現地の同年代の人と交流する機会がほとんどなかったため、娘さんと知り合えたのはラッキーでした。

in ONODERA 1


・費用
プログラム中の必要経費としては、ドルトムント市内を回れる定期券50.55ユーロ/月ぐらいかと思います。食費に関しては、自分で作るときは1週間20ユーロくらいの予算でどうにかなりました。レストランやカフェやバーで食事をするとなると、1回に14,5ユーロは使ってしまうので、プログラム後半で手持ちの現金が心もとなくなってきてからは、クレジットが使える場面ではなるべくクレジットを使うようにしました。基本的には大体どこの店でもクレジットは使えるようでしたが、クレジットでの支払いができない飲食店も何件かありました。

・終わりに
事前研修期間の、午前中に市内観光をして午後授業というスケジュールが思ったよりしんどくて、正直授業に集中できないときが多々ありました。それでも、蹄鉄作りやサッカースタジアムの見学など、おそらく二度とないであろう貴重な経験を得ることができたのはよかったと思います。それと、最後の授業でやった自分のインターンシップ先に電話をかける、という課題はかなり緊張しましたが、人生初のドイツ語による電話は、その先のドイツ語会話の意欲に刺激を与えてくれました。博物館の責任者の方も、仕事だけでなくドイツ語のスキルを磨く機会をたくさん与えてくれて、獨協大学からのインターンシップ生の受け入れは今回が初めてにもかかわらず、とてもいい待遇をしていただきました。
自分の力不足に何度も苦い思いをしましたが、最後までやり通せたことを誇りに思います。このプログラムで得た経験と課題を今後に生かしていこうと思います。

インターンシップ報告書(星見柚里香)

星見柚里香

インターンシップ報告書



1. 事前研修について
事前研修では、本格的にインターンが始まる前の一週間の間、ドイツ語の授業とドルトムントのさまざまな場所の見学をしました。ドイツ語の授業では仕事でたくさん使うと予想される単語やフレーズを習ったり、リスニングや会話のトレーニングをしました。授業以外の遠足ではパン作りの見学や市庁舎訪問、サッカースタジアム内の見学など個人旅行ではなかなかできない体験ができすごく内容の濃い一週間でした。

2. ホストファミリーについて
ホストファミリーは幸運にも(?)、二つの家庭を体験することができました。最初の滞在先Zahn宅ではお母さんと息子と犬二匹と同じインターンシップをしている獨協の先輩と4人暮らしでした。ホストマザーもすごく優しくとても住みやすいお家でした。Zahn宅については一緒に住んでいた先輩が詳しく書いてくれていると思うので、二つ目の滞在先Merz宅について書きたいと思います。Merz宅はお母さん、お父さん、学生の息子、娘と猫二匹の5人暮らしで、今回初めて留学生を受け入れるお宅でした。このファミリーには3週間お世話になったのですが、みんな優しくて不自由なく暮らすことができました。私は二階にある部屋と自分専用のトイレ・シャワーを使わせていただけました。私の仕事が朝早く始まらず、帰りも遅くなるのでごはんは基本的に一緒に食べることができませんでしたが仕事から帰ってくると夕飯を残してくれていてそれを食べながら今日はどんなことをしたのかといったことや、サッカーの話をしました。ご飯の後は一緒にテレビをみたりジェンガをしたりして過ごしました。週末は私の予定のせいであまりたくさん一緒に過ごすことができませんでしたが、空いている日には一緒に動物園に行ったり、炭鉱跡地のツアーに一緒に参加して予定がなければ何かしら一緒に過ごしていました。

3. インターンシップ先
私はこのインターンシップの希望先を考えたとき、やりたいこと好きなことでないと続かないと思いました。そして、ドイツで私の好きなものと言えば、ケーキとチョコレートだという安易な考えで、インターン先にケーキ屋もしくはチョコレート工場と希望を出しました。するとたくさんケーキの種類のある素敵なカフェとチョコレート屋さんの二か所でインターンをやらせていただけることになりました。8月はカフェだけでしたが、9月からは週に三日チョコレート屋さん、残り2日はカフェと同時に働かせていただくことができました。

Café Kleimann
インターンシップ先は中央駅から徒歩5分と交通の便はすごくいい場所でした。仕事は朝11時から夕方7時までで、従業員不足の時は30分残業して閉店後の片付けまでしました。このカフェは初めてインターンシップ生を受け入れるところでした。服装は暗い色のズボンと動きやすい靴を自分で用意し、ポロシャツとエプロンは貸してもらえました。仕事内容は本当にたくさんありました。基本的にはケーキのショーウィンドーのところでカフェに入っていくお客さんのケーキの注文を聞きケーキの番号を書いた紙をお客さんに渡し、ケーキを切り分けウェイターに渡すこと。持ち帰りで買って行く人のケーキを切り、レジをすること。カフェから注文の入ったアイスパフェと飲物を作ること。アイスを売り場(Eisfenster)からアイスを売ることなどを主にしました。カフェでは朝ごはんも提供していたので一時頃までは朝ごはんメニューを作ったりもしました。駅から近いせいもあって、おやつの時間である二時半から五時ぐらいは特にお客さんが多く、あっという間に時間が過ぎました。そのせいか常に忙しく、また同僚の休暇シーズンが被ってしまい、従業員不足のためか、きちんとした休憩が一度ももらえずすごく厳しかったです。しかし同じカフェの同僚は皆すごく親切で分からないことがあれば丁寧に教えてくれ、失敗があればフォローもたくさんしてくれました。同僚はいろんな年代層の人がいて同じ大学生のバイトの子もいれば、私のお母さん世代の人もいました。最初のうちは名前が難しいのか、なかなか覚えてもらえずDie kleine Mausと小さな子供と同じ呼ばれ方をされていて少し不愉快でしたが最後の方にはきちんと覚えてもらえて、終わりの方にはまたお客として遊びにおいでと言ってもらえました。

Patisiere Schokolatie Monika Wechseler
二つ目のインターン先では9月から週に三日お世話になりました。お店はきれいな湖の近くにあり、家からはバス一本15分ですごく交通の便は良かったです。このお店もインターン生を受け入れるのが初めてで、私を受け入れて下さったWechselerさんはほとんど一人でお店をきりもりしていて、お菓子やチョコレートすべて自分で作っているすごい人でした。服装は特に指定なくエプロンだけ貸してもらえました。私は朝の11時から6時までが基本的な労働時間でした。仕事内容は出来上がったお菓子やチョコレートの包装、お菓子やチョコレート、自家製ジャムを作るお手伝い、洗い物や閉めの掃除の手伝いをしました。Café Kleimannではお菓子屋で働くコミュニケーション能力を学ぶことができたのに対し、Schokolatieの方ではドイツのお菓子、チョコ作りの技術を直に見学、体験できました。Wechselerさんはたまに話すのが早く理解できないこともありましたが、いつもニコニコの笑顔でたまに冗談も言ったり、すごく優しい人でした。お菓子を食べることの方が専門で、作ったことがあまりない初心者の私にもお菓子の素材の説明から作り方まで丁寧に教えてくれ、最後の方にはプラムジャムを一から作り、最後のお店に並べるまでの仕事を任せてもらえ、本当に毎日楽しい仕事場でした。
in SATOMI

終わりに
この6週間のインターンシップは毎日が忙しくあっという間でした。仕事で失敗も少なからずしたし、言いたいことがなかなか伝わらず語学力不足を感じへこんでしまうこともありましたが、ホストファミリーや同じ獨協の友達、仕事先の同僚、AuslandgesellschaftのSulimanさん周りのみんなが助けてくれすごく有意義な経験ができました。仕事以外にもサッカースタジアム内の見学やドイツパン作りの見学など他ではできないことがたくさんできたのでこのインターンシッププログラムはすごくおすすめです。できることならもう一度私が参加したいくらいです。最後に私の体験記を最後まで読んでいただきありがとうございます。そして、このプログラムを企画してくださった獨協の先生方、Auslandgesellschaftの方、インターン先の方、ホストファミリーに感謝いたします。このインターンシップの経験を次のステップに活かす一歩になれたらと思います。ありがとうございました。

2013年度 参加者:7名

Öko-Zentrum NRW(橋本洋治)


橋本洋治(ドイツ語学科4年)
インターンシップ先:Öko-Zentrum NRW



はじめに
 今回のインターンシッププログラムは私にとって3度目の渡独であった。それ以前の2回の渡独は、短い期間語学コースに行きながら旅行を楽しむものであった。大学4年生になって、ようやく自分の研究を続けていきたい専門分野を見つけ、それに深く関わるような場所でインターンシップがしたいと思い、今回のプログラム参加を決定した。
 大学のゼミで日独の環境政策及び政治をメインに勉強していたこともあり、最初、インターンシップ先を公共機関であるドルトムント環境局に希望していたが、残念ながらそれは叶わなかった。だが、外国協会のSulimanさんの計らいもあり、上記のインターンシップ先で働かせて頂くことになった。私はこれまで、文法などには多少難があるが、コミュニケーション能力にはさほど問題ないと思っていた。しかしながら、今回のインターンシップで一番感じたのは、「伝えることの難しさ」であった。不足している部分を自覚し、周りの助けを借りながら、非常に充実した7週間を過ごすことが出来た。以下にその詳細を報告する。


事前研修について
 今回の事前研修は、比較的時間に余裕をもって組み立てられたプログラムであると思った。授業内容も多くが仕事で有用なフレーズ、情報、マナーに関するもので、担当の先生であるClaudiaさんがとてもわかりやすく教えてくれた。いつも私たちに気を使ってくれる優しい先生であったので、楽しく授業を受けることが出来た。午後は、基本的にはアクティビティーで、パン屋見学、市内観光、プラスエネルギーハウス見学(次世代型省エネモデルハウス)、醸造所博物館見学、DASA(労働保護博物館)見学など、バラエティーに富んでいた。市長(Bürgermeister)訪問もあり、貴重なお話を聞くことが出来た。


インターンシップ
Öko-Zentrum NRW(エコセンターNRW)について
 エコセンターNRWでは、約20人の職員が働いている。元々州政府が、エコロジカルな建築を建築業界に普及させるために設立されたが、現在は民営化されており、建築家やエンジニアに対し、「建物の省エネ化」、「持続可能な建築物作り」、「身体に優しい室内空間づくり」、「カビ・湿害防止」といったテーマで、国家資格、公的資格取得のためのセミナーを開催したり、また、公共・商業施設の低燃費コンセプト、省エネリフォーム、エネルギーパス、環境負荷の少ない町づくりをテーマとするプランニング、コンサルティング等を行っている。民営化された現在でも省庁との繋がりは強く、企業と同様に委託業務も行っている。会社はドルトムントではなく、隣町であるハム(Heessen)に位置しており、ドルトムント中央駅からは30分程で着く。社長であるラウシェンさんが私の世話係となるはずだったが、休暇・出張で不在のため、日本人Chefの永井さん、それから、ドイツ人Chefのヤンさんの2人に面倒を見てもらっていた。ただ、永井さんは育児休暇中であったため、メールでの指示が主であった。会社は、本館と分館の2つに分かれていて、分館にある一室が自分用にあてがわれた。デスク一式にパソコン、電話(内線)がついていた。廊下にはコピー兼印刷機があり、不自由なく使うことが出来た。


仕事について
 私の仕事は、月曜日から金曜日の8時半から休憩を1時間挟んで16時半までであった。ただし、金曜日は15時までと比較的早く仕事を終えることが出来た。お昼の休憩は、本館で皆一緒に食事を取るようにして、コミュニケーションを図った。以下は業務内容である。

<業務内容>
8月:日独プロジェクト参加
ドイツ語から日本語への翻訳(書簡、プロジェクト概要など)、輸送会社への見積もり依頼
9月:セミナー手伝い

視察:RWEエネルギー取引所、100%再エネ自治体レーテム、Zollverein(世界遺産)
委託業務:英語から日本語への翻訳、ドイツ語から日本語への翻訳

 会社は、私の他に3人のPraktikantを受け入れていて、他のPraktikantは建築を専門としている学生であったが、私のことも彼ら同様に扱ってくれ、自分専用の部屋を割り当てられた。8月中(及び9月の中旬の)業務は、ドイツ語及び英語から日本語への翻訳であった。最初の翻訳の内容は、日独における建物の省エネ普及のために両国で行っているプロジェクトの一環である、書簡内容の翻訳及びプロジェクト概要の翻訳であった。それも、省庁レベルの書簡であったので、正直Praktikantである自分が、このような責任ある仕事を任されても大丈夫なのかと、嬉しさの一方で責任の重さからくる不安もあった。翻訳の知識はともかく、建築についての知識もほぼ皆無であったので、初めテキストを渡された時は、全くと言って良いほど内容を理解することが出来なかった。それでも、同僚に分からない部分を聞いたり、自分で調べたりして、なんとか翻訳をしていた。同僚の方々は、とても親切で、自分が分からないことを丁寧に説明してくれた。専門知識がない自分にとっては、少し難しい内容ではあったが、理解する事ができた。出来上がった翻訳は、日本人上司である永井さんに送り、添削をしてもらった。自分が翻訳したものと、添削されたものを見比べると、やはり、まだ歴然の差があることが分かり落ち込んだが、とにかく、量をこなすこと、それから一語一句忠実に訳すのではなく、内容を理解して意味が通じるような翻訳することを心掛けた。その結果、少しずつではあるが、スピードも上がり、質も前より良くなった。翻訳業務を通して、ドイツにおける、建築業界の省エネ状況、法律、その他アクチュアルなテーマを扱うことが出来、すごく勉強になった。最後に、Chefから、ねぎらいの言葉を頂いたときに、すごく達成感があった。また、輸送会社への見積もり依頼業務は、ドイツから日本へ建材や設備を輸送するのにどれくらいの時間、費用がかかるかを割り出してもらう作業だが、これも、最初は手探りの状態で企業先とやり取りをしていて、最終的に、日本語またドイツ語での丁寧な表現を習得することが出来た。これは、普通の留学では手に入れることのできないインターンシップならではの経験だと思う。
 9月に入ると、デスクワークから一変して、日本から来る学生へのプログラムを手伝う仕事に、新入社員である日高さんと一緒に協力して取り組んだ。いわゆる、案内役であるため、学生たちに同行し、色んな場所を見学しながら、質問に答えたり、要望を叶えたり、スケジュールの時間調整、多少ではあるが通訳も行った。セミナーは、エコセンターNRWの概要、エネルギーシフトのテーマについての説明を永井さんが担当してくれ、私自身もたくさん勉強することが出来た。プログラムの手伝いの中でも、特に嬉しかったのが、様々な施設の視察である。視察では、エッセンにあるRWEエネルギー取引所など、個人では入れないような施設も見学することが出来たし、「持続可能な社会」に向けて、再エネ自給率100%を目標とするレーテムという町の視察では、町長自らの講演、市民代表者の講演を聞き、バイオガス工場の視察や、地熱発電設備の見学をすることが出来た。視察は、移動に時間がかかり、会社からお金が支給されない時もあり、多少自腹を切ることになったが、自分の専門である「環境」のテーマに特に深く関わっており、大変参考になった。さらに、私自身、積極的に動いた結果、セミナーで知り合ったドルトムント工科大学の准教授の勧めで、ルール地方のマスタープランを作成するための市民コンペ兼アイデアコンテストに参加することが出来た。また、念願であった環境局の訪問も果たすことが出来た。


同僚について
 同僚は皆優しくて、自分が分からないところを、なるべく分かりやすい言葉に直して説明してくれた。部屋は、各自1室ずつあてがわれていて、最初質問しに行くときは少し怖かったが、分からないことを分からないままにしておき、責任ある仕事でとんでもない失敗を仕出かし迷惑をかけるほうが怖かったので、躊躇せずに積極的に質問に行った。また、時間があるときは、積極的に同僚のもとへ訪ねて行き、同僚の専門の話を聞くことが出来、とても有益であった。特にドイツの大学を卒業して9月から入社した日高さんとは仲良くなり、仕事が終わると、しばしばご飯を一緒に食べて、ドイツでの生活や大学、会社の事など、たくさんの知らなかった知識も吸収することが出来、とても有益であった。


個別研修に関するまとめ
 今回の主たる業務であった翻訳業務は、専門的な知識が必要不可欠であり、一語一句正しく訳すというよりも、内容の理解を通じての正確さ、質が求められる。たとえPraktikantであっても、重要な業務に携わる事が出来、嬉しさの反面、仕事に対する責任、プレッシャーはとても大きかった。だが、優しく教えてくれる同僚や的確な指示を出してくれる上司のおかげで、エコセンターNRWで充実したインターンシップをすることが出来、本当に満足している。


ホームステイ先について
 私のホームステイ先Burmann家は、去年から獨協生の受け入れを始めていて、今年で2人目である。家の外観は小ぢんまりしているが、中は、とても広く感じ、特にリビングがとてもきれいで落ち着く空間であった。自分の部屋も住みやすい部屋で、Wi-Fiもきちんと通っていた。家族構成はお母さん、娘さんの2人家族だが、娘さんが日本に留学中であったため、ほとんどの時間をお母さんと2人で過ごした。お母さんは、軽いベジタリアンであり(娘さんは完全なベジタリアン)、サラダなど野菜中心の料理を振舞ってくれて、ドイツでの野菜不足に悩んでいた私としては、大変ありがたかったし、申し分ないほどに美味しかった。お母さんとは、朝ご飯は基本的に一緒に食べ、週に3日ぐらいは、一緒に夕食を食べ、お酒を飲みながら、今日は何をして、何を学んだのか?や、現在の日独の社会問題から、お互いのおすすめの映画や音楽の話、たまに恋愛の話まで幅広くたくさんの会話をした。会話の際、お母さんがかなりの頻度で私のドイツ語を直してくれた。意味が通じないとき、それからうまく自分の言いたいことを伝えられない時は多少落ち込んだ。お母さんに「あなたのドイツ語は、半端なドイツ語だね」と冗談半分で言われた時はかなり落ち込んだ。それでもめげずに、どのようにすればより分かりやすく伝えることが出来るかを意識する努力をした。その結果、少しずつではあるが、円滑なコミュニケーションが取れるようになった。一時期、夜の8時15分から一緒に映画を見るのが日課になった。(ドイツのテレビはほとんどのチャンネルで、8時15分から映画を放送する)お互いに気を使わないような関係にまでなれたのだと思う。洗濯まで全てしてくれて、本当にお母さんには感謝である。あと、家には、1匹の黒猫がいて、動物を飼ったことのない私としては、すごく新鮮だった。最初は警戒して近寄って来なかったが、ホームステイが終わる頃には、ソファーにいて、隣にちょこんと座ってくるまでになり、とても可愛かった。帰国する3日前に娘さんが日本から帰ってきて、1日ですぐに仲良くなり、特に日本の文化についてドイツ語、日本語を交えてたくさんおしゃべりをした。少ない期間しか一緒にいられなかったのが残念だが、いろいろ話をすることが出来て、大変満足している。ホームステイ先としては、とても恵まれた環境であったと思う。


週末について
 最初の2週間はドルトムントに滞在し、フェニックス湖や旧市街地を探索していた。ただし基本的には家にいて、お母さんと一緒にのんびりしていた。3週目にはベルリンに行き、ベルリンではナイトジャズを楽しんだり、ブランチを楽しんだり、首相官邸を見学したりした。(ちょうど、その日は首相官邸、並びに他の省庁の開放日であった。)4週目は、ブレーメン、ハンブルクへ行き、ブレーメンでは市街地を中心に観光し、ハンブルクではドイツ人の友達とお祭りに行ったりした。5週目はニュルンベルク観光、6週目はドイツの友達の伝手で、レムゴという小さい町のBibleschuleに行き、1日授業に参加させてもらい、キリスト教文化に触れる貴重な体験をした。


終わりに
 今回のインターンシップで感じたことは、業務の翻訳、家族との会話でもそうだが、「伝わる」ドイツ語から、「伝える」ドイツ語を習得することの難しさというものを痛感した。あいまいに通じるドイツ語から、はっきりとした意味のドイツ語になるためには、普段から意識して考えてから話す必要があると感じた。これは、ある程度ドイツ語に触れてきた4年生の私だからこそ、ぶつかることの出来た壁であったのだと思う。この意味で、ドイツ語に対する意識がプログラム参加前と変わったことが、何より私の中で大きい変化であると感じている。また、インターンシップ先やホームステイ先、旅行先での多種多様で内容の濃い経験は、私にとってかけがえのないものとなり、これから自分の道を切り開くための良い糧となった。
 最後になるが、この充実したインターンシップの機会を与えてくださった獨協大学の先生方、外国語協会の方々、インターンシップ先であるエコセンターNRWの方々、ホストファミリーに心よりお礼を申し上げたい。ありがとうございました。

Kortenbrede(芝田晃)


芝田晃(ドイツ語学科2年)
インターンシップ先:Kortenbrede



はじめに

 今回自分がこのインターンシップ・プログラムに参加しようと思ったのは、おそらくドイツでこのような企画を行なっているのは獨協大学だけなので、せっかくならこの大学でしかできないことをやってみようと思ったからです。昨年の11月にその年参加した方々のお話を「ドイツ語圏入門」の授業で聞いたことも更なる後押しになりました。
 また、短期の語学留学よりもはるかに実践的なドイツ語に触れられるかと思います。
 過去の報告書を読む限り、長期留学と上手く繋げている参加者も数多くいましたので、2年時秋学期から交換留学に行きたいと思っていた自分にとっては、ちょうどいいタイミングで留学先の街に行く前に、この国の生活に慣れるためにも活用出来ると思いました。(※インターンシップの選考の段階ではまだ次年度秋出発、交換留学の自分の行先の募集はされていませんでした。)
 ということで、自分は2013年8月からの1年に及ぶドイツでの生活のはじめの7週間を、ノルトライン・ヴェストファーレン州のドルトムントで過ごしました。


渡航前
 2012年11月の「ドイツ語圏入門」の授業の際にインターンシップ報告会兼2013年度募集説明会が有り、その後12月の初めに選考のための面接が有りました。正直なところ、この短期間の内にドイツでやりたい業種、志望理由を決めるのは大変でしたが、過去の参加者の方々報告書を読んで自分なりに検討しました。後から現地で知ったことなのですが、6週間というドイツでは短期間と言われる期限の研修生を受け入れて下さる企業を探すのはなかなか難しいらしく、そのような訳で早い時期から選考が行われたようです。
 参加者は、ゲーテ・インスティテュートで行っているドイツ語力の資格試験Zertifikat-Deutsch(通称ZD)に合格することが条件でした。自分はすでにこの資格を持っていたこともあり、無事に内定を頂けました。
 このプログラムの参加者は全員、5月から2か月間、獨協大学で開講される週2時間1コマのゲーテ・インスティテュートの「ビジネス・ドイツ語」の講座に参加することを義務づけられていました。しかしながら、今年はその講座への申し込み人数があまりにも少なかったために、開講されませんでした。その代替措置として、A.ヴェルナー先生の「インターンシップ特殊演習」への参加も勧めていただきましたが、残念ながらその時限は他の必修科目が入っていたため、参加できませんでした。その時は留学前に大学に提出する書類や準備がたくさん有ったため渡航前は忙しく、今思えば準備不足のまま出発してしまいました。


事前研修
 プログラムのはじめ、最初の1週間はドルトムント中央駅前の「ドイツ外国協会」で事前研修がありました。C.シュルツさんがドイツ語の授業と遠足の引率を、C.ボルクさんという方が前半には病気で入院していた責任者のE.スリマンさんの代わりにプログラムの指揮をとって下さいました。事前研修の主な授業内容は、

・ビジネスの場におけるトーク
・スモールトークの仕方
・電話の掛け方
・手紙の書き方

などといった、基本的かつビジネスの場において重要なことです。上記の内容をシュルツさんに細かく指導していただきました。
 また、毎日のように市内周遊バスに乗り、博物館、パン工房、太陽光パネルのモデルハウスなど、書ききれないくらいのドルトムント市内の様々な名所にも連れていって下さり、この街の魅力についてよく分かりました。

インターンシップ
 自分は本来、ドルトムントの隣のハムという街にある小企業で研修をさせていただけるはずでしたが、日本からいくつかの質問も兼ねて挨拶のメールを送ったにも関わらず、全く返事が来ないままドイツに来ました。さらには勤務開始4日前になって急遽芝田を受け入れられない、という連絡が外国協会の方に届き、急いで再び勤務地を手配していただきました。その結果、何とかミュンスターという、ドルトムントからは少々離れた中都市のKortenbredeという企業での研修が決まりました。
 急遽受け入れていただいたのは大変ありがたかったのですが、ホームステイ先も、ミュンスターの勤務地も交通の便が非常に悪い位置にあったため、毎日2時間以上かけて通勤するのはかなり大変でした。しかしながらその企業の方々は自分の事情を理解して下さり、フルタイムよりも短い時間の勤務にしていただきました。
 
業務内容:
 このKortenbredeという企業は、ミュンスターの中央駅からバスで約25分のところにある、大きなホームセンター兼事務所を構えている中企業です。最初の4週間は、ちょうど大きな仕事が入っているエネルギー部門での勤務となりました。この部門の主たる業務は太陽光パネルの普及です。勤務地はミュンスターから電車で12分の小さな町にある(150m×80m=)12000㎡の巨大な倉庫の屋上です。そこで自分たちは太陽光パネルの設置作業を行いました。
 主な作業手順は、

・化学繊維製のシートを敷く。
・そのシートの上にゴム製のシートを敷く。
・ゴムシートの上にアルミ製のレールを敷く。
・錘としてコンクリートブロックを並べる。
(上記の手順を横80mの中で一定間隔を保ちながら繰り返す)

・レールの上にパネルを立てるスタンドを並べる。
・パネルを置く。
・パネルを固定する。

以上が主な作業です。
 また、同僚の方々は自分の研修生という立場をよく理解して下さり、パネルのケーブルを配線する作業を積極的に教えて下さったり、ドルトムントから通勤する日本人の自分を、サッカー日本代表の香川真司選手(現マンチェスター・ユナイテッド)にたとえて、シンジと気軽に呼んで下さいました。
 そんな魅力的な業務に関われたのは本当に素晴らしいのですが、太陽光パネルを設置する仕事は肉体労働であり、毎日筋肉痛と日焼けに悩まされました。この現場に最終的に設置されたパネルは合計2880枚。自分の勤務開始時には既にその4分の3が終わっていましたが、金属製のレール、コンクリートブロック、1枚17㎏のパネルを毎日広い屋根の上で運ぶのは過酷でした。

 そんな屋上での激務も4週間で完了し、後半の2週間は本社の会計部門での
事務職になりました。その時の上司の方もインターンシップにご理解のある方で、本社の売買記録のパソコンへの入力を自分にやらせてくれました。また、早めにその日の仕事を終えた時には、本社内の様々な部署の見学や説明をして下さいました。
 また、これは今回自分だけのことでしょうが、プログラムの期間中に誕生日を迎えたため、会社の方からケーキを頂きました。同僚の皆さんは本当に優しい方々でした。


ホームステイ
 自分が今回7週間泊まらせていただいたご家庭は、過去に獨協大生を受け入れた経験があり、自分が4人目でした。家族構成は両親、娘、その下に2人の息子です。そこの姉と上の兄はすでに独立して家を離れて暮らしていましたが、近所に住んでいる姉はよく家にいらして、兄のほうは遠くに住んでいましたが1週間ほど帰省され、趣味で日本語を勉強しているということで積極的に自分と話して下さり、大変仲良くできました。
 このご家庭にはもう一人ゲストとして、イエメン人の方が自分よりも数か月前から滞在していて、最初のころは生活面で大変お世話になっていました。ホームステイを積極的に受け入れる習慣はおそらく母親によるものだと思われますが、そのご本人は夏の大半を北部に旅行に行き、帰ってきたらいつも大変忙しそうでした。
 しかしながら、このお家の父親との付き合いには本当に苦労しました。既に引退されたオルガン奏者の方なのですが、受け入れている人間のこと、家事、料理全般に全く疎い方でした。そんなある日、自分は家族から家の食材を自由に使って良いとあらかじめ聞いていたのですが、突然父親から物凄い勢いで「これは俺のハムとチーズだ。お前は働いているのに人のものを勝手に食べるのか。」と怒られました。自分が買った食材が気付くと減っている事も多々有りましたが、自分もそのご家庭の食材を使わせていただいているのでそこはお互い様だと思っていました。しかし、叱られた時には流石に驚きました。インターンシップだからお金を頂いているわけでも無いですし。それ以降自分が料理する度にしょっちゅう台所を覗かれ、本当に過ごしづらくなってしまいました。
 それでも父親以外の方々はとても親切にして下さり、ドイツ語が未熟な自分とも積極的に話して下さいました。職場がお休みになった時や週末には各地に日帰り旅行をしましたが、特におすすめの街などを自分に教えてくれました。また、滞在中に誕生日を迎えた自分のためにケーキを焼いて下さったときはとても嬉しかったです。


週末・休みの日
 せっかく7週間も時間があるので、週末や職場から休みを頂いた時には各地に日帰り旅行をしました。あらかじめ行きたい街の検討は付けていましたが、迷った時には前述の通り、家族におすすめスポットも聞いたりして楽しめました。
 北はブレーメン、東はハノーファー、南はボン、そして西はアーヘン。自分はインターンシップの期間中は19歳であり、ドルトムント市外での勤務であったため、高校生向けのノルトライン・ヴェストファーレン州内乗り放題チケットを8月は購入しました。そのおかげで州内の主な見どころはほとんど回れましたし、職場から急遽4連休を頂いた時にはジャーマンレイルパス(1月以内の任意に指定した日数、日付に全ての電車が乗り放題になるチケット)をデュッセルドルフまで買いに行き、北部のブレーメンやハノーファーまで足を延ばせました。
 自分はインターンシップの後に南部のハイデルベルクという街に留学するので、日帰りとは言え北ドイツを楽しめたのは良かったです。


これからプログラムへの参加を検討されている方へ
 おそらくこのレポートを読まれている方の中には、これからインターンシップに参加する人、興味がある人がいるかと思います。ドイツの機関と連携してこのようなプログラムを持っているのはおそらく獨協大学だけでしょうし、もし迷っているのなら是非前向きに検討して下さい。
 7週間という決して短くない時間を海外で過ごすとかなり多くの場面で苦労します。言葉、習慣、大げさに言えば思想など、国によって大きく違います。この7週間を終えた時には大きな達成感も、反省も数多く生まれます。しかしながら海外、しかも非英語圏で働いたことがあるというのは大きな自信にもつながります。
 参加すればよかった、と後悔するくらいなら、参加して沢山苦労したほうが断然身のためになるのではないのでしょうか。


最後に
 自分はこのプログラムで、急遽受け入れて下さったにも関わらずインターンシップにご理解のある職場で働けました。また、多少のわだかまりが残るものの、暖かく迎えて下さるご家族の下で過ごせました。
 このようなコーディネイトを早くからドイツでして下さったE.スリマンさん、事前研修や毎週火曜日のミーティングで相談に乗って下さったC.シュルツ先生、C.ボルクさん。そして獨協大学でプログラムの準備をして下さった渡部重美先生、A.ヴェルナー先生、K.バイスヴェンガー先生の多大なるご支援、ご尽力による物だと思います。また、日本食が恋しいプログラム中盤に寿司屋に連れてって下さった古田善文先生のお気遣いも大変嬉しかったです。
最後になりますが、上記の方々にこの場でお礼をさせていただきます。ありがとうございました。

Park Inn Hotel Dortmund(田中良真)


田中良真(ドイツ語学科3年)
インターンシップ先: Park Inn Hotel Dortmund



事前研修について
 渡独する前に私は春学期のヴェルナー先生の「ビジネスドイツ語」と「インターンシップ特殊演習」を受講していました。「ビジネスドイツ語」は将来ドイツで働くことを考えている学生向けの授業であったため、少し授業レベルは高いように感じましたが、「ドイツに行ったら日本語はもちろん話せない。」という緊張感を改めて自覚するきっかけになったと思います。「インターンシップ特殊演習」は、このインターンシップ・プログラムを行う学生のためだけに開講してくださっている授業なので、インターンする学生は必ず受けたほうがいいと思います。今年度は全員が受講していたわけではありませんが、学生の要望に十分に応えてくださって大変助かりました。
 ドイツについてまず一週間は、Auslandsgesellschaftでの語学コースの授業を受講しました。内容はドイツ語文法などテキストによるものが主でしたが、ペアワークや実際に職場に電話をかけるトレーニングなど、実践的なものもありました。授業外では遠足することも多くあり、退屈することはありませんでした。このコースは、毎年プログラムの見直しを行なっているということなので、次回は内容が大きく変わることもあるかも知れません。(私たちの前年度はスケジュールが過密で、先輩方が大変だったと言っていたのですが、今年度は余裕のあるスケジュールだったと思います。)また、職場での個別研修が始まってからも、毎週火曜日にみなで集まる機会を設けてくださったので良かったと思います。


インターンシップについて
 私がインターンシップを行ったPark Inn Hotelは、ドルトムントのメインストリートであるKampstraßeからも比較的近く、連日多くのゲストが訪れるビジネスホテルでした。私はレストランサービスとバンケットのお仕事を担当させていただき、勤務時間は朝8時から7~9時間程度の勤務で、休憩は30分と短かったですが、休憩中にホテルのビュッフェを自由にいただくことが出来ました。
 レストランサービスでは、主にレストランでのホール業務を行いました。朝食ブッフェ形式のため、こちらから注文を伺うことはありませんでしたが、回転が速かったのでひたらすお皿の片づけをしていました。8月中は目まぐるしいほど混雑することはありませんでしたが、9月に入ってからは連日満席の日が続きました。朝食が終わるといったん片づけを行い、昼食の準備(昼食もブッフェです)も行いました。昼食も朝食と同内容の業務でした。片づけや準備が主な仕事でしたが、喫茶利用するゲストもいたので、ドリンク提供をすることもありました。
 バンケットではホテル内にある大小10以上の会議室のセッティング・片づけを行いました。テーブル・テーブルクロス・ノート・ペン・グラスを用意するのですが、全会議室の利用予定がある日は忙しかったですが、忙しくてもスタッフの方が楽しんで仕事しているのが印象的でした。またKaffepause(軽食休憩)の準備・片づけも行いました。
 私はドイツ語が流暢に話せなかったので、スタッフと上手くコミュニケーションが取れるか不安でしたが、皆さん優しく接してくださり、私が指示をきちんと理解できない時はジェスチャーを交えて指導してくださったりして、大きなトラブルなく業務を行うことができました。またゲストの方々も笑顔で挨拶してくださって毎日楽しかったです。


ホームステイについて
 私のホームステイ先はDortmund Hbfから地下鉄とバスで30分程の閑静な住宅街の一軒家でした。ホストファミリーからのメールや、AuslandsgesellschaftのSulimanさんからのメールで、事前にインターネット接続がないことと、自炊することを聞いていたので多少の覚悟はできていましたが、ホストファミリーが8月中は旅行、9月中は彼らの都合で滞在中数回しか話す機会がありませんでした。結果1人暮らしという形になってしまい、最初の頃は寂しく思うことも多かったですが、ホストファミリーに変な気を使わず気楽に過ごせてよかったと思います。しかし、洗濯については、ホストマザーが「私がやってあげるからね。」と言ってくれていたのですが、上述の通りほとんど家にいらっしゃらなかったので、手洗いすることが多かったです。


最後に
 私は興味本位でこのプラグラムに応募して、いざ決まった時は本当に自分がきちんとドイツで働けるか不安しかありませんでした。しかし、優しいスタッフの方々やゲストの方々、一緒に渡独した友達の支えもあって、無事終えることが出来ました。このインターンシップを行ったことで、自分の仕事というものに対する意識が大きく変わりましたし、もっとドイツ語を話せるようになりたいとも思いました。
 このインターンシップ・プログラムを用意してくださった獨協大学の先生方、Auslandsgesellschaftの皆様、Park Inn Hotelの皆様、本当にありがとうございました。この6週間は何にも代えられない、かけがえのないものになりました。この経験を活かして、これから自分の道を見つけていきたいと思います。

Hecker(本田梓)


本田梓(ドイツ語学科4年)
インターンシップ先:Hecker

  
                          
始めに
 私はデュースブルク・エッセン大学に交換留学中の夏休みにこのプログラムに参加しました。留学を通して、将来ドイツに関わる仕事をしたいと思うようになり、ドイツの会社について学びたいと思ったのが参加のきっかけです。また、インターンシップを通して、さらに自分のドイツ語を向上させたいと思いました。


事前研修
 インターンシップが始まる前に1週間、Auslandsgesellschaftで事前研修がありました。ここでは、電話の対応など、働く上で必要なドイツ語、スキルなどを学ぶことができました。講師のChristinaはとてもフレンドリーで、いつも私たちを気にかけてくれました。さらに、インターンシップ先を探す上でもお世話になったSulimanさんもとても親切な方で、よくサポートしてくださいました。ドイツ語コースのほかにも、社会見学をしたり、ビール工場見学、パン作り体験をしたりと多くの良い経験ができました。また、毎週火曜日の参加者全員でのミーティングで、他の参加者と情報交換や、近況報告、相談する場があったのも良かったです。


インターンシップ
 私がインターンシップをしたHeckerという会社は、主に、オーブンや暖炉に使われる耐熱性の特殊ガラス、安全ガラスなどを扱っています。 6週間のインターンシップでしたが、約2週間ごとに、製造、購入、販売、経理と、ほぼ全ての部署を回らせてもらいました。工場とオフィスが同じ場所にあり、全ての製造過程を見ることができました。この会社はオリジナルのガラスを日本から輸入しており、また中国にも会社を持っているなど、日本や中国と関係のある会社でした。またイタリアや東ヨーロッパに主なクライアントがいました。
 インターンシップの始めに、社長と面接がありました。その時言われたのは、経済やビジネスの知識が必要だと言うことです。私はドイツ学(ゲルマニスティック)を専攻していますが、それだけでは会社で働くには十分ではなく、大きな仕事はさせてもらえないということです。まずは知識をつけることが必要だということで、経済に関する本を何冊か渡され、会社がどのように機能しているかを学び、レポートでまとめるように言われました。このように、会社の機能・組織について学ぶことが私の始めの課題でした。もともと、ドイツの会社がどのように機能しているか、日本の会社との違いを知るというのも私の目的でしたし、大きな仕事を任せてもらえないことも予想はしていました。ドイツ語で本を読みレポートを書くと言うのは簡単ではありませんでしたが、ドイツ語の専門用語など、語彙も増やすことができたと思います。
 製造の部署では、初めに工程を見学し、実際に輸出前のガラスの品質チェックの仕事をしました。ここでは、ガラスに傷が無いか、特殊ガラスのプリントミスが無いかなどを、細かくチェックする作業をしました。
販売(輸出)や購入(輸入)の部署では、仕事内容を見て学び、入力などのデスクワークを任せられました。
 経理の部署では、客会社からの支払い、輸入の際の支払い、社員の出張費等の管理、給料支払いなど様々な項目に分かれており、流れを学んだ後、計算にミスがないか、金額のチェック、未払いや払い漏れ等が無いかのチェックや入力などの仕事をしました。
 どの部署でも、同僚の方々はとても親切で、大半をお世話になった販売(輸出)の部署の方は流通の流れや、企業で使われる多くの専門用語などを仕事の傍ら特に丁寧に説明してくださいました。どの部署の方も、時間があれば気さくに話しかけてくださり、職場の雰囲気はとても良かったです。仕事後に同僚の方たちと飲みに行くこともありました。
全体を振り返ると、インターンシップをした期間は、会社の夏休み期間にあたり、職場の何人かは休暇中だったり、イタリアの会社などは、会社自体が休みになるため、注文が無かったりと、8月中は仕事量が少なく、会社内に余裕があるように思いました。そのため、会社について学ぶのに十分な時間があったと思います。
 また、今回分かったのは、日本と関係のある会社であっても、日本語が必要とされるとは限らないということです。私は、初めは日本と関係のある会社でインターンシップをすることに興味があり、できることなら、翻訳などで日本の会社と連絡を取る手伝いができたらと思っていましたが、私の予想とは異なりました。この会社も日本と関係はありましたが、やり取りは全て英語だというのが現状です。たまに日本語の翻訳を頼まれることもありましたが、基本的には会社間のやり取りは英語でした。
 勤務時間は部署によって異なりましたが、早い日は朝7時半、8時ごろから15時半、16時まででした。また、私のステイ先からはバスと電車も含めて30分から40分で職場に着くことができました。


ホームステイ
 私がホームステイした家族はポーランド系ドイツ人で、子供が5人いる大家族でした。家族内ではポーランド語を話していましたが、ドイツ語も問題なく話せます。大きな家の1階部分の部屋を何人かの学生に貸していて、ファミリーは2階に住んでいたので、実際はホストファミリーと暮らすというよりは、他の学生たちとWGで暮らすという感じでした。私のほかに、エジプト人、スペイン人、中国人、シリア人、また途中で引っ越してしまいましたがチュニジア人が居り、キッチンやバスルームを共有しました。私以外、全員男子学生という状況で初めは戸惑いましたが、みんな親切ですぐに打ち解けることができました。毎日、夕食を一緒に作ったり、出かけたり、様々なことを話したりディスカッションしたりと本当に楽しかったです。良いシェアメイトたちに恵まれたと思います。
 また、ファミリーは別の階に住んではいましたが、よく会って話をしたり、一緒に犬の散歩に行ったりしました。ファミリーの一番下の10才の息子さんとは、良くゲームなどをして遊びました。ホストマザーは小学校の先生だったので、一番下の二人の子どもと一緒に小学校に行き、学校や生徒たちの様子を見学することもできました。
 私のファミリーは他の参加者のファミリーと違い、部屋を間貸ししているスタイルなので、一緒に生活したり、食事をしたりというわけではありませんでした。基本的に生活は別で食事ももちろん自分で、というスタイルなので、“ホームステイ”とはイメージが違うかもしれません。しかし、ドイツではこのスタイルもよくあります。また、食費も自分持ちという場合も少なくないと思います。私にとっては、気楽に自分のペースで生活できたので、このスタイルはとても良かったと思います。
 シェアメイトたちとは、インターンシップ後も一緒に出かけるなど、よく連絡を取り合っています。同じドイツ語を学ぶ、良い友人たちができたと思います。


休日の過ごし方
 休日は、シェアメイトたちと街を見学したり、ドイツ語でテレビや映画をみたりしました。また、私は留学中だったため、大学の友人と出かけたり、イベントに参加したり、週末にベルリンを旅行したり、私のステイ先の近くに湖があるため周囲をジョギングしたりと、本当に楽しく充実していました。また他の参加者とともに、ドルトムントにあるHiroshima Platzで8月6日に原爆反対のデモに参加したのも印象に残っています。


最後に
 インターンシップを通して、自分に何が足りないのか、何を学ばなければならないのかが見えてきました。また、今回のように、ビジネスの知識がない私が、ドイツの会社でインターンシップをすることができたのも、このプログラムがあったからだと思っています。もともと覚悟はしていましたが、ドイツの会社でできる仕事、任せてもらえる仕事は多くありません。ドイツ語でのコミュニケーションに戸惑うこともあり、大変なこともありましたが、実際にドイツの会社を見ることで本当に多くのことが学べたと思います。さらに、会社の同僚、ホストファミリー、シェアメイト、他の参加者をはじめ、プログラムを通して様々な人と出会うことができ、本当に良かったと思います。夏休みの期間をとても有意義に過ごすことができました。
 このような素晴らしい機会を与えてくださった、獨協大学、先生方、現地でお世話になった全ての方々に感謝しています。ありがとうございました。

Schönes Leben(神林真弓)


神林真弓(ドイツ語学科3年)
インターンシップ先:Schönes Leben



出発前
 このインターンシップに参加するためには、事前に担当の先生の面接を受け、最低でもZDの資格を持っていることが条件でした。毎年獨協ではゲーテのビジネスドイツ語の講座があり、これを受講することも条件の一つでしたが、今年は人数が足りなかったために開講がされず不安に思いました。ですが、私はヴェルナー先生の「インターンシップ特殊演習」も履修をしていたので、メールのやり取りだとか、会話の練習、ドルトムント市について調べるなど、さまざまなことについて教わることができたので、インターンへ向けての準備はしっかり出来たと思います。


事前語学研修(8/3~8/9)
 このプログラムの最初の一週間は、Auslandsgesellschaftでの語学研修からはじまります。内容は主に基本的な日常会話や、レストランなどでの注文、同僚とのsmoll talkや仕事上のマナーなど、他にも文法の見直しなどを勉強しました。実際にお店に電話をかけるなど、実践的なことも行いました。授業速度こそ最初は速いと思っていましたが、休憩もしっかり取れるのであまり苦ではありませんでした。また、授業以外でもパン屋さんを訪ねて、自分たちでパンを作ったり、市庁舎へ行き、市長とお話をさせていただいたり、企業見学、シティーツアーなども行いました。勉強だけでなく、ドルトムントについてもよく知ることができたし、とても充実した一週間だったと思います。


インターンシップ(8/12~8/20)
 私はSchönes Lebenというレストランで6週間インターンシップをさせていただきました。ドルトムント中心街から近い所に位置しているためか、周りにもスーパーやお店がたくさんあり、仕事後なども買い物を楽しむこともできる、交通の便もとてもいい場所だと思います。お店は私のホームステイ先からも徒歩10数分ほどで行けたので、通勤はとても便利でした。そのため、1ヶ月分の定期券をドイツ到着後に買っていましたが(約50ユーロほど)、そんなに使う頻度もなかったので9月は買いませんでした。
 Schönes Lebenは、平日は朝9時半~夜中の2時。土日は11時からの開店というビストロも兼ねたレストランで、インターンシップ生を受け入れるのは今回が初めてでした。ここでの私の仕事は主にサービスでした。制服は自分で黒のTシャツ、ジーンズ、靴を用意して、エプロンは支給されました(最終日に返します)。更衣室がないため、制服は家から着て行きました。私は月~金の9時~15時までの時間帯を基本に働いていましたが、終わりの時間は特に固定されておらず、忙しいときは少し残り、遅いときは16時まで働きました。シフトはシェフが毎週作ることになっていて、ちゃんとこちらの要望も聞いてくれました。休憩は1回ありますが、お店の状況などによって取る時間がまちまちです。仕事の終わりにご飯を食べることもよくありました。その代わり、休憩時間になると料理をなんでも食べることができ、毎日おいしい賄いが食べることができてとても良かったと思います。仕事中もドリンクもわりと好きなように作って飲んでいいし、お腹がすいた時は厨房でパンなど好きに取って食べることもできます。このような点に関しては、あまりきびしい制約はありませんでした。
一日の仕事は、9時に出勤してそのままテラスを準備することから始まります。その後9時半から13時までが朝食の時間で、朝食に必要なジャムなどの準備、また12時からは昼食も注文できるようになるので、昼食につく日替わりスープの用意などをしました。私の主な仕事はこれらの準備と片付け、それから、カフェマシーンで飲み物を作ったり、料理などをお客さまのところへ提供をしたり、食器を磨いたりと、さまざまなことをさせていただきました。お店が暇な時は主に清掃をしていました。最初のうちは、できる仕事が少なかったため、主にカウンターでの作業が多かったですが、最終的には自分で注文を取り、提供をしていました。ドイツのレストランは、日本と違い伝票がなく、店員が席の番号で注文を取りその席まで行って会計をする、という形になっているので、最初のうちは席の番号が覚えられずとても苦労しました。
 同僚たちは、すごく親切な人たちばかりでした。午前中、基本的にサービスはひとりで行うものらしく、私を含めた2人がそれぞれ注文、提供をおこなっていました。キッチンにはまた別の人がいました。10時頃にはシェフがきて、基本的にこのような少人数体制で仕事をしていました。毎日違う人だったり、遅番の人が早く来て話をしたりととても賑やかな職場でした。当初は日本人がたったひとりだったこともあり、人見知りをしてしまってあまり自分から積極的に会話はできなかったのですが、同僚は面白い人たちがおおくて、すぐに打ち解けることができました。ものの名前が分からなければ教えてくれて、ちゃんと理解できなかったら、もう一度簡単な言葉に言い直してくれたり、同僚同士で声をかけ合ったりしながら、最終的にはたくさん会話をすることができるようになりました。仕事も身振り手振りつきで教えていただいたり、お客さまの対応に困っていると助けてくれたりと、本当に素敵な人たちばかりでした。


ホストファミリー
 私は新婚4年目の夫婦の家庭に、7週間滞在をしていました。彼らは、日本人を受け入れるのが私で4人目だったので、とても慣れていたと思います。私は3回建ての家の一番上のフロアを全部ひとりで使わせてもらいました。その部屋には机、テレビがあり、バス・トイレもついていたので、お風呂に関してはとても自由でした。他にも、家の中のものや冷蔵庫の中身、濯機なども好きに使っていいと言われていたので、生活面に関しては本当に困ったことはありませんでした。
 この夫婦は共働きで朝がとても早いため、平日は朝食をいっしょに食べることはあまりありませんでしたが、その代わり、土日は時間を約束して、一緒に食べました。二人とは基本的に夕方からか、土日しか一緒にいることはできなかったのですが、土日の予定がない日などは、ミュージアムに連れてってもらったり、庭でBBQをしたり、日曜日はとくによく一緒にお料理をしました。食事も私のすきなものを作ってくれて、よく外食にも連れて行ってもらいました。食後はお散歩をしたり、一緒にテレビを見たりと、とても楽しい時間が過ごせました。スーパーに買い物に行く時などは必ず連れて行ってくれて、私が何をたべたいかいつも聞いてくれて、好きなものを買ってくれました。滞在中彼らの4年目の結婚記念日と重なり、花束をおくったらとてもよろこんでくれました。
 子供やペットはいませんが、隣の家の子供達がよくきてくれて、庭で遊んでいたりしました。ペットも近所の猫がよく来て、餌をあげていたらとても仲良くなりました。
 二人とも本当にとても親切な人たちで、ドイツ語でわからないことがあればわかりやすく説明して、質問したらいつも丁寧に教えてくれました。なかなか時間が合わないこともあって、私は空いている時間はなるべく家族と一緒に過ごすように心がけていました。


