Wohnstift auf der Kronenburg(宮田瑶)

宮田 瑶(ドイツ語学科2年)
インターンシップ先:Wohnstift Auf der Kronenburg

はじめに
 私は入学当初から、ドイツでインターンシップをするこのプログラムに興味がありました。現地で働きドイツ語を使い、自分のドイツ語をより良いものにし、そして自分の成長を実感したいと思ったからです。本来なら3年生から参加できるプログラムですが、私は2年生だったため、決定から出発まであまり時間がありませんでした。獨協大学では、Werner先生のインターンシップ特殊演習を受講し、インターンシップに備えました。
ドイツでは、インターンシップが始まる1週間前にAuslandsgesellschaftでビジネスドイツ語を勉強しました。そこでは勉強だけでなく、Dortmundを観光したり、プラネタリウム、ミュージアム、Münsterを訪れたりしました。参加した学生の年は様々でしたが、この1週間で全員の仲を深めることができました。インターンシップが始まってからも近況報告会があり、週に1度会っていました。私たちは楽しくていつも笑っていました。Auslandsgesellschaftの方々も本当に優しくてたくさんのことを教えてくれました。やることがたくさんあり、かなりのハードスケジュールな1週間でしたが、私にとって忘れられない思い出になりました。

‐6週間のインターンシップ
 インターンシップ先の“Wohnstift Auf der Kronenburg“は、とても大きくて、ホテルのようにきれいな老人ホームでした。私が老人ホームをインターンシップ先に選んだ理由は、昔住んでいたMünchenの家の近くに老人ホームがあり、そこで出会うお年寄りたちは私の家族に気軽に声をかけてくれたことを思い出したからです。ゆっくりやさしく話しかけてくれるおばあちゃんやおじいちゃんは、とても印象的でした。また、人生経験の多い彼らからいろいろなものを学んで、自分の知識にしたいと思ったからです。彼らは愛らしく、面白くて、そしてとても親切で、おしゃべりしたり観察したりしているのがとても楽しかったです。
私の仕事は主に、毎朝行われるゲームやギムナスティック、歌、記憶力トレーニングなどに住人(老人)を連れて行き一緒に参加したり、散歩をしたりすることでした。住人からの要望があれば病院や買い物に同行することもありました。また、住人がお昼寝をしている間は、庭の整備、資料の整理、計画書の記入などを行っていました。私は資格がないため、食事のお手伝いや、身のまわりのお世話をすることができませんでした。しかし、個人的におしゃべりをしたり、一緒にゲームをしたりすることで、私と住人11人の距離がかなり縮まり、私たちは互いに近づき仲良くなることができました。
 一緒に働いた同僚、世話役、チーフたちもまた、親切で面白くて、私にたくさんの話を聞かせてくれました。私は本当に恵まれた環境で仕事ができたなと思います。また、将来、このような人たちと仕事ができたら幸せだろうなとも思いました。
私以外にも、高校生やAusbildungをやっている人がインターンシップ生として働いていました。彼らとは同年代だったため、雑談したり、一緒に買い物に行ったりと、ここでも楽しい時間を過ごすことができました。
6週間はあっという間に過ぎ、別れの日が近づくたびに悲しい気持ちになりました。おばあちゃんおじいちゃん、同僚のみんなも私が帰ってしまうことを本当に悲しんでくれ、私も辛かったです。最初、私はお年寄りのドイツ語を理解できるのか、と不安に思ったことはありましたが、やはり慣れていくごとに彼らとコミュニケーションをとることができました。私のことをいつも褒めてくれて、会いたがってくれて、毎日おばあちゃんおじいちゃんに会っておしゃべりするのが楽しみでした。またいつか会いに行くと約束をしたので、その日を今から楽しみにしています。