休日、その他
 休日はほとんど、一緒にプログラムに参加していた友達とよく近くの街へDBで旅行に行っていました。ジャーマンレイルパスをあらかじめ日本で買っていたので遠くへ行く時はこれを使っていました。たまに土日と泊まりかけで出かけていました。休日の他に予定のない日だと、前にも書いた通りに、だいたいはホストファミリーと過ごしました。一度だけ、友人のホストファミリーに一緒にゴルフへ連れて行ってもらったこともあります。週に一度、毎週火曜日に全員での集まりがありました。お互いに近況報告や一緒に食事をして過ごしました。
 食費に関しては、去年の報告書に、食費は別だと書いていた先輩もいてその分を用意していたのですが、特に必要ありませんでした。私は冷蔵庫の中身を好きにとって食べていいと言われていて、職場でも賄いが出るので、個人で外食する以外はあまり使いませんでした。ホストファミリーと外食をするときも自分で払う必要はありませんでした。他の家庭は食費が別なところもあったので、それぞれ家庭によって異なるのだと思います。


最後に
 このインターンシッププログラムを通して、自分の力不足を嘆くことがしばしばありましたが、最終的にはとてもいい経験をさせていただいたと思っています。職場にもホストファミリーにも恵まれて、参加して本当によかったと思いました。最初は慣れない生活に不安も多く、さらに、ドイツ語だらけの環境にずいぶん苦戦しました。しかしみんなとても優しくて、会話しているうちにたくさんドイツ語の勉強になったと思います。終わりになると耳もだいぶ慣れて、随分と聞き取りができるようになったし、お客さんとも会話がしっかりできるようになったので、とてもうれしかったです。ドイツ語ができないことで、大変なこともありましたが、自分の課題もわかって、これからのドイツ語の勉強に対する意欲の向上にもつながったと思います。
 最後に、このような貴重な機会を下さった獨協の先生方、SulimanさんをはじめとするAuslandsgesellschaftの方々、インターン先の方々、そしてホストファミリーにとても感謝いたします。短い間でしたがとても貴重な体験をさせていただきました。ありがとうございました。

Kornhaus(川亦あや)


川亦あや(ドイツ語学科3年)
インターンシップ先:Kornhaus



事前研修
 ドイツに到着後、初めの1週間はAuslandsgesellschaftで事前研修を受けます。その内容は様々でした。授業では前置詞などの文法問題を解いたり、仕事上のマナーや電話対応の仕方、そしてExcelの使い方などを学びました。実際に自分のインターン先へ電話をかける練習もありました。また通常の授業だけではなく、パン屋を訪問しパン作りを体験したり、職業教育施設を見学したり、エネルギーハウスの説明を受けたりと、とても内容の濃い1週間でした。中でも、市庁舎を訪ねドルトムント市長と面会した日のことは強く印象に残っています。この1週間でドルトムント市内の主要地を周ることができ、この町で生活する上での不安がなくなりました。
 Auslandsgesellschaftの方々は、代表のSulimanさんを筆頭に非常に明るい方々で、私たちの不安を吹き飛ばしてくれたように思います。


ホームステイ
 私のホームステイ先は、1人の元医者の女性と2匹の猫が暮らすアパートでした。イギリスに留学している娘さんの部屋を貸していただきました。台所、シャワー、トイレなどは全て共用です。洗濯も一緒にしていました。食事は基本的に別々でしたが、たまに昼食を作ってくれました。生活用品(トイレットペーパーや洗剤)も交代で買っていたので、WGをしているような感覚でした。何か必要ものがあるときは快く貸してくれたので、物に困ることは一切ありませんでした。
 彼女はたくさんの趣味を持っていました。絵を描くこと、水泳、ゴルフ、バイオリンなどです。うらやましいほどいつも日々を楽しんでいるように見えました。家は彼女の絵画の作品で溢れ、とても賑やかでした。日本ではなかなか見られないカラフルな内装が私のお気に入りでした。
2人の時間がなかなか合わない中でも、一緒に世界陸上を見たり、Kneipeでサッカー観戦をしたり、公園を散歩したり、アイスカフェへ行ったり、一緒に昼食を作ったりと様々な交流ができました。さら近くのゴルフフェストにも連れて行ってくれ、人生初のゴルフをドイツで経験することができました。広島に原爆が投下された8月6日には、彼女が毎年参加しているという原爆と原発に反対するデモに参加しました。環境のゼミに所属している私にとって、とても刺激的な経験となりました。
 私のドイツ語がおかしくて伝わらないときは、繰り返し聞いてくれました。私が電車の乗継を不安に思っているときは、何度も説明をしてくれました。いつも気を使ってくれるとても優しくて面白い方でした。
 最後には、「日本に帰ったら連絡するのよ!」「またドイツに来るときは連絡するのよ!」と言ってくれ、とても嬉しかったです。


インターンシップ
 私のインターン先はKornhausという名のBioladen(有機製品を取り扱っているスーパー)でした。私のホームステイ先から徒歩約1分で着くことができます。勤務時間は最初の1週間のみ8時から14時で、それ以降は7時から14時でした。制服はありませんが、皆黒いシャツを着て赤いエプロンをつけます。休憩時間は30分です。お店にある食べ物、飲み物、何食べてもいいよと言ってくれました。毎日、パンを1つ選んで食べられることが日々の楽しみでした。
 初めの2週間はシェフが休暇中で不在だったので、他の同僚に仕事を教えてもらいました。まずパンや焼き菓子類の名前を知らなければ仕事にならなかったので、必死に覚えました。見た目が似ているパンもあり少し大変でしたが、覚えた分だけ仕事も楽しく感じられました。写真を撮って家で暗記し、暇なときは常にパンコーナーを眺め、できるだけ早く覚えられるよう心がけました。しかし、MörenbrotとMürenbrotの聞き取りには最後まで苦労しました。Bioladenということもあってか、パンにこだわりを持っているお客さんを多く見受けられました。お客さんの細かい質問に答える同僚を見て、以前までは全くなかったパンへの興味もわきました。2週間目から、開店前のパンの陳列、予約されたパンの用意、パンの名札を並べる作業が始まりました。
 シェフがいない2週間はパンを包装したり、品物の陳列をしたりと単純作業のみでしたが、3週間目以降はレジに立たせてもらえました。日本で接客業の経験がなく、レジも一度も触ったことのない私が、ドイツでできるのかとても不安でした。さらに大変なことに、ドイツは野菜や果物が量り売りなので、番号を入力し、重さを量らなければなりません。野菜や果物の名前がわからないときは同僚に聞いたり、お客さんに尋ねたりしながら徐々に覚えていきました。またパンと同様、暇なときには野菜コーナーを眺めて暗記しました。特にトマトやリンゴの種類の見わけが難しかったです。仕事内容の中で最もやりがいを感じたのはレジ打ちでした。人生初のレジ打ちだったということもありますが、暗記することが多かったことと、(野菜の名称を含め、特別料金で購入できるお客さんの名前、デポジットの料金など)お客さんとの交流の場でもあったということで、とてもやりがいを感じました。最終的にはパンコーナーの用意全てをまかせてもらえるようになり、レジも1人でできるようになりました。月曜日と金曜日はパンが倍近い量で届き、お客さんも多かったのでとても忙しかったです。しかしその分やることが多く、役に立てているように感じることができ充実していました。
 私がKornhausで6週間無事に働くことができたのは、同僚とお客さんのおかげです。最初の約2週間、自分は役に立てるのだろうかととても不安に思っていました。しかし同僚もお客さんも、私が失敗しても、ドイツ語をうまく話せなくても一切いらいらせず、いつも笑顔で本当に優しく接してくれました。毎日決まったお客さんが来るので、「初めのころよりよく働けているね!」と多くのお客さんが私に声をかけてくれました。名前を憶えてくれたお客さんもいました。日本語を習っていたというお客さんとも交流できました。年の近い同僚は、私を食事に連れて行ってくれました。何よりもKornhausの雰囲気が大好きでした。お客さんも含めてKornhausの人たちは1つの家族のようでした。笑顔の絶えない職場で、店員とお客さんは仲良しです。同僚はいつも私を笑わせてくれて、毎日楽しく働けました。同僚の誕生日を皆で祝ったりもしていました。将来はこんな職場で働きたいと心から思いました。
インターンシップ中は、ドイツ語がもっとできればと何度も後悔しました。特に悔しかったのは、お礼の言葉さえ上手く表現できなかったことです。これからさらにドイツ語に力を入れて、必ずもう一度Kornhausを訪ね、感謝の気持ちを伝えに行きたいと思います。


終わりに
 ドイツに到着して3週間ほど悩みました。ドイツ語に対して億劫になり、自分にインターンシップは早かったのではないかと考えました。しかし7週間をドルトムントで過ごし、人の優しさにたくさん触れて、本当に参加してよかったと感じています。語学留学では体験できないようなことを数えられないほど経験できました。このような貴重な機会を与えてくださった獨協大学、Auslandsgesellschaft、ホストマザー、Kornhaus、全ての方々に心から感謝しています。本当にありがとうございました。

Bella Vista(日高莉奈)


日高莉奈(ドイツ語学科3年)
インターンシップ先:Bella Vista



語学研修について
 ドルトムントについてはじめの1週間は、Auslandsgesellschaftで語学研修を受けました。
研修の内容は自己紹介や電話対応、仕事で使える表現、ドイツと日本のビジネスにおける違いなどを勉強しました。また勉強だけでなく、パン屋さんでのパン作り体験やドルトムント市長との対談、市内観光など貴重な経験をたくさんさせていただきました。プログラムの内容も量も私にとってはちょうど良く、大変満足しています。また、私が大学卒業後の進路としてAusbildung(職業教育)に興味を持っていることをSulimanさんに相談すると、多くのアドバイスをくれ、資料も探していただきました。本当に感謝しています。
 

ホストファミリー
 私はホストファミリーに本当に恵まれました。お母さん、お父さん、24歳のお兄さん、19歳の弟と犬が一匹で、明るく賑やかな家族でした。私は庭にあるガーデンハウスを使わせてもらい、家族と過ごすときやご飯を食べるときは家に行くという形で2か月間過ごしました。部屋の中はとてもかわいくて、ベッド、テーブル、ソファ、冷蔵庫が置いてあり、Wi-Fiも繋ぐことができました。トイレとシャワーも私専用のものを用意していただき、洗濯機も使わせてもらえました。お母さんは料理をはじめ何でもできる頼りになる方で、本当のお母さんのように相談をし、たくさんおしゃべりをしました。お父さんとも、庭で犬と遊んだりスーパーに買い物に出かけたりしながらいろんな話をしました。お父さんはいつも私の話すことをしっかり聞いてくれ、また知らないこともたくさん教えてくれる、とても楽しい方でした。お兄さんは、私が携帯をなくしてしまった時に車で街まで連れて行ってくれ、一緒に見つけ出してくれたりと、本当にお世話になりました。またお兄さんの彼女と友達と一緒に、サッカーの試合をスポーツバーで観戦したりもしました。弟とは年も近くて話しやすく、テレビを見ながらいろんな話をしたり、一緒にお祭りをまわったりしました。
 週末は家族で花火大会やお祭り、フリーマーケットや街にも出かけました。また毎週家族みんなでサッカーの試合を家で観戦していたので、今ではすっかり私もボルシアドルトムントのファンです。私の仕事が終わるのが18時だったので平日は帰るのが遅く、そのまま疲れて眠ってしまうことが多かったのですが、それでもみんなでテレビを見たり庭でコーヒーを飲みながら話したり、毎日本当に充実していました。困ったときはいつでも話を聞いてくれたり、インターン最終日には私に内緒で働いているところを見に来てくれたりと本当の家族のように私のことを気にかけてくれ、別れの際は離れがたかったです。しかしまた会いに行くことを約束し、連絡も取り合っているので、再会できる日を楽しみにしています。


インターンシップ先
 私が今回働かせていただいたのはドルトムント空港の中にあるBella Vistaというレストランでした。インターン先として第一希望に空港、第二希望にレストラン、ホテルなどのサービス業を希望したところ「空港のレストラン」という素敵な場所に決まり、インターンが始まる前から楽しみにしていました。空港なので街からは少し離れており、通勤時間は片道1時間程でしたが、毎日空港に通えるという嬉しさの方が強く、あまり苦にはなりませんでした。また勤務時間も10時半から18時と比較的余裕があったので、特別早起きすることはなかったです。仕事内容は主にレストラン内と展望テラスでの接客・ドリンクづくり・会計・片付け、会議室やVIPルームのセッティング・ドリンクの補充・片付け、パーティやビュッフェでのドリンク対応・片付けなどで、とても多くの仕事を経験できました。
ドルトムント空港には全部で5つの飲食店があるのですが、これらの飲食店はすべて同じ企業の系列だったので、たまにお金を両替しに行ったり、荷物を渡しに行ったりしてカフェや売店、バーなどの仕事風景も見ることができました。どの従業員の方もとても明るく、会うと“Alles Gut?”と声をかけてくださり本当に居心地が良かったです。また上司も同僚も皆さん本当に親切で丁寧に教えてくれ、たまに冗談を言い合いながら楽しく仕事ができました。ここで働いている方はドイツ人だけでなく、トルコやポーランド、クロアチア、フィリピンなどさまざまな国から来ていて、職場ではいろいろな言語が飛び交っていました。そのため日本にも非常に興味を持ってもらい、毎日日本についていろんな質問をされてお互いの文化や言語、考え方の違いについて話が盛り上がりました。本当に仲良くしていただいて、ここで働けてよかったと思っています。
 接客はドイツ語7割、英語3割ほどで英語を使う機会も多かったです。しかし私の中で英語とドイツ語が混ざってしまい、上手くお客様に説明できない場面もありました。ドイツ語だけでなく、英語の接客用語にも力を入れておくべきだったと後悔しています。ドイツ語での接客もはじめのうちは同僚の見よう見まねでしたし、緊張してスムーズに応対することができなかったのですが、インターン3日目にいらしたお客様にテラスへのご案内と接客をしたところ、最後に呼んでいただいて「とても素敵なサービスでした、ありがとう」とお褒めの言葉と人生初のチップを頂き、涙が出るほど嬉しかったです。また空港で働いて良かったと思った出来事は、ボルシアドルトムントのチームに会えたことです。私がファンだということを知った上司が、特別に荷物検査場の先のエリアまで連れて行ってくれ、接客をさせていただき、更に一番好きな選手と写真まで撮らせていただきました。
ドルトムント空港は他の空港に比べると確かに小さく、また私が働いていたのはレストランだったので、空港で働いているという実感はあまりなかったのですが、その分人と人とのつながりが強く、働きやすい職場です。インターンに参加しようと考えている方でサービス業を希望する方にはぜひここをおすすめしたいです。


費用の面
 朝ご飯と夜ご飯は、時間が合う時はホストファミリーと一緒に食べていました。また昼食は、レストランでまかないを出していただきました。朝時間がないときは通勤途中にパンを買ったり、たまに外食したりしたくらいなので、あまり食事代はかかっていないと思います。通勤は、ドルトムント市内ならどこでも乗れる定期(1か月40ユーロ程)を8月分と9月分の2回買いました。週末はケルンやデュッセルドルフなどに日帰りで観光に出かけましたが、それ以外はほとんど家族と過ごしていたので、思ったよりは旅行代もかからなかったです。ただ、私は日本から夏物中心の服しか持って行かず、予想外の寒さに慌ててコートや冬服を買ったので、出費をできるだけ抑えたい時はなるべく冬物の服を多めに持って行った方がいいと思います。


インターンシップを通して感じたこと
 2か月という長い期間海外に滞在したのは私にとってはじめてで、毎日新しいことの連続でした。学んだことも新しく気づいたこともたくさんありますが、その中で最も強く感じたことは「言葉にしなくては伝わらない」ということです。
最初は自分のドイツ語力に自信がなく常に受け身で、相手の言っていることが分からなくても笑ってごまかしていました。その度に誤解したり、ミスが起きたり、納得のいく結果にならなかったりして、いつも自分の語学力の低さを責めていました。しかしある時同僚に「あなたの考えが聞きたいからあなたに話しているんだよ」と言われ、そこではじめて「ドイツ語ができない」ことは「話さない」理由にはならないという当たり前のことを思い出しました。ドイツ語という言葉自体はあくまで考えを伝える道具であって、大事なことはそれを使っていかに自分を表現できるかだと思います。私は今まで語学力にばかり捉われていて、肝心な「何を知りたいのか、伝えたいのか」を忘れていました。
 しかし、これに気づいてからは同僚とも伝えるのに時間はかかるけれども対等に意見を言い合えるようになり、仕事もマニュアル通りのようなぎこちない接客だったのが自然なものになり、お客様との会話もだんだん楽しめるようになりました。理解度も語学力も自然と上がり、帰ってきてからももっと正確に理解し合うためにより語学力を磨きたいというモチベーションにも繋がっています。違う言語だからといって、はじめから分かり合うことを諦めてしまうのはとてももったいないです。文法や語彙の間違いを恐れて受け身でいるより、まずは自分なりの言葉で伝えてみることの方が得るものは大きいと学びました。このインターンシップに参加して本当に良かったです。
このような機会を与え、支援してくださったヴェルナー先生、渡部先生、インターン先やAuslandsgesellschaft の皆さん、ホストファミリーに心から感謝しています。本当にありがとうございました。

2012年度 参加者:8名

Stadtarchiv Dortmund 内海さくら

内海さくら(ドイツ語学科3年)
インターンシップ先:Stadtarchiv Dortmund

はじめに
私は大学に入ってからドイツ語を始め、今回が初めての渡独であった。ドイツ語を2年間勉強してきたはずだが、全くドイツ語がスラスラ話せるようになったわけではなく、渡独前は語学力の面でとても心配していた。ただ、ドイツに行くなら、いつでも行けるような語学コースや旅行ではなく、獨協大学の学生だからこそチャンスがあって、今しかできないインターンシップでドイツに行きたかった。またインターンシップに応募する時点で働きたい場所は決まっていて、ナチ時代のことを扱うドルトムント市立公文書館 (Stadtarchiv)で働きたかった。なぜなら、ゼミの専門分野がドイツ現代史だったので、インターンシップではただ働くのではなく、自分の学問にもプラスになるようなところで働きたかったからだ。渡独前に心配していた通り、実際にインターンシップが始まる前の1週間の語学研修では、他のメンバーに全くついていけず大変だった。しかし、インターンシップが始まってしまえば、職場内には日本人は1人しかいないので自分のペースでできたし、職場の人の助けをかりながら、無事に充実した6週間のインターンシップを終えることができた。ここでは、私のインターンシップとホームステイについて報告しようと思う。

Ⅰ.インターンシップ
1.ドルトムント市立公文書館 (Stadtarchiv Dortmund)について
ドルトムント市立公文書館では、約20人の職員が働いていて、ドルトムントに関わる歴史的資料を収集・保存・研究したり、市民のためにセミナーを開いたり、同じNordrhein-Westfalen州内の他の市立公文書館と連携を図ったりと、様々な仕事を行っている。また市民が利用できる閲覧室もあって、公文書館内にある図書館の本や新聞を読んだりできる。他にも、経歴書や結婚・死亡に関する資料など個人情報も扱っていて、例えば自分の祖父がどういう人だったかなどを調べることもできる。

2.仕事について
私の仕事は、月~金曜日の8時半から、お昼休憩1時間を挟んで16時までであった。ただし金曜日のみ12時までで、午後は自由に過ごすことができた。
最初の1週間は、公文書館の保管庫にある膨大な資料を一通り見せてもらった。ここには、館長の専門分野である中世の資料とナチ時代の資料が豊富にあった。職員の方がひとつひとつ丁寧に解説してくれて、1対1だったのでわからないことがあるとなんでも質問できたし、私が理解するまで何度でも説明してくれた。
そのあとの5週間は、主に地図保管部門(Kartenarchiv)で働いた。ここでは、ドルトムントに関する様々な地図を作成・保存・研究していて、私がいた時はちょうど、ドルトムントの強制労働についてのプロジェクトを行っていて、第2次世界大戦時の戦争捕虜や強制労働者が収容されていた収容所がどこにあったかをビジュアル化するために地図を制作していた。
私の仕事は、ドルトムント市内の通り(Straße)の名前とその由来、またいつそれが名付けられたかなどが記されている紙の資料をパソコンに打ち込んでデータ化する作業だった。やる仕事は単純であったが、ひとつひとつの通りがそれぞれ歴史を持っていて興味深く、職場の人も手が空けばさらに詳しく解説してくれたので、楽しんでやることができた。
ただし、1日中ずっとこの仕事をやる必要はなく、館内を歩き回って他の部門の資料をみたり、ドルトムントの歴史の本を読んだり、自分の好きなことをやりながらでいいと言われた。色々資料を見せてもらっていく中で、ドイツ文字(Fraktur)が読めないと古い資料や新聞が読めず不自由だったので、同僚に頼んでドイツ文字のアルファベットの一覧表をもらって仕事の合間に読む練習をしたりもした。他にも、セミナーの資料の準備、写真の整理・スキャン、新聞記事や新たに見つかった資料の分類、公文書館に付属するナチ時代の犠牲者のための追悼記念館(Mahn-und Gedenkstätte Steinwache)の概要案内の日本語訳などをやった。


途中の1週間は、閲覧室(Lesesaal)でも働いた。実際に来訪者の対応をすることはなかったが、ここでは新聞の切り抜きをしたり、来訪者がリクエストした資料を保管庫に取りにいったり、資料を近くの会社に届けに行ったりした。来訪者もそこまで多くないので、同僚と日本やドイツ、新聞記事について話したりして、常にドイツ語を話す機会があり、一番楽しい部門であった。

また仕事の他にも、ドイツ人の実習生(Praktikant)と一緒に付属する追悼記念館や強制労働に関する展覧会に行ってツアー(Führung)に参加した。そして、私は運よく社員旅行にも招待してもらって、職場の人たちと動物園に行ったりミニゴルフをした。普段は職場であまり話す機会がなかった同僚とも交流できたし、日本の写真を見せたり、折り紙をしたりして日本のことを紹介することもできて、職場にいるだけではできない経験ができた。

3.同僚について
公文書館の方たちは本当に親切で、ドイツ語は常にゆっくり話してくれたし、同僚同士で「もっとゆっくり」など注意し合ってくれた。ドルトムントの歴史のことだけでなく、ドイツのお勧めの街や、自分の家族・家の自慢話まで色々話してくれて、質問があればいつでも事務所に来ていいよと言ってくれた。中でも、一度日本に来たことがあり、日本に興味がある同僚がいて、年齢も近くて話しやすく、いつも助けてもらっていた。昼休みに一緒にご飯を食べに行ったり、週末に車でケルンやベルリンに連れて行ってもらったり、家に招待してもらって日本食を作ったり、逆にドイツ料理を作ってもらったりして、仕事以外でもとても良くしてもらった。



4.まとめ
この公文書館では、ただ与えられた仕事を淡々とこなすのではなく、自分で積極的に楽しもうと思えば、仕事の材料自体が興味深いので、ドルトムントの歴史について勉強できるし、今後の自分の学問にも繋がることも学べて、毎日を充実させることができた。ただし、もちろん仕事をしているので、見落としていることはないか、間違えはないかなど常に気をつけなければならないし、追悼記念館の概要案内を日本語訳した時などは、来訪した日本人が実際に見るものなので、誤訳はないかなど自分の仕事に対する責任を感じ、働いているという自覚は忘れなかった。そして、優しい同僚たちに恵まれて多くの方の助けを得ながら、最初に考えていたように、働くというだけでなく、自分の学問にもプラスになることを学べたので、この公文書館でインターンシップをすることができて本当に満足している。最後の日には職場の方たちから2キロもある分厚い本や歴史の資料を沢山いただき、今後も大学の研究で必要な資料があればいつでも送るからとアドレスを教えてくれて、これから先も連絡を取りたいと思っている。もしドイツの中世史や現代史に興味がある人がいれば、ドルトムント市立公文書館でのインターンシップを強くお勧めする。きっと充実したインターンシップができると思う。

Ⅱ.ホームステイ
1.家族について
私のホームステイ先は、過去にも獨協生を受け入れていて、私で3人目だった。お父さん、お母さん、大学生の息子と自立した娘と息子の5人家族だった。しかし、大学生の息子さんもちょうどインターンシップ中で家にはおらず、お母さんもバルト海の方へ旅行に行っては帰って来てまた行くの繰り返しで、家ではほぼお父さんと2人で過ごしていた。お父さんは教会のオルガニストで、家にはオルガンはもちろん、ピアノ・チェンバロ・アコーディオンなど様々な楽器があって、毎日違う曲を聴かせてくれた。日曜日には、教会にも連れて行ってもらって、普通は入れない2階のオルガン席の隣でお父さんのパイプオルガンの演奏を聴きながらミサを見学するという貴重な経験もできた。またお父さんはドルトムントの歴史にも詳しくて、それに関する本を沢山引っ張りだしてきては、私に教えてくれた。職場でもホームステイ先でもドルトムントの歴史の話を聞けて、自分にはぴったりだったと思う。

2.食事について
食事に関しては、家にあるものは何でも食べていいと言われ、お使いを頼まれてもお金を出してくれたし、レストランなどいけばおごってくれた。ただ、お父さんは全く家事ができないので、パンにチーズ・ハムを乗せて食べたりすることが多く、たまに家族の友人が来て夕食を作ってくれた。でもお母さんが帰ってくると、グリルをしたり、温かい料理を作ってくれたり、ケーキも焼いてくれた。

3.週末について
お父さんは日曜日が仕事で、お母さんはほぼ留守だったので、週末に一緒に出かけるということはなかったが、私は職場の同僚と一緒に過ごしたり、1人で電車に乗って他の街に出かけたりして休む暇はなかった。前もって週末にどこに行くのかお父さんに言っておくと、その街の見どころや歴史などを一緒にインターネットで調べてくれて、1人で旅するとドイツ語を全くしゃべらないで終わってしまうので、「分かっててもいいから、とりあえず人に道を聞きなさい」とアドバイスもしてくれた。また、どの街に行っても教会には必ず行って、そこのパイプオルガンについて色々質問してきて、家に帰ったらお父さんに報告するというのが恒例だった。このように、1人でいてもドイツ語を話す機会をつくって、なるべくドイツ語を使うようにしていた。

4.まとめ
お父さんとは、毎日今日何をして、何を学んできたかなどを話したり、一緒にテレビを見たり、楽器を練習したり、本当に多くの時間を一緒に過ごすことができた。お母さんや娘さん・息子さんたちとは会える機会が少なかったが、家に帰ってきたときはいつも親切に接してくれたし、みんなにぎやかで、とても素敵な家族だったと思う。

終わりに
私はインターンシップ先にもホストファミリーにも恵まれて、毎日が充実していたし、何より楽しかった。たった2ヶ月でドイツ語がいきなり上達するということはなかったが、ドイツ語には少し慣れた気がするし、また職場で学んだことは今後の自分の学問へ活かすことができると思うので、このインターンに参加して本当に良かった。こういった機会があるのも獨協大学ならではだと思うので、何か今しかできないことを考えている獨協大学のドイツ語学科の皆さんは、このチャンスを利用するのも長い夏休みを充実させる一つの方法だと思う。
最後に、このような貴重な機会を与えてくださった獨協大学の先生方、外国協会のSulimanさんとAnja、ドルトムント市立公文書館の方々、ホストファミリー、インターンシップに一緒に参加したみんな、その他お世話になったすべての人に心から感謝したい。ありがとうございました。

Park Inn Hotel 久保田圭子

久保田圭子(ドイツ語学科3年)

インターンシップ先:Park Inn Hotel

●語学研修
8月4日からの1週間Auslandsgesellschaftで語学研修がありました。語学研修では、今年初めてドイツ語のクラスを受け持つ新人のAnjaさんが講師として丁寧に教えてくれました。内容としては自己紹介・電話対応の練習・インターンシップ先で使われると思われる語彙や文の組み立てなどでした。午後の会社訪問では様々な会社を訪問し、その説明を聞いたり社内を見学したりできました。会社訪問は、個人では中々できないので貴重な体験だったと思います。また、会社訪問だけではなくDortmundの観光名所に皆で行ったりしたことによって、皆の仲が深まったように思います。しかし、プログラムの内容がとても多く、昼食や休憩時間が取れないことも多かったので、もう少し余裕を持ったプログラムで進めるとよかったのではないかと思います。

●インターンシップ
私はPark Inn Hotelというホテルで6週間研修しました。街中にとても近いホテルだったため、毎日の通勤にも大きな影響はなくスムーズに通うことができ、仕事が終わった後にも街に行ったりすることができたのでよかったのではないかと思います。仕事は、サービスとバンケットを担当させていただき、勤務時間は大体6時間~8時間で、基本的には9時からですが、ホテル業なのでゲストの人数によっては8時から働いた日もありました。このホテルを紹介してもらった時は、ホテル業なので週末も働くことがあるかもしれないといわれていたのですが、私の場合は平日のみの勤務で、週末はお休みをもらうことができたので、他の獨協生とも気軽に会うことができました。服装に関しては、ホテルなので白いブラウスと黒いパンツと動きやすいパンプスを持参しました。それ以外のものはホテル側が貸してくれました。また、休憩時間は手が空いたときのみで、30分程度と時間は短いように思いますが、買いに行かずレストランのビュッフェで食べることができたので個人的にはよかったのでないかと思います。


このホテルの雰囲気としては、従業員同士がとても仲が良く、親切で気さくに私にも話しかけてくれたのでとても助かりました。また、私のほかにもPraktikumをしている学生やAusbildungをしている同年代の学生が多かったので、休憩の時にはドイツ語を教えてもらうこともできました。また、仕事のとき以外にも交流を持つことができたので、とてもよかったと思います。

―仕事内容―
・サービス
→グラスや食器類を磨く
→注文された飲み物をゲストに運ぶ
→食べ終わった食器の片づけ
→砂糖やミルクの補充
→昼食の席のテーブルセッティング
→冷たい飲み物の補充
→お茶の補充
→テーブルクロス替え

・バンケット
→会議室のセッティング
→会議室の掃除
→Kaffeepauseの用意と片づけ
→飲み物の補充(会議室)
→ミルクや水などの補充

仕事内容は少ないように見えるのですが、ゲストのタイミングを常に見ながらの作業になるため、時間に追われることが多かったです。特にバンケットでの仕事では、Kaffeepauseの時間をどの企業も同じような時間帯にとるので、タイミングを見ながらどのようにすれば一番効率がいいかを常に考えて行動しなければならなかったため、大変な仕事だったように感じます。また、座ることができないので体力が必要だと感じました。
最初の方は、何をすればいいのかわからず同僚に迷惑ばかりかけてしまっていたのですが、毎日すべての作業が同じというわけではないものの大体何をすればいいのかは段々つかめてくるので、最後は1人で仕事を任せていただくことができ、とてもうれしかったです。またドイツ語でのやり取りにも慣れてくるのでゲストとのコミュニケーションも取れるようになり、とてもよかったと思います。

●ホストファミリー
私のホストファミリーは、今回の受け入れが3回目だったのですが、彼らがRentnerで私が滞在した時期が夏休み期間と重なってしまったこともあり、彼らが休暇を別荘で過ごしていたためあまり交流を持つことができませんでした。そのため、毎食自分で作ったり買ったりしなければなりませんでした。しかし、他の獨協大生のファミリーの家にお邪魔して、一緒にごはんを作ったり食べに行くことができたので、よかったように思います。洗濯に関しては、ホストマザーがいるときには洗ってもらっていたのですが、家にいないことの方が多く、私自身もあまり多くの服を持っていかなかったので自分で手洗いすることもしばしばありました。
しかし、大きな問題があったわけではなく、最後の方に一緒に食事をとったり彼らの休暇の話や私の話をすることができたのでよかったと思います。


●最後に
私は今回のこのインターンシップに関して、総合的に見てとても自分にプラスになることが多かったように感じます。もちろん、楽しいことばかりではなかったのですが、仕事の大変さや仕事に対しての達成感を感じることができました。また、今まで学んできたドイツ語を生かすこともでき、また新たにドイツ語を学ぶことができたのでとても充実していたように思います。このように貴重な経験を提供してくださった、Beißwenger先生、Sulimanさん、古田先生、渡部先生、支えてくれた家族にとても感謝しています。ありがとうございました。

Café Schrader 佐々木優香

佐々木優香(ドイツ語学科3年)
インターンシップ先:Café Schrader

  • はじめに
 インターンシップのプログラムが始まるまでの流れは、担当の先生との面接(ZDの資格を取得していることが条件)、ビジネスドイツ語コースの参加、ドイツに着いて、1週間の語学研修を経て、本格的に仕事を始めるという流れでした。この報告書では主に、インターン先での出来事、ホストファミリーについて、このインターンシップを通して私が感じたこと、次回参加されるみなさんに伝えたいことを記していきます。

  • インターンシップを始めるまで
 ドイツに着いてまず初めの1週間はAuslandsgesellschaftでの語学研修を受けました。私達の先生、アンヤはとても良い先生でしたし、教室での授業の他に、社会見学を通し、ドルトムントの町を知る事ができました。また、このプログラムを毎年担当して下さっているスリマンさんもとても優しく、何か問題があれば、すぐに行動して解決してくれるような、とても頼りがいのある素敵な方でした。この1週間は、毎日朝から夕方までぎっしりと計画がたてられており、疲れを感じることもありましたが、ドイツで仕事をするに当たり、とてもためになる良い経験でした。また、この研修中に時間を見つけ、インターン先のカフェに挨拶に行きました。仕事中の服装や必要なものはその時質問し、全てドイツで揃えました。

  • インターンシップ
 私は家族で経営している小さなカフェでインターンシップをやらせて頂きました。私がカフェで働こうと思った理由は、卒業後、ドイツの大学に行きたいと思っており、ドイツで大学生活を送るに当たり、自分でアルバイトをしながら生活しようと考えているからです。そのため、外国人でもアルバイトとして雇ってくれそうな飲食店での職業経験を積んでおきたかったのです。私が働いていたカフェは、様々な種類のケーキやお菓子を毎朝焼いており、他にも朝食や普通に食事もできて、メニューが結構多かったので、覚えるのが大変でした。また、老舗でもあり常連のお客様が毎日いらっしゃいました。職場の皆さんも私に親切に接してくれました。最初はメモを取りながら作業を覚えていましたが、分からなければ何度でも教えるからメモは必要ないと言ってくれました。その代り、迷惑はかけまいと、最初は動きたい気持ちを抑え、じっくり同僚の動きや、常連のお客様を観察していました。そのお蔭で、常連のお客様がいつもどの席に座って、何を注文するのかを把握し、お店が混雑して、同僚が私の面倒を見られない時でも、自分なりに判断し、動けるようになりました。


私の仕事内容は、カフェマシーンで飲み物を作ったり、料理や飲み物をお客様の所へ運んだり、スーパーにお使いに行ったり、食事をお家まで配達したりと本当に様々な仕事をさせて頂きました。たまにレジ打ちから会計までもやらせてもらえました。ドイツの飲食店のほとんどは、伝票がないため、店員が席まで行って会計をするというかたちです。また、チップ制なため、その場でお客様からチップの値段を言われ、暗算しておつりを返さなければならず、ユーロの計算に最初はてこずりました。しかし、私のカフェでは、自分で会計をして受け取ったチップは自分がもらえる制度だったのでラッキーでした。そして、毎日の休憩時間にはケーキとコーヒーが出ました。たくさんのお客様とも仲良くなり、ドイツ語で話す機会がたくさんあったことが良かったです。老人のお客様が多く、みんなゆっくりと時間を過ごしており、日本とのギャップを感じました。誕生日のケーキの予約も承っていて、中に、息子が日本語を勉強しているから、日本語でケーキにメッセージを書いてほしいとの注文があり、私が訳しました。役に立てたことを大変嬉しく思います。
カフェでの仕事を通して、たくさんの素敵な方々に出逢えましたし、ただ積極的に動くだけが良いのではなく、最初はじっくりと周りの動きを観察し、ある程度把握した上で積極的に注文を取ったり、自分が必要だと思う場面を見つけ、どう行動するかという判断力も身に付けることが出来たと思っています。今回、私が働かせてもらったカフェは、外国人の受け入れが初めてだったそうですが、皆さんとても親切で、毎日一緒に楽しく仕事をすることができたことを心から感謝しています。


  • ホストファミリー・休日
 私は家族の所ではなく、学生の家に滞在していました。彼女は日本人を引き受けるのが今回で3回目でしたので、とても慣れていました。学生の家とはいっても、とても広く、2羽のウサギを飼っており、楽しく、快適な暮らしができました。彼女はとてもアクティブで毎週月曜は体育館を借りてバドミントンをしたり、一緒にごはんを作ったり、色んな場所へも行きました。あらかじめ、私と何をするか計画をたててくれていたのですが、仕事で疲れていたり、自分の時間も欲しかったので、断ることも多かったです。しかし、嫌な時は嫌とはっきり伝えることが重要です。彼女はいつも私の意見を聞いて、理解してくれました。食事代は、帰る時にまとめて払いました。彼女は最初にそのことを伝えてくれましたが、もし次回インターンシップされる方は家族に食事代のことを言われなくても、自分持ちだということを把握しておいて下さい。
私は日曜日以外、毎日仕事でしたが、たまに休みをもらうこともありました。その休みを使って、ドイツ国内やスイス、オランダを旅行しました。

  • インターンシップを通して感じたこと
 ドイツに行く前、もちろん大きな期待を膨らませていましたし、約1年間ドイツにいたことや、飲食店でのアルバイト経験から、なんとなく自分に自信を持ってインターンシップに挑みました。しかし、自分にがっかりすることの方が多かった気がします。語学力はもちろん、自分がこれから学ばなくてはならない事を再発見することができたと思います。今回私は、最初にも記した通り、ドイツでアルバイトをするにあたり、必要な能力、経験を得るためにカフェで働くことを選びましたが、インターンシップに参加する理由は近い将来に繋がらなくてもいいし、自由だと思います。しかし、しっかりとした目標を持って参加してほしいです。また、ドイツ語を使いたいのであれば、大きい会社よりも私のような小さいお店の方が色んな人達とコミュニケーションが取れるのでお勧めします。

仕事中、嫌なお客様もいれば、上手くいかない自分にイライラすることもありました。しかし、環境は変えられなくても自分自身は変われる事に気がつきました。そして、自分が変われば周りの環境も少しずつ変わっていくんだと感じます。この経験を通して、私の将来図がはっきりと見えてきましたし、今の自分は何が出来て、何が足りないのか、良く分かりました。こんなに素敵な機会を与えて下さった、獨協大学、私を受け入れてくれた仕事先の皆さん、ホストシスター、また、インターンシップに関わって、お世話してくれた先生方に感謝しております。そして今後も獨協大学で勉学に励み、この経験を活かして、自分の道を進んで行こうと思います。

Kornhaus Naturkost 鈴木美菜子

鈴木美菜子(ドイツ語学科3年)
インターンシップ先:Kornhaus Naturkost

・出発前
 このインターンシッププログラムに参加するためには、まずZDの試験に合格することが最低条件でした。私はゲーテ・インスティトゥートが主催しているZDの準備講座を受け、試験に合格することができました。また、日本においてゲーテのビジネスドイツ語の講座を必ず受けなければなりませんでした。そのほかに私は、古田先生のインターンシップ特殊演習という授業も履修しました。その授業では、ドイツの企業やインターンシップ先のドルトムントについて、さらにビジネスドイツ語など様々なことを勉強しました。その学期は履修者が3人だったので、かなり個人的に話が聞けてとても楽しかったです。サッカーの話もたくさん聞けました。

・事前語学研修
 このプログラムは、まずドイツに着いたら、Auslandsgesellschaftでの、約1週間の語学研修から始まります。その内容は主にPraktikumに関係するようなビジネスドイツ語でした。問題を解くだけの授業ではなく、仕事上のマナーを学んだり、プレゼンテーションをしたり、実際にお店に電話をかけたり、色々な内容があったので、飽きることなく受けられました。自分のインターン先で使えそうな単語の勉強もできて、とてもためになりました。また、授業だけでなく、企業見学や市庁舎に行ったり、湖や公園にハイキングしに行ったりと、様々な活動も織り交ぜてありました。ただ、約1週間という短期間だったので、スケジュールはかなりタイトなものでした。授業、企業見学、授業というようなスケジュールの日もあったので、私を含め、ほかの参加者の顔にも疲れが出ていました。しかし内容を考えるとかなり充実したものだったと思います。

・ホームステイ
 私は、1人の女性のもとで、ホームステイをしました。彼女は元医者で、すでに定年を迎えていました。彼女の家は、私の職場から歩いて1分ほどの場所にあったので、早い時間から働く私にはとても便利でした。私が滞在した頃は、彼女の娘さんがイギリスに留学していたので、その娘さんの部屋を使わせてもらいました。その部屋にはテレビやCDプレイヤー、ソファ、勉強机などが揃っていて、過ごしやすかったです。彼女はとてもアクティブだったので、泳ぎに行ったりゴルフをしたり、基本的に1日中家にいることはありませんでした。私もPraktikumやそのほかにも予定があったので、ずっと一緒にいるということはありませんでした。しかし休みの日には、車で湖に連れていってもらったり、チェロのコンサートを聴きに行ったりもしました。また、彼女は私に何かしたいことや見たいものはあるか、よく聞いてくれました。私がサッカーを観たいと言った時には、チケットをわざわざ買いに行ってくれました。そのおかげで友達2人とスタジアムで試合を観ることができました。当日はファンの迫力に圧倒されましたが、結果も3対0でBVBが勝ったので、とても楽しかったです。
食事に関しては、私の勤務時間と彼女の食事の時間がなかなか合わなかったので、毎回一緒というわけにはいきませんでした。しかし私が午後からの勤務のときは、一緒に昼食を作って食べていました。日本食を作ってあげたら、とても喜んで食べてくれました。特に肉じゃがが好評でした。ほかにも魚をバターと醤油で焼いただけのものも、とても喜んでくれました。また、私に気を遣って、お米を用意してくれることもありました。
ただ、1つ気になったことは、はじめは家にあるものは何でも食べていいと言われていたのですが、1週間ぐらい経った頃、これからは自分のものは自分で買ってと、意見が急に変わったことです。最初は戸惑いましたが、そのほうが自分で考えて料理ができるので、そこまで悪い印象はありませんでした。しかし、私はホームステイと聞いて、食事は家族と一緒というイメージを持っていたので、食費のことはあまり考慮せずに来ていました。そのため、急に出費が増えて焦りましたが、ドイツの物価は日本に比べてとても安かったのでそこまで負担になりませんでした。また、スーパーでの野菜や果物の量り売りは日本よりも効率的だなと感じました。ドイツで一人暮らしをしているような感覚でとても楽しかったです。
日本に帰るときは、デュッセルドルフの空港まで車で送ってくれました。そして、またドルトムントに来ることがあったら、いつでも泊まりに来ていいよと言ってくれました。何かと意見の合わないこともありましたが、私に対してよく気を遣ってくれていたと思います。

・Praktikum
 私は6週間、Kornhaus NaturkostというBioladenでインターンシップをしました。そこは個人経営のお店でしたが、従業員は10人ほどいました。インターンシップの受け入れは、私が日本人で3人目でした。ほかの国からも受け入れたことがあったらしく、研修生の扱いは慣れていると思います。私はそこで主にパンのコーナーを担当させてもらいました。勤務時間はほとんど7:00~14:00で、月曜日から金曜日に働いていました。1回だけ土曜日に働いたこともありましたが、そのほかは平日でした。基本的にChefがいつ働きたいか希望をとってくれるので、自分の好きな時間を選べました。毎回休憩が1回あり、コーヒーなど飲みたいものは何でも飲んでいいし、食べたいものも何でも食べていいよと言ってくれました。


1日の仕事は、3種類のパン屋さんから配達されるパンやケーキなどを棚やショーケースに並べることから始まります。さらに、それぞれに名前と金額などが書いてあるプレートを付けるのですが、初めは何が何だか全くわかりませんでした。特にパンは区別するのが大変でした。私はよくメモをして、早く覚えられるように努力しました。最後には、パンだけではなく、ケーキやクッキーの名前もわかるようになりました。
初日は、どんな仕事をしているのか説明を聞き、パンを包装するぐらいでしたが、2日目からは、すぐにレジ打ちをやらせてもらいました。野菜や果物はレジで量り売りなので、ドイツ語の名前がわからないものが多くて大変でした。しかし、同僚やお客さんに聞けば、優しく教えてくれました。私が野菜の名前を聞いたお客さんが次の日に来て、「これ何か覚えてる?」と聞いてくれることもありました。このお店にいて感じたことは、同僚だけでなく、ここに来るお客さんもとても親切だということでした。街中で会ったときも私に対して、気さくに挨拶してくれて、とても嬉しかったです。

Praktikumが始まって1週間ほどで、月に1回開かれるチームミーティングにも参加させてもらいました。しかし、みんな早口で、私の耳もまだ慣れていなかったので、何を話しているのか理解するのが大変でした。また、14:00~20:00という勤務時間でも働かせてもらいました。午前の勤務とまた違い、店内の商品の整理や閉め作業なども教えてもらいました。たまに残ったケーキをもらえることもありました。
同僚たちは、いつも冗談を言ったりして楽しそうに働いていました。お客さんとも顔見知りらしく、サッカーの話をしたりして盛り上がっていました。このように、とても和やかな雰囲気の職場でした。彼らは私がミスをしても、いつも優しく対処してくれました。私が困っているときも、すぐに来て助けてくれました。また、同僚の年齢層は幅広く、Ausbildungをやっている女の子も2人いました。1人とは、仕事の後にショッピングに行ったりもしました。みんな本当に親切で、私はこの職場にとても満足しています。これからインターンシップを考えている人にぜひおすすめです。


・最後に
 全体を通して、嫌なこともいいこともたくさんありました。しかし、全体的に見ればとても良い経験だったと思います。私はドイツへの留学経験もなく、大学からドイツ語を始めたので、もちろん不安もありましたが、行ってしまえばそんなことは気にならなくなりました。2か月でペラペラになったということはありませんが、ドイツ語の勉強に対しての意欲はかなり向上しました。耳もかなり慣れたと思います。このプログラムの期間中、私がもっとドイツ語をしゃべれたら、もっと楽しいだろうなと思うこともよくありました。しかし、うまく言いたいことが言えない私にもみんな優しく接してくれました。私の職場以外にも友達ができ、彼らは車でベルリンに連れて行ってくれたり、ドイツ料理を作ってくれたり、本当に親切にしてくれました。私がもっとドイツ語を話せるようになったら、ぜひもう一度ドルトムントに行って、お世話になった方々に会いたいと思います。今はもう感謝の気持ちで一杯です。短い期間でしたが、何にも代えられない経験ができました。

Exo-Energy Dortmund 田中将大

田中将大(ドイツ語学科3年)
インターンシップ先:Exo-Energy Dortmund

・語学研修(1週間):8月4日(土)~8月11日(土)
 個別インターンシップが始まる前の1週間、ドルトムント駅前にあるAuslandsgesellschaftというところで語学研修を受けました。その内容はとても充実していて、電話対応から面会時の雑談まで職場で使えるドイツ語を網羅していました。ここで学んだことは、ドイツの職場だけでなく日本の職場でも必ず役立つものだと思いました。そこの担当講師であったAnjaはエネルギッシュでありながらとても明るい方で、自分たち学生とはお互いにDuzenをしてくれたので、打ち解けることができました。彼女の上司であるSulimanさんはさらに彼女を上回るほどとても明るい方で、建て前上Siezenではあったものの、ホストファミリーやインターン先との関係、さらには個人的なトラブルにいたるまで自分たちのケアーをしてくれました。日程としては、午前中に授業を受けて午後に工場見学をしたりと、ハードスケジュールが続くこともありましたが、彼女たちは毎年プログラムの見直し・改善をしているようなので、来年はきっとよりよいものとなっているでしょう。

・ホストファミリー


 インターンシップの間、自分はBurrmannさんの家庭でホームステイさせていただきました。Burrmannとはただのドイツ語の名字であり、Mannがつくことでなんとなく「男」の家庭で面倒を見ていただいたように思うかもしれませんが、実際はホストマザーのUrsulaとホストシスターのMiriam、ホストキャットのMischaでみんな女性(猫は♂)でした。彼女たちには本当に感謝しています。正直、最初ベジタリアンというのを告白されたときは、(自分が野菜嫌いなので)この家庭で生き抜くのはしんどいかも知れないと思ってしまいましたが、実際ホストマザーの作る料理は野菜を活かしたドイツ料理でとてもおいしく、自分の食生活に革命が起きたような気がしました。ホストシスターは、幸運ながら今年の9月から1年間ワーキングホリデーで日本に滞在するため、日本語を勉強していてタンデム(語学交換)をしながら日々を過ごすことができました。そこにホストマザーも時々加わったりして、ドイツ語の先生たちと同居しているかのようで、ドイツ語力はかなり向上したと思われます。彼女たちとは必ず再会することを約束しました。また会える時がとても楽しみです。第2の家族、第2の故郷を持ったような幸福感を得ることができました。

・インターンシップ(6週間):8月13日(月)~9月21日(金)
 自分のインターンシップ先は、Exo-Energyという小さいエネルギー会社(太陽光パネルの仲介会社)でした。自分は環境系企業を志願していたので、この会社に勤めることができたのは適切だったと思います。自分は主にその事務所で働くことを指示されたのですが、事務所にいたのは従業員3名のみで、最初はまったく落ち着かない状態で仕事をしていました。自分の社長兼世話役を務めてくださったのはトルコ系ドイツ人で、発音はとても聞き取りづらい方でしたが、そのかたわらとてもフレンドリーで友達のような関係にまで至りました。来年の9月頃に日本へ旅行しにくるようで、案内も頼まれるほどプライベートでは仲がよくなりました。最終日には事務所のバルコニーでグリルパーティーも開いてくれて楽しかったです。仕事の内容に関しては、インターンシップ生ということもあり、もちろんゴミ捨てや食器洗いなど雑用のようなことは毎日こなしました。社長からそういった指示が出るまでは、パソコンを使った他の課題を任されていました。その内容は、1つのソフトウェアを使って複雑な工程を経てエクセルに年間電力発電量のシミュレーションをリストアップしていく反復作業や、そのソフトウェアを使って個人のお客さんのソーラーパネルの配置設計をプロジェクトの一環として行う責任重大なものまでありました。週に1回程度の割合で社長は自分を工事現場やお客さんのもとへと連れて行ってくれて、貴重な体験がたくさんできたと思います。インターンシップ先の方々にも感謝しています。


・インターンシップを終えて
 自分の場合、マールブルク大学留学途中の夏休みにドルトムントでインターンシップをさせていただいたのですが、自分の中での転機に繋がったと思っています。留学前、留学途中、留学後、留学とは関係なくインターンシップに参加するパターンがありますが、自分はこの時期に来て正しかったと思います。このインターンシップに関わった方々、インターンシップの援助をしてくださった獨協大学、渡部先生、アルブレヒト先生、バイスヴェンガー先生には心より感謝いたします。ありがとうございました。

Künstlerhaus Dortmund, Galerie Schöber(Art-isotope) 中村侑弥

中村侑弥(ドイツ語学科4年) インターンシップ先:Künstlerhaus Dortmund, Galerie Schöber(Art-isotope)

事前研修について
最初の1週間は、実習の面倒を見てくれるAuslandsgesellschaftの1室を使っての語学研修でした。内容は前置詞等の文法問題から、電話対応の練習、挨拶の仕方など、インターン中に必要である分野を広く勉強させてもらいました。特に電話対応の練習は、実際に先生の携帯を使って企業や役所に電話をかけて情報を集めるというものだったのですが、いきなりのことだったのであまり上手くできませんでした。ですが、実際インターン中に電話で話す必要が何度かあったので役に立ったと思います。研修中は、午前と午後は授業で昼休みに見学のようなプログラム、というかなり忙しい日程でした。なので、語学研修の1週間は体力的にも精神的にもしんどかったです。実習が始まってからの方が、自分の時間が取れて楽だった程です。ただしんどくはありましたが、内容的にはどれも役立つ授業だったと思います。

インターン先について
私は申し込みの段階で美術館で働きたいという希望を出したのですが、結局、ドルトムントにあるKünstlerhausとギャラリーで働くことになりました。実習先が二つに分かれたのは、私がインターンシップ期間中通して働けるところが見つからなかったためだそうです。なので、最初の1週間をKünstlerhausで、次の週から最後の日までをギャラリーで働くことになりました。仕事の内容がだいぶ違うのでそれぞれわけて書こうと思います。

Künstlerhaus Dortmund
私の働いたKünstlerhausとは、日本語だと共同アトリエといった感じの訳になると思います。たくさんの芸術家が集まって生活、創作し、展示も行われるといった場所です。仕事内容は、特に毎日決まった仕事があるわけではなく、ごみ捨てから展示の準備までいろいろなことをさせて貰いました。私は1週間だけこのアトリエで働かせてもらったのですが、働く上で大切な“自分で仕事を探す”ということをドイツで経験できたのがありがたかったです。前に書いた通り、特に毎日決まった仕事があるわけではないので、一日仕事を探してあちこち走り回りました。皆さんそれぞれの作業をされているので、常に一人の人物が仕事を回してくれるのではなく、仕事のある人に自分ができる仕事があるかどうか聞いて回るといった感じでした。日本で仕事をする上でも自分で仕事を探すのは当たり前ですが、ドイツ語で初めてHaben Sie Aufgaben für mich?と尋ねるのは勇気が要りました。前もって少し口の中で練習したのを今でもよく覚えています。総括としては、最初の1週間は特に問題なく終わったと思います。役に立てたかどうかは分かりませんが、最後の方は指示だけして去って行く人も増えたので、少しは信頼されていたのではないかと思います。

Galerie Schöber(Art-isotope)
残りの4週間は、ギャラリーでの仕事でした。ここでもかなり幅広くいろいろな仕事をさせて貰えました。仕事内容の詳しい内訳は展示物の準備、掃除、出版物の準備、翻訳、ホームページの修正、Vernissage(特別招待日)でのアシスタント、等です。ギャラリーでは普段はGaleristのSchöberさんがひとりで仕事をしており、インターン中は私とSchöberさんの二人で仕事をしました。ほとんどすべての仕事にかかわらせてもらえたのですが、基本的に仕事は指示だけして後は丸投げで、二人で作業をするということはあまりなかったです。ただ昼ごはんは一緒に同じ机で食べていたので、仲良くはなれたと思います。あと、毎日食事代として5ユーロ支給してくれたのは本当にありがたかったです。ここでもいい経験をたくさんさせていただきました。特にVernissageに参加させてもらえたのはすごくいい思い出になりました。Vernissageとは、ギャラリーや美術館などで行われる展示初日の特別招待日のことで、客人を招いてGaleristや縁のある芸術家の挨拶などが催されます。私はその際、Sektやジュース等を配る仕事をさせてもらいました。Galeristの挨拶の際、Schöberさんが私を紹介し感謝の言葉をくれたときは、ここで仕事が出来てよかったと思えました。翻訳、出版物の作成のような頭を使う仕事から、掃除や招待状の準備等身体的にしんどい仕事まで、揺れ幅の大きい日々でしたが、とても楽しい日々でした。最終日に、展示してある作品の一つをお土産としてもらえました。出版物を作成する際展示作品の値段表を見ていたので、大体いくらぐらいするのか分かっていたので、決して安くはない作品を最後の日にもらえたのが、仕事を認めてもらえたようでとても嬉しかったです。美術に興味のある人はギャラリーで働いてみることをおすすめします。とてもいい経験をさせてもらえると思います。

ホストファミリーについて
ホストファミリーは老夫妻でした。足を悪くされていたのでどこかに遊びに連れて行ってもらったことはありませんでしたが、基本的に家にいたので、ドイツ語を話す機会には恵まれました。スペイン語を昔から勉強されていたそうで、外国語を学ぶということに対して非常に理解のある人たちでした。私が考えているあいだは常に待っていてくれ、しゃべり終わってから、私が喋った内容を正しいドイツ語で言い直してくれたりしました。質問をすればとにかく丁寧に答えてくれ、とてもいいドイツ語の勉強になりました。部屋は、昔息子さん夫婦が住んでいた2階と屋根裏を、全部ひとりで使わせてもらうことができました。なので、シャワーやトイレなどあまり気を使わずに生活できました。ただ、フロアを占有させてもらうとこもりがちになるので、ドイツ語の上達のため可能な限り家族と一緒に過ごすようにしました。ホストファミリーについては素晴らしい家族だったので、なんの文句もありません。探してくれたDirektorinのSulimanさんに感謝するばかりです。

最後に、留学生活の締めくくりにインターンに参加できて本当によかったと思います。この機会を下さった獨協大学の渡部先生とBeißwenger先生、AuslandsgesellschaftのSulimanさん、インターン先でお世話になった関係各所の皆様に、この場を借りて心より感謝を申し上げます。

STILL 本多由佳

本多由佳(ドイツ語学科3年)
インターンシップ先:STILL

<はじめに>
私は3年生の9月から、ドイツのハイデルベルク大学の付属語学学校に留学していました。もともとは、この留学の前に、インターンシップに参加しようと思っていました。しかし、留学の最後にインターンをすることで、1年間のドイツ留学で得たドイツ語力を試せるのではないかという思いと、ドイツ企業での仕事場の雰囲気やドイツ人の仕事に対する姿勢への興味から、今回のインターンプログラムに参加することにしました。今までは、学校というアカデミックな場でドイツ語を学んできましたが、実際のドイツ社会ではどのような雰囲気で仕事をしているのかということにも興味がありました。わたしは将来、仕事でもドイツ語に触れていたいと思っているので、ドイツの企業でも日本と関係のある企業を希望していましたが、残念ながらそれは叶いませんでした。しかし、日本とは関係がなくともいろいろな国々と取引のある国際的な企業にも興味があったので、今回のインターンシップ先を紹介していただきました。

<インターンシップ(期間:8月13日~9月18日)>
インターンシップ先は、ドルトムントの郊外にあるSTILLというフォークリフトの会社でした。私のホームステイ先から歩いて10分程度だったので、通勤はとても便利でした。STILLはフォークリフトの販売から、修理、貸し出しまでしており、会社は工場の技術者と外での営業担当者を支えるオフィスと、修理を担当する工場に分かれていました。オフィスには1階と2階を合わせて50人程度、工場にはSTILL専属の技術者が5名、その他からの派遣技術者が20名ほどいました。大きな会社でしたが、働き方は基本的には自由で、何時までという厳しい労働時間は設けられてなく、自分の仕事が終わったら帰宅という形でした。私の労働時間も、8時~17時とスリマンさんから伝えられていましたが、基本的には8時半~15時半まででした。小さな子供のいるお母さんやベテランのおばあさんなどもたくさん働いていて、ときには同僚と歓談したりして、みんな楽しそうに働いていました。働きやすい環境のためか、女性の職員の方もたくさんいて、男女比は約半々でした。


STILLでは、私が初めてのインターンシップ研修生ということで、会社側もどういった仕事を任せたらいいのかという戸惑いがあったようです。インターンシップを始めて1週間目は、病気や休暇などで休んでいる職員の方がたくさんいたため、会社にいる職員はとても忙しく私に仕事を教える暇もないほどだったので、とりあえず私は仕事の見学をしていました。ただ同僚の仕事の様子を見ていると、「お茶はどう?」と言われ、お客様扱いになってしまい、「何をしに来たんだろう」と思ってしまうときもありました。そのため、昼休みなど、同僚に時間があると思ったときには、積極的に「私にできる仕事はないか」と聞き続け、少しずつ仕事(書類をファイルに綴じたり、取引先やお客さんへの手紙作りなど)を教えてもらっていました。職場でのドイツ語はかなり聞き取りにくく、知らないドイツ語が飛び交っていたので、メモを取りつつ、家に帰って調べ、頭に入れるという日々でした。2週間目からは、私専用のパソコンを貸してもらい、パソコンでのデータ入力などをしました。積極的に聞き続けたことで、「この子は仕事をしたいんだ」と思ってもらえるようになり、また、それまで担当だった同僚が病気で休暇を取ることになったため、その同僚が担当していた2つの企業の仕事を私が引き継がせてもらえることになりました。

私のインターンシップの担当者である上司は、同僚みんなの上司でもあったので、私がどんな仕事をしたらいいのかということは、基本的に同僚みんなが考えてくれ、私にできる仕事を探してくれました。私自身も、与えられた仕事が終わったときには、いろいろな部門の同僚に聞きに回っていました。上司はとても優しい人で、インターンシップ初日にはSTILLの会社全体についてや、ドルトムント支店の仕事内容や役割、工場での仕事内容をオフィスや工場を回りながら教えてくださいました。社員の方々も、与えられた仕事でわからないことがあれば丁寧に教えてくれ、私のために仕事を探してくれたり、お昼ご飯を一緒に食べに行こうと誘ってくれたり、とても親切な方々ばかりでした。また、天気の良い日には、昼休みの時間に外や工場内でバーベキューをして、社員の方々と交流することができました。
9月にはいってからは、休暇や病気などで人がまた少なくなったため、社員の方々は忙しくなり、私ができる仕事をもらうまで、1時間~2時間待つという日もありました。しなければならない仕事がたくさんあって忙しいというときもあれば、まったく仕事がなくなりいろいろな部門に聞きに回る、またはパソコンの前に座り、ただひたすら待機するというときもあり、仕事があるときとないときの差がかなり激しいと感じました。

<ホームステイ>
私は本当にホームステイ先に恵まれました。家族構成は、お母さん、お父さんと、23歳のお兄さんと18歳の弟さん、犬が1匹でした。ドルトムントに行く前からメールで連絡を取り、私がドルトムントに着いたときには、お母さんと弟さんが駅のプラットフォームまで迎えに来てくれました。着いてからは、パンケーキを焼いてふるまってくれたり、お母さん特製のシュニッツェルを夕食に出してくれたりしました。
週末にはお母さんと弟さんとスーパーに買い物に出かけたり、お母さんの友達も一緒に野外コンサートやたくさんのお祭り(Weinfest, Parkfest, Microfestなどなど)に行ったりしました。お父さんとはおうちの庭にある畑でじゃがいもを掘ったり、かぼちゃの苗を植えたりしました。平日もお父さんと一緒にテレビを見たり、お母さんが参加しているウォーキンググループに入れてもらい、一緒にウォーキングをするなど、お母さんの友達にもとても良くしていただきました。週末にお兄さんが友達を呼んで、夜にパーティをするときなどは私も混ぜてもらい、ドルトムント大学のお兄さんの友達とも話し、仲良くなることができました。Auslandsgesellschaftでの語学研修初日には、お母さんと遊びに来ていた独協の先輩で、2年前にこの家族のところでホームステイしていた酒井先輩が、学校まで一緒についてきてくださいました。また、お母さんは私が会社でインターンを始める前に、会社がどこにあるか一緒に散歩をしながら教えてくださいました。

2週間くらいの間、家でインターネットが使えなかったのですが、そのこともお母さんに言うと、お兄さんがいろいろ調べてくれたり、新しいルーターを買ってくれたりして、本当にすぐに対応してくださって、お兄さんには本当にお世話になりました。
おじいさんの誕生日のときには、お母さんと一緒にケーキを焼いたり、おじいさんとおばあさんと一緒に教会のお祭りに行ってお茶をしたりするなど、ホストファミリーだけでなくおじいさん、おばあさんとも仲良くさせていただきました。
私の部屋は庭にあるガーデンハウスで、中にはベッド、机と椅子、小さな机、ソファがありました。住み始めて1週間ぐらいたった頃、新しい冷蔵庫が入りました。部屋の中はとても清潔でしたし、机の上には小さなアジサイの花が小さな花瓶に入れられていて、かわいらしく、また嬉しかったです。シャワーとトイレも私専用のものがあり、中の棚にはバスタオルとハンドタオルがいくつかと、下の棚にはシャンプー、リンス、化粧落とし、ドライヤーなどが置いてありました。洗剤や柔軟剤なども貸していただけて、洗濯することもできました。ご飯も時間が合わないとき以外はほとんど一緒に食べました。一度、日本のカレーを作ったのですが、家族みんなに好評で残さず食べてくださいましたし、「もう1箱あるからもう1回作れる」と言うと「今度は私に教えながら作ってね。どこでこのカレー粉は買えるの?」と言ってくださったときは、とても嬉しかったです。お母さんもお父さんも、私をお客さん扱いしないで、スーパーにおつかいに出したり、たまに家事でやって欲しいことを言ったりしてくださったので、良い意味で気を使わず1人の子供として過ごすことができました。

<その他>
費用に関しては、お昼ご飯は会社近くの社食で食べることもあったので、その分はかかりましたが、そのほかはホームステイの家族と食べることが多かったのでほとんどかかりませんでした。また1ヶ月目はドルトムントの1ヶ月定期券(約50ユーロ)を買いましたが、インターン先が家の近くで徒歩で通勤できたため、9月は買う必要がありませんでした。9月にドルトムントの街まで出るときは、4回券をお母さんに教えてもらい、それを使っていました。旅行も、インターンシップに参加する前に旅行をしていたので、この2ヶ月間ではほとんどしませんでした。この2ヶ月間でかかった費用は、私の場合は3万円~4万円弱だと思います。
8月はそんなに寒くなく、ドイツの夏らしい天候が続いたので、半そででも過ごすことができましたが、9月に入ってからは気温もガクッと下がり、雨が続いたためかなり冷え込みました。私は長袖の服をあまり多く持ってきていなかったので、留学していたハイデルベルクに服を取りに行かなければなりませんでした。本当に寒い日は冬のような服装をする日もありました。

<最後に>
私はこのインターンシッププログラムに参加して、本当によかったと思っています。ドイツの会社で働くという貴重な体験をすることができ、また、素敵な家族にも出会うことができました。ドイツ語でのインターンシップなので、緊張することも大変なことも日本企業でのインターンシップよりもたくさんあるとは思いますが、このプログラムでしか経験できない貴重な体験がたくさんあります。ドイツ語の勉強にもなり、インターンシップもできるこのプログラムに参加することは、決して無駄なことではないと思います。参加を迷っている方がいらっしゃったら、是非参加してもらいたいです。
私にこのような機会を与えてくださったBeißwenger先生、渡部先生をはじめ獨協大学の方々、SulimanさんをはじめAuslandsgesellschaftの方々、STILLの皆さん、そしてホストファミリーに心から感謝しています。ありがとうございました。

IVAM 村岡由加里

村岡由加里(ドイツ語学科4年)
インターンシップ先:IVAM

・語学研修
 インターンシップが始まる前にAuslandsgesellschaftで約1週間ビジネスドイツ語を学び、またドルトムントの名所や博物館に行ったりしました。毎日朝の9時から午後まで授業をし、その後に観光(名所や博物館巡り)というスケジュールはハードでしたが、授業内容は実践的で後々役に立つことを学べたので良かったです。また、観光も日本のガイドブックには掲載されていないドルトムントに住んでいる人ならではのオススメの場所にも行け、素敵な思い出を作ることができました。

・インターンシップ
私は、ドルトムント大学付近のTechnologie Zentrumにある、IVAMというマイクロテクノロジーの会社でインターンシップをしました。私がインターンシップ中にしたことは以下の通りです。

・マイクロテクノロジーを扱う日本の会社や研究をしている日本の大学を調べ
て、Excelを使った表作成
・IVAMの郵便物を取りに行って、その仕分け
・他社に書類を持っていくこと
・銀行に行って残高証明書の発行
・IVAMのホームページの独日訳と新イベントに関するちらしの独英訳
・IVAMが持っている世界各国のお金の管理
・メッセの手伝い

インターンシップの最初の2週間は課題がたくさんあり、仕事内容も大変でしたがやりがいがすごくありました。しかしその2週間後からは単純な事務業務の仕事しかもらえず、ただパソコンの前に座っているだけの時間が多くなりました。私以外のドイツ人のバイトさんは仕事があるのになぜ私だけもらえないのか疑問をもっていたので、ある日社員さんに思い切って聞いてみました。そうすると、「日本と関係のあるイベントが今年すでに終わってしまい私を必要とする仕事が今はなく、他に仕事はあってもそれには経済や経営の知識が必要で、ドイツ語をきちんと使えるレベルにないあなたにIVAMが今忙しい時期に手間隙かけて教える余裕がない」と言われました。このことを言われた私は、自分の語学力不足と、語学は単なる道具でしかないということを痛切に感じました。このまま仕事がもらえないならここにいる意味がないと思ったので、すぐにSulimanさんに事情を説明しました。そして、帰国の2日前に始まるIVAM主催のメッセまで、Auslandsgesellschaftで午前中はドイツ語の授業、午後はSulimanさんやその他のスタッフさんのお手伝いをしました。

・インターンシップを終えて
同僚、特にアルバイトをしている学生と約1ヶ月と短いながらも、今でも連絡を取り合うほどの仲になれたのは良かったのですが、これまでIVAMでインターンシップをしてきた参加者の報告書から私がイメージしていたものとはかけ離れていて、満足できずにインターンシップが終わってしまったのが残念でした。しかしドイツでインターンシップをするこの貴重な機会を頂けたことで、様々な面で勉強をすることができ、また海外の企業で働くことの厳しさを実際に経験することができ良い勉強になりました。

2011年度 参加者:7名

Hilton Dortmund Hotel 北代友梨

ドイツ語学科3年 北代友梨
インターンシップ先:Hilton Dortmund Hotel(ヒルトン・ドルトムント・ホテル)

1、 事前研修
~獨協大学で~
大学では毎年ゲーテのビジネスドイツ語の講座が開かれて、本来ならばそれに参加するのですが、今年は震災の影響により閉講となり、インターンシップ特殊演習の授業だけで日本にいる間は準備しました。日本から行く私と白川さん、日下部さんでビジネスドイツ語の勉強会をしていましたが、私は教職の介護体験で全く出られませんでした。なのでドイツ語に関してはかなり不安を持っていました。
ですが、授業のレポートで自分がインターンをする企業研究をできたおかげで、インターン初日にすんなりと周りの空気に溶け込めたのはよかったなと思っています。

~ドルトムントに到着後~
8月4日から8月10日まで、Auslandsgesellschaftでの語学研修に参加しました。内容としては、ドイツ語のお客様に対する丁寧な言葉遣い、同じ内容の言い回し、電話での会話の仕方、地図の使い方・説明の仕方(観光がてら実地練習も行いました)などです。私は時間の関係上、実際に会社に電話をかけることはできなかったのですが、とても役に立つと思うので、実際に会社の人と話せた人はラッキーだと思います。難易度としては、既に1年間ドイツにいたことのある人(高校時代にいた、もしくは大学の留学で1年間になる)向けのように感じました。私自身は今回のインターンがドイツへの初渡航だったので、それに対する緊張と毎日授業があるわで、てんてこ舞いでした。ですが、ドイツに既にいた人もみんな向上心が高かったのでそれにすごく助けられました。
特に良かったと思えたのは、同じような業種の人同士で「ある状況の時どのように対応するか」というのを一緒に考えたことです。お互いにその業種に対するイメージがある程度一致しているので、凄く考えやすかったですしやりやすかったと思います。
授業後には、DASAという子どもが将来の職業を考えるための博物館のような場所、かつてコークス製造工場だったところの見学、Jazzセッションの行われるクラブに行ったり、Auslandsgesellschaft内で映画を見たりしました。初渡航の緊張により内容はあまり覚えていませんが、常に日本の状況と比較していた記憶があります。全てドイツ語で説明されるのですが、説明の後にクラウディアさん(毎年、事前研修の授業を担当してくださる女性の先生)やスリマンさんがゆっくりと簡単なドイツ語で簡潔に説明してくださったので助かりました。
また、毎週水曜日の集まりや、メール(もしくは電話)でスリマンさんが凄く気さくに相談に乗ってくださいました。本当に些細なことや、「こういうこと(例えば、土日にホストファミリーとどこかに行きたいから休みをください)を企業に言ってもいいのかな」というようなことを気楽に相談できました。ほとんどの相談に対して「当り前よ、大丈夫」と言われたのですが、その言葉が異国にいる身としては凄く身に染みてありがたかったです。

2、 インターンシップ(期間:8月12日~9月21日)
~インターン内容~
* Restaurant(勤務時間:7:00~15:30(初日から3日間は7:30~))
・グラス類、ナイフ・フォーク類を磨く
・表の人が下げてきた食器やゴミの分別
・次の日のミルクや砂糖の補充
・外のテラスのセッティング
・コーヒーをポットにそそぐ
・注文された飲み物を作る
* Housekeeping(勤務時間:10:30(10:00)~19:00(18:30)、13:30~22:00。電車で一人で来ていることから遅くても19:00には家に帰って良いことになっていました)
・指定された部屋のmini Barのチェック
・ベッドメイキング
・トイレチェック
・VIPのお客様へのスイーツの配達
・会議場兼宴会会場の掃除機かけ
・キッチンと掃除用の布巾の管理
・アメニティー・グッズの補充


私がインターンをしたのはWestfalenpark(ヴェストファレンパーク、公園の名前でもあり、駅の名前でもある)の近くにあるHilton Dortmund Hotelです。Dortmund Hbfからも10分かからないで着きますが、私の住んでいた家からは徒歩で30分くらいというところにありました。朝が早かったレストランの時でも、6:30に家を出ていました。近くには香川真司選手の所属するボルシア・ドルトムントの本拠地もあり、私がレストランで働いていた頃の対戦相手は皆、泊りに来てくださいました。試合当日の朝食の時間は、とんでもないくらい忙しかったです(フォーク類やグラス類が尋常じゃないくらい足りなくなるのです)。また1日だけ6:15出勤の日があり、何かと思ったらDortmund Hbfのそばで行われる、ネオ・ナチと反ナチのデモに対応するために集まってHiltonに泊まった約200人の警察官が6:30から朝ごはんをとるためでした。このように、普段はなかなか遭遇することのない出来事に驚きながら、インターンをしていました。
レストランでは主に裏で働いていました。理由は、私のドイツ語理解能力がお客様の注文を理解出来るまでに達していなかったからです。ですが、朝食のピークを過ぎて、朝食を仕切っている社員さんがお客様の様子を判断して、たまに飲み物を持っていくサービスをさせてもらえました。日本人家族のお客様がいらっしゃった時は、全ての表でのサービスを任せてくれました。Azubi(Auszubildendeの通称。ドイツの職業訓練生。日本にはない制度ですが、1つの場所で3年間働くそうです)の人たちが本当に親切で、ルーム・サービスについて行かせてくれたこともありました。基本的に、一人でできることは一人でやらせてもらいました。
Housekeepingでは、同僚やAzubiの人たちとお喋りする機会がかなりあったので、すごく楽しかったです。覚えることも少なかったですし朝も早くなかったのですが、体力勝負なので、毎日22時ぐらいには寝ないと疲れが残っていました。鍵の関係上、トイレチェックはAzubiの人と一緒に行っていたのですが、それ以外は一緒に行動していてもそれぞれ担当の部屋を決めて行っていたので、ほとんど一人でやらせてもらえました。
また、Housekeepingで働いていた頃に、ドルトムントと対戦するためにイギリスから来たサッカー・チーム、アーセナルが泊りに来てくださり、宿泊する3日前にmini Barの中身を全部撤去しました。前日にはマッサージルームの最終セッティングも行いました。そして宿泊中には水のペットボトルを配りに行くことになっていたのですが、セキュリティーの関係上、選手たちが全員部屋を出たらすぐに行って、ものすごい勢いで水のペットボトルを約45部屋に配りました。私たちはちゃんと制服を着ているのですが、念のためセキュリティーの人が私たちの後ろをついてくるという、本当になかなか体験できないことを体験させてもらえました。

~会社の雰囲気~
建物はすごく綺麗です。同僚もすごく親切で、忙しくても質問にちゃんと耳を傾けてくれますし、自分の理解が間違っていないかどうか確認しても何一つ嫌な顔をせずに聞いてくれました。また、「終わったのだけれど何かある?」と聞けば課題をたくさんくれました。レストランの時は、時には課題がなさすぎて「帰って良いよ」と言われる日がかなり多く、2時間ぐらい早く帰れました。Housekeepingは体力勝負のことが多かったので、2日間ぐらい長くても30分くらい残業で、あとは定時か1時間ぐらい早く帰れることが多かったです。
Azubiの人たちとは年齢が近くて、話しかけるのにも全く勇気が要りませんでした。いつも会うと「調子はどうだい?」と話しかけてくれました。私の顔がやけに童顔(20歳以上には絶対見えないらしいです)に見えたらしく、それをネタにして話しかけたりしました。
常にAzubiの人と行動していたので、迷わずついて行ったらAzubiの定例会議に偶然参加してしまいました。もちろん内容は私には関係ないことばかりだったのですが、日本の会議と比べて皆、物おじせずにたくさん質問していたり、個人個人がきちんとメモを取っていたことが印象的でした。そして、司会をしていた2人の社員さん(Azubiと私のようなPraktikantのBetreuer)が、きちんとその質問内容に耳を傾けてメモを取っていたのも印象的でした。
最終日は、かなり話し相手になってもらったAzubiの人や社員さんが学校やお休みであまり写真を撮ることはできなかったのですが、心の中にたくさんの思い出ができました。

3、Gastfamilie(ホストファミリー)
私のホストファミリーは今回で3回目の受け入れをしてくださった、一言で表すと素敵な夫婦でした。お父さんもお母さんも私も大のサッカー好き、音楽好きで、お父さんの好きなSt.パウリというチームの試合をボーフムまでアウェイ側ファンという立場で一緒に見に行ったり、ドイツA代表の試合やパウリ、お母さんがファンのドルトムントの試合は必ずテレビで一緒に見ていました。それ以外の試合も全部チェックしていました。私はインターンの疲れでうたた寝をしていることが多かったのですが、2人はとても楽しんでいました。なので、このプログラムの参加者の宇佐見さんのお陰でヨーロッパ・チャンピオンズ・リーグのドルトムント対アーセナルのチケットが取れたときは、凄く羨ましがられました。更にホストファミリーの家はスタジアムまで歩いて10分もかからないくらいの近さだったので、ゴールの時の歓声がよく聞こえ、いつもただでスタジアムにいる気分でした。
私が土日に4週連続でインターンが入ってしまい、ちょっと出かけようと思っても天気が悪くて中止になるなど、あまり出かけることはできませんでした。2人は朝早く働きに行って早くに帰ってくるので、平日にちょっとした大きな公園等に連れて行ってもらいました。
本当は疲れて行きたくなかったのですがホストファミリーが土日に行けない分、時間をわざわざ作ってくれているのかもしれないと思ってついていくようにしていました。結果的にはついて行ってよかったです。
その後ようやく土日に休みがもらえたので、お母さんの勤務地であるミュンスターに同僚を訪ねがてら観光したり、1泊2日でお母さんの姉妹の家があるハンブルクに連れて行ってもらったりしました。ハンブルクではお母さんとお母さんの姪っ子に浴衣を着せてあげました。そしたらみんな、とても喜んでくれました。また折り紙をすごく気に入ってくれて、みんなで十二角形や正方形などを色々な紙を使って尋常じゃないくらい作りました。あとで聞いたら姪っ子は修学旅行に正方形に切られた紙を大量に持って行ったそうです。
私はインターンシップ後にウィーンでの交換留学が始まるので、少し長めに滞在させてもらいました(これはスリマンさんに念のため許可を取ってからホストに話してください)。予定滞在期間をオーバーしているにもかかわらず、私がドルトムントに来た初日に「ケルンに行って大聖堂を見に行きたい」と言っていたのを覚えていてくれて、一緒に連れて行ってくれました。本当に凄く素敵な夫婦で、ウィーンに出発する前日にプレゼントをもらってから既に涙腺が大変なことになっていました。そしてこんなに近いのに未だにウィーンに行ったことがないらしいので、私に会いがてら観光に来てくれることになりました。今ではそれがすごく楽しみです。
お母さんがいっぱい写真を撮ってくれたので、それをもらってこの報告書に載せようと思っていたのですが、ホストファミリーの家のPCが壊れてしまい、提出期限までにもらうことができなくなりました。なので1枚しか載せられないのですが、どのようなご夫婦か興味のある方は昨年度の宗政さんの報告書に大きく写真が載っているのでそちらをご覧ください。

4、 その他
~お金について~
私はホストファミリーに凄く恵まれたので、航空券抜きで10万円もあれば2万円ぐらい余るくらいで十分過ごせました。
ただドルトムント市内乗り放題の電車のチケット(Young Ticket、8月分は一緒に買いに行きます)が44,70ユーロして、8、9月の2か月分(計89,40ユーロ)を月ごとに買うので、お金の減りが気になる人はそれを別に用意しておくといいと思います。ちなみに、個人的にサッカーを見に行くのであれば、1試合33,80ユーロ前後を見込んでください。むしろ、古田先生に聞いた方が早いかも?携帯は、7,99ユーロ+プリペイド代が通話とSMSのみの機能で一番安かったです。
基本的に、食べ物も日用品も量が多くてその割に値段も安いので、お財布には優しいと思います。肌が弱い人でも、NIVEAの本拠地なのであまり心配はないと思います。

~ちょっとしたアドバイス~
先にも書きましたが、私は今回のインターンがドイツ初渡航です。海外経験も高校時代の1週間のオーストラリアへの修学旅行のみです。これを読んでいる方の中にも、経済的に頻繁に海外へ行くのが難しい方が多いと思います。私もその一人です。ですが、インターンをできるまでに成長できたのは獨協の授業に積極的に参加していたこともありますが、毎年春休みに行われる「インターウニ」というドイツ語合宿に参加していたのが凄く影響していると思います。気になる方は是非、「インターウニ ゼミナール」などで検索をかけてみてください。日本国内で、しかも交通費込4万円弱で簡単にドイツ語だらけの世界を味わえます。
あとはとにかく質問することです。私たちはドイツ人からすると「外国人」なので、知らないことだらけなのは当然です。いっぱい質問する、もしくは聞き直すことで相手も次から話す言葉の速さを考え、簡単な言葉遣いをするように気を遣ってくれます。むしろ全部に「はい」と言ってしまうと、「この速さで理解出来るんだな」と勘違いされてしまいます。
航空券は出発日の約3か月前から購入できるので、そのあたりになったらネットでチェックするようにしてください。早ければ早いほど安いです。お勧めの経路は、フランクフルト国際空港まで行ってからD-BahnでDortmund Hbfまで行く行き方です。D-Bahnは2か月前くらいからチェックしてみてください。またクレジットカードで支払うことが多いのですが、渡航の際は電車のチケットと申し込みに使ったクレジットカードを忘れないでください。車内でチェックが入ります。
そして、日本から来るのであればできるだけ他の参加者と一緒に渡航することをお勧めします。スーツケースを持ったままお店に入ったり、トイレに入ったりするのは大変です。友達が一緒なら、交代でスーツケースの番をすることができます。



~ウィーンへの留学を考えている人(留学がすでに決まっている人、インターン時に留学を終える人)~
D-Bahn(ウィーンだとQBB?)でDortmund Hbf⇔Wien West bf間の直通電車がかなりの本数で出ています。国をまたぐのでかなり遅延しやすい(多く見積もって3時間)と言われていますが、時間通りで10時間強で到着します。乗り換えなしで体力的にも良い時間帯があります。料金はネットの早期予約で129ユーロ(Reisezentrumで申し込める場合は8ユーロお得になります)です。なので気軽に応募してみてください。

~最後に~
元から海外で働くことに興味はあったのですが、このインターンを通して更に海外で働きたいなという気持ちが強くなりました。6週間も海外で働くのは、最初はすごく大変です。ですが笑顔とあいさつを忘れなければ段々と働きやすくなってきます。できることなら参加することをお勧めしますが、ただの観光や語学研修とは全然違うというのを肝に銘じておくべきだと思います。
最後に、このインターンシップを勧めてくださった既に退職された大串先生、プロフィールやホストファミリー、インターン先などへのメールの添削をしてくださったり、たくさんのミーティングの時間を設けてくださったアルブレヒト先生、今年から担当になり震災の影響でドタバタしている中、対応してくださった渡部先生、インターンシップ特殊演習の授業で実地的な話をたくさんして下さった古田先生、Auslandsgesellschaftのスリマンさんとクラウディアさんに凄く感謝しています。ありがとうございました。

AURUM Bioladen 白川真由美

ドイツ語学科3年 白川 真由美
インターンシップ先:AURUM Bioladen*

・ 語学研修
語学研修では、初日にそれぞれのやりたいことや自分に必要だと思うドイツ語について話し合いました。語彙を増やしたいと答えた人が多かったので、その後の授業では語彙を中心に勉強しました。みんなで同じ問題をやることもあれば、インターン先の業種別に分かれて問題を解くこともありました。ここで覚えた単語、特に自分の業種に関する単語は実際にインターンをしていて使う機会が多かったので、とても役に立ったと思います。ほかにもドイツ人のよく使う言い回しや電話・インターン先での自己紹介の練習などもしました。授業のあとはほぼ毎日、みんなでコーディネーターのスリマンさんや先生のクラウディアさんと一緒にドルトムント市内を観光したり、映画を観たりしました。プログラムがぎっしり詰まっていて楽しく充実した日々を過ごせましたが、授業は朝8時半から始まる日もあって、少し大変でした。

・ インターンシップ(期間:2011年8月11日~9月21日)
私がインターンシップをしたのは、ドルトムントの郊外AplerbeckにあるBioladen(オーガニック製品の小売販売店)です。個人経営の小さなお店で、常連のお客さんが多くゆったりとした雰囲気の職場でした。従業員は10人程度で、オーナーも含めて全員女性でした。同僚は親切な人ばかりで、お客さんがいないときは話したり商品について説明してもらったりしました。初日に、オーナーから私の希望について聞かれたので、BIOの商品についてだけでなくBioladenの経営についても知りたいと言うと、お店の仕事を一通りすべてやってみようか、と提案してもらいました。服装は、ネームカードと前掛けを着けていればほとんど自由でした。また、食品を扱うので肩につくくらいの長い髪は束ねるよう、爪は短く整えておくようにいわれました。勤務時間は主に7時から14時までの朝番と14時から20時までの夜番に分かれていて、朝番は従業員2人、夜番はオーナーと従業員1人でお店をまわしていました。私ははじめに朝番と夜番の両方を体験させてもらいましたが、夜番はお客さんが少なく仕事がほとんどなくて、14時に仕事をはじめたのに17時ごろに帰っていいよと言われたりしてあまり意味を感じられなかったので、結局ほとんど朝番で働きました。しかし朝番でも、8月中はお客さんが少なかったので仕事の少ない日は棚の掃除などをして、それでも仕事がないときは早くあげてもらうこともありました。
朝番の日は、9時の開店までは商品の品出し、それ以降はパン売り場での仕事と、二週間目からは商品の発注が主な仕事でした。朝の品出しは、毎日さまざまな商品が届いて面白かったです。発注をやり始めてからは、生鮮食品以外の品出しは私に任せてもらえて、自分が前日注文した商品がちゃんと届くのがわかって、とてもやりがいを感じられました。しかし、野菜や果物は毎日店頭に出す種類や量が違うので、売り場の構成も毎日考えなければならず大変でした。開店後は基本的にパン売り場に立って、お客さんの注文を受けていました。商品の説明を求められることがたまにあり、最初は自分自身よく分からずうまくできませんでしたが、空いている時間に同僚に聞いたりして知識をつけていって、途中からは自分でお客さんに説明することができるようになりました。パンだけでなく、手があいているときは、惣菜の提供や接客、レジ、売り場の整理や掃除もしました。また、お店の中にちょっとしたカフェスペースがあったので、パンやスープの提供もしました。スープは毎日手作りで、その下準備を手伝うこともありました。商品の発注は、たいていオーナーがやってくる午後にしていました。慣れてくると、最終確認以外のすべてを任せてもらえました。お店の商品の管理はすべてPCのひとつのソフトでしていたので、操作を覚えたころには、発注だけでなく在庫の整理や値札作りなどもやりました。また、夜番の日には閉店後の掃除やレジ締めもやり、お店がどうまわっているのかすべて自分で経験して知ることができました。
休憩は朝と昼の2回、30分ずつとっていました。朝も昼も、お店で売っているパンなどから好きなものを選んで食べていいと言われ、また、休憩時以外でも自分で好きな飲みものを飲んでよかったので、とても助かりました。9月には卸業者の本社でBIO製品のメッセがあったので一緒に連れて行ってもらいました。多くのメーカーが参加しているメッセで、お店には置いていない商品や新製品などがたくさんあり、メーカーの人から直接説明を受けることができたのでとても参考になりました。
オーナーが日本や日本の文化に興味のある人だったので、彼女の時間があるときに、よく日本とドイツの違いなどについて話したり、一緒にお店で抹茶を点てたりしました。手巻き寿司を作ったり、折り紙を飾ったりもして、とても喜んでもらえました。また、彼女はBioladenを20年以上経営しているので、BIOについて非常に詳しく、話していてたくさん学ぶことができました。




・ ホストファミリー
私のホストファミリーはポーランド人の家庭で、両親と5人の子供と1匹の犬、それに2人のMitbewohnerがいる大きな家庭でした。家はドルトムントの中心地にもインターンシップ先にも30分以内で行ける場所にあり、便利でした。私の部屋は、他の2人のMitbewohnerとキッチン、バスルームが共同で、ひとつのWGのようになっていました。家族はその隣と2階に住んでいたため、自分から積極的に行かないとなかなか会うことはないような環境でした。残念ながら、私は仕事のあとに外に出かけたり、すぐ眠ってしまったりしたことも多く、自分からもあまり行かず、ほとんど家族と共有する時間を持たなかったので、それが原因で勘違いされて出て行く日にちのことで少し問題になりました。私はインターンが終わった次の週に発とうと思っていたのですが、ホストはインターンの最後の週のはじめに出て行くと思っていたらしく、わたしの部屋に次に入る人を呼んでしまっていたため、その誤解に気づいたときには、インターンの最後の数日間は出て行くか、Wohnzimmerにいてもらうしかない、と言われました。スリマンさんに間に入ってもらって、わたしは最後の日まで自分の部屋に滞在することができましたが、もう少ししっかり話をしていればこんなことにはならなかったのかなと思いました。

・ 最後に
私の場合、仕事は非常に楽しくやることができましたが、ホームステイはあまりよいと感じることができませんでした。その原因は自分にもあったと思うので、やはり何事も積極的にいかないとうまくいかないなのだなと強く感じました。しかしそれでもこのインターンシップから学んだことはとても多く、参加して本当によかったと思っています。ドイツでインターンシップをするという貴重な体験はこの機会を逃すとあまりないと思うので、参加を少しでも考えている学生にはぜひ挑戦してもらいたいです。

Thalia Dortmund 日下部友香

ドイツ語学科3年 日下部友香
インターンシップ先:Thalia Dortmund

出発準備
 私の場合はインターンシップの後に留学を1年する予定だったため、片道の航空券でドイツに渡りました。ドイツ入国の際に片道の航空券では問題が発生するかもしれないとは言われていたのですが、特に止められることもなく、住所を尋ねられることもなく、入国できました。保険は、東京海上の大学指定の留学保険に加入しました。
 ドイツ語の準備に関して、春学期に古田先生のインターンシップ特殊演習を履修しました。ゲーテ・インスティトゥートのオープンスクールの講座が開講されるはずだったのですが、震災の影響で開講されなかったため、個人での勉強が主でした。
 天気は、前半の3週間はサンダルや半そでで過ごせるほど暖かく、後半は厚手のジャケットが必要なほど寒くなったりしました。夜は基本的に寒い日が続いて、突然雨が降ったりしました。折りたたみ傘や、フードつきの服装を持っていくことを勧めます。

ホームステイ
 私が今回お世話になったのは、両親、息子2人、そして犬がいる家庭でした。去年、一昨年とすでに獨協からの学生を受け入れている家庭でした。部屋は、庭にある小屋のようなところで、かなり自由に動けました。部屋に飲み物を用意してもらい、好きに飲んでいいからと言ってもらいました。お風呂とトイレも外付けのものを専用にしていただき、自由に使わせてもらいました。ご飯は、朝と夜を一緒に食べさせてもらったので、食事代は昼のみでした。到着した次の日に弟が、インターンシップ先とAuslandsgesellschaftに案内してくれました。どちらもHbfに近かったので、分かりやすい道を教えてもらいました。
 基本的に週末はインターンシップの参加学生とサッカーの試合を見に行ったり、観光したりして過ごしました。日曜は家族にKirmesやParkfestに連れて行ってもらったり、一緒に買い物をしたりして過ごしました。私が滞在しているときに、家族がUrlaubで1週間旅行に行っている期間がありました。事前に話を聞いていたので、特に問題はなく過ごせました。去年滞在していた先輩が今年の春からドイツで職業訓練をやっていて、近いところに住んでいたので、うちに遊びに来たり、私が遊びに行ったりしました。

Dortmundでのドイツ語講座
 インターンシップ開始の前に行われるAuslandsgesellschaftでのドイツ語講座では、まず何を学びたいのかをみなで出し合って方向性を決めました。まず、全員で慣用句の練習をし、それを使って自分の研修先で使いそうな独作練習をしました。それから、後半は研修場所ごとにグループに分かれて、それぞれで使うと思われる単語練習を行いました。授業の後は、昔の石炭工場のようなところに行ったり、Hafenを見に行ったり、街中を地図を持って散策したりしました。毎年獨協のインターンシップのお世話をしてくれているSulimanさんに、夕食に招待してもらったりしました。本当にお母さんみたいな存在で、何か問題があるとすぐに動いてくれるので、とても心強い存在でした。

Thalia Dortmundでの研修
 ドイツ国内ですでに何店舗も展開している本屋さんで、職業訓練生がいたり、他にもPraktikumをやっている高校生がいたりしたので、あまり目をかけてもらうということはありませんでした。Betreuerinに至っては、休暇でいなかったので、まったく話すチャンスがなかったので、直接Chefinと話をしていました。
 初日にみんなの前で挨拶することもなく、最初に話しかけた同僚に案内してもらう途中で会った人に挨拶をするという感じでした。初日の仕事は、Kellerで値札付けをして、段ボールを崩して、ひたすら在庫確認でした。その在庫確認が膨大な量だったので、2~3日ほどずっとKellerでの労働となり、かなり不満はありました。しかし、Kellerで働いている同僚もいるので、これも仕事の一部であることは確かなので、やり遂げました。その仕事の次の日に、Kellerの同僚に「ほんとよくやった、頑張ったね」とプレゼントをもらいました。そこから、いろいろな仕事に回してもらいました。
新しい本の補充・整理、学校で使う文房具の補充・整理、在庫確認、値札付け、新しいコーナー作りなどが主な仕事です。毎週月曜日に、Spiegel Bestsellerの壁の本を入れ替えるのを何度もやらせていただきました。文庫や小説に限らず、いろいろな種類の本を並べるため、探すのが大変ですが、そのおかげでいろいろな同僚と話すチャンスができたので、とても楽しんでできました。仕事は自分で探さなくては、誰も探してくれません。「ここにはやることはないよ。」といわれるだけなので、自力で駆けずり回っていろんな同僚に聞いて、できることを探します。
 今年の9月14日に新しいショッピングセンターがオープンして、そこにThaliaの2号店ができました。その準備の搬送を手伝わせてもらい、まだ少し工事中の中を見学できました。かなり貴重な体験ができました。
 本の整理などをしていると、必ずお客さんに話しかけられます。最初のうちは全く答えられませんでした。どこに何があるかもわからないうえに、何を言っているのかわからないので、すぐに同僚を呼んで解決しました。お客さんによっては、Praktikantinだから仕方ないわねと言ってくれる人もいるのですが、たまに、すごく嫌な顔をされます。しかし、いちいち気にしていては何もできないので、すぐ次にやるべきことに、気持ちを切り替えることが大切です。
Thaliaでの接客にはfreundlichであることが大事なので、お客さんには笑顔であいさつし、本も丁寧に探します。本の内容から本を探そうとするお客さんもいます。そういう場合は、同僚に頼みます。店舗に設置されているPCを使って検索をかけます。それぞれがバッテリーを持っていて、それを接続するとそれぞれのページが表示されます。在庫管理、予約、検索等々ができます。
メモはきちんと取りましょう。メモに助けられることがかなりありましたし、みんな待ってくれます。同僚も仕事があるので、何度も同じことを尋ねるようになっては、仕事の邪魔になってしまします。もちろん理解しきれなかったところを聞くのは問題ありませんが。

最後に
このプログラムを実施するにあたって尽力してくださった、アルブレヒト先生、大串先生、渡部先生、スリマンさん、クラウディアさん、職場の同僚、ホストファミリー、助けてくださった方々にお礼申し上げます。

IVAM 田中晴久

ドイツ語学科3年 田中晴久
インターンシップ先:IVAM

語学研修
インターンシップが始まる前に、まずAuslandsgesellschaft Deutschlandという所で約10日間の語学研修を受けました。そこではただドイツ語を学ぶだけではなく、インターンシップに備えてすぐに使える実践的なドイツ語を学ぶことができました。それにClaudiaという先生がとても明るくて友達みたいに接してくれたので、みんな楽しく勉強できたと思います。授業が終わって午後からは、社会見学を通じてドルトムントの街を知ることもでき、毎日充実した時間を過ごす事ができました。週末にはSulimanさんがサッカーチケットを手配してくれて、たくさんの思い出ができました。