ホストファミリー
 私が今回お世話になったSzwed家は、とても大きな家族でした。というのは、8人家族の他に、ドイツ語を勉強している外国人5人住んでいました。ひとつの大きな家の1階に外国人、2階に家族が生活している感じで、私たちは“WG“(共同生活)のように暮していました。彼らSzwed家はポーランド人で、よくポーランド料理を振舞ってくれました。 
1階には私の他に、スペイン人やシリア人、ヨルダン人とパレスチナ人が住んでいました。ドイツに留まっている理由は皆それぞれでしたが、ドイツ語を勉強している若者同士ということでお互いの文化に触れ合いながら仲良く生活していました。彼らと休日散歩をしたり、夜語り合ったりすることで、ドイツ語を話す機会はもちろん、お互いの知らなかった文化や興味深い体験談を聞くことができて、そこから学ぶことはたくさんありました。彼らのドイツ語を学ぶまじめな姿勢に刺激をもらい、私ももっと頑張ろうと思いました。
ホストママは元気で優しくて、アクティブな方でした。日本人が好きということで、彼女が働いている小学校に私たち獨協生を招き、折り紙教室を開いてくれました。子どもたちは日本や折り紙に興味津々で積極的に参加してくれました。ドイツ語で折り方を説明したり、ネイティブの子どもたちとたくさん喋ったりと、この折り紙教室はドイツ語の勉強にもなりとても良い経験になりました。
 私が帰る前日には、家族と外国人全員でお別れパーティーを開いてくれました。そこでは自分たちの国の伝統料理を作って振舞い、みんなで食し語り合いました。将来の夢の話をしたり、意見を言い合ったりと、貴重で楽しい時間を過ごしました。私はまた、大切な人たちに出会ったなと思いました。

さいごに
先ほども書いたように、今回のインターンシップ生活はとても充実していて、あっという間の毎日でした。土日には、買い物に行ったりMünchenに旅行に行ったりして、個人的に充実した日々でした。異言語での仕事ということで、難しいことやうまくいかないと思うことは多々ありました。しかし、その悔しい気持ちから生まれるもっと頑張ろうという熱意を今回たくさん感じ、モチベーションを高めることができました。約2ヵ月間みっちりドイツ語を使うことで、新しい表現方法を使ってみたり、状況に合ったことばを選んだりし、自信を持って話すことができるようになった気がします。
また、今回のインターンシップでいろいろなことを学び、いろいろな人と出会いました。そして、たくさんの人の思いやりや優しさに触れることができました。その経験と思い出を生かし、これからもたくさんのことに挑戦していきたいです。私に関わった皆さん、ありがとうございました。私は皆さんのことが大好きです。

宮田


~Marktbesuch mit Frau Raida~

Hotel Mercure Dortmund Centrum(深作香菜)

深作 香菜(ドイツ語学科2年)
インターンシップ先:Hotel Mercure Dortmund Centrum

*はじめに*
 私がこのインターンシップに参加した理由は、ドイツで働くということはどういうものなのか体験してみたかったのと、場所がドルトムントということで、以前二年前に一年間滞在していた町から近いということから、このプログラムに参加しました。

*事前研修*
 最初の一週間はAuslandsgesellschaftで他の獨協生とビジネスドイツ語の授業がありました。丸一日授業があったのではなく、途中で博物館や美術館、プラネタリウムに行くなど、最初の一週間で、ドイツ語の文法や語彙だけでなく、文化や歴史をたくさん学びました。私たちの先生はとても優しく、楽しい時間をすごすことができました。しかし、毎日予定が詰められていたので、一週間すごく忙しく夜にはすごく疲れていました。そして、今年はこの授業が月曜日から始まって次の週の月曜日にはインターンシップが始まるという予定だったので、一週間授業をうけ、そのまま休みなしで一日目のインターンシップが始まりました。

*ホームステイ先*
 私のホストファミリーは、ホストマザー、ホストブラザー(18歳)、韓国からの女子学生(20歳)と犬2匹でした。八月下旬からホストブラザーが一WGで暮らし始めたため、それ以降は三人で暮していました。ホストマザーは仕事で忙しい人で、一緒に二回買い物に行き、一回ホストおじいちゃんのところに朝ごはんを食べにいったくらいで、他はとくに一緒にやることはなかったです。彼女はとても明るく楽しい人で、食事のときや、買い物の帰り道などでは、面白い話をたくさんしてくれ、楽しい時をすごせました。 ホストブラザーとはほとんど一緒に時間を過ごすことはなかったのですが、話す機会があると色々なことを聞いてきてくれ、とても優しい人でした。 そして、韓国からの学生は年が同じということもあって、とても仲良くなりました。彼女はAuslandsgesellschaftでドイツ語を勉強しているのですが、私が滞在していた期間はほぼ夏休みを取っていたので、毎日家にいました。なので私は時間があると、彼女と買い物に行ったり、お散歩に行ったり、他の獨協生達と一緒に映画を見に行ったりしました。さらに、ほぼ毎日夜には2人でテレビをみて、途中お互いの国のことについて聞いたり、日本の学生が話すようなことを話したりなど、すごく仲良くなりました。