インターンシップ
私のインターンシップ先はIVAMというTechnologie Zentrumという所にあるマイクロテクノロジーの会社でした。主にメッセの企画、運営や学生向けのセミナー開催などを立ち上げたりする会社です。ドイツだけではなく、ヨーロッパをはじめ世界中にお客さんがいて日本にも繋がりのある会社だったので、働きがいがありました。IVAMは小さな会社ですが、将来海外で働きたい私にとっては非常に良い機会になりました。労働時間はだいたい8時半から17時前後までで、日本の会社とあまり変わりありませんでした。私は初めて仕事場を訪れた時に、まるで何年間もここで働いているような感じがして、不思議と同僚たちにとけ込む事ができました。そのおかげもあって仕事だけではなく、些細なことからプライベートなことまで同僚と話せるようになり、とても良い環境で仕事をすることができました。
私の仕事内容は、日独英翻訳、資料作成、メッセで集まった名刺の情報整理、日本への電話営業、そしてミーティング参加でした。過去のインターンシップ体験報告を事前に読んでいたので、主にパソコンを使ったデータバンクの仕事が中心かと思っていましたが、同僚に「それはつまらないからやらなくていいよ」と言われ、最初の方は暇な時間もありました。でもしつこく「仕事は無い?」と聞くと、急に1人でプロジェクトを任されたり、とても責任のある仕事もすることができました。もちろん自分の仕事が終わると暇な時もありましたが、その時はずっと同僚と色んなことについてひたすらお喋りしていました(笑)。色々な経験のある同僚の人と話す時間は、仕事と同じくらい貴重な体験だったと思います。始めはドイツの企業で働く上で自分のドイツ語に少し不安がありましたが、すでに1年間ドイツの大学で勉強していたこともあり、ドイツ語で困ることもほとんどなく仕事ができたと思います。会社のミーティングでも、専門用語は分からなくてもテーマの主旨は理解できたので、とても楽しかったです。
実際にドイツの企業で働いてみて一番感じたことは、個々の発言力です。日本では上の人を必要以上に敬って、時には経歴や性別によって自分の意見が言えない時が多々あります。しかしドイツは日本と違い、たとえ女性であろうと、研修生であろうとみんな一人一人自分の意見はしっかりと言います。それは社長に対しても同じです。最初のミーティングで社長の意見に対してだいぶ年下の同僚の人が「間違っている」とはっきり言った時には、とても違和感がありました。しかし、ドイツには日本みたいに変な上下関係がないので、こういったことは普通のことだったのです。社長も、私を含めた全ての人に意見を聞き、それを積極的に取り入れます。自分の意見が間違っている事を指摘されても、嫌な顔ひとつしません。この例でも分かるように、ドイツでは、自分の意見を述べる事が法で認められているのです。ですから、私もミーティングで聞かれた事に対してきちんと意見を述べることができ、気を使わずに気持ちよく仕事をすることができました。こういう風に日本と違う環境で仕事ができたことは、これからの自分の人生の大きなステップになると思います。

2ヶ月間のインターンシップは、あっという間に終わってしまいました。最後の日には色々な思いがこみ上げてきて、私は思わず泣いてしまいました。同僚の人達も一緒に泣いてくれて、最後は顔がぐちゃぐちゃになりながら1人ずつ抱き合ってお別れをしました。本当に悲しかったですが、でもまた何処かで会えると思います。最後にみんなから「大学終わったら働けば?」と言われ、とても嬉しかったです。最初の方は分からないことも多く、同僚に質問ばかりして迷惑もたくさんかけたと思いますが、時間が経つにつれて、私も会社のために働いているという実感や責任感が湧いてきて、毎日が楽しかったです。IVAMで働いてみて、初日から親しく接してくれた社長や同僚の手助けがあってこそ、この2ヶ月間充実した時間を過ごすことができたと思います。社長をはじめとした全ての同僚に、心から感謝しています。それに、一生付き合っていきたいと思うような同僚ができたことは一生の宝物です。もちろん今でも同僚とは連絡を取り合い、また会えるのを楽しみにしています。

ホストファミリー
私はインターンシップの間、Nieder家という所にホームステイさせてもらっていました。家族構成はお父さん、お母さん、娘さん、息子2人、そして猫数匹です。娘さんと大きい方の息子さんはもう自立していて実際には家には住んでいなかったので、私を含めて4人家族みたいな感じでした。家族はみんな基本的に親切に接してくれて、とても過ごしやすかったです。でも私が来たその次の日からお母さんと下の息子さんが旅行に行ったため、最初の10日間はお父さんと2人きりでした。後から知らされたのですがお父さんは少し病気で、何も知らされていない私は最初どうやってお父さんに接していいか分かりませんでした。お父さんは朝も10時くらいまで寝て起きて来なかったり、運転するわけでもなく車の中に居たりと、最初は少し怖くて本当に心配しました。それにお父さんは家の事は何も知らないし、一切家の事も手伝わない人だったので、何も家の事を知らされていない私にとってご飯や掃除が一番困りました。お母さんと息子さんが戻ってきてからは、状況が一転して普通の生活に戻りました。しかしまたお母さんが旅行に行って、基本的に外出が多かったので男3人の生活も長かったです。でも今回は息子さんが居たので、楽しく過ごす事ができました。この家族は本当にみんな親切ですが、お母さんが居ないとカオスです(笑)。

インターンシップを終えて
このような貴重な体験をする事ができたのも獨協大学をはじめ、アルブレヒト先生、渡部先生、Sulimanさん、Claudiaさん、IVAM、そしてホストファミリーの皆さんのおかげです。心から感謝しています。本当にありがとうございます。この経験を将来にいかすためにも、残りの大学生活をしっかり目標を持って過ごしたいと思います。

Hotel Unique Novum 小島志織

ドイツ語学科4年 小島志織
インターンシップ先:Hotel Unique Novum

語学研修
8月4日~8月10日までの間、Auslandsgesellschaftで語学研修を行いました。今年は、例年よりも期間が短かったため、授業予定が詰まっていて朝早くから午後までみっちりと行われました。研修中の講師Claudiaさんは、気さくで明るい人で、楽しい雰囲気で授業を受けることができました。内容は主に、自己紹介、道案内、電話対応の練習、助動詞、それぞれの研修先で必要であろうと思われる語彙力の強化等でした。授業はインターンシップ前に必要なものだと感じたので満足しています。午後のExkursionは博物館の訪問、ジャズを聴きに行くというような内容で、楽しかったのですがインターンシップにはあまり関係がないと個人的には感じました。これまでのプログラムのように、企業訪問のようなものがあれば更に充実した研修になったのではないかと思います。

インターンシップ
私は、Hotel Unique Novumで6週間研修しました。私はホストファミリーではなく、前から住んでいた留学先のEssenの学生寮からドルトムントまで通いたいと希望したので、Sulimanさんが中央駅から徒歩10分の場所に位置するこのホテルを選んでくださり、通勤面で不便を感じませんでした。仕事は、サービス、ハウスキーピング、受付の3部門をやらせて頂きました。時間は大体8時~14時まで、月曜から金曜まで働き、土日はお休みをもらえました。サービス、受付では白いブラウス、黒のズボンに黒の靴という服装で、ハウスキーピングは動きやすい服装(Tシャツ、ストレッチパンツ)でした。

・サービス
この部門では一番長く、3週間働きました。主な仕事は、レストランの朝食ビュッフェの準備、ゲストにコーヒーを運ぶ、食べ終わった食器の片付け、テーブルセット等でした。ゲストに毎回部屋番号を聞き、朝食の予約をしたか確認し、していない方からはサインをもらうので、ゲストとのコミュニケーションがとても多かったです。同僚の方々も優しく接してくださり働いていて一番楽しかったです。朝食の時間が過ぎた後は、結婚式パーティー、会議があるたびにそのための準備をしました。また、9月の上旬に他の企業と合併したために、たな卸し作業も手伝いました。膨大な食器の数を数えるのは大変でした。ちょうどこの部門で働いているときに、ホテルの隣にある Dortmunder Uという文化施設で日本のメディア展示会が開催されたため、その関係で日本人のゲストも多く、同僚の方に日本語の話せる人がいて助かると言ってもらえたのは嬉しかったです。テーブルセットはそれぞれ並べ方に意味があったので、それを学べたのは今後にも生かせそうなのでとても勉強になりました。

・ハウスキーピング
全99室ある客室を手分けして、フロアーごとに2~3人で働きました。この部門は肉体的にも精神的にもとてもきついものでした。部屋の掃除では、パーフェクトさとスピーディーさの両方を高く求められました。四つ星ホテルという評価を下げないためにも、ゲストが一番時間を過ごす部屋は一番大事であるため、そのぶんとても厳しかったです。私はベッドメイキング、拭き作業、掃除機かけを主に行いました。初日は要領がわからないぶん、手間がかかってしまいましたが、数をこなすうちに慣れて、早く作業することができるようになりました。ホテルという職場の厳しさをここでは学ぶことができました。

・受付
ここでの作業は、主にコピー、資料の仕分け、ゲストの荷物預かり、その日にくるゲストの確認、パソコンへデータ入力、チェックインの際のカードキーの作成、電話対応というような事務作業でした。事前研修で電話対応の練習をしてあったお陰で、電話がきたときは緊張はしましたが、落ち着いて対応することができました。チェックインも一度だけ自分一人で対応することができたのは嬉しかったのですが、緊張のせいであまりゲストに対して思いやりを持って接することができず、後から思うともっと丁寧な対応ができていればと後悔しました。受付の同僚から正しく丁寧な言葉遣いや対応を学ぶことができたのはよかったです。

最後に
一年間の留学の締めくくりに、今回このインターンシッププログラムに参加できてとても満足しています。自分が学んだドイツ語を職場で生かすことができたことは貴重な体験となりましたし、留学の成果を感じることもできました。また、Sulimanさんは常に私達の話に耳を傾けて下さり、とてもお世話してくださいました。そのため、安心してインターンシップにも取り組め、何か不安な部分があれば気軽に相談することができました。このような体験をする機会をくださったAlbrecht先生、インターンシップ期間中にお世話になったClaudiaさん、Sulimanさんに心から感謝します。


Kornhaus Naturkost 永野一葉

ドイツ語学科4年 永野一葉
インターンシップ先:Kornhaus Naturkost(Bioladen)

はじめに
 私は2010年夏から1年間マールブルク大学に留学し、その留学が終わった2011年の夏に直接ドルトムントへ向かいこのインターンシップに参加しました。長期留学を決めたときから帰国前にこのプログラムに参加することを考えていたので、事前にアルブレヒト先生に相談していました。日本で説明会などに顔を出すことはできませんでしたが、その内容などを先生が毎回メールで知らせてくれたので、とても助かりました。願書などの書類の提出は保護者の印鑑がいる等郵便に時間がかかることもありましたが、事前に両親にも話していたので問題はありませんでした。

事前研修(8月4日~10日)
 インターンシップが始まる前にドルトムントにあるAuslandsgesellschaftというところで語学研修がありました。そこでは獨協大学からのインターンシップ生全員で、勤務先で役に立ちそうなドイツ語を勉強しました。先生はとても気さくな人で、私たちの要望や質問に丁寧に答えてくれました。授業内容は、日常でよく使う表現や文法の説明、また電話の掛け方など充実していたと思います。電話での会話は実際にお店や企業に電話して練習したりもしました。この語学研修で習ったことはこの後のインターンシップでも活用できたと思いますし、生活面でも使う機会が多くあったので参加してよかったと思います。
 午前中の語学研修の後は、私たちのお世話をしてくれているスリマンさんと一緒にドルトムント市内の観光をしたり、みんなで夕食をとったりしました。港に行ったりコークス工場を見学したりしましたが、一番心に残っているのはDASAという博物館です。そこでは仕事に関する様々な展示があり、実際に体験することもできました。小学生の頃に行った社会科見学のようでとてもおもしろかったです。
 今年は例年よりこの事前研修期間が短かったらしく、予定が詰め込まれていたように感じます。語学研修も朝早くからあり毎日大変でしたが、あっという間の1週間でした。インターンシップが始まってからも毎週水曜日はみんなで集まり、スリマンさんに近況報告をしたり、その後カフェに行ったりしていました。その際に何か問題があれば相談していました。

インターンシップ(8月11日~9月21日)
 ここで働くことが決まってから個人的に店長とメールをし、自分の勤務時間や服装などのことを聞いていました。勤務時間は7:00~14:00と14:00~20:00があり、私はほとんど朝の時間で働いていました。服装は黒いトップスという指示をもらっていましたが、実際働き始めてきいてみると白でも可能とのことだったので、黒と白のトップスを現地で購入しました。ドルトムントはショッピングも充実しているので、容易に手に入れることができると思います。エプロンとPraktikantinと書かれた名札は店長が用意してくれていました。はじめの2週間ほどは店長が休暇中で不在でしたが、他の同僚の方たちが指示を出してくれたので普通に仕事を始めることができました。
 このBioのお店は小さなスーパーのようなもので、食品・パン・チーズ・肉類の他に野菜や化粧品など様々なBio製品が置いてありました。それぞれの分野ごとに担当の人がいましたが、長年働いている人が多いらしくみんなそれぞれのことに詳しかったです。朝の仕事は開店の準備で、入荷してくるパンを並べたり野菜を出したりしました。私ははじめパンの担当の人についていたので、その仕事から始めました。はじめはどのパンも同じように見え名前も値段もわからない状態でしたが、毎日やっているうちにわかるようになりました。開店の準備は1時間ほどで終わらせなければならないので次から次にしなければならないことがあり、仕事がわからないことにもどかしさを感じたこともありましたが、同僚の人が何をしているのか、どういう順番で準備をしているのかをよく見て、毎日少しずつできることを増やすように努力しました。野菜の整理や品出しも教えてもらいましたが、パンの仕事をした時間が一番多かったように思います。また、パンのコーナーはレジのところにあるので、レジの仕事もすぐに始めました。ドイツは野菜を量り売りしている場合が多く、それをレジでやっていました。見てすぐに野菜の名前がわからなかったりしたときは、同僚やお客さんに聞いて覚えていました。午後からの仕事もさせてもらい、その際は店の片付けや掃除などを教えてもらいました。月に1度行っているミーティングにも1度参加させてもらい、事務的な仕事の一部も知ることができました。土曜日に出勤してほしいと言われ急遽シフトが入ったりもしましたが、そういった時はかわりに月曜日を休みにしてくれました。志望理由を提出した際や店長と話しをした時に「お客さんとコミュニケーションがとりたい」という希望を出していたので、店長が試食コーナーを作るという提案をしてくれました。そのおかげで、そのお店で売っているもので巻き寿司を作り、お客さんに説明しながら試食してもらうという機会を1日いただきました。ドイツ人の方は正直なので嫌って食べてくれない人もいましたが、寿司を知っている人には好評で、お客さんともたくさん話すことができとても良い経験をさせてもらいました。その日はとても緊張しましたが、お客さんがおいしいと言ってくれた時は本当にうれしかったです。
 同僚の方もお客さんも優しい人ばかりで、この職場で働けて本当に良かったと思っています。わからなかったりドイツ語が聞き取れなかったりしてお客さんに嫌な顔をされることもありましたが、そういう時は同僚の人が助けてくれました。仕事内容も私が退屈しないように気を遣ってもらい、多岐にわたってサポートしてくれました。できない自分に落ち込むこともありましたが、周りの方の気さくな態度や何気ない会話が楽しくて、「まだまだ頑張ろう」と思うことができたと思います。

滞在(ホームステイ)
 私がホームステイしたのは、一人の学生のところでした。歳も近く、去年も受け入れていた人なのでこのプログラムについて詳しかったと思います。ドルトムントに到着した時も駅まで迎えにきてくれたり、インターンシップが始まる前にお店まで一緒に付いてきて道を教えてくれたり、様々な面でサポートしてくれました。家の近くに友達も多く、SpielabendやInternationalessenpartyなどを開催して大勢で楽しむ機会もありました。彼女が1週間旅行に行った時は家に一人でしたが、その時も近くに住んでいる友達が心配してよく連絡してくれましたし、またホストシスターも旅行前にいろいろと教えてくれたので大丈夫でした。一緒に買い物に行ったりケーキを焼いたりスタジアムに行ったり、彼女と過ごす時間もとても楽しいものでした。約2か月間という短い滞在でしたが、これからも連絡をとり続けたいです。

その他
 仕事が朝早いぶん14時までだったので、夕方はホストシスターと過ごしたり街まで行って買い物をしたりしていました。土日も基本的に休みだったので、他のインターンシップ生と遊んだり、みんなでサッカースタジアムに観戦に行ったりしました。1か月ごとの交通チケットを買っていたのでドルトムント市内は乗り放題でしたし、他の街へ行くのも遠くないのでZusatzticketを買ってゾーリンゲンやエッセンに行ったこともありました。

終わりに
 このインターンシップに参加することで日本への帰国も遅れるし長期の休みも実質ありませんでしたが、それでも参加して良かったと思います。1年間ドイツに住んでいましたが、それでも知らなかったこと、初めて経験することが多く、それは実際に働いてみないとわからないことだったように感じます。職場やステイ先で出会った人と話しをしてこれからの自分の将来についてより考えるようになりましたし、自分の未熟さやこれからもっと頑張っていかなければならないということを実感できました。新しい環境と課題を通して今の自分を見つめなおし、また自分のことをよく知ることができたと思います。これからの自分の将来を決めて行く際、この期間に考えたこと、感じたことなど様々な経験を活かしていけると思います。語学力に関してもレベルの低さを感じ、もっと勉強を続けなければならないと感じました。
 ホームステイ先もインターンシップ先も私はとても恵まれていたと思います。このような機会を下さった先生方、ドルトムントで出会った方々に感謝しています。これからこのプログラムへ参加するみなさんは積極的な姿勢を忘れず、アクティブに動き回ってください。6週間という短い期間ですが、自分の行動力で大きく変わります。私も、帰国後もここで習ったことを忘れずに頑張っていこうと思います。

ドルトムント市環境局 宇佐見彰那

ドイツ語学科4年 宇佐見彰那
インターンシップ先:ドルトムント市環境局Umweltamt

はじめに
今回私は、ドルトムント市の環境局で6週間のインターンシップを行いました。本報告書では事前語学研修や環境局での実習内容、ホストファミリーや休日の過ごし方など、ドルトムントで経験したり実感したことなどを書いていこうと思います。

* 事前語学研修(期間:2011年8月4~10日(1週間))

 この期間は日曜日以外の午前中に授業があり、他の参加者とも毎日顔を合わせていました。今年の参加者は計7名で、うち4人が1年間の留学を終えた学生、残り3人がこれから1年間留学する学生でした。私たちをお世話してくださる外国人局Auslandsgesellschaftの方々はみな親切で面倒見もよく、実習中も相談に乗ってくださったり提案をしてくださいました。Claudiaという先生が私たちのクラスの授業を受け持ってくださり、研修先で頻繁に使うことになる専門用語の一覧を個別に用意してくれたり、研修先が似たような職種の学生同士でペアあるいはグループになって相談しながら専門用語を使って文を考えたり問題を解いたりしました。授業後は、いったんお昼休みを挟んでからドルトムント市内の名所や観光地、博物館などに連れて行ってもらいました。途中ゲーム感覚で、一人ずつ学生が先導して指示された目的地まで地図を見ながら案内もしました。
 先生と私たちはduで呼び合い、授業中もみんな積極的に発言したり質問をしていたので、堅苦しさは一切なくスムーズに進んでいたと思います。また、午後のエクスカーションでも、学生だけでなくClaudiaさん、Sulimanさんも一緒に目的地に移動したり、レストランに行ったりし、みんなで楽しい時間を過ごせました。また、研修中も毎週水曜日の夜にAuslandsgesellschaftに集まって、各実習先に対する意見やこれから自分が自発的にしてみようと思うことなど、何でも自由に話し合うことのできる貴重な場を設けてくださいました。

* 実習(期間:2011年8月11日~9月22日(6週間)、勤務時間:8:00~16:00(月~木)、8:00~12:00(金曜のみ))

 <環境局の仕事内容、職場の雰囲気>
実習先では、主にいろいろな部局の方々のオフィス外での仕事に同伴し、ドルトムントの環境政策や取り組みなどについて勉強しました。環境局は市政のための局の一つなので、市内の工事や各市民個人単位の行動が環境に関する法律に触れていないかを監視する一方、会社や団体法人、市民からの各種申請(伐採や下水道をひくこと、魚釣り等)に許可を与える仕事をしています。このような役所の仕事は環境学を専攻していない私にとっては非常に難しい仕事であるため、私はほぼ毎日環境保護対策が行われている場所へ車で連れて行ってもらい、各部局の方々から仕事内容の説明やドルトムントの地理と土地活用の仕方、環境に対する取り組みの姿勢などを説明してもらいました。環境局の方々はドイツの大学で環境分野の博士号を取得している人が多く、知識が豊富で説明の仕方がとても上手なので、専門知識のない私でも6週間のインターンシップを通して非常に多くの知識を得ることができました。また、大体の職員さんがドルトムントのサッカーチームのファンであり、ほぼ毎週末にあるブンデスリーガの試合への評価や各選手のコンディションなどの話題は日常茶飯事でした。職場の雰囲気はとても良く、私のオフィスがあった水道局の方々とは一緒にコーヒーや紅茶を飲んで休憩したり、日独の違いについて話したりで非常に盛り上がりました。日本についても非常に興味を持ってくださったので、折り紙を紹介したり日本語や日本食、儒教について説明したりもしましたし、逆にドイツやポーランドの文化などについてもたくさん教えてもらいました。また、環境局では私の他にもう一人、ボーフム大学の法学部の学生もインターンシップをしていて、環境学の知識が少ない私たちのために局長が特別にエクスカーションをしてくださいました。その際、市内の環境保護地区や旧炭鉱やコークス製造工場などの産業遺産、人工湖などへ連れて行ってもらいました。
  
<実習内容>
私は他の実習先とは異なり、毎日職員の方に付き添って違う仕事をしていました。水道部門では、浄水場の見学や郊外の各家庭にある生活排水をろ過する設備の点検や市内を流れる再整備・自然化された運河の視察、洪水を防ぐための巨大な貯水穴の掘削作業の視察、郊外を流れる小川の状態確認、環境局が中心となり2010年に完成した、広大な工場跡地を再利用して造られた人工湖の概要や自然保護地区の説明を受けたり、Westfalenpark内の湖のpH値を中性に保つための設備の視察、雨水と汚水を分離して設置してある水道管システムを導入して建設が進んでいる新しい住宅地の現場の視察などを行いました。ごみ部門では、ごみ処理場の見学や実際にごみ山へ行き何が埋め立てられいてるのかを学んだり、大型ごみの不法投棄現場の確認とそれに対する住民の苦情に対応したり、旧ビール醸造場の取り壊し工事の視察、炭鉱跡地を駐車場として再利用するための工事の視察と工事計画の説明を受けました。土壌保護部門では、油で汚染された土壌の再自然化工事の視察やPCBという有毒物質を排出していた工場跡と付近にあるクラインガルテンの土壌サンプルの採取を体験しました。森林保護部門では、市有林の状態チェック、森林保護のための開墾を検討する実地検証、市有林の土壌の酸化を防止するためのヘリコプターによる石灰の散布の視察、市有林内の土でできた道路の土石での再舗装の視察を、土地利用を監視・計画する部門や市民の苦情に対応する部門では、騒音への苦情の対応、景観保護のための視察をしました。その他にはドイツ最大の水資源供給地であるHaltern am Seeへの給水施設の見学を兼ねた社内遠足や、環境保護に関する市議会への出席、環境局創立25周年記念式典への参加、IKEAの倉庫の見学を行い、毎日慌しくも充実した日々を送ることができました。

* ホストファミリー

私の受け入れ先は市の中心部にすむドイツ人の女性で、特別学校の先生をしている方でした。彼女の家は3階建てと非常に大きく、私の他に2人のドイツ人も部屋を借りて暮らしていました。ホームステイというよりはWGに住んでいるような感じでしたが、3人とも気さくでキッチンやバスルームの使い方などを丁寧に教えてくれたり、時間が合えばキッチンでおしゃべりをしたりと良い雰囲気でした。食事も各自で自炊していました。家にはバルコニーもあったので、そこで中庭を見ながらくつろいだり、ホストマザーにドイツ語で書いた日記を添削してもらったりもしました。日本食を作った代わりにドイツ料理をごちそうになったり、キッチンのテーブルの上に置いてあった新聞を読んでドイツのニュースについて質問して話し合ったりもしました。

* 休日の過ごし方

休日は、主に他の獨協生と一緒にオープンテラスでビールを飲んだり、サッカーを観戦しに行ったり、1年間留学していたデュースブルクやエッセンに遊びに行ったりしていました。ドルトムントは私の留学先と同じ地域にあるため、インターンシップ中に他の都市へ観光へ行くことはありませんでしたが、友達の家でInternational Essen Partyや私たちのためのAbschiedsparty、バーベキューなどに行っていろいろな国から来ている人と話したりしました。デュースブルクで大重先生とお会いしたり、実際にトルコ人街へも行ってみました。中でもヨーロッパチャンピォンズリーグ(ドルトムント対アーセナル)の試合をスタジアムで観戦したことが非常に印象に残っています。
2010年度 参加者:6名

IVAM 尾崎貴美

Praktikumsbericht


Was ist IVAM?

-Über IVAM
IVAM ist ein internationaler Fachverband für Mikrotechnik, Nanotechnologie und Neue Materialien, vor allem für kleine und mittelsständische Unternehmen. IVAM beschäftigt sich mit allem, was den Mitgliedern entscheidende Wettbewerbsvorteile verschafft.

-Mitglieder
Unternehmen, Institute, Körperschaften, Verbände und Personen, die mit Mikro- und Nanotechnologien oder Neuen Materialien arbeiten, können Mitglied werden.
Mitglieder sind rund 300 Unternehmen und Institute aus ca. 20 Ländern (seit 1995).

-Medien
IVAM hat hauptsächlich zwei Medien für die Mitglieder:

*MicroMedia
MikroMedia ist der E-Mail Newsletter von IVAM, dem Fachverband für Mikrotechnik. MikroMedia bringt Produktinformationen, Neuigkeiten und Stellenanzeigen von den IVAM-Mitgliedern sowie Nachrichten aus der Mikro- und Nanotechnik. Der Newsletter wird dreimal jährlich kostenlos an 4.000 Abonnenten auf der ganzen Welt versandt.

*inno
»inno« ist ein Fachmagazin für Mikrotechnik, Nanotechnik und neue Materialien. Mit Schwerpunkt auf der industriellen Anwendung in unterschiedlichen Branchen berichtet »inno« über neue Entwicklungen und Trends. »inno« erscheint dreimal jährlich und wird kostenlos als pdf-Datei per E-Mail an circa 3.000 Abonnenten verschickt.

*NeMa-News
NeMa-News ist der Newsletter des Bereichs Neue Materialien von IVAM. NeMa-News bringt Produktinformationen, Neuigkeiten und Stellenanzeigen von den Mitgliedern und Nachrichten aus der Werkstofftechnik. Der Newsletter wird kostenlos an mehrere Tausend Abonnenten auf der ganzen Welt versandt.

-Messe & Seminare
Wenn IVAM Mitglieder auf der HANNOVER MESSE oder COMPAMED ausstellen, kümmert sich IVAM um sie. IVAM bietet ein Komplettpaket in dem IVAMs-gemeinschaftsstands, das die folgenden Leistungen umfasst:


    Und IVAM stellt auch weitern Messen aus, zB:
    *Microsys 2010, 9/13-16, Stuttgart
    *nano tech 2010, 2/17-19, Tokyo
    *Exhibition Micromachine/MEMS 2010, 7/28-30, Tokyo
    *NANO KOREA & Microtech WORLD with Laser Korea 2010, 8/18-20, Seoul


    Meine Aktivitäten bei IVAM

    -Vom 11. August bis 17. September im Hiwi-Zimmer
    * Japanische Visitenkarten (Micromachine/MEMS)
    Ende letzten Juli hat in Tokio die 21. Exhibition Micromachine/MEMS stattgefunden. Die Daten der dort gesammelten japanischen Visitenkarten habe ich in „LUCY“, die Datenbank von IVAM, eingegeben.

    *Koreanische Unternehmen (NANO KOREA)
    Mitte August hat in Seoul die NANO KOREA stattgefunden. Ich habe die Exhibisitors Liste, die auf der Webseite von NANO KOREA steht, in den „Guide of Korea“ eingetragen, der auch in der Datenbank von IVAM online ist.

    *Besuch der offenen Zeremonie von Tokyo Institute of Technology in Düsseldorf
    Am 27. August fand die Opening Ceremony von Tokyo Institute of Technology in Düsseldorf statt. Frau Professor Hayashi hat über das japanische Erziehungssystem gesprochen und einen Überblick über das Tokyo Institute of Technology gegeben. Frau Hayashi und Herr Takahashi von Mitsubishi Corporation haben ein Projekt vorgestellt, das eine Brücke zwischen Tokyo Institute of Technology und deutschen Unternehmen und Instituten ist.

    *Summer School
    Am 25. August habe ich „Summer School” besucht und einige Unternehmenspräsentationen angehört.

    *3.NRW Nano-Konferenz
    Am 9. und 10. September fand die 3. Nanokonferenz in den Westfalenhallen statt. IVAM, MST.factory dortmund und der Fachverband für Mikrotechnik sind Veranstalter der Konferenz. Ich habe beide Tage dort gearbeitet. Meistens war ich an der Rezeption und habe die Namensschilder sowie die Ordner für die Vorträge an die Teilnehmer verteilt. Ich habe auch die Kopfhörer und Gewinnspielkarten ausgegeben.

    *Sonstiges: Lernen über IVAM, Ordnen der Dokumente, sich am Telefon melden, weitere Daten in r LUCY eingeben usw.


    Reflexion
    -…über meine Aktivitäten
    Während meines Praktikums habe ich fünf wichtige Punkte gelernt.
    1. spontan sprechen und fragen
    Ich hatte immer Angst, mit meinem Chef oder meinen Kolleginnen zu sprechen und etwas zu fragen, weil ich dachte, dass ich sie bei der Arbeit störe. Aber als Frau Kawamoto auf Urlaub war, habe ich bemerkt, dass ich von Frau Kawamoto abhängig bin. Danach habe ich mich bemüht, spontan zu sprechen und zu fragen.


    2. Prioritäten der Tätigkeiten und Fragen aufschreiben
    Wenn ich mehrere Aufgaben bekomme, vergesse ich oft etwas, auch wenn ich mich sehr konzentriere. Außerdem habe ich manchmal falsche Prioritäten bei den Aufgabe gesetzt. Deshalb dachte ich, dass ich immer die Tätigkeiten aufschreiben und nach Prioritäten ordnen muss. Dasselbe gilt für die Fragen.

    3. nicht eigenmächtig handeln & immer bestätigen lassen
    Als ich Dateien in der Liste eingegeben habe, habe ich nicht überspeichert, sondern eine Kopie gespeichert. Ich dachte, dass es unwichtig ist. Aber das ist sehr problematisch, weil es auch im Budget steht, dass heißt, doppeltes Budget existiert. Seither bin ich mit allem vorsichtig, besonders wenn ich etwas speichern muss. Wenn ich mit einer Aufgabe fertig bin, lasse ich immer betätigen, dass ich keinen Fehler gemacht habe.

    4. über Effektivität nachdenken
    Meine hauptsächliche Aufgabe war es, Daten einzugeben. Zuerst habe ich sie bloß eingetragen. Aber allmählich habe ich nachgedacht, welche Weise am besten und schnellsten ist.

    5. Telefon: Name, Firma, Angelegenheit fragen und notieren
    Am 31. August habe ich mich zum ersten Mal am Telefon gemeldet! Jedoch gerate ich immer noch in Panik, wenn ich ans Telefon gehe. Ich habe immer etwas falsch gemacht. Aber ich gewöhne mich allmählich, am Telefon zu sprechen. Ich glaube, dass diese Erfahrung das beste Lehrmittel ist, um Deutsch zu lernen.

    -Meine Ziele in Zukunft
    *hochmotiviert sein, Deutsch und Englisch zu lernen
    Im letzten Semester ist es nicht so gut gegangen und meine Motivation war schwach. Aber durch das Praktikum bei IVAM ist meine Motivation wieder hoch. Ich hatte viele Möglichkeiten, Deutsch zu sprechen und zu hören. Außerdem sprechen alle sehr deutlich, langsam und freundlich mit mir. Jetzt ist es mein Ziel, dass ich fließend Deutsch sprechen kann, wie Frau Kawamoto. Noch dazu würde ich gern gut Englisch sprechen, weil ich auch koreanische und chinesische Unternehmen betreut habe. Dabei musste ich Englisch lesen oder sprechen.

    *in einem internationalen Unternehmen wie IVAM zu arbeiten
    Vor dem Praktikum dachte ich, dass ich in Japan arbeiten möchte. Aber diese Einstellung hat sich geändert, ich möchte in Deutschland arbeiten. Ideal wäre, als
    Vertreterin einer japanischen Firma in Deutschland zu arbeiten.


    Diese Reflexionen sind eigentlich Selbstverständlichkeiten. Aber wenn ich nicht bei IVAM gearbeitet hätte, hätte ich diese wichtigen Einsichten nicht bekommen. Deswegen danke ich allen sehr, vor allem Herrn Kleinkes.






    インターンシップ報告書


                          尾崎 貴美

    研修先:
    IVAM
    研修期間:2010811日〜924


    IVAMとは?
    IVAMはマイクロテクニック、ナノテクノロジーおよびニューマテリアルを扱う企業・研究機関のためのインターナショナルアソシエーションです。IVAMは会員が市場競争において有益となるよう支援しています。具体的には、情報共有のためのメディア作成やメッセ出展など多岐にわたります。
    IVAM会員は約300におよぶ企業・研究機関からなり、その範囲はおよそ20カ国にも及びます。

    IVAMでの私の仕事
    * メッセ(Micromachine/MEMS)で集められた日本人の名刺の内容をデータバンクに入力

    * メッセ(NANO KOREA)に出展していた韓国企業の情報をデータバンクに入力

    * 東京工業大学のデュッセルドルフ支社オープニングセレモニーを訪問

    * IVAM主催のSummer School(学生のための企業による講習会)を訪問

    * 3.NRW Nano-Konferenz(3回ノルトライン・ヴェストファーレン州ナノコンファレンス)のスタッフ
     として補助活動

    * その他:IVAMについての勉強、書類整理、電話対応、データバンク管理等

    反省
    IVAMでの仕事を通してして学んだ5つのこと

    1. 自発的に話す・質問する

    2. 仕事の優先順位および質問事項を書き出す

    3. 独断で行動しない・常に確認を怠らない

    4. 仕事の効率を考える

    5. 電話対応:名前、会社名、要件を尋ね、書き留める

    結果および今後の目標
    * ドイツ語学習に対するモチベーションの向上

    * IVAMのような国際的な企業での就職

    これらの反省はとりたてて特別なことではなく、むしろ当たり前のことですが、もし自分が
    IVAMで働かせてもらっていなければ、学ぶことができなかった社会人になる上で重要なことだと思っています。こうした機会を下さった獨協の先生方、IVAMの社員の方々、とりわけクラインケスさんには感謝しています。

    ワイン商社 飯島怜香

    ドイツ語学科4年 飯島伶香
    インターン先:ワイン商社(Weinhandlung)
    語学研修期間:8月2日~8月9日
    インターン期間:8月11日~9月24日
    滞在先:ホームステイ

    《はじめに》
    私は4年生の3月からドイツのハンブルク近郊、リューネブルクの大学に留学しています。インターンへの応募のきっかけは、留学中の夏休みを平凡に過ごすことへの抵抗、留学生活半年後の語学力でどれだけのことを実践できるのかを試したかったから、そして何よりもインターンを通して多くのことを学びたいという気持ちからでした。将来的には日本とドイツの架け橋となる仕事がしたいので、ドイツに進出している日系企業を希望していたのですが、残念ながらドルトムントにはありませんでした。そこで、前々から興味のあったワインかビールの輸出入をしている会社で働きたいという希望を伝えたところ、紹介していただいたのが今回のインターン先でした。

    《Praktikum》(研修)

    インターン先には非常に恵まれました。優しい社長と社員の方に囲まれて研修をすることができました。ワインの商社と伺っていたので大きな会社を想像していたのですが、実際は小さな会社でした。基本的には午後2時か3時から出勤して夕方の6時まで研修をしました。初めの2週間は社長や社員の方による、ワインについての説明でした。その中で、ワインに関する質問をしたり、マーケティングについても少し学ぶことができました。働くというより「学ぶ」ということのほうが多く、ワインのテイスティング、どのワインがどの料理に合うか、ぶどうの種類の名前、どの国のどの地方から輸入されているワインか、ということを数々の文献や社員の方たちとのコミュニケーションの中で学ぶことができました。文献は社長が何冊も貸してくれました。学ぶうちに不思議と味の違いや特徴もわかるようになり、ワインの名前まで覚えることができました。ワインの勉強はすごく楽しかったです。その他は、月に1度開かれるワインセミナーの準備や、仕入れたワインを運び、それを店頭に並べるといった単純な仕事が主でした。接客となると、ワインの知識とネイティブ並の語学力が必要なので私にはできませんでした。

    9月は殆ど仕事がありませんでした。会社側も今回が初めてのインターン生受け入れで、尚且つインターン生が日本人ということもあり、手探り状態でした。研修期間が6週間ということも社長は知りませんでした。自分に用意されている仕事はないので、常に「何かできることはないか」や「これをしてもいいか、これがしたい」ということを聞いていました。
    働く時間も短く、仕事も少ないので、バリバリ働きたいという人には不向きです。ただワインに興味があって、もっとワインについて知りたいと思う人はセミナー感覚で参加してみるととても面白いと思います。仕事中に高級ワインもたくさん飲めますし、持ち帰りで何度かワインもいただきました。また、社員の方とたくさん会話ができます。女性初のソムリエとなったOGの野田宏子さんの話をして盛り上がったり、寿司に合うワインの話をしたりしました。社長の自宅に招待され、伝統的なドイツ料理をご馳走してくれた日もありました。最終日には大好きなQbAのRiesling Wein(リースリングワイン)3種類と、本をプレゼントしてくださいました。



    《Gastfamilie》(ホームスティ先家庭)
    私はGastmutter(ホームスティ先のお母さん)とカメルーンから来ている留学生1人と一緒に生活を送っていました。GastmutterはAuslandgesellschaft(外国協会)で働いている方で、インターン先が決まる前から彼女とは連絡をとり、会えるのをすごく楽しみにしていたのですが、残念ながら想像していた人と異なりました。着いた初日に家賃を請求されたり、食事を作って欲しければ週に50ユーロ支払ってと言われたり(これらは獨協大学と外国協会の間で事前に決定済みのことです)、シャワーは10分以内、洗濯機の使用不可、一週間に一度大掃除をしなければならないなどの決まりがありました。宿泊費用は大学が負担してくれるということを聞いていたので手元に現金がないということを伝えると、「それでは、あなたをここに住ませることはできないわ」と初日に言われたのはショックでした。食事に関しては常に自炊でした。一緒にテレビをみたり話したり掃除をしたりすることはあるのに食事は別というのは少し寂しかったです。シャワーの時間についても厳しく言われました。ドイツで半年生活をしてきたので、ドイツ人にとってどれだけ水が大切か理解していたつもりだったのですが8分のシャワーでも長いと言われ、さらに私がシャワーを浴びている時間を毎回計っていて、報告してきたこともストレスでした。他にも細々とした嫌味を言われました。留学先でもあまり住居に恵まれてこなかったのですが、Gastmutterとの暮らしは辛く、今まで以上のものだったので、楽しい生活を送ることはできませんでした。家にいたカメルーン人の女子学生とのコミュニケーションも初めはGastmutter以上に難しく戸惑いました。お互いネイティブのような発音ができないので会話をするのがやっとでしたが、1ヶ月経過したくらいから、相手が何を言っているのか理解できるようになり、仲を深めることができました。
    また、最後の5日間というところでGastmutterの都合により、いきなり家を追い出されてしまいましたが、友人のGastfamilieの助けもあり、5日間という短期間ではありましたが、新しい家庭で幸せな日々を送ることができました。Gastmutterが家を追い出してくれたおかげで新たな人と出会い、心が温まるほどの優しさにも触れることができたので良かったです。


    今振り返ると、このような気難しい人と約2ヶ月生活したことで、物事をはっきり相手に伝えることができるようになったので、少しは成長できたのかなと思います。最初は驚きますが、慣れてしまえばこちらのものです。「あ、こういう人もいるんだな」と思っていればいいだけの話です。ドイツ人が皆このような人だったら、ドイツを嫌いになっていますが、最後に出会えた家庭や周りの人は優しかったので、自分は運が悪かったのだと割り切って生活することができました。どのドイツ人に話しても彼女は変わっている女性だと言っていました。来年からはこちらの家庭への受け入れ願いはしないと外国協会の責任者のスリマンさんも言っていたので安心してください。私からもよくお願いしておきました。

    《アドバイス》
    たとえ受け入れ先が今回のような家庭であっても、外国人学生を家庭に受け入れてくれていることには感謝しなければなりません。まわりの人たちの環境と比較したらきりがないので「他人は他人、自分は自分」と言い聞かせましょう。辛い環境もチャンスに変えていくことができれば、振り返ったときに「いい経験だったかもしれない」と思えるでしょう。

    《最後に》
    今まで出会ったことのない不親切なドイツ人(Gastmutter)と、親切すぎるドイツ人(社長)の両方と2ヶ月という期間を過ごし、自分がおかしくなってしまうのではないかというくらい対応に疲れましたが、プラスマイナスゼロということでなんとかバランスがとれていました。私の中で、社長に出会えたことが今回のプログラムの一番の支えとなっていました。
    仕事のない週末はFerienticket(休暇用チケット)を使ってボン、ケルン、デュースブルク、デュッセルドルフ、エッセンなどに足を運びました。9月はほとんど仕事がなかったので、もともと留学しているリューネブルクに帰ろうかと思っていましたが、(社長も承諾してくださっていましたが)なんとなく社員の方々との別れが寂しくて、予定通り下旬まで残りました。ハプニングはありましたが、そのおかげで新たな家庭にも巡り会えたので、結果的に良い終わり方ができたかなと思います。また、仕事が少なかった分Agdの英語とドイツ語の語学コースに無料で参加することもできたので良かったです。


    Bioladen Kornhaus(有機栽培製品販売 Kornhaus)酒井美愛

    ドイツ語学科4年 酒井美愛
    インターンシップ報告書

    研修先:Bioladen Kornhaus(有機栽培製品販売 Kornhaus
    研修期間:2010811日~2010922

    ・語学研修 (82日~89)
     語学研修では、ドイツの都市の名前や道の尋ね方、説明の仕方、文法の復習などから始まりました。それ以外にも電話のかけ方を習い、希望者は実際に電話をかけて質問をする(例えば語学学校に電話をして、日本語のコースはあるか尋ねるなど)練習をしました。電話をかけてみることは実際にドイツにいなければ出来ないことなので、ためになりました。強制ではないのですが、来年インターンに参加する皆さんは是非挑戦してみて下さい。
     それ以外にも課外授業で公園や市庁舎を訪問したり、私達のお世話をして下さったFrau Sulimanとアイスを食べに行ったりビールを飲みに行ったりなどとても楽しく、またためになる時間を過ごしました。課外授業に行く前にはその場所に関係のある文章や単語を勉強し、事前に知識をつけてから訪問するのでためになりました。また訪問後も復習として何があったか、自分が興味を持ったことや、新しく学んだことを授業で説明しなければならないので、ただ見学するだけではなく勉強になりました。

    ・インターンシップ(811日~922日)
     私の研修先はDortmund市内にあるBio(バイオ製品)のお店Kornhausでした。Kornhausには野菜や果物、パンやケーキ、チーズ、ソーセージ、牛乳などスーパーで販売しているようなものから化粧品も扱っていました。全ての商品が有機栽培や無農薬、無添加なので少し他のお店よりも値がはるため、始めは裕福なお客さんや年配の方しかいらっしゃらないと思っていました。でも実際は若い学生の方たちも利用していて、特にお客さんの年齢に偏りはありませんでした。
    勤務時間は初日は9時~14時までの5時間でしたが、翌日からは7時から~14時まで(たまに13時まで)7時間働きました。慣れてくると、14時から20時まで(片づける時間も入れると21時少し前まで)の午後勤務もありました。たいてい月曜日から金曜日のシフトで土日はお休みをもらえました。たまに土曜日に仕事が入ることもありましたが、その場合は金曜日など他の曜日にお休みがいただけました。
    服装は上は黒か白と決まっていたらしいのですが、事前のメールでは服装は自由と聞いていたので黒や白の服はあまり持って行っておらず、急遽あちらのH&Mなどで安いTシャツを購入しました。下は特に指定はありませんでしたが、ジーパンか短パンやスカートに黒いタイツを合わせてはくなどあまり派手な色は着ないように気を付けました。エプロンと名札はあちらで支給されました。ただ、たまに他の従業員の方で緑色の服を着ている方もおり、私も服がないなら他の色でも良いよと言われたので、そこまで服装に厳しいというわけでありませんでした。
     私の主な仕事はパン、ケーキ類の販売とレジ打ちでした。働き始めて1週間たった頃に店長さんと二人で面談があり、何か興味の仕事はあるか、どんな仕事をしたいか話しあいました。私はドイツパンに興味があったので、パンを担当したいと希望しました。それ以外にも慣れてくると、チーズやソーセージ類の量り売りや、毎日お店で手作りするサンドウィッチを作りました。
    毎日7時に出勤すると、まずパン屋さんから運ばれてきたパンとケーキ、キッシュなどを棚とケースに並べます。それから全商品に値札を付けるのですが、始めは名前と商品が一致せず苦労しました。1週間もすれば大体の商品の名前を覚えることが出来ました。たまに人手が足りないので、野菜と果物の陳列を手伝うこともありました。
    レジ打ちは元々、日本で経験があったので初日から一人で任せてもらえました。バーコードがあるものは簡単なのですが、野菜や果物は表を見て番号を打ち込まなければならないので始めは名前が分からないものが多く、他の従業員に聞くか近くにいない場合はお客さんに聞きました。常連のお客さんが多く、皆さん嫌がらずに名前を教えて下さりとても良い職場でした。ほとんど毎日来店するお客さんは私の名前を覚えて下さり、中には日本語を覚えて日本語で挨拶して下さるお客さんもいました。
    午後出勤の場合は閉店まではレジ打ち以外はあまり仕事はありません。閉店1時間前になるとケースの掃除や機械の掃除、床掃除などの掃除を始め、お客さんが店内にいなくなると野菜と果物を冷蔵庫に入れるものを仕分けします。前日からのケーキやパンが残っていると家に持ち帰らせてもらえました。
    午前勤務でも午後勤務でも、毎回30分の休憩があり、好きな商品を食べて良かったのでお昼代はかかりませんでした。また、勤務中にものどが渇けばコーヒーや紅茶、ジュースなど好きなだけ飲んで良いと言っていただきました。
    最初の1週間は3人の従業員と私の4人で働き、ほとんど他の従業員の方が横にいてフォローして下さっていたのですが、2週間目からは従業員2人に私の3人でほぼ同じ扱いで仕事をやらせていただきました。始めは心細く思うことや、うまく出来ないこともありましたが、信用していただいているのだと思うとやりがいもありました。書類の書き方や、予約注文のとりかたなどミスが許されない仕事もありましたが、自信がないときにはすぐに質問してくれと言われていたので大きなミスは起こさずにすみました。
    店長さんはとても良い方で、面談の際に私がドイツパンに興味があると言うと、契約先のパン屋さんにその場で電話して下さり、一日だけパン屋さんでも研修させていただきました。夜の21時から朝の5時までパンをこねる所から見学させてもらい、簡単な作業は一緒にやらせて下さり、最後には私が一番好きだと言った焼き立てのパンをいただきました。
    また、旅行に行きたいなど休みが欲しかったら遠慮せずにいつでも言ってね、と言っていただき、実際何日か余分にお休みもいただけました。
    Kornhaus
    の従業員も皆さんとっても良い人達でした。始めは敬語(Sie)で話していたのですが、途中から皆さんに敬語で話さなくて良いよと言っていただき(ただ、店長さんは別です)上下関係なくとても仲良くしていただきました。大学生のアルバイトや売り子のAusbildung(職業教育)を受けている女の子など、年齢が近い人たちもいたのでよくお喋りをしていました。女の子とは仕事の無い日に町に出かけるなど勤務時間外でも仲良くしてもらいました。今でも連絡を取り合っています。他の従業員の皆さんにも、また絶対会いに来るんだよと言っていただきまし。
    Kornhausは本当に働きやすい良い職場です。もし、来年インターンはしたいけど何がしたいか分からないという方がいたらKornhausをおすすめします。朝7時からと早い時間からの仕事なので、早起きしなければなりませんが、そのぶん午後は好きなことに使えるのでとても有意義な時間を過ごせると思います。
    短い間でしたが、Kornhausで働くことができて本当に感謝しています。

    ・ホームステイ
    私のホストファミリーは本当に素敵な家族でした。お父さんとお母さん、子供は21歳のお兄さんと16歳の弟さん、犬が一匹の4人家族でした。ドイツに行く前から連絡を取り合い、私が到着する時間は21時過ぎと夜遅かったにも関わらずDortmundの中央駅までお母さんと16歳のホストブラザーが迎えに来てくださいました。
    お母さんと弟さんには毎週末カクテルバーに一緒に行ったり、自転車で家の近辺を散策したり、蚤の市に行ったりなど色々な所に連れて行ってもらいました。お父さんとも犬の散歩に一緒に行ったり、庭で日向ぼっこをしたりテレビを見たりしながらたくさん話しました。またパン屋さんでの研修の日、私が働いたパン屋さんがあまり治安の良くない場所にあったので、早朝にも関わらずわざわざお父さんが車で迎えに来て下さいました。お兄さんにも友達10人ほどと一緒にキャンプに連れて行ってもらったり、Parkfest(公園祭)というお祭りに連れて行ってもらいました。特に弟さんには、語学研修の初日には学校まで連れて行ってもらい、インターンの前日にお店まで一緒に下調べについて来てくれるなど、とてもお世話になりました。私は自分のPCを持っていなかったので、弟さんの部屋でインターネットも使わせてもらいました。ホストファミリーだけではなく、おじいさんやおばあさん、おじさんやおばさん、いとこなど親戚の皆さんにも良くしていただきました。
    私の部屋は庭にあるガーデンハウスで中にはベッドと冷蔵庫、机と椅子、テレビ、棚がありました。
    冷蔵庫には水やココア、オレンジジュースなどが用意されていて、あなたのために用意したから好きなときに飲んでねと言われました。シャワーとトイレも私専用のものがあり、タオルもたくさん置いてありました。ご飯も一緒に食べられるときには一緒に食事をし、時間が合わない時にも好きに食べて良いと言って下さったので食費は個人的に外食をする以外は全くかかりませんでした。一度お礼に日本食を作ったらとても喜んでくれ、プレゼントした箸で残さず全部食べて下さいました。
     最後の日にはお母さんがわざわざ仕事を休んで、Dortmundの中央駅まで送ってくれました。とても親切にしていただいたので、最後は離れがたかったです。

     ・その他
     Dortmundは今年の夏は特に寒かったらしく持っていった上着では薄すぎて、急遽ジャケットを購入しました。半そではほとんど必要ないほどでした。お金は事前に10万円くらいは持っていきなさいと言われたのですが、私はインターン先にもホームステイ先にも恵まれていたのでお金は半分の5万ほどで十分でした。ただ、私はスイスに旅行に行くなど遠出もしたのでその分のお金はもう少し必要でした。
    電車のチケットは8月に購入した夏休み期間限定のチケットに50ユーロ、9月に購入した定期券代43,10ユーロかかりました。Schöne Ferien Ticket(休暇用チケット)ではDortmund近郊の街(デュッセルドルフやケルンなど)にも行けるのですが、一般の定期券ではDortmund市内しか移動できないので、たくさん旅行がしたい方はもう少し必要だと思います。

    ・最後に
     インターンの参加を迷っている皆さん、少しでも興味があったらぜひやってみてください。始めは緊張もするし、大変なこともあるかもしれませんが、やってみて損はないです!絶対に良い経験になります。
    このような機会を与えて下さったAlbrecht先生、大串先生を始め獨協大学の方々、Sulimanさんを始めAuslandsgesellschaftの方々、そしてKornhausの皆さん、ホストファミリーに心から感謝しています。本当にありがとうございました。

    Westfalenpark(ヴェストファーレンパーク公園) 宗政万悠

    2010年度インターンシプ・プログラム報告書
    ドイツ語学科2年 宗政万悠

    インターン先:Westfalenpark(ヴェストファーレンパーク公園)
    期間:2010816日~922
    労働時間:9時~15(変動あり)
    仕事内容:イベントのオーガナイズ


    • 語学研修(期間:201082日~89)
    インターンが始まる前にAuslandsgesellschaft(外国協会)で1週間の語学研修を行いました。
    そこでは基本的なドイツ語の文法、ことわざ、ドイツの地理や道の教え方、企業でのドイツ語などを学びました。授業はもちろんドイツ語で行います。授業の開始時間は不規則でしたが、基本的には朝の910時の間で、終了時間は16時~17時の間でした。授業が終わった後にはみんなでレストランやアイスカフェに行き、ドルトムントを観光して回りました。
     大半の日は半日を使って、ドルトムントの街中や名所の観光、市長との面会、REWE(大手スーパー)の倉庫の見学や博物館などへの訪問がありました。これらは興味深いものばかりなので、私自身とても楽しむことが出来ました。


    • インターンシップ(2010810日~922)
    89日に語学研修が終了し、1日の休暇の後、本格的にインターンシップが始まりました。私は16日からWestfalenparkでのインターン開始が決まっていたため、最初の3日間はAuslandsgesellschaftでパンフレットにはさむフライヤーを作るなど、簡単な事務作業をしました。
    私のインターン先はWestfalenpark(ヴェストファレンパーク)と言う公園で、敷地は7ヘクタールもあります。公園の中にはバラが多く、湖もあって、ドルトムントの象徴でもあるテレビ塔、カフェ、レストランやバレーのスタジオなど様々な施設もあるとても大きな公園でした。
    庭師は100人以上いるそうですが、私がインターンを行った公園の事務所には10人ほどの従業員しかいませんでした。小さな事務所なので事務所内はもちろん、庭師の方々もほとんどが顔見知りでした。

    仕事は園内で行われるイベントのオーガナイズだったので、事務所ではもちろん、外でする仕事もありました。
    事務所での仕事としては、ファイルの整理やイベントのお知らせの作成、公園に関する新聞記事の切り抜き、請求書の作成を主に任されました。イベント企画のための外部との会議にも同席しましたが、理解することは困難でした。
    外での仕事としてはイベントのポスターを公園内に張り歩いたり、イベントの際にはお金を徴収したりしました。
    もちろんすべてドイツ語で理解し、処理しなければならないので大変なこともありましたが、困ったことがある時は同僚がサポートしてくれたので仕事は最後までこなすことができました。
    お昼の時間などには同僚と公園を散歩したり、公園内にあるカフェでお茶したりとのんびりと過ごしていました。
    ただ、イベントがないときにはすることもないので、仕事があるときとないときの差は激しいと感じました。たまに一日中新聞を読んでいたり、コピー取りしかしなかったりと、退屈に感じる時もありました。しかし仕事がないときに私から何か手伝えることがないか聞くと、同僚も私のためにすることを一生懸命探してくれて、逆に申し訳なく思うことも多々ありました。


    ★ホームステイ
    私は一カ月ずつ二つの家にステイしました。
    一つ目のステイ先は40代の夫婦の家でした。彼らには子供がいなかったので、本当の子供のように可愛がってくださいました。家はとても広く、ユニットバス付きの部屋を一人で使うことができました。家の近くには地下鉄の駅もあって、街から10分もかからないとてもアクセスのいい家でした。二人とも働いていたので、平日は一緒に朝食を摂ることはできませんでしたが、夜や休日には映画を観に行ったり、車で遠出したりショッピングをし、ケーキやご飯を作るなどして一緒に過ごしていました。


     Mit meiner Gastmutter, Anne

    Mit meiner Gastfamilie, Rolf und Anne bei einer Lichterfst

     二つ目のステイ先はシェアハウスのような家で、二人の40代の女性がシェアしていました。家には三匹の猫と一匹の犬がいました。二人ともとてもアクティブな女性で、友達とよく出かけていたので、そこに一緒に連れて行ってもらい、彼女達の友達とも一緒にご飯を食べたり映画を観たりしました。また家に友人を招いてご飯を一緒に食べたり、ボードゲームをして遊びました。
    二つともまったく違う家でしたが、どちらもとても優しく、ともに楽しい時間を過ごすことができました。

    ★費用
    ホームステイだったので基本的に、朝昼晩の食事はホストファミリーが面倒を見てくださいました。
    私の場合は航空代を除いて、ドイツでの交通費、洗面用具(シャンプーやボディーソープ)、遊びに行くときのお金を合わせて、全部で十万円弱あれば充分でした。
    日本から渡航する際に日本円で六万円をユーロに換金しました。ドイツではクレジットカードがほとんどのお店で使え、同じカードでお金を下ろすこともできたので困ることはありませんでした。ただ、使えないカードもあるので注意が必要です。
    ドイツでの交通費は、ドルトムント市内のすべてのバスや電車で使える若者向け定期券(Young Ticket: 43,10ユーロ)を買いました。少し遠出したい場合には、追加料金を払えば行けるそうです。

    ★最後に
    仕事に関してはイベントのオーガナイズと言っても事務作業の方が多かったので、もしたくさんドイツ語をしゃべりたいという方にはお勧めしません。販売や接客の方が人との交流が多くあります。ただ、この公園出の仕事は、日本とドイツの職場の差をすごく感じることのできる場だと思います。とてものんびりしていて、皆せかせかしていないので、職場の雰囲気はとてもいいと思いました。
    ホームステイに関しては、ドイツの生活、文化の一部を知るいい機会になると思います。
    もし行くチャンスがあるのなら、インターンシップに参加する事をお勧めします。他ではできない経験だし、今しかできないことをたくさんしてください。インターン中は仕事をすることも大事ですが、ドイツを観光したり、遊んだり、あっという間に過ぎる二ヶ月を有意義なものにしてください。そして何事にも受身ではなく積極的に、自分からドイツ語を喋り、ドイツ人の輪に加わるようにしてください。ドイツでしか経験できないこと、学べないことをたくさん吸収して、自分のものにしてください。すべてが語学の上達はもちろん、自分の自信にも繋がります。

    私のインターンをサポートしてくださった皆様に感謝します。ありがとうございました。


    Von Links,Mia, Mayumi, Takami, Reika, Fr.Suliman, Mayu, Yukari




    Musikforum Demond(音楽関連事業) 渡辺麻友美


    インターンシップ報告書
    渡辺 麻友美
    インターンシップ先: Musikforum Demond(音楽関連事業)

    • Wohnung(住まい)

    私が住んでいたところは街の中心部から近い所にある、仲間で共同生活をするWG(
    Wohngemeinschaft)
    でした。最初、ドルトムントでのインターンシップ中私たちの面倒を見てくださるAuslandsgesellschaft(外国協会) SulimanさんからホームステイとWGどちらがいいかと聞かれ、春からの留学でホームステイをしていたこともあり、経験のないWGを希望しました。獨協大学からのインターンシップ学生としては今回初めてステイ先としてWGを採用した、ということでしたが、Mitbewohnerin(一緒に住む女性)はとても親切な方で、教員をしていることもあり、ゆっくり話してくれたり、ドイツ語を教えてくれたりと、初めてWGに住む私にも馴染みやすく、良い体験をすることができたと思います。ただ、お互い自分の生活中心で過ごしていたので、他の家庭のように、家族と一緒に何かしたり、一緒に出かけたりすることはありませんでした。それでも、顔を合わせれば話をよくしましたし、コミュニケーションをとる、という点ではホストファミリーに滞在するのと大した差は無いように思いました。また、お互いに自分の生活リズムで生活していたので、相手に気を使うこともなく気楽に生活でき、私にとってはストレスを感じずに済む環境でした。また、U-Bahn(地下鉄)で5分ほどでHauptbahnhof(中央駅)に出られ、5分ごとに走っていたので、とても立地が良く、Praktikum(研修)先が遠くなってもそれほど苦もなく通うことができました。他の人達は中心部から遠いところに住んでいたので、金曜日の夜や、土日に出かけた帰りなどにみんなで私のところに集まって、食事をしたり泊まっていったりしていました。

    • Praktikum(研修)

     音楽に興味があり、ゼミでも留学先のブレーメンでもドイツの音楽を勉強していたので、コンサートエージェントなど音楽関係の職場でインターンを希望していたのですが、オフシーズンのこともあり、なかなか見つからず、1つ見つかっていたケルンでのインターンシップもドルトムントに着いてから突然「毎日ケルンに通うのは大変だから」とキャンセルとなり、Auslandsgesellschaftと同じ建物に入っている旅行会社でインターンシップをすることになりました。しかし、そこでは何も仕事がなく、「何かできることはないか」と訊いても、「ネットやってていいよ」と言われてしまい、一日中ただいるだけになってしまいました。そのため、初日後すぐにSulimanさんに相談して、他のインターンシップ先を探してもらい楽譜ショップのMusikforum Demondに行くことになりました。しかし、ここは私の研修期間中の8月末から引越し・事業内容の変更をすることになっていました。

    ☆ショップ
    このお店は家族だけで経営している小さなショップで、たまにChef(チーフ)のご両親が手伝いに来たり、お客さまともとてもフレンドリーに話をされていて、とてもアットホームなお店でした。ここでの勤務時間はお店が開店する9時半~18時でお昼休みが30分でした。お昼休憩の時間は特に指定されていなかったので、自分の仕事の区切りがいいところでとっていました。お店の近くには噴水のある小さな広場のようなところがあったので、天気がいい日はそこへ行って、お昼ごはんを食べていました。お店での仕事は、まず毎朝配達されてくる楽譜をパソコンにデータ登録して、バーコードを貼る、という入庫処理からやりました。


    ここは楽譜のネットでの受注販売とショップをやっていたので、入庫されてくる楽譜の多くは、在庫切れになっていたもので、出版社から取り寄せたものでした。注文を受けていた楽譜は入庫処理をした後、バーコードに一緒に印字されているお客様番号を元にInvoice(インボイス、仕切り状)を作成し、個々に包装をしなおして、重さを量り、切手を貼る、もしくは伝票を書いて発送の準備をしました。毎日大体12時くらいにDHL(小型荷物運送社)のピックアップサービスが着ていたので、それに間に合うように発送準備を済ませて、出荷をするのが毎日の午前中の仕事になりました。これが終わった後は、お店で楽譜の整理や、その月に発売された楽譜のデータを使って、HPに新譜のリストを作成し、発注画面を作っていました。これらの作業は店内でやっていたのですが、お店で働いていたのは最初の1週間ちょっとで、どこにどんな種類の楽譜が置いてあるのかを把握していなかったこともあり、接客をすることは難しく、お客様に訊ねられてもChefに取り次ぐことしかできませんでした。


    ☆ショップの引越し
    引越しの準備としてまず、在庫の整理を行いました。わたしがやったのはCDの整理で、商品番号ごとに何枚残っているのかを数えました。ただ、これをしたのは1つのシリーズのCDだけでした。他のCDは演奏者・楽団別におおよそで分けて、ダンボールにしまうだけでした。最初、作曲者で分けるのだと思っていたのですが、奏者ごとに分けるのは、コンサートがあったときにコンサートホールでの出張販売や、コンサート後などに問い合わせが来たときに対応しやすくするため、ということでした。
    ショップでの引越しの作業は力仕事が多く、私が手伝えたのは箱詰めと掃除でした。引越し後はショップを閉めて通信販売だけにすることになっており、新しい職場はオフィスになりました。新しい場所に移ってからはお店から運んだ全ての楽譜を作曲家別・編成別にアルファベット順に整理しなおして、棚に収めていきました。この作業が一番大変で、お店にある時点で大体は分けられていたのですが、不特定の人がいじるため、混ざり合っていて(例えば、BachBeethovenの欄に、Trio(トリオ)がQuartett(クワルテット)の欄、など)、それを全てチェックしながら分類しなければなりませんでした。この作業は1週間では終わらず、お店から運んだ状態で一旦棚に収め、オフィスでの仕事開始後に毎日少しずつ整理していきました。

    ☆オフィス
    新しいオフィスはWittenというドルトムントの隣の小さな町にあり、そこまでドルトムントのHbfからS-Bahn10分、その後バスで10分もしくは歩いて30分でした。時間は短いのですが、S-Bahn1時間に1本しかなく、バスも本数が少なかったため、結局通勤には1時間ほどかかりました。しかし、ドルトムントから通うことを考慮して下さり、お店で働いていたときよりも勤務時間が短く、10時~17時になりました。ここでの仕事は、お店で働いていたときにもやっていた通信販売の仕事でした。インターネットを使っての通信販売はまだ移行したてだったようで、HPにはあまり楽譜がリストアップされていませんでした。そのため、私の仕事は色々な出版社のHPから楽譜のリストを持ってきて、こちらのHP上にアップしていく、といものでした。また、この仕事とは別に、発注を受けた楽譜で、在庫があるものを探してくる、ということもやりました。最初は出版社名を言われても、どの表紙だかわからず、「この楽器のこの棚にある」といわれても見つけるのに苦労しましたが、毎日整理したり、リスト作成のために見ているとだんだん憶えてきて、スムーズに見つけることができるようになりました。
    このほかに、たまにMusikschule(音楽学校)への配達・修理のために楽器の受け取りに同行させていただきました。WittenにあるMusikschuleはとても古い建物で、素敵なところでした。小学生くらいの子供たちが学校後に通って音楽を習うところだそうで、様々な楽器がありました。

    Jeki(『どの子供にも一つの楽器を』)
    インターンシップを通して、新しくできた教育法でJekijedes Kind ein Instrument「どの子供にも一つの楽器を」) というものを知りました。これの準備でMusikschuleから楽器や楽譜の注文が多くありました。ほとんどはDHLに配達を委託していたのですが、近隣のMusikschuleにはChef自身が届けに行っていたので、届けに行くときは同行させて頂き、Jekiについてや、ドイツの音楽教育について色々と知る機会を得ることができました。Jeki関連の仕事で一番すごかったのが、隣町のUnnaというところのMusikschuleからの仕事で、ギターとマンドリン合わせて150本以上を配達しました。これは、配達の前に別々に包装されている楽器とケースを開けて、全ての楽器を私のインターンシップ先のMusikforumでケースに詰めなければならなかったので大変でした。

    ☆最後に
    ただ、やはりオフシーズンのため、8月のうちはMusikschuleからの受注はほとんどなく、9月に入って増え始めたころにインターンシップが終わってしまったので残念に感じました。音楽だけでなく芸術・文化関係のインターンシップは夏休みではなかなか良い受け入れ先が見つけられないそうです。私もコンサート自体はなくても、準備の仕事くらいはあるのでは、と思って希望しましたが最初希望していたような仕事は結局できず、インターンが始まってからもバタバタする羽目になってしまいました。
     また、せっかくドイツでインターンをするので、人とのコミュニケーションが多くとれる職場で働くのがいいように感じました。私の場合はお店があったときは店内で仕事をし、お客様と話す機会もあり、また、Mitarbeiterin(仕事仲間)がおしゃべり好きな方で同じ部屋で作業しているときは色々話をしましたが、事務仕事になってしまうと本当に黙々と仕事をするだけになしまいました。
    このインターンシップは私にとって貴重な体験でしたが、後輩の皆さんの参考にして頂ければ、と思っています。



    2009年度 参加者:9名

    家庭教育 尾形桃子

    2009年インターンシップ研修報告    
       ドイツ語学科 3年   尾形 桃子

    研修先: ドイツ人一般家庭
         夫婦と実子1人(6才)、里子3人(4才、10才、17才)
    研修内容:年少の子供たちの家庭教育、日常生活のしつけ、家事補助。
         学校の宿題の支援、戸外での遊びと活動の指導と保育。
    研修時間:基本的には朝11時から夕方7時まで。事情によってはそれ以降も。

    Betreuung der Pflegekinder Momoko Ogata

    Ich habe sechs Wochen lang bei einer Familie ein Praktikum gemacht. Die Familie hat ein eigenes Kind und drei Pflegekinder. Sie sind 4, 6, 10 und 17 Jahre alt. Meine Aufgabe war die Betreuung der Kinder. In der ersten Woche habe ich mit den Kindern vor allem gespielt, damit wir uns kennenlernen. Ab der zweiten Woche habe ich spezielle Aufgaben bekommen.
    Ich war ab 11 Uhr bei der Familie. Ich kontrollierte die Hausaufgaben des 6- jährigen Kindes. Dieses Kind, ein Mädchen, ist gerade in die Schule gekommen. Für sie ist alles neu, deshalb bekommt sie jeden Tag Hausaufgaben, damit sie Buchstaben und Zahlen lernt. Am Anfang habe ich gedacht, dass meine Aufgabe sehr leicht ist und ich schnell mit ihr arbeiten kann.
    Aber es war unglaublich schwer. Wenn es draußen warm war, hatte sie oft keine Lust mehr ihre Hausaufgaben weiter zu machen. Ich musste sie immer motivieren. Während die Pflegemutter den 4-jährigen Jungen vom Kindergarten abgeholt hat, habe ich inzwischen manchmal in der Küche gekocht, zum Beispiel Nudeln oder ich habe Kartoffeln im Backofen gebacken, und den Tisch gedeckt. Gegen 15 Uhr ist das 10- jährige Mädchen nach Hause gekommen und hat gegessen. Danach gingen wir gemeinsam in ihr Zimmer und fingen an, ihre Hausaufgabe zu erledigen. Bis Viertel vor 6 spielte ich mit den Kindern, draußen: auf dem Trampolin, schaukeln im Garten, auf dem Spielplatz, oder drinnen: mit der Barbiepuppe, mit Autos oder wir haben mit Wasserfarben gemalt.
    Wie die Kinder spielen fand ich sehr interessant. Ich musste mich erinnern,was ich selbst früher gerne gespielt habe und wie ich mit meinen Freunden Spass gehabt habe. Um Viertel vor sechs ging ich in die Küche und deckte den Tisch, d.h. ich stellte Teller auf den Tisch, legte das Besteck auf und holte aus dem Kühlschrank Käse, Wurst und Butter.
    Alle setzten sich an den Tisch und es begann eine kleine Diskussion darüber, wer vor dem Essen beten darf. Das Abendessen verlief sehr fröhlich. Jeder erzählte, wie sein Tag war und was er schön oder schlecht gefunden hat. Um halb 7 machte ich das 4-jährige und das 6-jährige Kind fertig zum Schlafengehen. Ich ging zuerst mit den Kindern nach oben in ihre Zimmer und überprüfte, ob sie ihre Zimmer aufgeräumt hatten. Wenn nicht, half ich ihnen dabei. Danach zog ich die Kinder für die Nacht um, brachte sie ins Badezimmer und putzte ihnen die Zähne und wusch ihnen das Gesicht. Wenn ich mit allem fertig war, war es oft schon 7 Uhr. Dann konnte ich nach Hause fahren. Manchmal, wenn die Pflegemutter eine Besprechung in der Schule hatte, blieb ich bis 8 oder halb 9 da, um auf die Kinder aufzupassen. In diesen sechs Wochen bei der Familie fand ich meine Arbeit nicht sehr langweilig, vielleicht weil ich jeden Tag andere Aufgaben hatte oder auch, weil ich in meiner Freizeit viele nette Leute getroffen habe und mit ihnen die Zeit genossen habe. Frau Suliman, Claudia, Familie Nolte, Frau Albrecht, FrauOgushi, danke schön, dass ich in Dortmund an dem Programm teilnehmen durfte!!



    ◇始めに受けた印象;

    この仕事は、子供の望む事を聞いてあげる事だけが全てではないこと。
    時には 子供を突き放す(子供と距離を置く)事=一人で遊ばせる事を学ばせる事も大切だということを今回学びました。
    始め、里親の子供に対する態度がとても厳しいと感じました。しかし、子供達と触れ合ってお互いを知って行くと、彼女の成す事を理解出来るようになりました。子供は一度でも甘やかせば 何でも自分の望む事をきいてくれる、自分は何でもして良いのだと解釈してしまいます。この仕事に必要とされるのは、子供達とのコミュニケーション能力、子供達の上に立って物事を見極めるための主導権、豊かな想像力、忍耐、体力です。与えられる課題は毎日違います。それをいかに楽しむかは自分次第です。時には子供達に厳しく、怒る時は徹底的に怒る、嬉しい時はその喜びを共に分かち合う。とても素晴らしい仕事だと私は感じました。私はこの貴重な体験をさせて頂いた事にとても感謝しています。ドイツの家庭、文化を体感するとても良い仕事場です。もし、少しでも興味があれば是非とも自分自身で体験して欲しいです。

    ◇今後このような研修を希望する後輩たちへのアドヴァイス:

    視野を広げてできるだけ沢山の事にチャレンジしてください。日本人同士で行動することは日本国内でもできます。ドイツ人の輪の中に入っていく勇気を持ってください。2ヶ月はあっという間です。
    イベントに参加してみたり、一人で周辺の街を観光してみたり、インターンシップの場では知り合えない人とも出会える可能性があります。自分の手でその可能性を見つけることがとても大切だと思います。せっかくドイツにいるのなら、仕事だけでなくプライベートも楽しまないと損ではないでしょうか。自分にしか出来ない事、自分だけの世界を見つける事もこのインターンシップを楽しむコツだと思います。


    ヒルトンホテル 鷲山千晴

    ヒルトンホテル
    2009年インターシップ報告書  ドイツ語学科2年 鷲山千晴

    語学研修 
     ホテルでの研修に入る前に、Auslandsgesellschaft Deutschland9日ほどその後の研修のための文法や電話での受け答え方、地図の見方などを学びました。教室内だけでの授業ではなく、皆で市庁舎やサッカースタジアム、浄水所などへ行き、いろんな話を聞きました。宿題が出たりと毎日大変で疲れましたが、Dortmundの事も知ることができとても楽しかったです。また教えてくださった先生がとても陽気で優しい方だったので、親しみをもって学ぶことができました。その後の研修に役に立ったかなと実感した事は、聞き取ったり、綴りの難しいドイツ人の名前を習ったことです。

    企業研修
     私はHilton Hotel というホテルで研修をしました。Dortmund Hauptbahnhof(中央駅) から地下鉄で7分ほどの所にあり、近くには大きな公園や体育館、サッカースタジアムがありました。

     週休2日で土日出勤の週もあれば休みをもらえた週もありました。最初の3週間はレストランで早番をしました。朝のだいたい7時から出勤で3時頃まで働きました。お客さんの数によっては6時あるいは6時半出勤の日もありました。早番の仕事が全て終わり次第Feierabend(仕事終了)で予定より早く帰れる日がよくあり、そのため予定よりも2時間も早く帰れたこともありました。Hilton hotel の朝食はルームサービスかレストランでのブュッフェ形式になっており、ほぼ全ての仕事を教えてもらいまかされました。毎日役割が与えられ、今日は表、裏など二人組になって作業をすることも多々ありました。表では、お客さんに挨拶をし、部屋番号を聞いたり、飲み物を聞くなどの接客をしました。裏では、表の人が下げてきたお盆の食器やゴミを分けて捨てたり、スプーンやフォーク、ナイフ、ワイングラスなどを磨いたりしました。お客さんが一度にたくさん来たり、宿泊されるお客さんが多い日は磨いても磨いてもきりがないのではないかとあきれるほど磨き続け、10時半ごろになってやっと落ち着くという感じでした。毎日来るお客さんの場合、何をいつも頼むのかを覚え、お客さんに頼まれる前に出してあげたり、両親が話に盛り上がっていて、退屈している子供と遊んであげたりと、お客さんとたくさん接して喜んでもらうたびに嬉しくて幸せな気持になりました。お昼も、朝と同じビュッフェ形式で、お客さんが食べ終わったお皿を下げたり、ナプキンをたくさん折ったり、ナイフやフォークを並べて食事の用意をしました。仕事中に水分を取るようにと大きなボトルの水が与えられ、たまにビュッフェの残ったケーキやパン、果物などをもらえることもよくありました。朝食は出勤したときに15分間食べる時間が与えられて、ちょっとしたビュッフェから選んで食べました。また昼はいつもキッチンの人達が作ってくれたおいしいご飯を皆でお腹いっぱい食べれてとても楽しい時間でした。


     残りの2週間はバンケットで働きました。Hilton hotelにはGute1から Gute5という、宴会をしたり、会議、新商品の説明会などをする大きな部屋があり、その他にもいくつか会議用の部屋がありました。会議が始まる前に、コップや飲み物、メモ帳やペンなどを用意し、会議をしている間に部屋の前の通路にある机の上にコーヒーやお茶、ケーキを並べ、その後片づけという繰り返しでした。宴会の時は、レストランと同じように机の上の食事の用意をしたり、食器を大量に並べたりしました。大量のコップや飲み物を乗せたカートを押すのはとても困難でしたが、お客さんが手伝ってくれたりと、誰かが必ず助けてくれました。バンケットでは遅番だったので、終わる時間が夜中の2時と、とても遅い時もあり、電車で帰れないときもありました。

     時間がある時に、皆で何か飲み物を作って残ったケーキやデザートを食べて休憩したり、一緒に夕食を食べたりとバンケットでもおいしいものを食べさせてもらいました。


     私はこのホテルのとても温かい人に支えられてとても良い研修をすることができました。朝が早いというのは大変でしたが、なんでも丁寧に教えてくれて、楽しみながら働くことができるし、仕事のことだけでなくいろんな事を学べると思うので、もし次回ホテルでインターシップをしたいという方がいたらヒルトンホテルをおすすめします。


    ✿ホストファミリー
     私のホストファミリーは期待していた以上に良い家族でした。ホストパパ、ホストママ、20歳と15歳のホストブラザーと犬のリリーの5人家族でした。日本にいた時から、Auslandsgesellschaftのスーリマンさんから親切な家族だと聞いていましたが、本当に親身になって私と接してくれました。ホストママは、上のホストブラザーとよく喧嘩をし、いつも私に相談してくれました。ホストパパはいつも自分の昔話などを話してくれました。終わりがないのではと思うほどたくさん話してくれました。下のホストブラザーはとても静かで優しく、よく一緒にテレビを見ました。上のホストブラザーは、友達を紹介してくれたり、パーティに連れて行ってくれました。ホストママの友達の結婚パーティに連れて行ってもらったり、買い物に行ったりととても楽しい時間を過ごしました。また、庭でお茶をしたり、犬と遊んだりした時間は、仕事で疲れた後によいリラックスとなりました。日本に帰国する時、また来るのよと言ってもらいました。今はメールで連絡を取っています。また会いにいくつもりです。


    ✿最後に
     ドイツでのインターシップは私の人生にとって大切な経験となりました。このような機会を与えてくれた方々、インターシップ先やホストファミリーを探してくれたり、その他のお世話をしてくれた方々、そしていつも私を温かく見守ってくれている方々に心から感謝しています。本当にありがとうございます。

    Off limits 瀬戸山未来

    ドイツにおけるインターンシップ報告書

    ドイツ語学科3年 瀬戸山 未来
    研修期間:2009812日~2009921
    研修先:off limits(5週間),AgD旅行部門(1週間)

    ・語学研修(83日~811)
     例年約10日間行う現地Auslandsgesellschaft Deutschlandでの語学研修は、獨協大学の授業日数が延びたという理由で例年よりも期間が短く、内容もハードであったように思う。
    その代わりに、今回のインターンシップでは事前にゲーテインスティトゥートのビジネスドイツ語コースを受講することが求められた。
    現地の研修では午前中は私達のレベルに合わせたビジネスドイツ語やドイツに関する授業をし、2度の休憩の後、午後には毎日課外授業があった。初日には現地でお世話をしてくれるSulimanさん、教師のClaudiaに連れられて、市内のメインストリートなどを見てまわり、Cityのレストランでドルトムントの伝統料理をご馳走になった。その他にも、労働に関する博物館“DASA”や、BVBの本拠地であるスタジアムを見に行ったり、Westfalenparkへ行ったりと何かと歩くことが多く、それが毎日続いたので、充実していたが体力も必要な1週間だった。個人的にはDASAが一番面白く、理解もしやすかった。工夫を凝らした展示方法にも惹かれたが、クイズ形式のパンフレットや、体験するという点に力を入れていることが魅力的であった。

    ・インターンシップ(812日~921日)
     私はまずoff limitsという会社でインターンシップをした。この会社は2年に一度ドルトムントで世界中からアーティストを呼んでフェスティバルを開催している会社で、私の知る限りでは社員は6人、Praktikanten(研修生)は15人ほどだった。私は最初からこの会社を知っていてここでのインターンシップを希望していたわけではなく、私の希望していたコンサートハウスがちょうどオフシーズンであったために、Sulimanさんが提案してくれた会社だった。この会社のホームページを見ても、Sulimanさんからのメールを読んでも、具体的にこの会社で私が何をできるのかが分からず、断ろうかとも悩んだが、これ以上Sulimanさんに迷惑をかけたくないという思いから、よく分からないままOKしてしまった。
    結局、この会社で何ができるのか、インターンシップが始まってからもしばらくの間分からなかった。初日から、「君は何をしに来たの?」と上司に言われ、このプログラムについてつたないドイツ語で必死に説明すると、「君は何がしたいの?」と言われ、固まってしまった。私は、会社から仕事を与えられるのだと思っていたので、なんと答えていいか分からなくなってしまったのだ。そこで、何ができるのか、どんな選択肢があるのかと尋ねると、上司は”Gute Frage……”と言って黙ってしまった。日本人のPraktikantinを受け入れるのは初めてだったので、お互いにはじめての状況で困惑してしまったようだった。
    最初の1週間はこのような何もできることのない状態が続いた。しかし、その後イギリス人の女性2人組アーティストA2(エートゥー)が827日からのフェスティバルにむけてドルトムントに到着したことで、状況は改善される。
    A2の演目は、白い何もない舞台に人が入ってきてその場に倒れこみ、次に入ってきた人がその人に土をかけ、また舞台上に倒れこむと言うものだった。これを白い舞台が人と土で覆い尽くされるまで続けるのだ。前衛芸術に詳しくなく、興味もなかった私には、DVDで見せられても、何もコメントすることも興味を持つこともできなかった。しかし、このA2のサポートを他のPraktikantinと一緒にしてくれないかと上司に言われたとき、これ以上何もすることのない日々が続くよりは、興味が持てなくても何かする事があるほうがましだと思い引き受けることにした。
     まず始めにしたことと言えば、演目のための練習の休憩時間に出すパンを取りに行くこと、コーヒーなどの飲み物を出すこと、演目でつかう土を用意することだった。いわば雑用である。言葉の問題でできることは多くなかったが、それでも、やったことに対して必ずDanke.(ありがとう)と返ってくるのがうれしくて、辛いとは思わなかった。だんだん仕事に慣れてきて流れがつかめてくると、仕事を任せてもらえるようにもなった。パソコンを使って社員やPraktikantenの名札を作ったり、出演者の名簿を作ったり、電車に乗って一人で他のグループの活動現場へ届け物をしに行ったり、手伝いに来た他のグループのPraktikantenに指示を出したりと、いろいろな事が経験できた。
     827日から830日の本番では、10時から会場整備やリハーサルを行い、18時に開場すると飲み物を配ってまわり、19時に開演するとドア係を担当するなど、何かとやる事が多く、仕事には困らなかった。
    私が関わったA2の演目は後半の29日と30日に行われ、評判もよく、たくさんのお客さんに拍手をいただいた。最初は興味が持てないでいた私も、A22人と出会い、一般人である参加者とふれあい、彼らの練習の様子を見ているうちに、その演目が好きになり、彼らと一緒になって成功を喜んだ。ひとつの作品がたくさんの人によって作り上げられ、それ以上に多くの人の心を動かした。そんなすばらしい作品の一部始終に携わる事ができた事を非常にうれしく思った。
    off limitsでは、ほとんどの時間を同世代のPraktikantenと過ごしたが、彼らもとても優しく、気軽に何でも尋ねることができた。日本人だから、言葉もろくに分からないからと邪険に扱われることもなく、どんなに私がわからなくても、分かるまで付き合ってくれる人がほとんどだった。最初の頃、一人だけ仕事がなく、どうしていいか分からなかった時も、「未来、こっちにおいで。一人でそんなところにいなくていいんだよ。」と、私を自分のデスクに招き、自分の仕事を説明してくれたり、「暇だから、一緒に散歩に行こう」と言って、オフィスの周りを案内してくる子もいた。Praktikantenの間ではもちろん、上司ともChefともDuで呼び合い、とても暖かい会社だと感じた。
    しかし、本番が終わって1週間が経過すると、上司に明日は休みだと言われる事が多くなり、5週目は7日間中5日間が休みだった。さすがにこの状況が最後まで続くのは嫌だと思い、Sulimanさんに相談すると、午前中はAgDのドイツ語コースに参加し、午後はAgDの旅行部門で仕事をすることを勧めてくれた。ドイツ語コースに参加することは自分のドイツ語力を向上させるのに有効だと思ったし、旅行部門は昨年の参加者の報告書を読んで魅力的だったので、勧められた通りにした。
    AgDの旅行部門では、突然の事であるにも拘わらず温かく迎えられた。上司も同僚もとても優しく親切で、毎日のように何百とパンフレットを折り続けなければならないときも、「こんな仕事でごめんなさいね。」と言い、仕事を終えれば「ありがとう、助かったわ」という言葉を忘れなかった。一緒に仕事をできた時間は短かったけれど、そこではとても穏やかに時が流れ、そこで働く人たちも心の穏やかな人たちであったように思う。

    生活面
    私は、他の学生とは違い最初の1ヶ月間は学生寮で生活していた。これは、出発の2週間前にホストファミリーの都合で突然決まったことなので、最初から寮生活を希望していた場合と同じ寮なのかは分からない。私が暮らしていた寮は、市中心部から比較的近く、最寄の駅まで徒歩約10分という環境だった。部屋は一人部屋でトイレ・風呂は隣の部屋と共用、台所は各階に1つだった。住人はほとんどが外国人で寮と同じ建物内の語学学校に通っていた。そんな彼らと生活リズムの違う私は誰とも接触がもてなかったので、残念ながら寮生活は楽しいとは言えなかった。しかし、幸い離れたところでほぼ1人暮らしをしていた友人宅を頻繁に訪ね、そこに寝泊りをすることもできたので、実際に一人でその部屋で過ごしたのは半月ほどだった。
    寮には地下に洗濯機が設置されており、常駐している管理人にお金(2,5€)を払いカードをもらうと使える仕組みになっていたが、私は管理人室が開いている時間に寮にいる事があまりなかったので、常に手洗いをして、日本から持っていった洗濯紐を部屋に張り巡らせて干していた。
    食器類は秘書に25€で借りる事ができた。返すとお金が返ってくる仕組みだったのだが、スパゲッティもゆでられない小さななべがひとつに、一回り大きいフライパンがひとつ、200ccも入らないのではないかと言う小さなコップがひとつに、ナイフ、フォーク、スプーンがそれぞれひとつずつだった。それではまともに料理もできないので、料理をするときは、台所においてあった調理用ナイフや大きなフライパン、調味料などを借りた。コップも、あまりにも小さくてわずらわしかったので大きめのマグカップをひとつ購入した。食料品は毎回徒歩約15分のスーパーまで買いに行っていた。最初の頃は、毎回水かジュースを買っていたので、買い物は大変だった。初めての一人暮らしだったので、つい買いすぎてしまい、食材を無駄にしてしまうことも多々あったが、食費は月に大体100程だったと思う。これは、常に自炊をしていたのではなく、週に約3~4回外食をした場合である。また、途中から飲み物は目の前のガソリンスタンドで買うようになっていたので、その点でも、スーパーで買うよりも何倍も高くついている。
    8月の終わりには、ホストファミリーの元へ引越しをした。ホストファミリーと言っても、一軒家に住む一人暮らしの50代ぐらいの女性で、彼女は近くのGesamtschuleで教師をしていた。夜は仕事の準備をするので、夕飯は提供できないと最初から聞かされていたので、ここでも私は変わらず自分で買出しをし、自炊していた。一緒に食事をしたのは3週間で3回である。場所は変わったが、近くには以前と同じチェーンのスーパーがあり、いずれも5以上であれば、VISAカードでの支払いが可能であった。
    ホストファミリーとの生活は、難しかった。ホストマザーであるFr.Ungerは、私が来たことによって彼女自身の生活を変えることはなく、その態度によって、私も歓迎されていないのではないかという不安に駆られた。しかし、彼女も決して不親切な人というわけではなく、私が困っているときには、相談に乗り、解決策を一緒に考えてくれた。それでも、彼女の中には絶対の生活リズムがあり、それを崩されることを極端に嫌った。たとえ私が精一杯に気を払っても、彼女の生活リズムを崩してしまうと、容赦なく注意された。そのため、私は朝7時に家を出なくてはならなかった3日間は友人の家に泊めてもらった。それでも感謝の気持ちは伝えたいと思い、最後の夜に散らし寿司を作り、一緒に夕飯をとり、折り紙と5円玉で作ったプレゼントを渡すと、とても喜んでくれた。今思えば、彼女の生活環境と、私の今までに過ごしてきた生活環境が違いすぎて、Ungerさんの元での生活を難しい、気が抜けないと感じたのだと思う。
    お金については、私は出発前から人よりも出費が多くなることを覚悟して行ったので、現金を多めに持っていった。そのほかにも、保険としてトラベラーズチェックを少しと、海外で使うと割引になるサービスのついたクレジットカードを持っていった。事前に、ドルトムントではクレジットカードがどこでも使える、と聞いていたのでお金の心配はあまりせずに行ったのだが、実際にはECカードというヨーロッパ共通のクレジットカードを扱っている店は多くても、VISAやMASTERカードが使える店はそれほど多くはなく、現地でお金を下ろさなくてはならなくなった人もいた。現金をたくさん持っていくのが不安だと思う人には、トラベラーズチェックをお勧めしたい。中央駅のすぐ近くの換金所では、換金にパスポートが必要であったが、何枚換金しても手数料は1回につき6で、銀行などで換金するよりも安かった。大都市ではトラベラーズチェックで直接支払いのできる店舗やホテルもあるが、ドルトムントでは見つけられなかった。
    私は、日本から海外対応の携帯電話を持っていったが、ちょうど1ヶ月ほどで壊れてしまい、現地でプリペイドの携帯電話を購入した。約13で購入した携帯電話に、すでに5分のプリペイドが含まれており、その後、1ヶ月の間に、2度15のカードを購入した。使用頻度や、連絡を取る相手にもよるが、こちらのほうが日本の携帯電話を使うよりも結果的に安かった。また、ソフトバンクの携帯電話とならSMSが可能であった。日本に電話をするときは、携帯電話ではなく、中央駅のネットカフェから自宅の電話に1分10セントでかけていた。


    ・最後に
     このインターンシップを通して学んだことはとても多く、それは参加してみないと分からないものだと思う。楽しいことばかりではなく、時に辛いことやくじけそうなこともあったが、それらも含めて、体験しがたい貴重な体験であった。そういった体験を分かち合えた仲間とも、事前に共にゲーテインスティトゥートのビジネスドイツ語コースに参加していたので、ドイツに着いたときにはすでに良い関係が築けていて安心できた。このプログラムに力を注いでくださった諸先生方、現地で面倒を見てくださったSulimanさんとClaudia、受け入れてくれた企業、ホストファミリーに心からの感謝を伝えたい。






    Park Inn Hotel  遊佐はるみ

    ドイツ語学科3年 遊佐はるみ
    研修先:Park Inn Hotel Dortmund
    語学研修;83日~811
    職業研修:812日~921

    <語学研修>
    8月3日~11日まで午前中はAuslandsgesellschaft Deutschland(以下AgD)で語学研修を受け、午後はドルトムント市内の施設や公園に行ったり、サッカー場や浄水場、IHK(商工会議所)や市庁舎を訪問したりしました。
    初めのうちは慣れない環境であったりたくさん歩いたりしたので、ハードでけっこう疲れました。体調をくずしていた人もいたので、体調管理はとても大事だと思いました。
    語学研修はClaudiaという女性が担当してくださり、宿題も出たり直接お店や施設に電話して質問をしたりして、難しかったですが、とても楽しかったです。

    <インターンシップ>
    インターン初日にホテルに行った時に、『あなたのBetreuer (指導係) はもうここで働いていません。』と言われました。私もSulimanさんも何も知らされていなっかたのでとても驚きました。後々聞いた話では私のBetreuerをしてくれるはずだった人は5月に辞めていて新しくBetreuerinがついていてくれたらしいのですが、そのことについて何も連絡がなかったことに関しては不満を感じずにはいられませんでしたし、私は朝に働き、そのBetreuerinは主に夜働いていましたしいつも忙しそうにしていたので、あまり関わることができなかったのは残念でした。
    仕事内容は13週目はBankett(バンケット)、4週目はHSK(ハウスキーピング)、56週目はReservierung(予約)の予定でしたが、ホテル側の事情により14週目までBankettRestaurant(ホテルではServiceと呼んでいました。)で働き、5週目はHSK、そして最後の週はまたRestaurantで働きました。


    BankettRestaurant…8時~15時まで。休憩30
    午前中はRestaurantで朝食の準備や片付けをしましたが、最初は私はずっとグラスやフォーク、ナイスなどを洗って拭いて…の繰り返しでした。朝食が終わった後30Pause(休憩)をもらい、午後はBankettで会議の準備や片付けをしました。会議は3人だけの小さい部屋の時もありましたし、100人以上の大きい部屋の時もありました。Kaffeepause(コーヒーブレイク)と呼ばれる休憩の前後にはフルーツやお菓子、コーヒーや紅茶の準備・片付けもしたりしました。
    少し慣れたころには、Bankettでは主に職業訓練中の2人と一緒に仕事をしていましたが、一人で一部屋の準備を任されたり、Restaurantではお客様の食べ終わった後のお皿を下げたり、コーヒーを作ったりするという新しい仕事も頂いたのでたまにお客様に接することができ、お客様に『Danke.(ありがとう)』と言われた時や、自分にできることが増えていくことが嬉しかったです。

    HSK…8時半~15時まで。朝食が欲しかったら8時に出勤するように言われましたが、私は8時半に出勤していました。HSKは3人一組で一人がベッドメイキング、一人がバス・トイレ掃除で一人が最後に掃除機をかけるという形でした。私は基本は掃除機担当で、たまにベッドメイキングやバス・トイレ掃除の手伝いをしたりしました。部屋数は曜日によって異なりましたが、週末など多い日は1組が50部屋近くを掃除した日もありましたし、サッカーの試合がある週はいつもより多くのベッドの準備をしたりしたので、大変でした。
    HSKは同僚の人が母親の年齢に近い人たちがほとんどということやほとんどの人がドイツ語を学んだ経験があるということもあり、優しい人ばかりでした。


    <ホストファミリー>
    私のホストファミリーは今年初めて受け入れをしたという夫婦でした。2人ともとても温かい優しい人たちで、ご飯はなるべく一緒に食べるようにしてくれたり、Gastmutter(ホストマザー)自身も学生のころに留学やホームステイをした経験があったことから、話をする時は真剣に聞いてくれて、理解しようとしてくれて嬉しかったです。
    私はバス・トイレ付きの部屋を貸していただいて、2人とも朝家を出るのが早かったためだいたい10時~11時の間には自分の部屋に戻っていました。
    週末には2人の友達のところへ連れて行ってもらったり、KölnMünsterを案内していただきました。日本に出発する前日にはプレゼントやメッセージカードを用意してくれ、出発の日は朝の4時にうちを出なければならなかったのですが2人一緒に駅まで送ってくれて、とても別れ難かったです。



    <その他>
    SulimanさんとClaudiaはインターン中も気を遣ってくれて、毎週水曜日にはAgDに集まって、みんなに会って安心できたり、週末の予定を確認したり買い物に行く約束などをすることができました。ドイツにいるのだからなるべくドイツ語で話そうと心掛けてはいましたが、日本人だけの時や仕事の不満や相談をしたり、急いでいる時などは日本語で話していました。
    ドルトムントは8月はTシャツ1枚で過ごせる日もありラフな服装でいることができましたが、9月になると朝晩の冷えが厳しくなっていったので、羽織るものやパーカー、薄手のジャケット、コートなどは必要だと思います。
     費用は航空費が16万円台で、食費は私はホストファミリーに恵まれ、一緒に食事をすることが多かったのであまりかかりませんでした。あとは定期券が43ユーロでしたが、現金でないと駄目でした。FrankfurtからDortmundまでのICEは、行くときは予約していなかったので81ユーロかかりましたが、帰りは早めに予約したので20ユーロぐらいでした。
    他にも、商店街や小さなお店ではクレジットカードが使えないことが多かったです。私はクレジットカードをキャッシュカードとして使えてお金をおろすことができたのですが、友達のカードではおろすことができず困っていたので、自分のカードが使えるかどうかの確認をするか、現金があった方がいいと思います。


    <最後に>
     今回インターンシップのプログラムに参加して、外国で働くということがどれほど大変かということがわかり、とても貴重な体験をさせて頂きました。
    このような機会を与えてくださった獨協大学の先生方やサポートしていただいたAgDSulimanさんとClaudia、ホストファミリーの2人や他にも出会うことができた人々に本当に感謝しています。ありがとうございました。

    リサイクルショップ&DOGA 遠藤奈穂

    2009年度
    ドイツ語圏におけるインターシップ報告書
    ドイツ語学科 2学年 遠藤奈穂

    〔研修先〕
    Second-Hand Boutique
    DOGADortmunder Gesellschaft für Abfall mbH
    Kleider-und Möbelshop des Caritasverbandes Dortmund
    〔期間〕
    ・研修  83日〜11
    ・実習  812日〜921
    〔費用〕    
    ・航空券 約17万円
    ・交通費+食費 全部で約10万円

    研修 

    授業時間 10:0011:30 12:0013:00 + 野外研修(日によって異なる)

    最初にこのプログラムではAgDAuslandgesellschaft Deutschland)での事前研修、6週間の実習がありました。AgDではドイツ語講師であるボークさん(Frau Claudia Bork)が研修の講師および企画を行ってくださり、スリマンさん(Frau Suliman)が私たち学生のためにホストファミリー、実習先を探して現地でこのプログラム全体を支えてくださいました。

    ドイツへ出発する以前からAgDのスリマンさんとホストファミリーや実習先・ドルトムントに到着時の件について連絡をとっていたので、会うのがとても楽しみでした。実際に会って思っていた通り優しい方で、休日に会って一緒に博物館に行ったりとても面倒見がよく、最後まで私たち学生一人ひとりを支えてくださいました。

    研修は10日間で、午前中に教室でのドイツ語の授業・午前中に野外研修を行いました。

    講師のボークさんは明るく元気で親しみやすい方で、授業の内容だけでなく、ドルトムントについてなど色々なことを教えていただきました。午前中の授業では、地図や電話を使って大学では出来ない実践的な内容を中心に行い、午後の野外研修ではドルトムント市庁舎やサッカースタジアム、浄水場等へ電車や車を利用して見学をしました。それぞれ現場で働いている方から説明をしていただき、短時間でしたが市長とも面会することができました。研修で実際の実習で活用できるかは、各個人の実習先にもよりますが貴重な経験が出来て良かったです。

    ★実習

    私は環境先進国であるドイツで、どのような仕組みでごみ処理またはリサイクルを行っているのか知りたいと思い、環境やごみ・リサイクルについて希望したところスリマンさんから3箇所の実習先を提供していただきました。

    Second-Hand Boutique(リサイクルショップ)
    812日〜21日・915日〜19日  実習時間 9:0013:00 14:0017:00
    ホストファミリーの家からバスで40分前後

    ここでは8月と92期に分けて合計で3週間、職業体験をしました。Second-Hand Boutiqueは自営業で、普通の家を改造して作られたとても大きいリサイクルショップです。 従業員が20名以上、主に子ども・ベビー服、婦人・紳士服を取り扱っており、他にもおもちゃやベビー用品、スポーツ用品も取り扱っていました。1日に100人ほどのお客さんが訪れます。従業員は各自①会計 ②商品の値段付け ③各売り場によって商品の整理整頓・接客等で仕事が分担されており、私は主にベビー用品・子供服、婦人服などの売場を手伝い、値段がつけられた商品を売り場まで運び、整理整頓・接客を行いました。お店も広かったので、慣れないうちはお客さんに売り場の場所を聞かれて困り、お客さんと一緒に売り場を探したり、同僚に聞いたりしていました。仕事は単純作業が多く、会話も少なかったのでこのままでは実習の意味がない!と思い、自分から店長や同僚にお店の仕組みや値札に書かれた値段以外の番号の意味などを積極的に質問していきました。私の必死さが伝わったのか忙しいにもかかわらず、私が理解できるように、ゆっくり丁寧に教えていただきました。職場の雰囲気も良かったおかげで、同じ売り場の同僚の方々やお客さんたちと会話する機会も増えて、最後はとても楽しく仕事ができました。


    DOGA(Dortmunder Gesellschaft für Abfall mbH)
    824日〜911日  実習時間 8:3016:00(基本)
    ホストファミリーの家から電車で50分+徒歩10

     こちらでも同じく3週間の実習を行いました。ドルトムント市内の家庭ごみ等を回収している会社EDGEntsorgung Dortmunder GmbH)へ行くと、子会社であるDOGA(Dortmunder Gesellschaft für Abfall mbH)に案内されました。DOGAは家庭ゴミを扱わず、企業・工場から出たゴミを回収し処理する会社です。前半はゴミ処理の説明を受け、ゴミ収集のトラックに乗って実際に回収の現場を見せていただくことができました。


    (ゴミの集積場に見えませんが実はゴミの山)

    企業や工場を回るだけでなく、市内にある古着用と古紙用の大きいコンテナの回収も知ることができました。更にゴミの集積場、生ゴミを肥料にする堆肥工場へ行き、説明をしていただきました。後半は事務所で処理したゴミの請求書を作成、まとめる仕事を行いました。実際に同僚と一緒にお客さんに面会して、接客の場にも携わらせていただきました。基本的には時間が決っていましたが、実際、事務所で働く以外は早朝だったり、時間が延びたり、当日の朝に事務所へ行ってみないとその日の予定と終了時間が分からないこともありました。前半は半日トラックに一緒に乗っていることも多かったので、同僚と仕事内容だけでなく、ドイツと日本の事、家族についてなど会話することもでき、有意義に過ごせました。事務所での後半は、同僚の仕事が忙しく時間も無かったせいもあって、会話する機会が少なかったのが残念です。日によって実習先が異なり、近くに電車やバスが走っていないこともありましたが、同僚の方々がとても親切に仕事後に近くの駅まで、ホストファミリーの家まで車で送ってくださいました。また事務所も2箇所回ったおかげで短い時間でしたが、多くの方と出会うことができました。何もできない私に本当に親切にしていただてとても感謝しています。

    Kleider-und Möbelshop des Caritasverbandes Dortmund 921日(1日のみ)

     Caritasはドイツのキリスト教の福祉団体です。最終日の1日だけお世話になったこちらでは、同じドルトムントにあるSecond-Hand Boutique(リサイクルショップ)とは全く違う雰囲気でした。広さはSecond-Hand Boutique よりも小さく、大きい倉庫のような建物でした。従業員は基本2人ですが、私が訪れた日は8人程度いました。期間によって人数が変わるそうです。カリタスでは職業訓練場所を見つからない人や兵役の代わりに働く人も受け入れているそうです。実際に職業訓練場所を探している生徒さん達と会い、今のドイツの厳しい状況を感じました。取り扱っている商品の種類は、服から家具・家電など多種ありましたが、開いている棚などが多く目に付き商品が不足しているようにみえました。実際に品不足は問題になっているようです。Second-Hand Boutiqueでは商品を持ってきていただいたお客さんに、その商品の売れた値段の半分をお客さんにお返しする仕組みでしたが、CaritasKleider-und Möbelshop des Caritasverbandes Dortmund)では商品を寄付する形で売り上げは、貧しい方のための支援となります。お客さんとしてくる客層も異なり、靴はすべて1ユーロ、コートはすべて6ユーロと商品の質はSecond-Hand Boutiqueと変わりないのに、とても低価格なものばかりでした。一点一点に異なった値段をつけることも可能ですが、値札が取れた商品の値段でお客さんとトラブルにならないように、種類別で値段が決っています。商品が限られているせいか、時にはお客さん達が商品の取り合いをする時もあるそうです。そのため値段付けが終わった時にお客さんが多ければ、商品を翌日の朝出すことになっていました。古着は綺麗なものはそのまま売り場に出し、ブラウス・シャツなどアイロンがけが必要な物はCaritasのクリーニング等サービスを行っているところに送ってから売り場に出します。

    実際にクリーニング等のサービスを行っている場所にも見学に行きました。Caritasではリサイクルショップの他にクリーニング等のサービス、フードサービスなどを低価格で提供しているお店がありました。こちらもリサイクルショップと同様に売り上げは、貧しい方のための支援となります。1日という短い時間でしたが従業員の方に丁寧に説明していただき、Caritasの仕組みだけでなく、厳しい問題にも身をもって知ることができました。

    ★生活 ホストファミリーについて

    私はドルトムント中央駅からUバーンで約30分のドルトムント東部にお住まいのBeckmannさんのお宅にお世話になりました。Beckmannさんは4人家族で息子さん、娘さん1人ずついらっしゃいました。とても優しく親切なご家族で、ドイツ語の勉強や実習先までの行き方、ドイツ・ドルトムントについてなど多くのことを教えていただきました。日本にも留学に来ていた娘さんとは歳が近いこともあり、ホストシスターというよりも友達のような存在でした。日本語で会話をしたり、ドイツ語を教わったり、娘さんの友達とも会って、みんなで一緒に外出することもありました。このプログラムでは同年代の現地の子とは知り合う機会が少なかったので、貴重な経験にもなりました。ちょうどBeckmannさんのお宅に滞在中に誕生日をむかえ、その日にあわせてケーキを用意していただいたり、素敵なプレゼントをいただいたりと本当に親切にしていただきました。週末にはBeckmannさんが働いている職場を見学させていただくなど、とても楽しく過ごせました。

     週末や実習が終わった後には、他の実習先の学生と会って一緒に食事や買い物、観光等をして過ごしました。時には他の学生のホストファミリーとも会って、一緒にサッカーの観戦や観光もしました。他の学生と一緒にいたことで人の和も広がり、実習先での悩み・問題など良かったことも含めて何でも相談できたこと。それがあったから実習先で悩んでいることがあっても、頑張ろうという気持ちになりました。仲間がいてくれたからこそやり遂げることができたとも言えます。私は他の実習先での状況を知ることができ、他の学生と一緒に頑張れることがこのプログラムの魅力的なところだと思います。

    ★最後に

    インターシップが始まるまで正直、不安でいっぱいでしたが、実際にやってみて沢山のことが経験できました。悩むことも多かったけれど、それよりも良かったことも多く体験し、短期間で大勢の方と出会うこともできました。語学力の上達だけでなく、ドイツの職場について身をもって知ることができるこのプログラムに参加して、良かったです。最後になりましたが、支えていただいたスリマンさんや先生方、現地で携わった方々に感謝したいです。


    IVAM 藤塚彩

    2009Dortmundインターンシップ報告書
    ドイツ語学科3年 藤塚 彩

    【語学研修】
    インターン前の10日間、Auslandgesellschaftで語学研修を行いました。職場で使う表現やドイツの地理・労働などの基本的な勉強、そして前置詞・分離動詞といった文法の勉強をしました。毎日宿題も出ましたが量はそれほど多くなく、中には実際に施設を訪れてインタビューするというユニークなものもありました。最も印象に残ったのは授業中に一人ずつ施設に電話をかけて質問し、指定された情報を聞き出すというものでした。私は日本でインターン先の方と電話で話す機会があったのですが、緊張と焦りで頭が真っ白になり、うまく話せなかったというトラウマがあったので、この課題はそのトラウマを消し去る絶好の機会となり、自信をつけることができました。授業はお昼過ぎまでで、その後はほぼ毎日課外活動として社会施設や動物園、サッカー場などを訪れてたくさんの貴重なお話を聞くことができました。サッカー場では選手のロッカールームやベンチにまで入ることができ、フィールドから見るスタジアムの迫力には感動しました。

    【インターンシップ】
    私はTechnology ZentrumにあるIVAMという会社でIVAM Internationalとしてインターンをしました。
    勤務時間:月〜金曜日 9:0017:00(〜18:00 お昼休憩を1時間とった場合)
    主な内容:日独・独日の翻訳、データバンクACT!を使った会員情報の管理、資料作成、雑務、日本への電話営業、メッセチームミーティング、会議やイベントの参加

    データバンクの管理は1000件以上もある日本人の情報を打ち込んだり、上司が韓国に出張した際持ち帰った韓国人の名刺を入力したりしました。私のBetreuerが日本で仕事をした経験があり、日本語が話せたので、たまに日本語でも冗談を言ったりお互いに日本語とドイツ語のニュアンスの違いを教えあったり、またハングルを習ったりもしながら楽しく働いていました。IVAMはマイクロテクノロジー・ナノテクノロジー・レーザーといった先進分野のメッセ、セミナーの企画・運営を行う会社なので、専門用語や内容を理解して訳すのはとても大変でした。初めて会議に参加させてもらったとき、私は全くついていくことができずに大きなショックを受け、落ち込みました。みんな「聞いて理解しようとするだけでいいんだよ」と優しく声をかけてくれましたが、やはり自分の力不足にふがいなさと悔しさを強く感じました。しかし最後の方は会議にも慣れたせいか、内容がかなり理解できるようになっていました。
    私はたくさんの仕事をしたかったので、与えられた仕事は集中してすぐに終わらせてしまいました。そのためやることがなくなってしまうことも多く、何か手伝えることはないかと聞いても「もっとゆっくりフルーツを食べながら休憩してていいんだよ」と言われてしまいました。インターネットを見ながら時間をもてあましたこともあり、ファミリーやAdGの先生に相談したりもしました。しかしこのままでは満足できないと思い、ミーティングの時に仕事があれば何でもいいから声をかけてほしいと呼びかけ、上司にも時間を作ってもらい自分の考えを正直に話して獨協からのインターン生が過去にやった仕事をやらせてもらえないかと頼み込み、最終的にいくつかの仕事をさせてもらえることになりました。その中で日本の企業へ電話営業をする・日本の会員企業とメッセについての連絡をとるという仕事は私にとって最大の課題でした。ドイツ語で書かれた情報をきちんと正確に伝えられるように何度も同僚に質問をし、原稿を考えました。企業の方が少しでもIVAMに興味を持ってくれた時は、私も一員として力になれたという喜びを感じました。
    またドイツ人はとてもダイレクトな質問をするので、日本人には失礼にならないように丁寧な控えめな表現を使うこと、日本式の住所の書き方など文化や性質、マナーについて説明することもありました。私のせいで同僚に手間と時間をかけさせてしまったことも多々あったと思いますが、みんなとても親切で「あなたは私たちのために一生懸命やってくれているんだからね。ありがとう、助かるよ」と言ってくれました。
    職場では同僚同士の話すスピードについていくのはとても大変で、私が口を挟む隙はほとんどありませんでした。しかし昼食はお金が多少かかったとしてもできるだけ同僚と一緒にMensaに行くようにして、そこでたくさん話をしました。一度ChefChefinの3人で昼食を食べたのは少しだけ緊張しました。
    最後は今までの感謝の気持ちとして、海苔巻きといなり寿司、全員に名前とメッセージを書いたカードを作って持って行きました。カードには日本語で名前を書いたのでみんなお互いのカードを見せ合ったり、机のうえに置いてくれて私も嬉しかったです。
    同僚たちからも素敵なプレゼントを頂き、2月に日本で仕事をする際に一緒にまた働こうと言ってくださり、ここまで逃げ出さずに続けて本当に良かったと思いました。インターン中は、会社のホームページにIVAM Teamとして私の名前と写真を加えてくれました。そのページをプリントアウトしたものは私のIVAMの一員として働いた誇りと宝物です。

    【ホストファミリー】
    私のファミリーはWohngemeinschaftといって家をシェアしているRitaKerstinという2人の女性でした。2、3階が私たちの家で、4、5階は男性2人がWGしていました。4人は長年の友人なので彼らの部屋には鍵がなく、いつでもみんな自由に出入りできるようになっていました。日曜日の朝食はみんなそろって庭で食べたり、お互いを夕飯に呼んだり一緒にテレビを見たりしていたので、4人とも私のファミリーのようでした。家には犬1匹と猫3匹がいて、おとなしかったのですが動物の毛などのせいであまり清潔ではありませんでした。私はアレルギーではなかったので、餌をあげたり一緒に散歩に行ったりして仲良くなりました。
    ファミリーには友達が多く、いつも誰かが遊びに来ていて、私たちもよく友人の家を訪れたりパーティーをしました。たくさんのドイツ人と会う機会を与えてくれ、最終的にこの2ヶ月間で70人以上のドイツ人と交流を持ちました。みんな年齢を重ねても気持ちは若くて、私が仲良くなった女性も40代の方でした。
    また彼女たちの職場も訪問させていただきました。Ritaは薬物中毒の人たちを面倒見る施設で働いていました。そこで目の前のガラス張りの部屋で薬物を打っている人を見ました。とても衝撃的な光景でとても印象に残っています。毎日200人以上の人が薬物を求めて施設に訪れるそうです。日本では考えられませんが、ヨーロッパでは路上で薬物を摂取してさらに社会に悪影響を与えるよりは、決まったところを提供したほうがまだ良いという考えからこのような施設ができたそうです。薬物がそこまで氾濫しているという事実を知り、深く考えさせられました。
    Kerstinは教師で、不登校や暴れてしまう子供たちの通う学校で働いていました。子供たちの見た目はいわゆる不良で授業中もけんかがおこり、落ち着きがありませんでした。しかし彼らは一生懸命勉強しようと努力し、日本人の私たちに興味津々で色々な質問をしてくれました。私たちは日本語の授業を行い、それぞれの名前をカタカナで教えました。外国語で書かれた自分の名前に目をキラキラさせて興奮していた子供たちの表情は忘れられません。
    Kerstinとは日本とドイツの文化の違い、政治や社会の話をよくしました。難しい内容もありましたが、それはすごくよい機会で、もっと日本のことに興味を持たなくてはいけないなと思いました。
    2人は本当に明るくて、私をからかったりしながらもすごく気にかけてくれ、職場での不安や悩みもじっくりと聞いて励ましてくれました。ベルギー旅行に連れて行ってもらったり、ドイツ映画のDVDを一緒に観たり、おすしを食べに行ったり、サッカーの試合を見に行ったり本当に思い出が多すぎてとても伝えきれないくらいです。家に帰ると実家のようにリラックスして楽しい毎日を過ごすことができました。今でもメールや手紙のやり取りをし、来年はどちらかが日本かドイツに行って再会する約束もしました。RitaKerstinは本当に大好きな最高の家族です。


    【費用】
    全部でかかった費用は約27万円でした。航空費はスイスエアライン利用で約15万円ほどでしたが、私は予約をするのが遅かったので早めに手配していればもっと安いチケットもありました。帰りの便がちょうどシルバーウィークと重なってしまったため混雑していて空席が少なかったので、日程にも配慮したほうがいいと思います。
    日本からは6万円分をユーロに換金していきました。現地ではクレジットカードを使うつもりだったのですが、ドイツではカードが使えるお店が意外に少なく、もし使えても日本にはないEC Karteのみ利用可能というお店もありました。さらに私のカードは時期の調子が悪く、現金の引き落としもできずエラーで使えないこともありました。暗証番号でしか支払えないこともあるので、それを含め渡航前にはしっかりとチェックしておくことが必要です。結局カードでは6万円ほどしか使っていません。
    交通費はYoung Ticketという定期券が1ヶ月43,10ユーロで、エリア内のバス・StraßenbahnS-bahnU-bahnが全て乗り放題です。さらに遠くに行きたいときときはZusats Ticket2,40ユーロ)やグループチケットを購入しました。
    また私はFrankfurt空港からDortmundに行ったのでICE代がかかりました。帰りは前もってインターネットで予約していたので、1人約20ユーロと格安で行くことができました。
    食費に関しては私はとても運が良くてとても安く済みました。昼食は会社の近くにある大学のMensaで食べていたので、1食1ユーロちょっとでした。国際学生証の提示で割引が受けられたり、Beilage3皿で1,5ユーロというお得なシステムがありました。日本人のとっては量が多めなので、割とよく食べるほうの私でもBeilageで十分でした。
    夕食はファミリーのご好意でいつも用意してもらっていました。一緒にお酒を飲みに行ったり外食の時に少しお金を出す程度で、その他は友達とレストランに行ったときのお金くらいしかかかりませんでした。荷物も日本に送らず、手荷物で持って帰ったので大幅に節約することができました。ただ、本当に重かったです

    【最後に】
    このインターンシップに参加して、留学や語学研修と働くことは全然違うと実感しました。これは日本で働くにしても外国で働くにしても、社会人になれば誰もが感じることでしょう。会社の同僚は私をドイツ語を勉強している学生ではなく、インターン生として扱います。ドイツ語力に不安があるからといって恐れることは全くありませんが、やはり仕事をするならもっともっと勉強しなければ満足に働くことは難しいと思いました。しかし、ドイツ人の働くスタイルをじっくり見ることができたのはとても良い機会でした。
    とてもハードな2ヶ月間で、夜中に高熱を出してしまったこともありましたが、1日も休まずに最後まで続けられたこと、仲間と今でも連絡をとりあうくらいの信頼関係を築けたことはこれからの自信にも必ずつながると思います。このようなすばらしい機会を与えてくださった獨協大学、サポートを続けてくださったアルブレヒト先生・大串先生・古田先生・Frau SullimanClaudiaIVAM・ファミリーの皆さんに、心から感謝しています。この経験は私の財産であり、これからの人生に活かして行きたいと思います。
    獨協大学ドイツ語学科のみなさん、このようなプログラムは獨協大学でしかできません。ぜひこれからもたくさんの人に参加していただき、有意義な体験をしてほしいと思います。自信を持ってお勧めします!! Vielen Dank!!


    ドルトムント「KORNHAUS(穀物の家)」 斎藤翼

    ドイツでの研修
    斎藤 翼

     私の研修先はドルトムントのKORNHAUS(穀物の家)でした。そこはBIO(有機・無農薬or化学製品)の物を扱っているお店で、ドイツはBIO大国として有名だったため、私はそこで研修することに決めました。毎日午後2時からの出勤でしたが、たいてい2時間前から手伝っていました。仕事内容は主にレジと、パン・ケーキ・チーズのカウンターでお客さんの相手をしていました。私は日本で塾講師のバイトしかやっていなかったので、レジ打ちはとても良い経験となりました。
    何よりお客さんと話ができ、さらに、パンやチーズ野菜や果物、それにケーキやワインなどをドイツ語で学ぶことができたことは自分にとってとても勉強になりました。特に野菜と果物は、日本語で分からないものや日本にない物まで覚えることができました。シェフ、一緒に働いていた仲間たち、それにお客さんまでみんなとても優しかったので、ストレスなく仕事に慣れることができました(最初のうちは幾度となくお客さんに「これはなんという野菜ですか」と尋ねることがありました)BIO製品は他の商品に比べると高いので、訪れるお客さんはやはり経済的に余裕のある人たちでした。3日間、午前中に働きましたが、8時からのシフトで、大型冷蔵庫から野菜を出したり、サンドウィッチを作ったりしました。自分の作ったサンドウィッチが2€60で売れた時はとても嬉しかったです。最高で一日9個売れました。

          

     先にも書きましたが、BIOの商品は普通のスーパーで売っている製品に比べると確かに値が張ります。しかし私は、日本人からすればBIOの商品もあまり高くはないのかな、と思っています。例えば、牛乳は1リットル1€で買えますし、ワインも0.75リットル3€から買えます。ビールに至っては1ビン1€で買えてしまったりもします。BIOの製品は、体に良いだけではなく、とてもおいしいです。パンは、何もつけなくてもおいしく頂けますし、漂白剤も何も入っていないため、非常に安心して食べることができます。もちろん、BIOのお店にもセールの品はあります。セールの品は本当にお買い得です。先ほどの牛乳も、80セントで買うことができます。日本は、国産の品があまりにも乏しいです。もしそれが、輸入品の安さによってであるなら、私は日本の農家も有機・無農薬に力を入れて品質で勝負すべきだと考えます。日本は技術力の国で、あらゆる分野でその技術は認められています、それこそ品質で勝負する傾向があるのです。それから、BIOは何も野菜や穀物などいわゆる原材料だけではありません。それらBIO製品から作られているものは全てBIOなのです。なので、コーンハウスはBIOのピザやヴィーナーシュニッツェル(ベジタリッシュですが)、それにもちろんハムやソーセージなど、BIO農家で育てられた肉も売っていました。日本の有機JASのようにBIO製品にはBIOのマークが付いているので、それが目印になると思います。それでも、コーンハウスにはありませんでしたが、BIOを称して全然BIOじゃない商品も出回っているというのでよく裏を見てみることをお勧めします。
     もしあなたがドイツに研修に行くのなら、何がなんでも喋ることができる仕事に就くことをお勧めします。なにより楽しいです。どんなに有意義な研修内容であっても、喋る機会がなくてはドイツにいる意味がないと、私は思います。どんなに単純な仕事内容でも喋る機会さえあれば会話の中から何かしら学ぶことができます。それにその地方独特の表現や文化を吸収することができます。それで充分だと思います。           


    最後に、ホストファミリー、チーム・コーンハウスのみんな、その他ドイツで私を支えてくれた皆さん、日本から私を応援し続けてくれた皆さんに感謝します。ありがとうございました。


    印象深かったお客さん(みんな個性的で、面白い人たちでした)
    1.ビオカフェの店長(毎日数回来て、日本語を覚えていってくれた、気さくなお得意さん)
    2.ゴシック親子(親子そろって真っ黒のロックンロールなのに化粧品はコーンハウス)
    3.サイクリスト(クールに、いっつも、玉ねぎベジタリッシュ肉ペーストを買っていった)

    おすすめ商品(全部おすすめなのですが、特に私が好きだった物)
    1.ディンケル・アレス・ドリン(コーンハウスの人気パン、でも他のパンも毎日完売御礼)
    2.ビオ・ナーデ(ドイツではどこでも売っているけれど、コーンハウスのはなぜか格安)
    3.タイフーン(菜食者の為の肉(大豆や豆腐からできている)製品は本当の肉よりおいしい)

    ドルトムント以外の町(Mitfahrgelegenheitを利用し、格安で多くの町に行けました)
    1.ブレーメン(一日で観光できる小さい町、童話の世界のようだったけれど観光者で一杯)
    2.シュトゥットガルト(新しいきれいな街だった、それでも自然があってやっぱりドイツ)
    3.ケルン(大聖堂の夜景は最高、なにより観光者がいなくなって、絶景を独り占めできる)
    4.デュッセルドルフ(日本人で溢れる町、YHの受付で日本語が話せた時には正直驚いた)
    5.デュースブルク(ドルトムントに似て静かな町、近かったし友達がいたのでよく通った)
    6.ボン(ベートーベンを知っているなら一日楽しめる記念館があって、丸一日そこにいた)
    7.ハンブルク(一日、二日じゃあとても周りきれない、この港町はまた絶対に訪れたい)

    追伸クランジェのキルメス(遊園地)は最高の思い出です、一生忘れません!!

    ドルトムント市環境局 後藤彩馨

    ドイツ語学科2年 後藤彩馨

    研修先:UMWELTAMT-Dortmund(8月11日~9月19日)
    勤務時間:月 火 水 8:00~16:00 {月~木 休憩:約60分}
         木     8:00~17:00 
         金     8:00~12:00
    *ただし、私は個人的に7時から出勤

    まず、私がインターンシップをしていたドルトムント市の環境局について説明します。環境局には水、地盤、ゴミ、風土、地形部があり、私は主に水、ゴミ、地質の部門に配属されました。この部門の長であるMackenbach氏が、私のお世話をして下さるということでした。私に与えて下さった部屋は風土部に属していて、風土部に携わっている人々とも関わりを持つことができました。一週目には、環境局で働いている人々に挨拶周りをして、Mackenbach氏からドルトムント市環境局の仕組みなどを、こと細かく教えて頂きました。最初は、Mackenbach氏が予定を組んで下さったのですが、二週目あたりからは、自分で各部屋の局の人々を訪ねて予定を組まなければなりませんでした。それは何週目になったとしても、局の人々と初対面で馴染みがなく言葉の壁がある私にとっては、難しいことでした。時々、Mackenbach氏や他の局の人々の助けを得ながら次々と予定を入れることができました。私の仕事は、局の人に同伴して視察することでした。環境局ではデスクワークの他に、よく市内を視察することが多かったので、それに同伴して様々なことを経験することができました。各宅のオイルの点検や下水浄化器の点検、住民からの苦情対応、企業訪問、ゴミ、産業廃棄物の埋め立て地、ゴミ焼却場の視察、市民の環境に対する苦情対応(近所の騒音問題)、気象記録所での大気の現状の確認(器具の点検)、自然保護地区での地盤の点検と見学などに同行しました。環境局部門内の週1度の会議、また市役所の人との会議にも参加させて頂きました。ルール地方の環境局の人々が集まった会議のためEssenまで出張し、Duisburg-Essen大学の教授を招き、ルール地方の大気汚染の現状、問題点や大気汚染改善の取り組みや成果、改善策、これからの指針などについて各市が発表し話し合いをするものでした。その他、Fhoenixseeやサッカー場の開拓プロジェクトの視察、市内の小学生を対象にしたWaldjugendspieleの付き添いもさせて頂きました。また、ドルトムント市のゴミ処理全般を請け負っているEDG(Entsorgung Dortmund GmbH)に連絡をとって頂き、そちらでドルトムント市のゴミ処理の現状の説明を受け、リサイクル場や、ゴミの埋め立て場を、二日かけて案内してくれました。ドルトムント市の環境局で働きながらにして、二日間も異なった企業でインターンシップをする貴重な機会を得ることができました。これらの様々な同行、視察、見学を通して、私と予定を組んでくださった様々の方々から、ドルトムント市の環境への取り組みや仕組み、課題、歴史等について知ることができました。このようなフィールドワークが多かったので、長靴やレインコートなどが必要でした。これら視察等の予定がある日には、ちょっとした報告書を提出することになっていました。短い文ですが写真付きの報告書を、一週間ごとを目安に提出しました。必ず報告書は、Mackenbach氏が目を通してくださいました。ドイツ語や内容の訂正、環境について学問的な知識をも説明してくださったので、今日行った内容を深く知ることと、ドイツ語の勉強にもなりました。報告書は、Mackenbach氏だけでなく、同じ部屋の同僚の方や他の同僚の方にも添削して頂きました。また、局外だけでなくパソコンでの仕事も頂き“Umweltzone”のプラカード作りを手伝わせて頂き、私はこの原本を考え、作ることができました。のちにこれは、プラカードとしてドルトムント市民に向けて発行されました。“Umweltzone”とは、車などから出る排気ガスなどのCO2排出制限区域のことです。これは、近年ドイツ中で行われている温暖化防止・大気汚染防止策です。ヨーロッパ連合からの案で、実際はドイツだけでなくヨーロッパ各地でこの案は取り入れられています。このような仕事の他に、局も遠足にも参加させて頂き炭鉱工場見学をしました。職場の雰囲気は非常に明るく馴染みやすく、皆親切にして下さりました。お昼休みには食事に誘って下さったり(奢って貰っていたことが多かったかな)、毎日仕事の合間にはコーヒーを頂き(つくり)、個人的な話でも盛り上がりました。そして個人的に、休日や仕事の合間に同僚の自宅訪問や一緒に食事、コンサートにも誘って頂き、ただの仕事仲間の“同僚”としてではなく、人によっては“友達”としての個人的な繋がりも持つことができました。環境局の多くの方々は、日本という国に興味を持って下さり、本当に色々と環境についても説明して下さいました。また、仕事で困った際には局の方々に協力し助けて頂いて、とても優しい方々でした。この環境局での経験は非常に濃いものとなり、彼らから本当にたくさんのことを学ぶことができました。より多くのことを学ぶためには、常に学ぼうとする意欲(モチベーション)を持ち続けるが大切であると実感しました。海外の職場で上手くやっていきたいならば(日本においても)基本的なことですが、物事に対する積極的な「気持ち」と、それを相手に伝えようとする「姿勢」が、より一層大切になると感じました。どんなに言葉の壁が高かったとしても、仕事や周りの人に対する「気持ち」が何より一番大切です。積極的な「気持ち」があり、それを行動に表して相手に伝えるならば、相手側は、更に私に親切に接してくれるように感じられました。そして、言葉の壁などで理解出来ないときには、例え相手にどんな反応を返されようと、理解していないことを相手にしっかり伝え、理解できるまで聞き直すことが相手に対しての礼儀であり、語学を学ぶ上でも大切であることを学びました。この態度は、仕事においてもドイツ社会では極めて大切なことであることを知りました。そして、はい・いいえの自分の意思をはっきり伝え、自分の意見をしっかり主張することもドイツでは大切です。しかし、文化の違いから日本人である私がこの文化に適応するには少々困難でしたが、一緒に働くことにより「仕事」に対する考え方の違いや文化的な相違を発見することができて、それらを体感することはとても面白いことだと思いました。日常生活では経験できない、働くからこそ分かる様々なことを今回経験することができました。これを学生の身分で経験できることは非常に貴重な経験であり、就職前のこれらの経験が今後将来にどのように影響を与えるかもインターンシップの魅力ではないかと思います。

    次に、六週間の環境局での研修の前に一週間(7月30日~8月8日)Agd(Ausland gesellschaft Deutschland)において語学研修がありました。そこでは、同じ立場である獨協の生徒と触れ合える機会でしたし、ドイツ語講座も「ビジネスドイツ語」に相応しい内容であったと満足しています。ただ机の上だけの文法のプリント学習だけでなく、実際にドルトムント市や近郊に野外博物館や給水施設訪問などの様々な施設を毎回見学しながらドイツ語を学びました。更に、電話での応対の仕方なども教えてもらい、実際に各自がお世話になる職場に電話をしました。ここでのドイツ語研修はとても実用的で役に立ちました。週に一度ここのAgdで獨協のメンバーと会い情報交換をする場が設けられ、取締役のスリマンさんや講師のクラウディアさんとに、インターン先で何をしたか、職場やホストファミリーなどで何か問題はないか等、話し合う機会がありました。この機会は、私達にとって心強く有難いものでした。また、より充実したドイツ滞在になるように様々なイベントの情報を流し誘って頂いて、異文化交流のパーティーで獨協のメンバーの皆とお寿司をつくったり、日本とドイツの違いについて新聞記者からインタビューをされたり(何かと地域新聞に載る)、野外映画を見たり、Düsseldorfへ観光しに行ったりもしました。このインターンシップの全体を通して、スリマンさんには、ドイツ滞在期の私たちの親代わりのようで、とてもお世話になりました。

    そしてホストファミリーは、Frau Ungerさん宅にお世話になりました。私は、植木さんと一緒にFrau Ungerさん宅で過ごしました。家族が家にいないことが多かったので、主に植木さんと過ごす時間が多く、ピアノを弾いたり歌ったり、たくさん色々なことを語ったりして、毎日お互い自炊をしながら楽しく過ごしました。ホストファミリーといいながらも、部屋の一角を使わせて頂いた感覚でした。その他、休日、個人的にN
    ürnbergに観光しに行ったり、Oberhausenのドイツ平和村などにボランティアに行ったり、ディスコに行ってテキーラを飲んでみたりとプログラム以外にも楽しみました。ドルトムント市で古田先生と柿沼先生に会って、一緒に飲んだりもしました。また獨協のメンバーの友達に誘われて、小学校に日本の文化の紹介をしたりしました。(これも地元新聞に載る)この他にも、この8週間のインターンシップでは、ここに書ききれない程たくさんの経験をして、体感することができました。このような、楽しく充実した日々が過ごせたのも、支えて下さったたくさんの方々のお陰であり心から感謝します。失敗もたくさんしましたが、今後のバネにして、この新鮮で貴重な経験を今後将来に活かしていきたいと強く思っています。

    エアポートホテル 桜井詩織 

    研修先:Airport Hotel Dortmund
    研修期間:811日~919
    ドイツ語学科
    2年 桜井詩織

     私はDortmundでの約10日間の事前研修の後、6週間Airport Hotel Dortmundのレストランでインターンシップをしました。計2ヶ月のドイツでの体験について報告させていただきます。

    ホストファミリー
     私のホストファミリーは年配の
    Philippご夫妻で、私のほかにもシリア人が1人、途中から1ヶ月間スペイン人が1人一緒に生活をし、様々な言語が行き交うとても賑やかな家族でした。私は地下に部屋をいただき、洗面所もキッチンも私専用のものが用意されていましたが、基本的にはホストファミリーと一緒に食事をしていたので私専用のキッチンを使うことはありませんでした。
     
    ホストファミリーの家は事前研修を受けた施設のある中心街から電車とバスを乗り継いで45分ほどと、他の先輩方より少し遠かったですが、研修先にはバスで10分ほどだったのでとても便利でした。はじめの1ヶ月は事前研修のため定期を買っていましたが、9月からは自転車でホテルまで通うこともできるほどの近さでした。
     
    Philippご夫妻には息子さんと娘さんがいらしたのですが、StuttgartKölnにそれぞれ住んでいて基本的には会うことはなかったのですが、たまに帰っていらして私をビヤガーテンに連れて行ってくださったりKölnの町を案内していただいたり、可愛がっていただきました。

    事前研修
     私が
    Dortmundに到着したのが大学のテスト期間終了翌日の726日で、その後30日から88日まで事前研修としてAuslandsgesellschaft Deutschland (以降AgD)で午前中は電話対応や書類の書き方などを習ったり、午後にはDeutsche BankIHKなどの企業の話を聞きに行ったりしました。
     
    Dortmund中心街にある様々な業種のお店などにそれぞれが与えられた質問をしに行ったりするなどユニークでドイツ語力などが試されるものもあり、とても楽しい10日間でした。授業開始時間も10時からが多く、AgDの他の受業生とかぶることも少なく、更に比較的AgDから遠いところに住んでいた私にとっても朝早く出掛けなければいけないといった負担が少なくて助かりました。

    インターンシップ
     私の研修先は
    Dortmund空港の近くに位置するホテル、Airport Hotel Dortmundでした。事前に日本で、ドイツでサービスの勉強をしたいとの希望を出していたので6週間ずっとホテル内のレストランで研修をしていました。当初は空港でのサービスを希望していたのですが、空港のセキュリティーの問題などがネックとなり空港での研修は実現しませんでした。しかしそれでも私の希望を少しでも通してくださろうと空港近くのビジネスホテルを研修先にしてくださったのはとても嬉しかったですし、結果的にはとても満足しています。


     基本的に19時間勤務で、ホテルは土日もお客様がいらっしゃるので土日も働いていました。そして土日に働く代わりに平日に休みをもらっていました。入っている時間帯にお客様が少なければ少し早くあがることができたり、また、忙しければ2〜3時間の延長もありました。早いときは朝の7時から、遅いときは午後3時から深夜3時まで働き、ほぼ1週間ごとに勤務時間が異なりました。シフトは1週間前に張り出されるので、きちんとした仕事なのにまるでアルバイトをしているような感覚でした。私にとって大変だったのは、朝勤務の際、バスが1時間に2本しか出ていないことから、ホテルとステイ先との距離が近いにもかかわらず6時には家を出なければならないところでした。朝勤務の日は5時起きでした…。
     仕事内容としては朝食ビュッフェの際にお客様のお皿をさげたり昼食の際はウェイトレスをし、お客様のいないときはただひたすらグラスを磨いたり掃除をしたり冷蔵庫の補充をしたりしました。基本的にはレストランでサービスをしていたのですが、時にはホテル主催のパーティに参加させてもらってそこでウェイトレスをしたり、結婚式の案内をさせてもらったりするなど沢山のことを経験させてもらいました。また、私はサービス担当の部署にいたのですが他の部署で人手が足りなくなるとかり出されたりもしていたので、レストラン以外にもハウスキーピングや受付を手伝うこともありました。
     同僚も比較的若い人が多く、休憩中には日本の話をしたり他愛無い世間話をしたり、とにかく沢山話して沢山笑いました。私が研修に入る
    1週間前にAirport Hotel Dortmundで働き出した17歳の女の子とはとても仲良くなり、仕事も一緒の日が多かったので2人で助け合っていました。ホテルという、24時間誰かしらが働かなくてはいけない特殊な職場だったのでなかなか同僚と外で会うことはできませんでしたが、その分仕事の時間がたのしみで仕方がありませんでした。最後の勤務日には同僚総出で秘密裏に私の送別会の準備をしてくれ、サプライズパーティを催してくれました。

     

     Airport Hotel Dortmundは4ツ星ホテルだったのでサービスに対する意識もとても高く、正しい言葉遣い、サービスの仕方、果てはウェイトレスとしての歩き方まで本当に多くのことを学ぶことができ、このホテルで研修することができたのは本当によかったと思っています。

    滞在費

     
    私はホストファミリーにも研修先にもとても恵まれ、食費はほとんど全くかかりませんでした。それは、基本的にホストファミリーと一緒に食事をとっていたことと、ホテルでも朝・昼・夜の全ての時間にまかないが出ていたからです。インターンシップの始まる前の事前研修の時の昼食ぐらいしか自分では払っておらず、あとは水以外の飲み物を買うだけでした。
     定期券代等を加えても、生活費は
    2ヶ月で3万円も使っていないくらいかと思います。9月は定期券も買わず自転車で通勤していたので、それも大きかったのかもしれません。

    最後に
     
    2ヵ月間、正直に言えば充実しすぎていて疲れましたが、それでも、思い切ってDortmundまで行って本当に良かったと思います。このような機会を下さった大学とAgD、そしてコーディネーターのスリマンさんには本当に感謝しています。

    2008年度 参加者:8名

    マイクロテクノロジー企業「IVAM」 千々岩 幸絵

    2008年インターンシップ報告

    千々岩 幸絵(
    CHIJIIWA YUKIE

    《語学研修》
     
    Auslandsgesellschaft DeutschlandAgD)にてインターンシップが始まる前に10日間の語学研修をしました。これからそれぞれ会社で働くということで、プリントでドイツ語を学ぶだけでなく、グラフを使ってデータの読み取りや、実際に自分がこれから働く会社や知らない会社に質問の電話をかけてみるなど、実践的な勉強を多くしました。
     授業が終わった後には浄水場や銀行訪問など、社会見学もたくさんできて、私たちがする質問に皆さん丁寧に答えて下さりとても勉強になりました。

    《インターンシップ》
     私がインターンシップをしたのはTechnology Zentrumという所にあるマイクロテクノロジー企業のIVAMという会社でした。メッセの企画、運営や学生向けのセミナー開催など様々なことをしている会社で、ヨーロッパを始め世界中に会員を持ち、日本にも多くの会員がいました。働いている人はバイトの学生を含めて15人ほどで以前も獨協の学生を受け入れていたということで雰囲気もよく、ドイツで日本と関係のある会社で働きたいと希望していた私にぴったりの会社でした。仕事は8:30から17:30(うちお昼休憩1時間)までで、家から仕事場までは電車の乗り継ぎがうまくいけば30分ほどで行くことができとても便利でした。

     私がインターンシップをする前に社長さんと同僚が日本のメッセに来ていたということもあり、最初の仕事は日本で貰った名刺をACT!というデータバンクに打ち込むことから始まりました。仕事場には以前日本の大学に留学していた同僚が2人いて彼らの読めない漢字を私が入力するなど、3人で協力しながら行いました。日本になじみのある2人の仕事を主に手伝い、彼らが私のBetreuerでした。ACT!の作業と平行しながら9月に社長さんが再び日本と韓国に企業視察に行くということで、ホテルの予約や移動のための切符の手配もしました。ホテルの予約がパソコンでできず困ってしまい相談すると、じゃあ電話して良いよと言われ日本に電話した時は、日本語を使うとは考えていなかったので最初不思議な感覚がしました。また視察へ行く企業の方々と挨拶やスケジュール確認などメールでのやりとりをし、尊敬語や謙譲語など日本語の難しさにも改めて気づきました。
     またIVAMに興味を持っている方のためドイツ語のIVAMに関する資料を翻訳しましたが、これが一番大変な仕事でした。まず自分がIVAMが何をしている会社なのかということを理解しなければ、相手にそれを伝えることや質問に答えることもできなかったからです。そのために、IVAMについてわからないことを同僚に聞いて、誰でもわかるように翻訳するのは本当に難しく、同僚と何度も話し合いました。そのかいがあってかIVAMの資料を送ってほしいと要望を多くの方から頂けてとても嬉しかったです。

     

     またSummer Schoolという学生向けのセミナーがあり、急遽企画を手伝っていた同僚が病気になり、代わりに私がその準備とまとめを手伝いました。突然だったので自分にできるだろうかと不安に思いましたが、セミナーで説明をする企業のプラカード作りや会場設定、アンケートを回収しエクセルにまとめたりとできる限りのことをしました。特にアンケートでは手書きの文字を読んでエクセルに記入するのにとても苦労しました。セミナーが終わった後「あなたがいてくれてよかった」という言葉を貰いとても嬉しかったです。8月後半になると日本出発のための綿密なスケジュール確認のための会議と9月後半にハノーファーで行われるメッセのための会議を社長さんと同僚たちで会議を多く行いました。社長さんが出発した後はメッセのための準備に私も参加し、IVAM会員にメッセ詳細を郵送するための料金を調べ、書類のコピーをしました。社長さんの帰国後は再びACT!へのデータ入力をし、最初にやったときよりもだいぶ早く入力でき、効率よく仕事ができました。
     インターンシップの最終日には社長さん同僚の皆がプレゼントをくれ、「もし日本で働きたくなかったら、卒業後はここで働きなよ!」といってくれた時は驚きと嬉しさで泣いてしまいました。最初は何をするにも質問ばかりで、皆に迷惑をかけているのではないかと思っていましたが、皆本当に親切で私が一番年少者だったこともあり、時には兄弟のように接してくれました。2月に再び社長さんが日本のメッセに参加するので手伝ってほしいという連絡をもらい、ぜひまたIVAMのメンバーと働きたいと思っています。


    《ホストファミリー》 

     
    私のホストファミリーは舞台女優の方で娘さんとお孫さんはデュッセルドルフに住んでいたので、一人暮らしでした。私がドルトムントに着いた時彼女はギリシャに旅行中で、ドイツに帰るのは9月中頃と聞いていました。出発前にホストファミリーが家を留守にしている事は聞いていたので、日本から食事を何日分か持っていきました。 初めての一人暮らしであり、ホストファミリーと一緒の生活を望んでいたので最初は寂しかったのですが、ドイツのスーパーに一人暮らし同士の友達と行き、色々なものをシェアしたり、自由に暮らす楽しさも経験できました。  
     また私は高校時代ケルンに留学していたので、週末にはほぼ毎週家族の元に帰り、ケルンのホストファミリーと遊びに行ったり、料理の手伝いをしてました。ドルトムントに帰る前日には毎回ホストマザーが私に手づくりの料理やお菓子を持たせてくれ、里帰りってこんな感じなのかなとあたたかい気持ちになりました。
     8月の終わりに突然
    AgDから仕事場に電話が掛かってき、話しをすると、明日か明後日に私のホストファミリーが帰ってくるということでした。突然の報告に驚いてしまい、やっと会える嬉しさと一緒に暮らす不安でいっぱいでしたが、家に帰ってホストマザーに会って話をしてみると、明るくてすぐに打ち解けられました。私が朝早く家を出てしまうことが多かったので、仕事が終わってから彼女のTheaterやChorを見に行ったり、彼女のために日本食を作ったりと一人とは又違う楽しいときを過ごせました。

    《費用》
    私はインターンシップの前と後はケルンに行く予定をたてていたのでKLMで行き、25万円ほどかかりました。生活費は食費、交通費、その他全て合わせて10万円ほどでした。お昼に会社の同僚のほとんどは大学の食堂に行っていましたが、毎日だと食費がかさむのでたまに家で作ったものを持っていたりもしました。

    《最後に》
    ドイツでインターンシップができる機会は滅多にないと思います。このようなチャンスを与えてくれた獨協大学の先生方そしてドイツで私たちをサポートしてくれたAgDのFrau SulimanとKlaudia、インターンシップ先IVAMの方々には本当に感謝しています。
    本当にありがとうございました。

    ドルトムント動物保護センター 水野信貴

    インターンシップ報告書2008
    ドイツ語学科3年 水野信貴
    【期間】2008年7月31日~9月19日(仕事期間;8月11日~9月19日)
    【場所】 Tierschutzzentrum DortmundSchulbiologisches Zentrum der Stadt Dortmund
    【職種】動物関係、教育関係
    【経費】
    航空運賃:約23万≒1394ユーロ
    食費(自炊):約270ユーロ
    食費(外食):約80ユーロ
    交通費(ドイツ国内/2ヵ月分):約180ユーロ
    雑費:約400ユーロ
    合計;2,324ユーロ≒383,460円
    一ヵ月あたりの生活費:465ユーロ≒76,725円
    (1ユーロ=165円で計算)
     
    ☆研修
     このプログラムでは最初の10日間は、Auslandsgesellschaft Deutschland(以下AgD)での研修に充てられます。研修はAgDの講師(Frau Claudia Borkという、親切で愉快な女性)によって行われ、午前中にドイツ語の授業、午後に町案内や諸所見学をするのが基本的な構成。授業開始は10時、帰宅は18~19時頃でした。
    授業内容は主に、ドイツに関する知識確認、動詞と前置詞の組み合わせ、名詞と動詞の組み合わせ、グラフや統計の読み取り、電話での言い回しや実際の電話練習など。ゲーテインスティテュートの授業と、獨協大学の総合ドイツ語の授業を合わせた雰囲気の授業でした。午後には、各種博物館やドイツ銀行、浄水場など、ドイツの労働・産業・技術に関する場所を見学。公園やサッカースタジアムへ行き、説明を受けたり、ドルトムント市庁舎に出向いて市長と面会もしました。
    研修で学んだことが直接その後の職業体験につながるか否かは、職種や職場での状況にもよるので、個人差がありますが、非常に貴重で、長期的には必ず大きな糧となる体験ができるので、現時点での速効的な益を求めるのではなく、どんなことからでも何かを吸収しようとする姿勢が大切だと思います。
     
    ☆実習1(Tierschutzzentrum Dortmund
     私は、動物・自然に関する職を体験してみたかったので、Tierschutzzentrumを希望しました。Tierschutzzentrumは、飼い主のいないペット(犬、猫、小動物、鳥)を保護・飼育し、貰い手を探す施設です。ドルトムントには、中央駅よりやや西南部に位置するDorstfeldという地域にひとつあり、私はそこで火曜日・水曜日・木曜日の週3日職業実習をすることになりました。
     Tierschutzzentrumでは、主に犬と猫の飼育場の掃除をしました。犬・猫の飼育場は屋内と屋外にわかれており、屋内を清掃する時は屋外に、屋外を清掃する時には屋内に動物を移動させます。犬の場合は餌皿・水皿の洗浄、糞の始末、ホースを使っての檻の洗浄が主な仕事、猫の場合はトイレの清掃、餌皿・水皿の洗浄、飼育場の床の拭き掃除、餌・水やりなどが主な仕事でした。その他、ウサギのケージ清掃、鳥小屋の草刈り、犬の遊技場の芝刈りなどもしました。また、毎週水曜日は獣医師が来訪し、施設の動物の診察・検診をするので、その様子も見学しました。
     Tierschutzzentrum Dortmundでは、NABUNaturschutzbund Deutschland e.V.)という、主に鳥類を対象とした自然保護団体が運営する野鳥保護施設も併設されていて、そこでは、怪我などで保護された猛禽類を飼育していました。そこで餌となるネズミの世話も、2度ほど体験しました。
    Tierschutzzentrumでの仕事には、ゴム長靴と汚れても良い服装が必要不可欠でした。ゴム長靴は業務用の長靴が好ましいのですが、これはBerufskleidungを専門的に扱っている店で売っているもので、容易には手に入らない上に決して安くはないので、ホストファミリーにお借りしました。
    仕事時間は8時から14時と短かく、飼育場の清掃などの作業は11時頃にほとんど終わってしまうので、空き時間がだいぶありました。仕事内容は力仕事・水仕事はもちろん、猫のトイレ掃除、檻に散らばった犬の糞をスコップを使って集める作業など、決していつも快適なものではありませんが、そこは承知の上で希望したので特に問題はありませんでした。また、獣医見学の時に猫の去勢手術に立ち会いましたが、そのような場面が苦手な方は、事前に獣医師に知らせておいたほうが良いと思います。
    Tierschutzzentrumで働く場合、AgDの研修で学んだことを直接生かす場面は残念ながら皆無でしたが、特殊な言葉を耳にする機会が他の職場に比べて多かったです。その為、言葉の面で多少苦労することもありましたが、普段触れることのできない特殊な単語を覚えることができました。
    大変なことも多々ありましたが、ペットが好きな人には、Tierschutzzentrumでインターンシップをすることを是非お勧めします。

     
     Abb.1 miau miau Abb. 2 ich suche neues Zuhause,,,,,,

    ☆実習2(Schulbiologisches Zentrum der Stadt Dortmund
     月曜日と金曜日、そして最後の一週間(9月15‐19日)は、Schulbiologisches Zentrumで職業体験をしました。このセンターは、ドルトムント中央駅の南部に位置するRombergparkという広大な公園に隣接して建てられ、ドルトムント中の学校から生物の課外授業で生徒達が訪れる市立施設です。Schulbiologisches Zentrumでは、「Grüne Schule」といって、隣接する公園及び付属の菜園で主に植物のことや野生生物(鳥、昆虫など)について学ぶプログラムと、近くにある動物園へ出向き、そこで対象となる動物を観察しながら学ぶ「Zooschule」というプログラムの2つの授業形態をとっていました。どちらのプログラムでも生徒たちは担任や保護者とバスで訪れ、センターの教員(もともとGesamtschuleなどの生物の教員で、曜日ごとに担当が決められており、非番の日は自身の所属する学校で教えている)が授業をする形でした。Schulbiologisches Zentrumは、前述の通り、ドルトムントの学校が生物の課外授業で使う施設なので、職業実習内容は基本的に授業の補佐・見学でした。授業開始は9時で、終了は1245分。勤務時間はだいたい8時30から13時過ぎくらいまででした。
     今回私は「Zoo Schule」に参加する機会はありませんでしたが、「Grüne Schule」では、シーズンごとに授業テーマが決められており、8月中旬から10月までは「果物収穫」がテーマで、毎週水曜日を除いて、リンゴの収穫・リンゴジュース作りが授業内容でした。水曜日の授業テーマは、「クモ」。隣接するRombergparkや、Schulbiologisches Zentrum施設周辺でクモを採集してきて、クモや節足動物全般について解説するという授業です。
     どこかの学校の付属の施設ではなく市の公共の施設なので、来訪する学校は毎日異なりますが、年齢・学年は「果物収穫」の授業は基本的にGrundschuleの子供たち(9歳前後)、「クモ」の授業ではGymnasiumの8年生くらいの生徒たちが大半でした。「果物収穫」の授業では、一度Berufschule20歳前後の生徒たちが来たこともありました。
     子供と相性が合う人や、ドイツの教育現場を味わいたい人にはこの仕事をお勧めします。動植物について(日本・ドイツ双方)多少知識があれば、なお充実した実習になるはずです。

     
    Abb. 3 richtige Arbeit!

    ☆生活
     滞在中はホームステイをすることになりますが、多くの場合、ホストファミリーと共生する形のホームステイではなく、ホストファミリーが所有する家の一部屋を与えられ、そこで一人暮らしをする形のホームステイでした。
     私のステイ先は、ドルトムント中央駅からS-Bahnで一駅のところにあり、交通の便は良好でした。徒歩1~2分のところにバス停も大型スーパーもあり、利便性はとても良かったと思います。ホストファミリーは一階に一部屋、二階に二部屋、三階に一部屋ある、最大4世帯入居可能な家を所有しており、私は二階の部屋のひとつを借り、そこに住みました。トイレ・バス・キッチン・調理器具・冷蔵庫・食器洗浄機・家具・テレビ付きの7~8平米程度の部屋で、とても住み心地良かったです。家(部屋)が別なので、ホストファミリーとの接触は、用事のある時以外にはありません。ホストファミリー=大家さん、自分=借家人と考えれば相互関係がイメージできると思います。なので、一人で住むのは不安だけども、ホストファミリーと常に一緒というのは遠慮してしまうという人には最適です。逆に、ホストファミリーと密に接したいという人は、エントリーシートの住居希望欄に「ホストファミリーと一緒に住みたい」と書くと良いと思います。
     食事は、友人とレストランに行った場合などを除き、基本的に3食自炊でした。私は実習時間がさほど長くなかったことなどもあり、スーパーなどで野菜やその他の食材・調味料を買っていちいち料理をしていましたが、インスタント食品や冷凍食品もたくさん売っており、ピザやケバブなどの軽食屋も数多くあったので、時間がない人や自炊が苦手な人でも特に問題はないと思います。
    衣類は下着類を除き、Tシャツ、長袖のシャツ、長袖の上着、ポロシャツ、ズボン、襟巻、帽子を日本から持参して行きましたが、8月下旬から9月には最高気温が15度前後になってしまい、持ち合わせの衣類では寒さを防げなくなったので、結局現地でパーカーとジャンパーを買いました。
     
    ☆その他
    ドイツへは、成田空港9:30頃発の直通便で、フランクフルト空港には現地時間で14時頃到着しました。ICEでドルトムント駅に向かい、ホームステイ先に到着したのは夕方。ステイ先に到着したその時点から、前述のように、家族と共同生活ではなく、一人暮らしで自炊をすることになるので、着いたその日の食糧は日本から持参して行ったほうが無難です。昼間に到着する場合はステイ先近所の店で何か買うこともできますが、長旅で疲れていること必至なので、到着後に買い物に行って自炊というのは大変です。特に、到着が夜になる場合は、翌朝のことも考え、必ず持って行ったほうが良いです。
     渡独は、ステイ先と直前の試験日程が許す限り、なるべく早めに行くことをお勧めします。(ただし、自分の試験が終了しても、大学は試験期間中は夏季休暇ではないので、そのあたりは自己責任で・・・)Auslandsgesellschaft Deutschland(以下AgD)での研修は、なかなかハードスケジュールなので、研修前になるべく時差ボケと旅の疲れを回復しておき、ステイ先周辺の地理や交通にも慣れておいたほうが良いです。ドルトムントは、バス、U-BahnS-Bahnが隅々まで廻っていて、市内交通の便はとても良いですが、1時間あたりの本数や接続の利便性は、日本のようにはいかず、また1020分程度の遅延は頻繁にあるので(主にS-Bahn)、どこかへ行く時は常に時間に余裕を持っていたほうが良いと思います。特に、土日の外出や帰宅が遅くなる場合は、事前に電車・バスの最終便を確認しておくことが必要です。市内の交通費は、Monatkarte(1カ月定期)を買えば、それ一枚でバスも電車も乗り放題だったので得でした。
     お金の問題ですが、二ヵ月暮らすわけなので、もちろん全額現金で持って行くわけにはいきません。私は、海外で引き出せるキャッシュカードを日本で作り、持って行きました。国際キャッシュカードは、シティバンク、みずほ銀行などで作成できます。ドルトムント市内にはATMが多数あり、操作も非常に簡単なので、全く問題なく使えます。ただし、ある程度の手数料が発生するので、何度も引き出すのはあまりお勧めしません。一度に1ヵ月ぶんの生活費として500~600ユーロくらい引き出したほうが良いでしょう。私は、現金とキャッシュカードだけで、その他クレジットカードやトラベラーズチェックなどは持って行きませんでした。
     連絡手段に多少困ったので、使いすぎに気をつければ、海外で利用可能な携帯電話を持っていくのも良いと思います。現地でプリペイド式携帯電話を買うのも一つの手段です。プリペイド式携帯電話は大型電気店などで2050ユーロ程で購入可能です。ただし、購入の際にはパスポートが必要になります。

     
    Abb. 4 Borussia.,

    ☆ドイツ語
     ドイツ語力はもちろん高ければ高いほど良いです。個人的な見解を述べると、ZDのレベルでは不十分だと感じました。職業実習といっても、実習生のドイツ語力を判断して見合った仕事を与えてくれるので、会話慣れしていればZDレベルでも十分対応可能ですが、少し突っ込んだ話になるとやはり物足りなさを感じます。職種によっては特殊な語彙や表現が必要になることもあります。職場で不自由なくやっていく為には、やはりB2以上のレベルがあると心強いと思います。
     ただし、それはあくまでも「不自由なく」仕事をこなしてゆく場合であって、参加するのにはZDで十分だと思います。必要とされるドイツ語能力は職場によって千差万別です。私にとっては、力不足で苦労するのもまたとても良い体験でした。自分のドイツ語力に自信がなくても、多少の不自由は覚悟の上、是非参加してみてください。苦労して身に付けた力は本物です。実習が終わるころには目に見えてドイツ語が向上しているはずです。
     更に詳しい情報を知りたい方や質問などある方はこちらにどうぞ!できる範囲内でお答えします。
     ドイツ語学科3年水野信貴(ミズノノブタカ)
    g6111186@dokkyo.ac.jp



    Abb.5 Toooooor!!

    RTS旅行代理店/AGNRW旅行部門 植木しのか

    Praktikum in Dortmund 2008
    ドルトムントにおけるインターンシップ
     ドイツ語学科2年 植木しのか
    インターンシップ先:RTS旅行代理店(2週間)、AGNRW(外国協会)の旅行部門(4週間)
     ◆渡航前◆
    職種決定の際はどのような仕事をしてみたいかなど、具体的なことがはっきりしていた方が、想像しやすいと思った。また、具体的要望があれば、職場やホストファミリーの仲介など現地でお世話して下さる外国協会の方にとっても、職場を提供して下さる企業を探すうえで良いだろう。しかし、将来の方向性が決まっていない人やどんな職種が良いか決めかねている人は、自分の興味を伝えておけば、それにあった職種を探してもらえる。私は将来外務省で働くことを目標にしているので、当初は行政機関でのインターンを希望していたが、結果的に行政機関で職場が確保できなかったため、当時興味のあった観光業で職場を探していただいた。
    語学研修◆
    「経済ドイツ語」と聞いていたので、専門用語を覚えるものかと想像していたが、グループのレベルを見て判断し、授業を進めていった。屋外の研修がある日には、その研修先で必要になる単語や、その研修先でなにが議題となっているのかなど大まかなことを学んでから行った。これは研修所での講義の内容を理解する上でとても役に立った。宿題が出ることもあり、次の日には前日の屋外研修の復習をするなど、前後のフォローがしっかりしているように感じた。屋外研修では相当歩くので体力が必要だと思う。職業保護展示館や商工会議所、銀行、サッカースタジアムなど色々なところで研修をしたが、個人的に浄水場が一番面白かった。普段あることがあたり前である水も、汚い水が色々な過程を通してきれいになっていくところや、それに従事している人々の仕事を見ることで、環境問題を身近に感じることができた。また、外国協会で日本文化を紹介する機会などもあり、異文化理解に携われたことはとても光栄だった。


     ◆インターンシップ先◆
    私は最初の2週間をRTS旅行代理店ですごした。この旅行代理店は今回のプログラムへの参加が初めてだったので、職場の状況もわからず不安だった。1日中コンピュータの入力でドイツ語を話す機会もあまりなく、なにをしても感謝されないので、自分がその職場にいる意義が見い出せずにいた。当初計画にあった日本紹介のプロジェクトは忙しいという理由から打ち切られてしまい、やらせてもらえなかった。2週間後も状況が改善しないので、外国協会の方に言って職場を変えてもらった。たまたま外国協会の旅行部門に空きがあったので、今まで語学研修を受けていたその建物で仕事をすることとなった。そちらの職場は前のそれと全く異なり、同僚も上司もとても人間的な人たちだった。そこには私にできることがあり、“Danke für deine Hilfe“と言われることがただ嬉しく、一生懸命に働いた。私は前の2週間が無駄になったとは思っていない。むしろ、ドイツの職場の違う面を見られてとてもよかったと思っている。私はドイツ人が日本人より働かないと思っていたが、最初の職場では毎日10時間労働であったし、利益を追求することだけに仕事の重きを置く人々もたくさんいた。それに反して外国協会では、基本的に時間の流れが穏やかで、そこでは「世界をよりよく理解する」という目標を掲げて活動しているため、経済的な利益のみを目的とするのではなく、皆社会的責任感をもって働いているように感じた。このような違いを見れたことは、将来外務省専門職員を目指している私にとって、とても意義のあることだった。
    仕事内容については自分の能力を超えるような要求はされなかったので、予想よりも楽であったと思う。ただ、働ける期間も短くドイツ語もままならないため、できること自体が少なかった。顧客への助言や電話対応、覚えるのに時間のかかるソフトウェアの習得などは難しかったため、接客では飲み物を給仕したり、プログラミングでは、簡単な作業の手伝いをしたりと主に正社員の補助を担った。それ故、パンフレットを何百枚も折ったりする地道な作業が多かったが、これはとてもよい経験になった。このように小さな仕事も組織を支えるうえでとても重要なのだと、裏方の重要さを知った。どんな仕事にもそれぞれ意味があり、働く人ひとりひとりに意味があるのだと感じることができた。今まではトイレを使用するのに、そこをきれいにしてくれる人のことを考えてもみなかったし、大学で配布される資料を誰かが束ねてくれているなんて想像したこともなかった。このようなことを体験できたことは、これからの私の人とのかかわり方にも大きく影響してくると思う。
    ホストファミリー◆
    今回の参加者で大学の寮に泊まったものはおらず、みな各ホストファミリーにお世話になった。外国協会から提供されるホストファミリーはそれぞれ全く異なっていた。ある者はとても暖かな家庭に迎えられ毎日食事を共にとるなど、接触も多かったが、ある者は家族との関わり合いがないどころか、食器や生活のための器具も満足にない状態で、個人で買わざるをえないなどの不便があった。私自身は娘と母親だけの小さな家庭に別の日本人(後藤さん)と二人でお世話になっていた。とてもきれいな部屋で自由に過ごすことができたし、家族との接点が少ないこともなれ合いを好まない私には好都合だった。しかしながら、この家の母親が正直な人でなかったため、家では精神的に不安定な状態であった。隣の部屋の後藤さんと話ができ、相談し合えたのが何よりの救いであり、二人で暮せたことに感謝している。このことは責任者のスリマンさんに報告済みのため、この家庭は来年度からはホストファミリーから外されるので心配はいらないが、もしもこのような事態が起きた場合にはすぐに報告すべきである。また、家庭によっては食事代など個人的に請求するところもあるが、そういった場合最初に家族にいくらになるのか、いつ払えばいいのかなど聞いておくべきだ。これらはすべて口頭で行われる「契約」なので、曖昧になってしまうことが多いだろう。うわべだけ優しい人もいるので、できれば文書で正式に取り決めるのが良い。


     ◆費用◆
    当時
    Air Franceの航空券が若者限定で安く提供されていたため、5月頃に208370円で購入した。私はこのインターンシップ後、交換留学生としてそのままドイツに滞在するため1年間のオープンチケットを買ったが、2か月で日本に戻るチケットも値段的に大差がなかったと思う。私は誤ってフランクフルト空港を目的地にしてしまったが、パリ経由だったために、デュッセルドルフ空港乗り換えの方が楽であったようだ。交通費に関しては、フランクフルト空港からドルトムントまでは通常価格が80ユーロほどするが、事前に日本からクレジットカードで買っておけば、最安値で29ユーロを払ってICEに乗ることができる。研修が始まってからは月ごとの定期券を約42ユーロで購入するため、市内のバスや電車賃は毎回払わずに済んだ。2ヶ月目も定期券を買った方が楽であるし、人によっては安く済む。食費はホストファミリーによって違うと思うが、私の場合は家での食事代や、外食代などを含めて1カ月100ユーロ程かかった。今年の夏はとても短く、8月、9月になるととても寒かったため、冬服を買ったがこれは予想外の出費であった。
     ◆治安◆
    ドルトムントの中央駅には絶えず人がいる。警察もいるので昼間は心配ないが、夜には1人で出歩かない方がよいと思う。特に外国協会のある北側は治安が良くないようで、私も酔っぱらった人に声をかけられたり、友人も駅構内で追いかけられたりと危ないこともあった。用心に越したことはないと思う。
    全体を通して◆
    今回のインターンシッププログラムへの参加は色々な意味でとても有意義だった。ドイツで仕事を体験できたことはこれからの自分にとって自信となるだろうし、職場で学んだ多くのことは自分の将来の目標にも大きな影響を与えると思う。職場や家族の中に、本当の意味で親切でない人たちにも出会い苦労したが、その分そういった問題を抱えたときに、支えてくれた人たちの優しさを感じることができた。ドイツ人、日本人にかかわらず、人間の色々な面を見れてよかったと思う。人間の中には自分の利益しか省みない人もいるが、それとは反対に今回私を応援してくれた仲間、プログラムを担ってくださった方々、外国協会の人々、大学の先生方、日本で私を待ってくれている人のように、人のために働いてくれる素晴らしい人がたくさんいる。そういう方々に改めて感謝したい。


     

    ドルトムント市立史料館 海老名杏奈

    2008年インターンシップ研修 in DORTMUND
            ドイツ語学科3年 海老名杏奈

     ・研修先:ドルトムント市立史料館およびシュタインヴァッヘ警告・追悼記念館
     研修先について
     私はドイツ史、特にナチ時代・戦後史に興味があったので、このインターンシップ研修ではぜひ私の興味に合致するような職場で働きたいとプロフィールに書きました。大学とこのプログラムを実行して下さっているアウスランドゲゼルシャフトのおかげで私は上記の職場で研修することができました。結論から言えば、この研修はとても満足のいくものでした。史料館の皆さんはとても親切でしたし、ドイツやドルトムントの歴史に携わる仕事に触れて本当に光栄でした。
    研修内容
     私の6週間の研修は3週間ごとに区切られ、初めの3週間は主に現代史を扱う課でドルトムントのナチ時代をテーマに歴史研究をしました。例えば、ナチ党員の裁判資料や犠牲者のインタビューからある出来事や人物を特定する作業や、当時の新聞や写真を見て時代背景を理解する作業などをしました。ただしデリケートで重要なテーマを扱っているので、守秘義務を果たすことが絶対条件とのことでした。しかしこれらの作業は一端に触れただけに過ぎず、この研修で私に与えられた最大の課題は、史料館の所有する「シュタインヴァッヘ警告・追悼記念館」を獨協から行った10人の仲間たちにドイツ語でガイドすることでした。この記念館は、20世紀初めに警察署として建てられ、ナチ時代にはゲシュタポの事務所と刑務所としての役割を果たしました。過去の惨劇を繰り返さぬようにとの警告とナチ時代の犠牲者への追悼の意味を込め、現在では市所有の記念館になっているのです。毎日朝8:15に史料館に出勤しほとんどは記念館に関する本を読んでいましたが、合間にほかの資料を見せてもらったり、時には実際に記念館に行って展示物に損傷がないか調べたり、現地の方がされるガイドツアーに参加して、自分のツアーの構成の参考にしたりしました。終業はいつも16時でした。ガイドツアーの準備に要した時間は約1ヶ月ですが、ほとんど就業時間のなかで準備しました。ドイツ語で「読み込む」という作業は座っているだけのように見えて実はとても疲れる作業です。さらに歴史というテーマを扱うので語彙が非常に難しかったですし、ツアーをするという大きなプレッシャーもありました。しかしそれを終えたときには大きな達成感がありましたし、自分にとっての大きな収穫となりました。
     次の3週間は一般的な史料館の仕事に幅広く携わりました。私を担当してくださった方の指示に従って公文書を整理したり、利用者の方の問い合わせに答えたり、新聞記事の検索をしたりしました。また、そのうちの4日間は古文書の修復などをする作業場も見せていただき、そこで修復作業の見学をしたり、紙やノート、小物入れ作りを体験し、ちょっとした工作の時間を楽しみました。初めの3週間とはまた別の興味深い仕事に携わることができました。
     この職場の皆さんはとても親切で素敵な方ばかりでいつでも私を助けてくださいました。市立史料館でのインターンシップはドイツ史に興味のある方にぜひおすすめしたいです。他ではできない特別な体験をたくさんすることと思います。こんなに収穫の大きな研修をさせてもらったことに心から感謝しています。
     ホストファミリーについて
     私はポーランド出身のシュヴェートさんのお宅でお世話になりました。(ドイツ語は完璧です。)お父さん、お母さん、18歳と15歳の男の子、12歳の女の子と一匹の犬がいる大きな温かい家族でした。私の他に3人のトルコ人学生の受け入れもしており、彼らとも良い友達になることができました。シュヴェートさんは私を家族の一員として扱ってくださって、いつも一緒に食事をし、どこかに出かけるときは必ず一緒に連れて行ってくださいました。お家には大きな庭があって、12歳のニコールをトランポリンやバドミントンをしたり、犬とボールで遊んだり、休日にはバーベキューをして楽しみました。食費として週50ユーロずつ支払っていましたが、このお宅では出来合いのものは一切食べず、自家栽培の野菜や果物を使って料理をするので毎日とってもおいしい食事ができました。本当に幸せでした。お母さんは学童保育の先生で、私も何度か一緒に学校へ行って子供たちと遊びました。一度は、子供たちの前で日本についてのプレゼンをする機会をいただき、植木さんと後藤さんも一緒に学校へ行ってプレゼンをしました。私がお世話になったことでこの家族が日本に興味を持ってくださって、日本・ドイツ・ポーランドの文化や歴史、生活などについて話し込んでしまうこともしばしばありました。トルコ人の学生とは余暇に一緒に食事したり、テレビを見たり、休日には小旅行もしました。
     私はこの夏休み、一生モノのすばらしい体験と温かい人々との出会いを手に入れることができました。すべては大学、アウスランドゲゼルシャフト、ホストファミリー、史料館の皆さんのご尽力がなければ達成し得ないものでした。心から感謝申し上げます。次回行く皆さんも、自分がやってみたいことを明確にしてこの研修に臨んで下さい。きっと有意義な体験ができることでしょう。本当にありがとうございました。

    放送局「Antenne UNNA」服部雄大

    Das Praktikum 2008
    bei Antenne UNNA

    ドイツ語学科3年 服部雄大


     „ Hey Yudai. Kommst du mit? “この一言から今日もAntenne UNNAでの私の仕事は始まる。
    向かう先はもちろん記者会見だ。
    私は仕事仲間が運転する車にMDプレイヤーとマイクを持って乗り込む。軽快に飛ばす車のステレオからはドイツのポップミュージックが流れている。それらの曲の間をぬって先日スタジオで作り上げた取材作品が放送されるのだ。おもしろさを考慮して製作した台本をDJがスムーズに読み上げる。私のドイツでの生活は地域の最先端を行く仕事だった。
    ラジオはドイツにおいて人々にとても浸透しているメディアの一つだ。私が働いていた所はDortmundのすぐ東隣にあるUnnaという小さな都市だ。ここは第二次世界大戦での空襲を免れて今でも古い街並みが残っている。人口はもちろんDortmundに比べれば少ないが同市を含めて周辺にある十都市と郡を構成している。今回インターンをさせてもらった会社はその各都市を網羅する放送局なのだ。ドイツ全土のニュースを含めローカルな情報も担当しているのである。
    いつも私の仕事は朝の十時半に行われる全体ミーティングから始まる。そこでその日に組んである予定やニュースなどをスタッフと共有できる。ディレクターのChristineが中心となって重要だと感じたことがらについて皆で議論するのだ。そうして一日の流れを決めていく。それが終わると各自の仕事が始まる。
    私はそのほとんどを一人ではなく仲間と一緒にこなしてきた。
    「通常ではあまり職業訓練生を多くとらないが、現時点ではなぜか増えてしまったんだよ」とディレクターのElmarは笑いながら言っていた。彼のドイツ語はまるでICEのように早い。昔から日本に興味があり、留学経験もある彼は今回の件に大きな興味を持った。そして私を受け入れてくれたのである。幸運なことに私が入った時にはすでに七人のPraktikantenが働いていた。年齢も二十歳前後で全員が日本に大きな関心を持ってくれた。私はわからない事があればすぐに質問できた。そしてドイツと日本の違いや食文化について彼らとたくさん話すことができた。優しい人達でいつも私に与えられた仕事を一生懸命手伝ってくれた。
    私は毎回違うメンバーと一緒に記者会見に臨んでいた。行った場所はAirport DortmundやDeutsches Rotes KreuzやUnna市にあるFahrschuleなどである。実際は行く場所も固定されていないし派遣される日程などもその日に決まることが多い。
    それらを取材する人にとって必要なことは「リスナーが絶対に理解できるわかりやすさ」である。それは話の内容や言葉を簡単にするということだけではない。グローバルな視点から問題を大きく捉えるということでもあるのだ。
    例えばAirport Dortmundだ。空港自体は周辺都市と比較すると小さく小型機が多くとまっている。私が参加した会見ではテーマが空港の滑走路を2000mから2800mに長くすることについてだった。一番大事な情報はその数字と延長する事実を伝えることだが、私達はそれをもっと広い視点で考えなければならない。
    この場合だと周辺住民への騒音影響や離着陸時間の変化も見込まれるかなどが挙げられる。一般の人がなかなか意識しないような細かなところまで気を配る必要がある。一度の記者会見が放送される時間は二分程度だ。長いようで案外短いその尺の中にこれらの材料も含めなければならない。
    そこで記者が使うのがマイクとMDプレイヤーだ。録音再生機能のついたこの機械を使って素材となる声を保存する。これは昔のカセットテープを使う方法が進化したものである。
    私達はそれを使用して人々の声(Original Ton)やその場所特有の音(ATMO)を得る。前者はもちろん人の生の声である。私は最初の研修で教えてもらったことがある。人間は意外とマイクを向けられると喋れなくなったり、焦ってしまったりするケースが多いということだ。だから質問する側も質問自体を考慮する必要がある。いわゆるJa – Nein Frageではそれは成立しない。答える人が文章で自分の意見を言えるような問いが望ましいのである。一回のインタビューで使う時間は30分前後だ。後者はAtmosphäreの略語である。ラジオのように目には見えないメディアの場合、雰囲気を高める効果音やBGMはとても頻繁に使われる。今回は飛行機の離陸音をバルコニーで録った。
    これらの素材をスタジオに持ち帰り、必要な部分をカットする。その際には話し手が本当に正しい情報を言っているか、文法や発音はわかりやすいかなどが選ぶ基本になる。このカット&ペースト作業と同時進行で行われるのがDJの台本作りである。質問の前フリや効果音を入れるタイミングなどすべてをパソコンで打ち込むのだ。この工程が一番難しいといっても過言ではない。それは製作者のセンスを問われるからだ。どのような背景音や順番で一つのニュースを創りあげていくかはその人にかかっている。私達はいつも複数で相談しながらこの作業を進めた。
    そして完成した作品はディレクターによってチェックされる。不十分な点や修正するポイントがあればもう一度やり直さなければならない。もしここでokが出れば、それは翌日に放送されるのだ。
    このような一連の段階を経てドイツのラジオは成立している。それはただの音楽中心のメディアと呼ぶにはふさわしくない。人と人とのコミュニケーションを通して生きた情報を伝える媒体なのだと私は感じた。
    さらに私のインターンシップ最後の週には“Ein Japaner in Deutschland“という題目でインタビューを受けた。Praktikantenと日本についての会話を録音したものを元に製作したのである。その内容は実に富んでいて学校制度や若者のライフスタイルやドイツに対する印象などであった。自由に会話しているのを題材にしているのでとてもリラックスして進めることができた。完成した作品は私がantenne UNNAを去る当日の午後三時に放送された。風邪を引いていた私は鼻声だったので、自分のドイツ語を聞いて笑ってしまった。しかし、他の仲間は真剣になって聞いてくれた。そのオンエアの後で秘書のBeateが私のためにそのDJの声と共に流された内容をCDに焼いてプレゼントしてくれた。これは私の宝物である。
    そして、今回のインターンシップは多くの人が関わってくれた。その人たちのお陰で無事に終えることができたのだ。
    AuslandsgesellschaftのFrau Sulimanにはとても感謝している。彼女がすべてのことを手配してくれたので、私達は安心して毎日仕事することができた。最初の週の語学研修とホストファミリーを見つける作業はとても大変だったと思う。彼女の口癖は「何かあったら私に言いなさい。問題を一人で抱えてちゃダメ。私が解決する手助けをするから遠慮なく言って」である。そのパワフルな行動力と優しさに私はとても感動した。
    このプログラムの間、私はFamilie Niederの家にホームスティさせてもらっていた。家族はお父さん、お母さんとお姉さんのAnnikaお兄さんのJohanessと弟のThomasである。彼らは私が家にお邪魔させてもらった時からとてもフレンドリーで、4番目の息子と言ってとてもよくしてくれた。毎日私が帰ってくるとドルトムンドの歴史の話をしてくれるパパとちょっとキツいジョークを言いながらシャンパンを毎夜勧めてくれる優しかったママ。美味しいピザを作るのが上手いAnnikaと日本語が堪能なJohaness、そして私と一緒にいる時間がとても長くてドイツ語をたくさん教えてくれたThomas。
    私はこのようなすばらしい家庭にスティすることができて、とても幸せだった。彼らとはこのプログラムをきっかけに一生付き合っていきたいと考えている。

    最後に、今回関わって下さった獨協大学の先生方に感謝したい。
    Danke schön !!
     
    これはインターン先の仲間達。みんな優しかったよ。
     
       


    こんなかんじで放送してます!DJみたい?






    書店「Mayersche」 松谷央太

    2008年インターンシップ報告   ドイツ語学科 3年 松谷 央太
     まず最初の二週間はAuslandsgesellschaft Deutschland(AgD) というところで語学コースを受けました。午前中はドイツ語の授業、午後からは社会科見学のような感じで博物館に行ったり、市長を訪問するなどAgDの人たちが毎日たくさんのプログラムを用意してくれていました。スケジュールが詰まり過ぎな日もあったように感じました。
     私のインターンシップ先はMayersche BuchhandlungというDortmundの中心地にある大きな本屋さんでした。同僚はほぼみんなとても親切で、何度私が質問しても毎回丁寧に答えてくれて、また仕事も丁寧に教えてくれました。建物は4階まであり、1階から3階までが売り場で、4階がオフィスや休憩室となっています。仕事時間は9251700で、休憩が45分間もしくは60分間、自分が休憩したいときにできました。925からレジの前に従業人が集まり、その日の目標や気をつける点などについて簡単な話し合いをして、各々の持ち場に戻り仕事に入ります。                   
    最初の3週間は3階の旅行のガイドブック、学校の教科書などが置いてある部署に配置されました。ちょうど学校が始まる時期だったので、毎日たくさんのお客さんが来て、とても忙しかったです。主な仕事内容は、朝配送された本を棚に陳列、本棚の整理、お客さんの質問に答えるの三つでした。この三つの仕事がどこの売り場にいっても主な仕事です。本の陳列は、どこにその本があるべきなのかがわからないうちはものすごく大変でしたが、一週間もすれば慣れてきてスムーズに仕事ができるようになりました。本棚の整理は、本を作者の苗字をアルファベット順に並べなおして、きれいにならべるというもので、アルファベット順にするのがあまり慣れてないのでなかなか大変でした。お客さんの質問に答えるのが一番大変でした。まずその客が何を言ってるか聞き取るのが困難で、特にお年寄りのお客さんの質問はもう一言も理解できないくらいでした。10人のお客さんに質問されたら、3人か4人くらいは自分で何とか対応して、あとは同僚に助けてもらいながら対応するという感じでした。
     4週目は2階にある子供向けの本の売り場に配置されました。主な仕事内容は上記と同じです。それに加えて、おもちゃの棚がありそれを整理するのが自分の役目になり、毎日棚の整理をしていました。時には子供と戯れたり、時間ができると本を立ち読みしたりと仕事だけじゃなくいろいろなこともできました。
     5週目からは2階の文庫本の売り場で働きました。この階にはSpiegelが作ってるランキングとネット上でのランキングに入った本が並べられている棚があり、それをランキング順に並べること、その本の補充などがこの階の特別な仕事でした。
     最後の週は1階に配置されました。1階にはプレゼント用の本や、雑誌、値下げされた本などがあります。ここでの仕事は朝開店時間に入口を開けて、外に並べる商品を外に出します。その後古くなった雑誌を本棚から抜き出し、返品するために束ね、まとめておき、箱に詰めます。あとはいつも通り本の陳列、整理、接客をしました。
     滞在方法は、学生寮かホストファミリーにお世話になるの二通りあります。今回私はホームステイをしたのですが、自分が想像していたものとは大分異なったものでした。部屋だけ貸してもらって、後は全て自分でやらなければなりませんでした。部屋にキッチンもあり毎日自分で食事を作らなければなりませんでした。だから自分から家族の所に行かない限りは交流はほとんどありませんでした。それでも家族はとても親切な人たちで、週に何度かは夕食にまぜてもらい一緒に食事をしたりと、いい家族でした。ほかの参加者の状況はホストファミリーによって全く状況が異なり、私のような一人暮らし状態の人、家族の一員のように扱ってもらい食事もだしてもらえる人、食事は出してもらえるけれでも食事代を別に払わなければならない人などがいました。ですのでもしホストファミリーを希望するならなるべく早めにホストファミリーと連絡を取ることをお勧めします。


       (Gastvaterと。)        (Gastschwesterと。)

    書店「Mayersche」 深田絢子

    ドイツ語圏におけるインターンシップ2008

     深田絢子

    ●AGDでの語学研修
    10日間ほどAGDでビジネスドイツ語の語学研修を行いました。大抵10時から授業開始だったので、朝ゆっくりできたのはとてもよかったです。午前中は授業、午後は課外活動ということでミュージアムや水道局などの施設、市庁舎にも連れて行って頂きました。わたしが想像していた授業とは異なる形式で毎日楽しんで通っていました。家からAGDも比較的に近く、20分あれば余裕でつく距離だったのもよかったです。
    授業内容は獨協で学ぶ内容よりも実践的なことが多かった気がします。仕事先やランダムに指定された施設・会社に電話をかけたりなどもしました。とある場所からAGDまでの道のりをドイツ語で述べるという宿題もありました。個人的にはこれが一番楽しい宿題でした。

    ●ホストファミリー
     先ほども述べたとおり、私の家はAGDのある中心地から電車で20分ほど、通学にも便利な場所でした。家の近くにも十分すぎるほどスーパーがたくさんあり、駅も目の前で不自由のないところでした。肝心のホストファミリーはというと、日本にいるときに事前にメールを送っても返事が来ず、家族構成などよく分からぬままドイツに到着しました。結局ホストファミリーとはいえども、彼らには彼らの生活があり、私にとって彼らは大家さんみたいな存在でした。自分のWohnungにはキッチンも冷蔵庫も全部あり、勝手に生活して構わないからその代わり私たちは何も干渉しないし、私たちの干渉もしないでね。と最初に言われたのはショックでした。・・少しだけね。
    ショックだったのは一人暮らしという事実だけでなく、部屋にテレビ・ラジオ・PC・電話などの情報機器がすべてなかったということでした。一人暮らしも、音なし生活も今まで経験したことのない環境だったので初めのうちは一人がっくりきていました。また、となりの部屋に大学生が住んでおり、彼と一緒にお風呂場・洗面所・トイレ・洗濯機を使わなければならなかったのも少し大変でした。あと、部屋の暖房が壊れていたこと、キッチンのお湯が出ないこと、冷凍庫がないとこ、窓が壊れていたことなども大変でした。
    文句たらたらですが、大変だったのは最初だけで、慣れてくれば快適な部屋でしたよ。ホストファミリーはピンポンしても留守ばっかりで全くコンタクトは取れませんでしたが、獨協のみんながよく遊びにきてくれ素敵な時間を送ることができました。なにより駅から近い、スーパーがたくさんある、という点が魅力的でした。
     こんな経験もなかなか日本にいたらできないし、何しろ一人暮らしをやってのけたことは私にとって大きな自信にもつながりました。ので、今となっては全て私にとってよい環境だったんだなぁと思います。

    ●Mayerschebuchhandlung HOMBRUCH
    私が本屋さんを希望した理由は、ただ単に本に興味があり、大学でも司書教諭を履修していることから選んだのですが、学んだことは予想していた以上に大きなものでした。
     私がインターンシップした本屋さんは家から歩いて10分のとこでした。Mayerscheという本屋さんで(NRWにしかない本屋さんですが・・)その中でもとても大きなシェアを持つ本屋さんでした。今年で190周年らしいです。(創立者はMayerさん。だからMayersche らしい笑)Dortmundには3店舗あり、その中の一つのお店で働いていました。地元密着型のお店だったのでとても小さく、でもとってもアットホームな雰囲気のお店でした。Kollegenの人数からも分かるように、7~8人ほどで、みんな家族みたいな人たちでした。
     研修が始まった当初は緊張しまくりで、同僚とのコミュニケーションやなによりお客さんとどう接していいのか、分からないことばっかりでした。いざ同僚に聞いてみよう!と思ってもお店が忙しかったり、接客中だったりで、お昼休みがかぶらないかぎり同僚とゆっくり話すという機会はありませんでした。これは自分でどうにかしようと思ってもできることじゃないので、チャンスがあったら話そう!という気持ちだけでいました。みんな忙しそうだったしね・・
     知識も経験もなにもない状態でのスタート。どの本がどこにあるかはかろうじて分かるものの、それをドイツ語でぺらぺらっと言われたり、専門的なことを聞かれたときはお手上げでいつも同僚に助けてもらいました。お店全体が忙しい状態であったり、お客さんに手を回せないときはやっぱり自分の無力さと(きまずさも笑)感じました。いくらインターン生だとしてもお客さんは関係なしに迫ってくるわけで、「3歳の孫にいい本ってなに?」「誕生日プレゼントにkrimiの本をあげたいけどどれがおすすめ?」「学校で宗教の授業をやるんだけどいい本ない?」となどなど・・聞かれ、上手く接客できない日の方が1ヶ月半の中で多かったです。しかし人間、失敗しないと学ばないわけで、すみません、わかりませんと言ってお客さんに呆れられてもめげないことが大切です!分からなければ分からないと言って学べばいいんです!それでいいんです!
     そんなこんなのスタートでしたが、私にも仕事が割り振られたり、自ら求めたりしてそれなりに忙しい仕事時間でした。月曜日は新しいリストが入ってくるのでMayercheBestというベストセラーランキングをリストに沿って入れ替えたりするので忙しかったです。この仕事は地味に見えて結構重要で、どの本が上位に上がったか、また下がったかを頭に入れることで自身の接客の成功率(笑)が随分上がります。火曜日は新しい本の入荷が多いので、その本のための場所を確保してプレゼンテーションをすることが多かったです。水曜日は値段の下がった本が大量に倉庫から届くので、安売りコーナーを作るのに必死でした。(うちの店は松谷君のお店と違って場所がいつもなく小さかったので・・)
     お店の中を走り回ることもしばしばで、最後には同僚よりもどこにどの本があるか分かるようになりました。普段から気にかけてれば知識はだんだんついて行くものですね。
     同僚には本当に本当に恵まれました。家に電話やインターネットがないと言ったら仕事場の使っていいよと、言ってくれたり、BVBの試合見に行きたいんだ~って言ったらチケットまで手配してくれ、その上BVBのマフラーまでプレゼントしてくれたり・・。
    最後の出勤日は涙涙のお別れで、もっとここで働きたいという気持ちが大きかったです。
    最初は不安なことばかりで、何で本屋さんに希望したんだろうと考え込んだこともありました。しかし、このMayerscheで働いたことにより、地元の人との交流が増えたことは確かです。店頭で働けたことによって、店員として「ドイツ」を肌で感じたことがとても大きな収穫だったと思います。もし本に興味があり、接客に関心がある方はぜひMayerscheで働いてみてください。きっと想像以上の経験が得られると思います。
    最後に、この貴重な機会を与えて支援して下さった獨協大学の先生方、AGDの職員の方々、そして私の両親には感謝してもしきれません。本当にありがとうございました。

       
    一緒に働いていたKollegenの人たち8人中6人は女の人でした。

       
    最終日。Kollegenの人が手編みのマフラーをプレゼントしれくれました。
        ちっちゃなお店だったけど、こじんまりしてて素敵でした!

    2007年度 参加者:8名

    専門書籍店 阿部 愛子

    2007年インターンシップ報告
    ドイツ語学科3年 阿部愛子

    研修先:LITFASS der Buchladen
    勤務時間:10:00 – 18:00 休憩 30 分

    ● 語学コース
    研修の前に参加した準備コースではAG(株式会社)とGmbH(有限会社)の違い、電話での応対、簿記Personalangabe の概念、履歴書・領収書・銀行の振込用紙の書き方などを学習しました。2回ほどTelefon の実践も行いました。例え銀行に開店時間を訊いたり、コンサートハウスに大晦日の催し物について聞き出したりしました。しかしまだ夏だったのに。講師のClaudia は、わかんなくなったら切っちゃえばいいのよ☆と言っていましたが、いたずら電ですよ!電話で数字を聞き取るのがいかに難しいか思い知らされました。

    教室での授業だけでなく、市役所やIHK(商工会議所)、浄水場、銀行を訪問し、それぞれの仕事内容やドルトムントのことについてなどの説明を受けました。ただ何の知識もないまま話を聞くことになってしまった場合が多く、まったく理解できなかったり、質問のしようがなくて気まずい空気がながれたりと、不安というか不満もありました。ここが改善されれば、インターンシップ前の研修としてはパーフェクトになるのではないかと思います。

    ● 研修先
    まず初めにわたしがインターンシップをした本屋さん、Litfass について説明します。
     この本屋さんの仕事の割合は1:9=店頭:事務所です。おもな取引相手はドルトムント大学図書館、Fachhochschule、学校、公共図書館などです。よって事務所で取り扱う本も専門書や教科書が主です。特に教科書はニュルンベルクやハンブルクの学校からも注文があり、事務所に入りきらないので、近くに大きな倉庫を借りて作業しています。(教科書の仕事はほとんど利益なしでやっているそうな。)わたしがインターンシップをしていた期間はちょうど新学期の始まる頃でしたので、本当に大量の教科書を目にしました。

     店頭には小説、推理小説、児童書、辞書、贈り物向けの本、Hoerbuch(CD)、新聞・雑誌が並んでいました。コーヒーを飲みながらゆっくりと本を選べるように、椅子とテーブルもありました。もちろん無料です。

     わたしの仕事は前述の割合に比例して、ほとんどが事務所での仕事でした。朝、出勤すると取次から届いた大量の本、CD、CDROM、DVD が待っていました。これらからまず初めに、店頭で注文を受けた分のものを抜き出し、A7サイズの注文票をはさみます。インターネットで注文したお客さんへはLieferschein(納品書)が用意され、注文の本と共に輪ゴムで束ね、郵便で送るのなら宛名を印刷した紙も一緒に挟みます。以上を店頭に受け取りに来るお客さん、郵送、配達先の図書館・学校・企業の専用の棚に分けます。残った本は取次から来た納品書を見て、どこの図書館や学校からの注文なのか、あるいは店の在庫なのかを確認し、先ほどの専用の棚に分けていきます。お店の在庫用の本で、値段の表記のないものには値札のシールを貼ります。このシールも取次から送られてきます。
     この作業が終わったら(この時点で大体11 時くらい)… 自分ができることを探さねばなりません。同僚にしつこく何かできる仕事がないか訊いてまわりました。空いているパソコンがあれば簡単で、出版社のデータを更新したり、学校図書館への見積を作成しました。出版社のデータは、住所や電話番号、メールアドレス、ISBN ナンバーから成っているのですが、メールアドレスが欠けているものもあるので、それを最新の出版社一覧?みたいな本で調べて補いす。またそのほかの情報に変更があればそれも書き換えます。ウムラウトがae などで表記されるので、固有名詞でややこしいスペルがますます煩雑になり、画面とにらめっこです。しかも出版社の数は4000 以上だったので、終わりが見えず気が狂うんじゃないかと思いました。

     インターンシップの期間中で一番の大仕事だったのが、学校図書館の見積書の作成です。A4の紙に10 枚ほどの希望図書一覧をもらい、一冊ずつISBN と価格、在庫の有無を調べていきました。“シリーズ”の表記があれば別紙に書き出します。色々な出版社から出ているものであればインターネットを駆使して、安いものの中で一番子供に合いそうなものを選び出しました。この選び出す作業は大変でしたが、本屋さんの醍醐味だと思いました。

     それから教科書の重さのデータを入力しました。来年度、教科書を納品するときに全部でどれくらいの重さになるのか、運搬のために借りるトラックの大きさを把握するためだそうです。教科書は10 くらいの出版社が出しているのですが、そのうちの一社分をやり終えたところでインターンシップが終了しました。無念です。空いているパソコンがなかったら・・・まずは図書館に納品するCD やDVD のプラスチックカバーを剥がし、同僚が作成した本の注文リストを間違いがないかチェックし、取次からの納品書を整理し(この仕事を初めて渡されたときは2 か月分以上も溜まっていた!)、お客さん用のコーヒーが切れていないか確認して、流しの周りに溜まっている使用済みのコップを食器洗浄機に入れ、そのほかにすることがなかったら店の棚の掃除をしました。

     たまに図書館や会社への本の納品について行ったりもしました。車の運転はもちろんのこと、どの棚に置いていけばいいのかも説明されなければ出来なかったので、台車を押している同僚のためにドアを開けるほかは、本当についていくだけで歯痒い思いをしました。最後の週に、私が大学で司書課程を取っていると聞いたFachhochschule の方がご親切に、図書館の案内をしてくれました。背表紙の分類番号と延滞した人に罰金を課すこと以外は、日本の大学図書館とほぼ同じシステムでした。公共図書館の違いは結構はっきりしているのに。興味深いところです。
     インターンシップ初日は、同僚の言っていることもよくわからず、次々に紹介されるMitarbeiter の名前がもう思い出せず(一度訊いて確認したのに…)、ここに私の仕事は果たしてあるのだろうかと不安でした。疲れきってホストファミリーの元に帰り、大学生になるGastschwester がちょうど誕生日のお祝いでどんちゃん騒ぎをしていたにも関わらず、爆睡しました。彼らが階下でピアノを弾いていたことなど知らない。

     しかし思いのほかインターンシップでもホストファミリーともうまくいきました。いや、確かに仕事が楽しすぎて不眠症?になったり、そのせいで土日は丸々体力温存のために使わざるを得なかったり、色々ぐだぐだ考え込んだりはしましたが。克服できずに終わってしまったことは、ドイツ人の手書きの文字を解読することでしょうか。一度プログラムがすべてイカレたとき、印刷もできないので手書きで納品書を書きました。同僚のメモ書きを判読できず、結局書き直しました。これは慣れるしかないのですが、悔しい。

     私の勤務時間は一応18 時までだったのですが、17 時半くらいになると同僚が” Feierabend!” と言って来ます。私が、まだ30 分あるし仕事もあるのでまだ帰らんと主張すると、そこでちょっと言い合いになります。もちろん笑いながら。週に3 日はこんな会話をしておりました。同僚のみんな(全員で15人)はほんとうに本当に親切でユーモアがあっていい人ばかりで、そして仕事内容も私に合っていたため、困りました。どうして私はただのインターンシップ生でしかないんだろ?という悩みは、どうして私はドイツ人ではないのだ?にまで非論理的に還元されました。今思うと全く、阿呆でしかありません。が、期間中は一日ごと、一瞬ごとに新しい感情が入ってきて処理が追いつかないくらいでした。このプログラムに参加していた清永さんと毎日話せる環境になかったら、わたくしどうなっていたかわかりません。お世話になったホストファミリーには2 部屋の空きがあり、私たちはそれぞれ個室を与えられていました。プライベートは守られるうえ、廊下をでてすぐの部屋をノックすれば日本語である程度、もどかしくなく本音を話せるということは本当にありがたいの一言でした。最後になりましたが、LITFASS と私の運命的な出会いを提供してくださったACS のスリマンさん、ヴェルナー先生、金井先生をはじめとするドイツ語学科の先生方にこの場をかりて心よりお礼を申し上げます。ありがとうございました!

    ヒルトンホテル 石崎 敬司


    僅差で背の順 
    2007年インターンシップを終えて
    ドイツ語学科三年 石崎 敬司

     7月26日から9月15日までDortmund でインターンシップを行いました。私は3月からRheinland-Pfalz にあるTrier 大学で勉強していたので、大学の夏学期が終わって2週間くらい経った後電車で行きました。私はDortmund 大学の学生寮に住んでいました。学生寮はDortmud 中央駅からSバーンに乗って3駅、そこから歩いて10分ほどとあまり中心街には近くないのですが寮の周りはすごく静かで、夜になると野うさぎやハリネズミなどいろいろな動物たちを見られる、とても自然が豊かなところでした。もちろん駅から歩いて5分のところにスーパーがあり、中心街に出なくても十分暮らしていけると思います。

     寮は私のほかに2人のドイツ人学生とWGという形で住んでいました。2人ともとても優しく、寮で何か困ったことがあった場合彼らに言えば一応解決しました。インターンシップはいきなり始まるわけではなく、最初の1週間は語学学校で経済ドイツ語を学びました。しかし経済だけではなく電話での対応になれるため先生が質問する大まかな内容を決め、自分たちがプールやホテルなどにいきなり電話したり、また自分が気になっているドイツの都市について簡単なプレゼンをしたりと、とても充実していたと思います。また日によっては授業がない代わりにCityBank や浄水場を訪ねたり、そしてDortmund 市長を訪問したり、様々な普段出来ない貴重な体験をしました。この語学学校で行ったすべてのことはとても興味深く面白かったのですが、あまりにも短い期間で多くのことをやったために最後のほうは疲れてあまり集中できなかったので、それがとても心残りです。

     インターンシップはDortmund にあるHilton Hotel で行いました。私の将来目指している職業がホ
    テルマンなので、担当の先生がHilton Hotel があると言った瞬間自分の中で決めていました。HiltonHotel では最初の3週間をLager で、次の1週間はHouse keeping、そして次の1週間はRestaurant、最後の1週間はBanquet と全部で4つの部門で働きました。

     最初に働いたLager では主にレストランやキッチンで出た飲み物の空容器をひとつの場所に集めたり、オフィスなどから足りなくなった物、例えばコピー用紙や封筒などの注文が入るのでそれを届けたりしていました。そのほかにもホテルで必要な物の発注などがあるのですが、それはほとんど私の上司が行っていました。この上司がとても気さくな人で、いつも2人して笑っていたのを良く覚えています。Lager は実際あまり仕事がなく、いつもほかの部門よりも早く帰っていました。

     次に働いたHouse keeping では主に部屋にあるミニバーのチェック、ロビーの掃除、灰皿の点検などを行っていました。ミニバーの点検は、部屋が満室のときはすべての部屋を回らなければならなかったのでとても大変でした。またお客様の中には、英語しか話せない方もいたので、英語があまり出来ない私はとても戸惑ったのを覚えています。
     次に働いたRestaurant では、朝食・昼食・夕食の用意や、ルームサービス、またウエイターなど、日本と同じようなことをしました。一応日本ではレストランでバイトをしていたので、仕事を覚えるのは簡単でした。しかし色々なマナー、例えばワインの注ぎ方や、テーブルマナーなど間違って覚えていたのが多く、それを毎回注意されていました。それはとても恥ずかしかったです。

     最後に働いたBanquet では、ホテルにある大広間で行われる会議や結婚式などの催し物の準備と終わったあとの仕事が主な仕事でした。私と同じようにHilton Hotel にはたくさんのPraktikant/tin やAusbildung を行っている人がいて、その人たちいわく一番忙しい部門のようです。しかし私にとってはとても働き甲斐のあるところでした。仕事は机・椅子などを決められた場所においていき、終わったらそれらを片付けてまた新しく決められた場所に配置するという肉体労働が主でした。また会議の合間に休憩時間があり、そのためにコーヒー・紅茶の用意や軽食を配置するということもしました。

     今回ホテルでインターンシップを行って一番印象に残ったのが、すべての部門が必要だということです。例えばもしどこかひとつの部門がなくなったら、お客様に満足していただけるようなサービスは出来なくなると感じました。そのためもしほかの部門が忙しかったり、何かしら問題が起こったら他の所からすぐ助けに来るという助け合いの精神ですべての従業員は働いていると思いました。

     今回の経験で自分の将来の道がより明確になったのとともに、ドイツで働くということがどういうことか少なからず分かったと思います。今回このような貴重な体験を出来て本当に良かったと思っています。このインターンシップでお世話になった方々、そしてこのインターンを提供してくださったWerner先生と金井先生に対して感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。

    養老院 清永志 津子


    私のインターンシップ体験記2007
    ~老人ホーム(Wohnstift auf dem Kronenburg)~

    ドイツ語学科3 年 清永志津子

    はじめに
     目的なんて正直無かった。ただ、ドイツで働いてみたいという冒険心と何か特別なことを試してみたい、新しいものを見てみたい、知りたい、感じたいという欲求に満ち溢れた挑戦をしてみたかっただけのことだった。体さえ動かせる場所なら、働く場所は問わなかった。自分の経験値UP のためなら何でもしてみようという気持ちでいっぱいの私にWerner 先生は老人ホームを提案してくださった。そして、私は悩むことなく老人ホームに行くことを決意したのだった。

    Seminarwoche
     私たち日本人のインターンシップメンバーは計7 名だった。Dortmund の駅前に、向こうでお世話になるAuslandsgesellschaft(10 日間ドイツ語を勉強する場所。語学学校(?)みたいで、みたいじゃない何か不思議な所の方とその日本人の仲間たちと対面した。そのままギリシャ料理のレストランに行き、おいしく楽しい時間を過ごせた。多少お腹一杯になり過ぎて死ぬかと思ったけど(笑)そんな始まり方だったので、絶対楽しいSeminarwoche を次の日からおくれると私はすでに感じていた。

     午前9 時から授業は開始された。そのACS に行くには私のGastfamilie の家からはバスと地下鉄を使って行かなければならなかった。初めはかなりドキドキだったが、3日目には随分慣れてきていた。授業ではドイツの会社や書類の書き方とか丁寧な言い回しみたいなことを学んだ。一番印象強く残っているのは電話のかけ方練習である。何をしたかと言うと…まず、一人一人に小さな紙切れが配られる。そこにはMayersche(本屋の名前)と電話番号が載っていて、その下に『本を間違って買った場合交換してもらえるかどうか』と記されていた。そして、先生は「分からなくなったら、ただ電話をきりなさい」と言って、二コリ。他のメンバーはホテルだったり、大学だったり、旅行会社、または美術館、郵便局などなどだった。そう、実際に本当にそこに電話して、課された質問についてドイツ語で尋ねなければならなかったのだ。緊張でみんな笑いしか出なかった。それでも、私たち勇者は立派にやり遂げたのだった。先生は電話で対話するのが最も難しいことを知っていた。喋るスピードは速いし、聞き取りづらいし、ジェスチャーもできない。それでも、いや、それだからか先生は私たちにこの練習をさせてくださった。この緊張感が語学学習には必要で且つ効果的なのだと先生はおっしゃった。そして、ニンマリ。とても緊張したけど、本当にいい練習になったし、何たって度胸がついた。でも、日本で同じことしたら、こっち側の電話番号が相手側にバレて問題になりそう(笑)

     また、いろんな場所にも行った。Citybank に行って直接話しを伺ったり、水の科学館みたいなところに行って話し聞いたり、お土産もらったり、更にはケーキまでご馳走になったりと。商工社にも行ったし、市役所にも行ってDortmund のBürgermeister にもお会いした。スケールが違うだけで、ドイツ版社会科見学って感じ。そんなこんなで10 日間の語学研修はあっという間に終わった。

    Gastfamilie
     私はもう1 人日本人の愛子とUnger さんにお世話になった。Unger さんは体育とドイツ語(国語)と英語の先生で、2 人の娘(1人はもう1人暮らししていた)がいた。旦那さんとは一緒に住んでいなかった。部屋も綺麗で、キッチンも自由に使わせてもらえた。ただ、シャワーは10 時半までと決められていた。これは、意外に困った。あと、ドアの開け閉めの音には非常にうるさかった。その他は全く問題なく、1 人ずつに鍵が与えてあったので、自由に行き来できた。自由奔放にドイツを楽しめたのはこのGastfamilie の存在があったからだと今は思える。

    Altenheim
     私がインターンシップをしたこの老人ホームは本当にリッチな人しか入れない老人ホームだった。まさしくホテルのような感じで、受付もレストランもお庭もプールも更にはクーゲル(小さなボーリング場)があった。
     私はBarbara という上司(?)の元で働いた。そこにはConie と4人の研修生がいた。3人は専門学校の女の子で1人はZivildiesnt だった。毎日、プログラムが組んであって、月曜日はGymnastik、Jakkolo(ポーランドの遊び)、火曜日はSingen,水曜日はWochenmarkt に行き、木曜日はKugeln で遊び、金曜日はGedächtnistrainning やGottesdienst などなど、いろんなプログラムがあった。それぞれのプログラムに誘う住居人は決まっているので、名前と居室番号をメモって迎えに行ったりした。

     最初の1週間は名前を覚える努力をしたが、次第に努力せずとも覚えれるようになった。それは、会ったり、話したり、触れ合ったりする回数が日ごと増えていったからだと思う。名前なんて、何回呼んであげてもいいんだから。
     ほとんどのおじいちゃんおばあちゃんはもう痴呆症だった。他には、意識はしっかりしているけど、目がみえなかったり、耳が聞こえなかったりといった方々がおられた。一人一人状態が違うので、一人一人対応(ご飯の食べさせ方)を変えなくてはならなかった。ただ、笑顔と手や体に触れることはみんなに同じようにした。働いている人達はみんな忙かったから、いちいち教えてくれることは少なく、見よう見まねで頑張るしかなかった。(もちろん質問もしたけどね)ドイツ語でこう言えるんだあなんて思ったりもした。

     あるおじいちゃんは私にいつもクイズ問題を作ってきてくれた。言葉遊びだったり、計算問題だったり、私はそれでよくドイツ語を学べた。あるおばあちゃんは同じ質問を何百回もしてくれたので、私はそれに対して完璧に返答できるようになった。寝たきりのおじいちゃんがいて、毎朝の新聞を楽しみにしていたので、私はいつも8時半くらい(労働時間:9時から5時半)に出勤して、老人ホーム内にある店で新聞を受け取り、彼のところまで持っていって行った。休憩時間は30 分あったけど、その時間は私のしたいように出来る時間と考え、大好きなおじいちゃんのところに行っておしゃべりしてた。そのおじいちゃんは音楽の教授だったので、音楽のことは何でも知っていたし、また、ユーモアのある方だったので一緒にいて楽しい話ができた。

     もちろん楽しいことばかりじゃなかった。私はそこで息をひきとった方を見たりもした。ほとんどのおじいちゃんおばあちゃんは紙おむつをしていたが、それでも充分じゃなく、ズボンを濡らしていることが多々あった。それに気づかず、その椅子に座って、自分のズボンを濡らすこともあり、ひぇーって思ったりもした。また、名前を呼んでもらえることはほとんどない。もちろん、Mitarbeiter呼んでくれるけど。働いている人はみんな忙しいし、ストレスをためている。質問があってEntschuldigung って聞くと、Nein って言われる(苦笑)でも、聞かなきゃ困るからNein って言われても負けじと質問をする。初めは、断られてたら、くしゅんってなってたけど、ずうずうしさも必要なんだと日々自分が強くなっていった(気がする)。でも、聞くことって本当に大事だった。

    おわりに
     どんな仕事を体験しようと向き不向きはないと思う。これらはあくまで私の体験であって、人それぞれでまた違った体験をすると思う。せっかくインターンするなら、体使ってやる仕事のほうが面白いのではないかと個人的には薦めるけど…。
     ぜひ、いろんなことに挑戦してください。

    「外国協会」事務局 谷口 信平


    2007年インターシップ
    3年 谷口 信平

     始まりの10日間はドイツ語の授業を AGD(Die Ausland Gesellschaft Deutschland) で受けました。 初日は10日間の授業日程をみんなで話し、その後は授業を行う先生とこのPraktikumのプログラムを準備してくれたSulimanさんとみんなでギリシャ料理のお店に行き楽しく夕食をともにしました。 お金はSulimanさんが払ってくれたので、一安心。 初日の問題は通学、通勤のための交通費。

     これはMonatskarteを買うことになり、これは自己負担なのでかなりでかい負担でした。 約50Euroかかり、そのほかにも最初の3日間 + 9月にはいってからの交通費が必要なために全部で約80Euroかかりました。結構な負担になったので少し驚きでした。 10日間の授業内容は結構、おもしろく、自分では満足のいくものでした。なかでも面白かったのが、Telefontraining で、これは携帯電話をつかい、それぞれ場所の名前と、電話番号、質問と書いてある紙をもらい、一人ずつ電話をかけて質問をするというもので、例えば、旅行会社に電話して、NYに旅行したいがなにか良いプランはあるかとかを聞くもので、緊張はしたものの、実践的で今までにない方法だったので面白かったです。 そのほかにも、浄水場や銀行、市庁舎、商工会議所など、いろいろな場所にも連れて行ってもらい、ドイツにいてもなかなか体験できないことをしてきたと思いました。 しかし、専門的な用語に加えて、日本でもあまり知らないことなので、話を聞きなが
    ら、見ても、なかなかたいへんなものがありました。 こういうことになるならば、日本で少し調べてから行けば、比較もでき、もっと実りあるものになっていたと、少し後悔しています。

     10日間の授業の後はそれぞれのインターシップの場所に行き、働き始めました。 私がインターシップを行ったのはAGD で、最初の10日間、授業を受けた場所です。 なので、私の上司はこのプログラムを準備してくれたSulimanさんでした。 仕事の内容は単調で最初のうちはとてもつまらなく、暇でした。 例えば、コピーをしたり、電話番をしたり(これはちょっとたいへんでした。と、言うよりも苦心しまくりでした。なぜなら、電話をほかの人につなぐだけとはいえ、聞き取らなければお話にならないからです。)、封筒に手紙を入れたりと、こんな日が毎日続くのかと、かなり不安になりました。まあ、事務仕事というものはそんなものかもしれませんが・・・・。

     けど、ラッキーなことに、日本人の芸術家の人がKunstler Haus といつところで展示をするので、その展示するものの日本語からドイツ語に訳すという仕事が舞い込んできて、やっと、まともにやることができたーーー、と思いました。 しかし、訳すのにもただ単に直訳しても通じないんだと改めて教えられました。最終的に私とその日本人の芸術家、ドイツ人の展示を企画した人との3人がかりでやっと完成しました。やっぱり日本語というのはややこしく、なんとなくでも日本人同士ならニュアンス的なもので通じてしまうんだと思いました。ドイツ人に説明するとき、きちんとしていないと通じなかったのが、やっぱり言葉の壁は大きいなと感じました。 これはとても大きな勉強になったと自分の中で思えました。

    その後に任された仕事はAGDではドイツ語の授業のほかにもAbendkurs というものもあり、他の言語、例えばイタリア語、フランス語などかなり幅広く教えていて(もちろん日本語もあった)、その申込書のコンピューター入力がメイン仕
    事になりました。ちょうど、コースが始まる時期だったので、たくさんあり大変でした。 まあ、何もないよりかなりましですが。 そのほかにも、ドイツのクラスに訪ねて、授業に参加したり、見ていたりということもしました。 自分のゼミが教授法についてなので興味があったのと、私の上司が用事でいないときなどクラスに行って、第三者的な立場から、どんな風に授業をするのかと見ることができ、色々な先生に、どんなことに気をつけて授業をしているのかとか、何が大切かなど、聞くこともでき、勉強になりました。 後は働いている人たちみんなでお昼を食べたり(いろんな人が話しているので聞き取るのに苦労したけど昼休みというより、リスニングの勉強みたいな!?)、他の上司の人と話したり、Praktikante,-tinnen おしゃべりしたりと、思ったよりもドイツ語を話す機会があり、働いている人たちみんながやさしく、フレンドリーでよかったです。そして、仕事という面では別に厳しくもなく、仕事をやるときはきちっとやるけど、片付いたり、気分が乗らないと 16時くらいから、とっととみんな帰りだし、これがドイツで働くってことなのか(自分の勘違い??)と思ってしまいました。 たいてい聞くのが、「Heute ist nicht mein Tag.」 でした。 そんなのが通用する国っていったい!? 日本では決してありえないだろうなってことをたくさん体験してきました。

     そのほかに、他のPraktikumの人たちが見れなくて私が見れたことは他の全員のPraktikumの場所に行ってどんな風に働いているのかと、話を聞けたことです。みんなの働いている写真もとり、自己満足でしたが、良かったことのひとつです。 Praktikumの期間中、毎週水曜日にみんなで集まって、どんな仕事をして、不満や問題をみんなで話し合うことができました。唯一、日本語を話す時間だと最初は思っていたのですが、AGDには日本語が読めて、書けるパソコンがあったので、何人かは毎日、インターネットをつかいに来ていたので、仕事の後にそこで、何人かとおしゃべりをし、そのあと、飲みに行ったりと、まあ、ある意味、ストレスの発散になりよかったと思っています。

     ホームステイ先もあたりで、かなり親切にしてもらいました。みんなばらばらの方向に住んでいましたが、だいたい仕事場までは同じくらいの時間がかかったと思います。多分40分~50分くらい。 けど、家族はおじいさん、おばあさんで、とても親切で、夕飯は毎日18時くらいに家にいればもらえたし、休日に家にいるとお昼を食べ、晴れていれば庭で椅子に座って本を読んだり、昼寝したり。15時になればKuchenとKaffeeがでてきて、18時に夕飯といいことずくめでした。

     毎日、顔をあわしたので、帰宅すると、「今日は何をしたの?」と聞かれ、さらにドイツ語を話す機会ができて、とてもうれしかったです。水は炭酸水でしたが、好きなだけ飲んでいいと言われ、とても助かりました。フリーの時間にはインターシップの仲間で集まって、ビールを飲みに行ったり、あとはKochpartyをしたり(こういうときはStudentenwohnheimは使える!)、旅行したりと楽しく充実した日々を過ごせたと思います。最初はすべてに緊張しまくりで大変でしたが、日に日に慣れて、最終的には楽しく働くことができました。このインターシップでは、ドイツで働くことが出来なのはもとより、たくさんのドイツ人や、ドイツ語のクラスで知り合った、他の国の人たちと触れ合うことができたのがすばらしい経験だったと思います。 もし、外国語を教える先生になりたいとか、教授法に興味があるならぜひAGDでインターシップをしてみてください! よい機会だと思います。

    ビジネス専門学校 中島 奈央


    ドイツ語学科3年 中島奈央 (2007年
    企業IVAM でインターン

    ◇準備コース
     今年のインターンシップ参加者は8人。その中で半分は前からの仲良い友達だったってこともあり、ドイツで初めて顔を合わした人ともすぐに打ち解けた。先生もとてもユーモアにあふれていて、とても楽しく授業を受けることができた。教え方もわかりやすく良かった。内容的に企業研修で必要だったかと問われれば、そうではないと思う。しかしビジネスの一般知識を学べた。直接ACS で働いている会計士の人から仕事内容の話、銀行訪問など。他にも教室だけに留まらず、ドルトムントの給水施設の見学など興味深いプログラムもあった。
     一つ実際役に立って面白かったのが電話の練習!電話対応に必要なフレーズなどを学び、実際に電話して情報を聞き取る、という練習だった。練習といっても内輪ではなく、存在する企業や施設にかけるということで緊張感を味わえ、いい練習になったと思う。
     準備コースが終わって、それぞれ研修が始まっても毎週水曜日に集まりがあり、皆と顔を合わせ、一週間の報告をしたりゲームをしたり楽しい時間を過ごした。

    ホストファミリー
     私は彼らが賃貸しているアパートを借りていたので、彼らとの交流は少なかった。しかし、困ったときは親切に助けくれ、遊びに行くと歓迎してくれた。そしてコーヒーを飲みながら、数時間他愛もない話をして一緒に過ごした。私の部屋には、生活必要品もほとんど揃っていて困ったことはなかった。私にとって、ホストファミリーといい距離が保て、いい環境で過ごせて満足だった。

    ◇IVAM
     正社員が約9人、その他にインターンをしている人、入れ替わりで来る学生バイトが5人と非常に小さな会社。しかしその分、社内の雰囲気は良かった。シェフ以外にはduzen だった。会社はTechnologiepark に位置し、多くの会社が並ぶ建物の中の一画にIVAM はある。そこで各部門(簿記・広報・顧客メンバーの管理・イベント、メッセマネージャーなど)に区切り、一人部屋、もしくは二人部屋で仕事をしている。またバイト生の大きな部屋があり、そこに事務用品やコーヒーメーカーなど共有するものが置かれている。
     仕事時間は朝8時半から夕方5時まで(休憩30分込)。しかし週に35時間が決まりで、フレックスタイム制だ。服装も自由で、本当に普段着でよい。
    毎日15分ほどの(MiniMap)があり、月に2回全体で大きな会議、報告会が行われる。
    企業内容を簡単に説明すると、ハイテクノロジー関連会社のネットワークである。様々な見本市に参加し、ワークショップなどを運営している。ヨーロッパ、日本を含めアジアとも関わりがある。
    (URL:
    www.ivam.de)

    ◇仕事内容
    ・ 必要な書類のコピーや印刷
    ・ Web から情報収集
    ・ 電話番
    ・ メール
    ・ コンピューターにデータ入力
    ・ Word, Excel を使った資料作り
    ・ 会議に参加
    ・ 翻訳
    ・ 日本の会社に営業
    ・ イベントの手伝い

    ◇研修
     初日はとても緊張した。どんなところなのか、どんな人が働いているのか、私の与えられる(できる)仕事は何なのか、と不安と期待が入り混じっていた。話に聞いていたとおり、迎え入れたくれた人は皆、親切だった。始めの数日間は会社について学んだ。事前にウェブサイトをチェックしていたけれど、恥ずかしながら何をしている会社なのかあまり知らなかった。会社の資料をもらい、必要なPC 作業の説明、電話の使い方など、必要なことを一通り教えてもらった。
     私のデスクはバイト生と同じ部屋だった。バイト生は主にお手伝いをしているので、事務的なことをしている。電話の対応を私も時々やった。相手の名前、会社名を正確に聞き取るのが大変だった。でも正直に日本からのインターン生ということを伝え、何回も聞き返したり、綴ってもらっていた。相手によっては少し嫌な反応されるときもあったが、優しく丁寧に対応してくれる人のほうが多くて助かった。
     日本企業とのやりとりに使えるようにと、企業内容などを知るためのリストの訳をお願いされた。テクノロジー関係の専門用語で苦労した。大変な努力をしたにもかかわらず、結果的には、やり遂げられなかった。私の専門外なので、インターネットで調べるのも限度があった。
     単純だけれど重要だと言われた仕事がある。それは、連絡先をACT!というデータバンクに入力することだ。私の研修中に、シェフが韓国で行われたワークショップに参加した際、交換してきた大量の名刺を任された。次にその連絡先が必要な場合、ACT!で検索し、情報(会社名、名前、電話番号、住所など)を得るため、正確に入力しないといけなかった。数字、慣れない韓国の名前、住所の繰り返し作業には、集中力と時間を要した。

     三週目にはいって、私の一番の課題ともいえる日本への営業をはじめた。デスクも二人部屋に移った。日本語にもかかわらず、非常に緊張した。それは、今までまともに使ってこなかった敬語を使わなければいけなかったからだ。ダイヤルを回すまでに時間がかかった。IVAM の会社概要を伝え、資料をメールで送ってもいいかどうかを訊ねた。メール作成にも手間取った。働いた経験がないということも大いに影響していたと思う。電話対応にしても文化があることを知った。    
     初めてコンタクトをとる会社に対しても「お世話になっております。」と使うことには驚いた。数社と電話やメールでやりとりすることで、日本のビジネス対応の仕方を学ぶことができた。
     私はイベント・メッセマネージャーという肩書きの元で研修をしていたので、それに関する会社内の会議にも参加させてもらった。数ヶ月も先の見本市の準備の打ち合わせがおもな内容だった。イベントが行われるまでに必要なことを学ぶことができた。

    ◇感想
     今まで働くという経験が私にはなかった。だから何もかもが私にとって初めてのことであり、苦い思いも、良い思いも含めて今回はいい機会になった。率直に言うならば、会社、まして言語が不十分な海外で働く厳しさを知った。仲介会社であるIVAM では、人と言語を使ったコミュニケーションが欠かせないということ、また研修期間が短いこともあり、私ができることはやはり限られていた。そのため仕事場にいるのに仕事がない、という場面も正直少なくもなかった。与えてもらえる仕事は資料の印刷にホチキス止め、シュレッターなど言葉を必要としない、誰でもできるような簡単な作業『たくさんやらなきゃいけないこと抱えてるんだけど、これはあなたには難しすぎる。』と、言われてしまう。一時、本当に私は必要な存在なのか、この研修から何を得られるのだろうか、と落ち込んだときもあった。素直に自分が思っていることを職場の人にも打ち明けた。皆、理解してくれたし、私ができることを探してくれた。その後も自分なりに考え、それは当たり前のことだとも気づいた。経験もない私、言語も不十分な私、そんな私を受け入れてくれ、私のために時間も割いてくれてていることにも感謝すべきだと思った。それ以来「自分ができることを一生懸命にこなそう」と考えられるようになった。どんな小さなことでも職場の人の役に立っているし、“Danke für deine Unterstützung!“ (あなたの援助に感謝する。)と聞けることに楽しみを覚えるようになった。この時はインターンが始まってから、2週間も経たないうちだった。まだ職場環境にも、仕事仲間にも慣れてもいなくて、緊張感もあったのだろう。それから彼らとの距離もさらに近くなったと感じた。また日本の企業に営業をする課題をもらってから、責任をさらに感じるようになった。またドイツと日本を結ぶビジネスに関わることができたことは、非常に興味深く、良い経験になった。また直接に私が関わらなかった仕事内容にも会議など、職場仲間から学んだ。もちろん個々の会社によって異なるだろうが、ここでの経験は、将来を考える良い一材料にもなった。

    ◇最後に
    心から研修に参加してよかったと思う。この貴重な機会を与えてくれた獨協大学、そして快く受け入れてくれたIVAM に感謝する。






    ドルトムント市環境局 諸岡 愉子葉


    2007年Nordrhein-Westfalen 州ドルトムント市におけるインターンシップについて
    獨協大学外国語学部ドイツ語学科 諸岡愉子葉

     ドルトムントでの約10日間に及ぶ語学研修、また7週間のインターンシップという機会を頂き、その全課程を終了した今、どれもがとても貴重な体験であり、自分の為になるものだったと強く感じている。
     私のドルトムントでの経験を以下に紹介するとともに報告する。

    7月24日ドルトムント着
     ドルトムント駅内花屋前に既にAuslandsgesellschaft(以下AGS)のSuliman さん、ホストファミリーの父、妹が出迎えてくれる。事前に連絡してはいたが、予定到着日の2日前であったのにも関わらず、暖かく出迎えて下さった。


    (写真:妹が作ってくれたカード)

    語学研修(7月27日~ 8月3日)
     約10日間に及ぶ語学研修においては、実際に社会生活において必要とされる銀行での入金方法、領収書発行の仕方、書類の記入方法などの事務的な事柄から、ドイツ国内の一般常識、童話、社会問題に至るまで,幅広く学習した。なかでも、携帯電話を使用しての電話の練習では、各自渡された電話番号へ実際に電話をし、指示された質問をするという課題が課せられた。いざドイツ語で電話をするとなると、相手の名前が聞き取れなかったり、相手の口調の早さについていけなかったりと相手の顔を見て話せる日常会話とは異なり緊張し、冷や汗がたくさん出てきた。
     加えて、授業以外にもドルトムント市内の光熱水道局、商工会議所、市役所、City Bank 訪問、近郊の浄水場見学など、それぞれの専門的な分野の仕事を実際に見、聴くことにより市の枠組みに触れることもできた。ただ授業を受けるのではなく、自身が参加しまた経験することが出来るとても為になる研修であったと思う。ただ残念であったのは10日間という短い期間では、学ぶことの出来る量にやはり限度があり、企業、銀行訪問では専門用語を理解出来ず、折角のチャンスを100%生かすことが出来なかった点である。日本において事前に、どのような企業を訪問するのか、研修期間内にどういった事柄を学ぶのか、何を予習しておけば良いのかが分かっていると、より多くを学び取ることが出来たと思う。
     10日間の研修終了後も、毎週水曜日の18時に報告会をAGS が開いて下さり、生活で困っている事はないか、インターンシップ先はどうかなど皆で話し合う事が出来た。この集まりは週に1度他の獨協生と話を出来る良い機会でもあった。
     AGS の方々は、遠慮してしまってなかなか相談出来ない悩みや日々の戸惑いを親身に相談に乗って下さりインターネットがステイ先で使用出来ない学生の為にパソコンを用意して下さり、日本語をインストールし、Suliman さんのお部屋でパソコンを使えるよう、私たちの為にいつでも部屋を開けて下さった。

    ホストファミリーについて
     私を受け入れて下さった家族は、家族の一員としての生活を提供して下さった。部屋は妹の部屋を空けて下さり、食事、衣類の洗濯、風呂、トイレを全て家族と共に利用し、休日も一緒に過ごした。
     事前にドイツ料理を教えてほしいと伝えたところ、週末には毎回異なる料理を教えてくださったり、1年間日本への留学経験がある妹と時には日本語で会話をしたり、私の分からない単語を教えてもらったりと、家族皆が親身になり接して下さった。そのおかげで一緒に生活をしている間、辛い思いや生活に困ってしまうことなしに過ごすことが出来た。現実的に、生活の為の支出について心配をせずに、普段通りの生活が出来たことはとても有難く、大きな支えとなった。こちらのホストファミリーには感謝の気持ちでいっぱいである。ただ、私の滞在したような待遇の良いホストファミリーは非常に稀であり、ホスト先には個人で差があるようであった。

    他の獨協生との繋がり

     このプログラムには8人の獨協生が参加したが、既にドイツ国内の大学で学んだ、これから1年間こちらの大学で勉強する、このプログラムにのみ参加するとそれぞれが異なった境遇であり、獨協大学内で事前に会う際にも深く知り合う事はなかった。しかし、こちらでの滞在期間において、他の獨協生との繋がりはとても大きな存在であったと思う。一緒にパーティーをしたり、ビールを飲んだり買い物をしたりと、インターンシップが始まってからあまり会う事が出来なくなってしまう皆と、時折一緒に過ごし、
    日本語で話をし、楽しむ事が出来たのは大切であった。ドイツにいるのだからドイツ語だけを話したい!!とモチベーションを高く持つ事も大切だが、折角出会えた仲間と時々愚痴を言い合ったり笑い合ったりすることもストレスを溜めずに生活を楽しむ1つの方法だと感じた。

    ドルトムント市環境局でのインターンシップについて
     以前から環境問題に興味があり、また獨協大学でドイツ語を学ぶうちに、ドイツの環境への取り組みに触れてみたいという思いが強くなった。
    しかし、自分がどのような分野の環境問題に興味があるのか漠然としており、専門的な知識も無い為、希望提出時にはとても苦労したが、「環境問題に従事しており、地域に密着した活動をしている企業及び職場」という私の希望を汲み取って下さり、希望通りのインターンシップ先を紹介して頂いた。
    (写真:再度自然に戻されたゴミ埋め立て場)

     環境局には水、地盤、ゴミ、風土、地形などの部があり、私は主に水、ゴミ、地質などに携わる部門に配属され、この部門の長である
     Mackenbach 氏の前室に席を頂いた。皆とても暖かく迎えて下さり、始めの1週間は職場に慣れる為に、市役所へ挨拶の為に訪問したり、局内の会議に参加したり、同僚に挨拶をしたり、自分のスケジュールを作成したり、局のホームページを読んだり、手紙を封筒に入れたりとあまり仕事をせずに過ごした。
     2週目からはMackenbach 氏が他の同僚との予定を調節して下さり、同僚が局外で打ち合わせや視察、点検などがある際に同行することができた。
     内容としては、個人宅の下水浄化器の点検、地下水を汚染する恐れのある物質を使用する企業の倉庫点検、住民からの苦情対応、再自然化された小川の調査、企業訪問、ゴミ・産業廃棄物の埋め立て地視察、朝鮮視察団接待、小川視察(Emscher, Nette,他)下水処理場視察、ゴミ焼却場視察、市民の自主的なゴミ収集の新聞取材同行、自然保護区での顧会員とのエクスカージョンなどである。ドルトムントはルール地帯に位置している為、過去には工業による環境汚染が問題であったが、現在では市の約50%が緑や自然保護区であり、人々の自然に対する意識も高く、仕事内容としても自然に囲まれ、局外で経験する事が多かった。(写真:自然保護区Buschei)

     また、ドルトムント市のゴミ処理全般を請け負っているEDG(Entsorgung Dortmund GmbH)に連絡を取って頂き、そちらでドルトムント市のゴミ処理の現状の説明を受けたり、堆肥工場,Recyclinghof,再度工事され自然に戻されたゴミ埋め立て場を案内して頂いたりした。
     予定がある日には報告書を提出する決まりを定めてもらい、短くではあるが報告書も書いた。
     これは自分が1日に学んだ事や体験した事を記すことが出来るものであったし、ドイツ語の勉強にもなり為になった。Mackenbach 氏が必ず目を通して下さり、文法的な間違いまで直して下さったのが非常に有難かった。
     局外だけでなく局内においても、郵便物の仕分け、調書からの表作成などパソコンを使っての仕事を頂いた。職場の雰囲気はとても明るく皆親切にして下さり、昼休みには昼食に誘って頂き、局の遠足にも参加できた。
    (写真:局内遠足)

     仕事の合間には、お茶を入れて皆で話をし、コーヒー休憩には他の課の方にも誘って頂いた。最後の週には、お世話をしてさった方々と4人で日本料理パーティーもした。
     日本の市役所のような固いイメージとは全く異なり、多くの方が私や日本という国に興味を持って下さり、たくさん話し掛けて下さった。
     皆明るく接して下さったので局にはすぐに馴染むことが出来たが、ただ馴れ合うだけでなく、仕事をする仲間として、又、仕事としてやはり気持ちの上で、自分が学びたい、より多くの経験をしたいと常にモチベーションを高く持って接し、努める事が大切だったと思う。中盤に差し掛かる頃には自分から積極的に予定を組めるよう同僚と話をしたり、1日では分からなかった事を再度確認しに行ったりと自分なりに努力した。
    (写真:ゴミ埋め立て地を自然に戻す為の工事現場にて)

     
    大袈裟に聞こえるかもしれないが、学生としてでは出来ない“仕事”をする折角の機会をどう活かすかを自覚することは非常に大切だと思うし、可能性がある限り自分なりに動いてみることは意味のあることだと思う。ドルトムントでの8週間に及ぶ体験は、どれもが新鮮で興味深いものばかりであったし自分が職を持ち、社会に出るということを更に深く考えさせられた。このような機会を与えて下さった獨協大学、仲介や語学研修を企画して下さったAGS の方々、親身に接して下さったホストファミリーの皆さん、また、多くの面でサポートしてくれた家族に心から感謝したい。
     今後この経験を更に将来に繋げられるよう努力して行きたい。(写真:Deusen 地区下水処理場にて)

    市立博物館 吉岡資子


    研修先 Museum für Naturkunde Dortmund
    ドイツ語学科4年 吉岡資子

    研修期間 2007年8 月6 日(月)~9 月15 日(土)
    研修時間 8:30~16:00 (休憩15 分、60 分)

    はじめに
     まずはこのような素晴しい機会を与えてくださった、ドイツ語学科にお礼申し上げたい。またSulliman先生を始めとするAuslandgesellschaft の先生方にも感謝の気持ちでいっぱいである。

    事前研修 一週間程度、Dortmund にあるAuslandgesellschaft にて、インターンシップに必要であろう知識を学ぶ。経済の知識が全くない者にとって、授業内容は大変有意義なものであった。そしてIHK やCityBank等、実際の現場を見る機会が多くあったことにも非常に満足である。またその他のactivity に関しては当人達の興味に任されており、個人的に予定があった私にとっては良いシステムであったと考える。

    インターンシップ
     Dortmund にある、Museum für Naturkunde で6 週間働かせていただいた。HbfからU-Bahn で10 分、その名の通り自然が多いところに位置する。

    一日の流れ
    8:30 出勤
    9:00 Frühstückspause(15 分)
    12:00 Mittagspause(60 分)
    16:00 帰宅


    ↑Museum の概観

    a. 1‐2 週目 博物館における仕事
     自然博物館での仕事とは一体何か、そして人々がどのように関わるのか、それを学ぶべく1 週目は各分野にてお手伝いをさせていただいた。生物学、地質学、標本作成、動物飼育、デザイン等、各担当者が責任を持って自分の分野の仕事をするのである。仕事の概要を掴み、一つの展示ができるまでの流れを知ることができた。またたくさんの種類のクモやカエル等に触れることもできた。田舎育ちの私にとってはなんの抵抗もなかった。
     博物館では多くのプログラムが用意されている。多くは子供向けであり、小学校の1 クラスが来ることもある。テーマも様々であり、毎回微力ながらもお手伝いさせていただいた。私のインターンシップ期間中には丁度、恐竜がメインに展覧してあり、本物の恐竜の糞に触れるなど、非常に珍しい体験をしたのもよい思い出であろう。
     Excel で訪問客数をまとめることもした。基本的なPC 操作は問題なかった。しかし、PC の文字がドイツ語というだけで、作業は多少てこずった。

    b. 3‐4 週目 ショーケースを担当
     上司が私に提案してくださった、一つショーケースを担当しないかと。専門知識が必要な自然博物館において、私に任のある仕事を与えてくださったのだ。Dortmund には日本人も少なく、またこの博物館に日本人の客がくることはめったにない。またここに住むドイツの方々は日本についての知識は全くない。ということでテーマは「日本の自然」に決定した。日本のことについてだ、そんなに難しいことはないだろう、そう考えていた。しかし、始めの資料集めに苦戦した。事務所にあるPC では日本語が打てないどころか、読むことも不可能だったのだ。インストールに必要なCD が見つからず、最後までインターネットの日本語のページを読むことはできなかった。そこで図書館へ行き参考文献を探す。日
    本の自然についてドイツ語で書かれている本は少なく、結局英語での文献を利用した。英語を読むのは問題ないが、動物の名前など、英語とドイツ語では違うので紛らわしいことも多々あった。なんとか集めた資料をもとに、今度は自分でテキストを書いていく。専門用語が多く、ましてやきちんとした知識もないので始めはうまくいかなかった。しかし、何度も採点していだだき、最後には納得のいく文章が作れた。

     そしてテキストを書くのと同時に、どの標本を置くのかを考えた。残念ながら一番見せたかった、日本特有の動植物の標本はなく、一般的なものになってしまった。しかし日本特有のものについては、写真をカラー拡大コピーし、別のテキストと配置することで紹介することができた。材料がそろった所で、次は配置である。後の板の色から、位置まで全てやらせていただいた。飾りとして砂を撒き散らし、折り紙で作った動物もポイントとして置いた。
     一つの展示ができるまで、実際に自分の手で作ることができ、貴重な経験となった。入り口のところに飾られ、お客さんが覗き込んでいるのを見ると、非常に嬉しい気持ちとなった。遠く離れたドイツにおいて、このような経験をできて本当に幸せだと思う。

    ↑担当したショーケース

    c. 5‐6 週目 die Museumsnacht
     この時期になると、休暇をとっていた従業員の方も戻ってこられ、全員揃う。なぜならば9 月半ばに、Dortmund の街中がお祭りのようになるMuseumsnacht の準備のためである。Dortmund 中の博物館でお昼頃から催しが始まり、夜中の2 時まで開かれているのだ。ここ自然博物館でもファイヤーショー、マジックショー、ミニ動物園など様々なイベントがあった。Duisburg の動物園からおりがみを作る団体も来ていて、日本人である私もお手伝いすることができた。また、たくさんの方に私のショーケースを見てもらうよい機会でもあった。インターンシップ最終日と言うことで、この日は思い切り楽しみ、最高の思い出を作ることができた。

    ↑Museumsnacht の様子

    おわりに
     インターンシップが始まる前、私はとても大きな不安があった。言葉は通じるだろうか、また与えられた仕事をきちんとこなせるのだろうか、そんなことをつねに考えていた。しかし、いざ始まってみるとそんな心配も無用であった。親切な職場の人たちに囲まれ、毎日が新鮮で、とても楽しい日々を過ごすことができた。


    ↑上司のMöllmann さんと職場の皆さん

    *今後、このプログラムに参加を考えている皆さんへ
     まず、迷っているならば、絶対に参加するべきだと考える。やらずに後悔よりやって後悔したほうがいい。このような貴重な経験をできるのはめったにないことである。また、インターンシップ期間中は積極的に行動することである。「言葉に問題のある外国の大学生」ごときができる仕事は限られていて当たり前だ。自分にできる仕事を探すのである。そうして毎日少しずつ成長でき、最後には達成感とともに笑って終わることができると考える。
     またExcel やWord などのPC の基本操作はしっかり復習しておくべきである。私の場合、基本的な知識はあるので何の問題もない、と考えていた。しかし、それは日本語であったからと気づいた。ドイツの職場で日本のPC は無いに等しい。どの言語になっても対応できるよう、事前にしっかりと復習するべきである。

    ヒルトンホテル 若井 千紘


    ドイツ語学科4年 若井千紘
    2007 年度 ドイツにおけるインターンシップ

     私は、2007 年度ドイツにおけるインターンシップ・プログラムに参加しました。このプロフラムがどのようなものか、また私がインターンシップ先でどのような体験をしたかについてここに報告したいと思います。

    1.事前研修
     まず、インターンシップが始まる前に他の参加者と一緒にAuslandsgesellschaft Deutschland で行われた研修に参加しました。これは1週間程度のもので、商業ドイツ語コースに加え、様々なプログラムが用意されていました。
     ドイツ語コースでは、主に電話応対の練習をしたり、ドイツの地域と経済、また企業についてのテキストを読んだりしました。電話応対の練習の際、博物館や郵便局などに実際に電話をかけました。この練習は緊張感もあり実践的でとてもよかったと思います。先生は基本的に私達の要望に答えてくれましたし、授業の雰囲気やスタイルもよかったのですが、1週間という短い時間では学べるものも限られてしまったように思います。また、参加者はそれぞれ異なった企業でインターンシップをするので、必要となるものがそれぞれ異なります。それらがもう少し考慮されていれば、よりよいものとなったのではないかと思います。
     授業以外のプログラムでは、実際に銀行や商工会議所、給水施設を見学したり、市庁舎に行きドルトムント市長の話を聞いたりしました。このような機会は個人ではなかなか得ることができませんし、実際にどのような仕事をしているのかということを自分の目で見ることができたので、本当に貴重な体験をさせていただけたと思います。

    2.Auslandsgesellschaft Deutschland
     このようなプログラムを全て企画してくださったのが、Auslandsgesellschaft Deutschland です。私達参加者は、最初から最後までここでお世話になりました。何か問題のあるときは、プログラムに関したものだけでなく、私的な相談にも親身になってのって下さいました。例えば、私達専用の日本語使用可能なパソコンを用意してくださったり、インターンシップ先での悩みの相談にのってくださったりもしました。ここにいる方々は、外国人にとても理解があり、親切な方々ばかりです。私達が何の問題もなく充実した6週間を過ごすことができたのは、本当にこのような方々のおかげだと思っています。

    3.ヒルトンホテルでのインターンシップ
    ヒルトン・ドルトムント
     私は、ヒルトンホテルで6週間程度のインターンシップを行いました。ドルトムントのヒルトンは、ヒルトンの中では規模が小さいですが、その代わりホテルの雰囲気や従業員の仲も良いといえます。このホテルは基本的に観光客ではなく、ビジネス客を対象としています。それは町の中心部から近いということ、更にメッセ会場やサッカー場が近くにあるという立地条件の良さが理由ではないかと思います。ですから、ホテル内には客室、レストラン、会議室に加え、ビジネス客が快適に過ごせるようプールやジム、バーなどの施設もあります。更に、ヒルトンはアメリカのホテルと
    いうこともあり、外国人客が非常に多いというのも特徴です。
     従業員もとてもインターナショナルで、ドイツ人だけでなく外国人もたくさん働いています。更に、私のようなインターンシップ生や職業訓練生の受け入れ態勢が整っているので、外国人としてまた学生としては働きやすい環境ではないかと思います。この研修生達はいくつもの部門で研修をし、人手が足りないときに他の部門でもスムーズに仕事ができるように訓練されています。研修生は、主にレストラン、キッチン、バンケットサービス、アクティブクラブ(プールやサウナ)、ハウスキーピング、バー、倉庫、レセプション、マネージメントサービスなどに配属されます。研修生であっても必ず制服を着用しなければならないので、私も初日に制服を貰うことができましたが、日本人の私にとっては大きすぎたので、白のブラウスやスーツのズボンなどは自分で持っていたものを着用しました。また、靴の色も黒と決まっているので、次回行かれる方には日本から持参することをお勧めします。
     そして、勤務時間についてですが、これは各部門によって異なります。しかし、基本的には1日8時間、そして休憩は朝食15分、昼食30分とることができます。ホテル内には従業員用の食堂があり、食事や飲み物は無料で提供されています。ここは従業員の交流の場でもあり、私も他の同僚と食事や話をすることがよくありました。

    研修内容
     私の場合、「できるだけ多くの部門での仕事を体験してみたい」という希望を事前に出しておいたので、ハウスキーピングで3週間、倉庫で1週間、レストランで2週間行うことになりました。
     もちろん、たった6週間ではできる仕事の範囲は限られていますが、それでも私は様々な部門を見ることによってホテルの仕事の全体的な流れがつかめるのではないかと思い、そのような希望を出しました。

     最初の3週間はハウスキーピングでの仕事でした。主な仕事内容は、各部屋のミニバーのチェックとドリンクの補充、Aufdeckservice(ヒルトン会員のお客様のみに行うもの)の手伝い、部屋の確認(新しいお客様が宿泊できる完璧な環境かどうかのチェック)、洗濯後のタオルの整理、更に会議のあるときはトイレのチェックもしました。私は初日からミニバーの仕事を一人で任されました。初めてなのに一人でやるというのは少し不安でしたが、私のChefin が初めに丁寧に仕事を教えてくれ、客室清掃の担当の方々も皆親切にしてくれたので、仕事に慣れてからは楽しく過ごすことができたと思います。しかし、ここでの仕事は主に肉体労働で、最初の2週間は本当に辛かったです。時には、残業をしなければならないこともあり、掃除の手伝いなどもよくしました。そんな時、一緒に働いていた職業訓練生がいつも私のことを気にしてくれたのは心の支えでした。そのような仕事を通して、ホテルの仕事への私のイメージは変わりましたが、これもホテルの中では重要な仕事の一つであり、お客様にあまり直接関わらない裏の仕事の大切さを知ることができました。更に、ハウスキーピングにいることにより、ホテル全体の仕事の流れを初めの段階で理解することができたので、最初にこの部にいたことは良かったと思います。

     4週間目からは、1週間Lager(倉庫)に配属されました。ここでは、ホテルで必要な飲み物や備品を管理します。また、レストランやバー、バンケットからの注文があれば品物を揃えて運びます。
     しかし、品物は高く積まれたものばかりですし、力仕事が主でした。私の体格ではとてもできそうにない仕事ばかりだったので、私のChef とChefin が考慮してくれ、事務的な仕事をしました。仕事にはあまり満足できませんでしたが、Chef が私にできる仕事を与えてくれ、とても親切にしてくれたのでたった1週間でしたが良い経験でした。
     最後の2週間のレストランでの経験は、私にとって一番楽しく充実したものでした。というのも、お客様との関わりが多く、同僚とも常に力をあわせて働くことができたからです。主な仕事内容は、朝の出勤の場合、朝食と昼食の際のお客様へのサービスやルームサービス、また裏でのグラスやBesteck 磨きなどでした。午後出勤の場合、夕食のためのレストランの準備とサービスに加え、ワインなどのお酒の種類も覚えなければなりませんでした。私は午後出勤が多かったので、レストランでの接客をいつもしていました。ここでも、初日からお客様に飲み物を聞いたり、料理を運んだりとすぐに仕事をさせてもらうことができました。グループで来るお客様にはよく話しかけられ、初めは緊張しましたが、様々なお客様と実際に触れ合う機会がありました。一番嬉しかったことは、お客様が私のサービスに満足してくださり、私をノミネートしてくださったことです。それがホテルで認められ、報奨金もいただきました。初めは自分でも驚きましたが、同僚達も喜んでくれたので、頑張ってよかったと最後には思いました。ここでの仕事も体力が必要で辛いときもありましたが、常に同僚達が親切に面倒をみてくれ、研修最終日にはプレゼントまでいただき、最後まで良い
    環境で楽しく過ごすことができました。

     私がこのヒルトンでのインターンで強く感じたことは、研修生に対し常に実践を重んじていることです。私は外国人でしたが、たいてい他のドイツ人研修生と同じように扱われました。ですから、自分が思っていたよりも仕事の範囲は広かったように思います。もちろん、時には困ることもありましたし、日本の働き方との違いを感じることもありましたが、自分が仕事で不明な点は常に確認し、自分のやる気を示していれば、周囲の人たちもそれを理解し支えてくれるのだとよくわかり、本当に良い体験をさせていただきました。私は1年間ドイツに留学していましたが、学生とは違った視点でドイツを見ることができたこと、また実際に、働く現場を自分の目でみて体験できたことは、これからの自分の進路に必ず役に立つと思います。このような機会を与え、支援してくださったヴェルナー先生や金井先生、ヒルトンホテルやAuslandsgesellschaft Deutschland の皆さんに心より感謝しています。本当にお世話になりどうもありがとうございました。
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