*インターンシップ先*
 インターンシップ先の私の担当は、ホテル内のレストランでの朝食と昼食担当でした。ここのホテルは、四つ星のビジネスホテルでした。朝食は朝6時半から始まるため、最初の一週間以外は朝7時からの仕事でした。なので、毎朝5時半に起きる生活をしていました。朝食と昼食はホテルのビュッフェから、私も食べることができました。
仕事の主な内容は、ウェイトレスのような役割で、朝食・昼食ビュッフェでの仕事でした。お客さんが使ったお皿の片づけ、新しいお客さんのためのテーブルセッティング、ドリンク提供、食器の手入れ、飲み物の補充、そしてホテルの部屋があるフロアの廊下の見回りをしていました。昼食がビュッフェでないときはサービスも行っていました。このホテルには多目的室が10つあり、そこでは毎日のようにセミナーや会議のために使われていたため、その片づけや準備もしていました。 お客さんはドイツ人だけでなく、世界各国から来ていたため、英語を話す機会もたくさんありました。そして日本人のお客さんもいたので、日本語で地下鉄の乗り方等を教えたこともありました。ほとんどのお客さんが、仕事のために宿泊していて、常連のお客さんもいました。顔を覚えてもらえると、話しかけてくれて、お客さんとの会話も楽しめました。
 私がこのホテルで一番気に入ったところは、同僚です。彼らはとても優しく、明るい人がほとんどで毎日本当に楽しかったです。初めは朝早くからの仕事で、苦痛に思った時もありましたが、早朝からの仕事に慣れるとどんどん楽しくなりました。レストラン担当の人だけでなく、キッチンのコック達、レセプションの人達、バンケットの人達、ハウスキーピングの人達、さらには事務系のお仕事をしている人達とも仲良くなり、仕事がなくなると、世間話をしたり、ドイツ語を教えてくれたり、キッチンに行くと試しに作ったものを試食させてくれたりしました。
 そして、私が驚いたことがいくつかあります。その中の1つが仕事の仕方です。日本では、ウェイトレス同士が話していたり、サービス提供が遅かったりすることは好まれません。しかし、ドイツではあまり厳しくないためか、お客さんもそのようなことを気にするような人はいませんでした。そして、私は1つの仕事が終わると自分で仕事を探し、また次の仕事にとりかかるというかたちで、常に何か仕事をしていました。日本ではこれはごく普通のことですが、私の職場では驚かれ、よく仕事をしてくれるとほめられました。さらにシェフには、「いつでも戻ってきて働いてもいいよ」と言っていただきました。 
深作1深作2

*終わりに*
 私はこのインターンシッププログラムを通して、たくさんのことを学びました。もちろん、ドイツ語やサービス業について、今まで知らなかった事をたくさん知ることができました。しかしそれらだけでなく、ドイツの人の考え方やふるまい方、仕事をするといううえで見えてくる日本との違い、ドイツでの生活の仕方など、日本では学ぶことのできないとても貴重なものを得ることができました。知識だけでなく、同僚やホストファミリーと仲良くなれたことで、また会いに行きたいと思う場所や人ができました。
 最後に、このような機会を与えてくれ、サポートしていただいたすべての方に感謝いたします。この貴重な経験をもとに、これからも勉強に励んでいきたいと思います。

深作3

Tierheim, Musikschule Dortmund(江川愛香)

江川愛香(ドイツ語学科3年)
インターン先:Tierheim, Musikschule Dortmund

1.はじめに
 私はインターンシップ前の20152月から、交換留学生としてウィーン大学で勉強しています。1年生のときにドイツ語圏入門でこのプログラムの話を聞いてからずっと参加したいと思っており今回は大学の夏休みを利用してインターンシッププログラムへ参加しました。もともとラジオ局でのインターンを希望していたのですがかなわず、さらに第二志望だったTierheimでもアレルギーを発症したため最終的にAuslandgesellschaftSulimanさんの紹介でMusikschuleでインターンをすることになりました。

2.事前研修について
83日から9日までの7日間、Auslandgesellschaftでドイツ語の事前研修に参加しました。最初にみんなで何を勉強したいか話し合い文法などの基本的なことに加えて履歴書を書く練習やビジネスドイツ語などを行いました。最後は私たちがお世話になるインターン先にそれぞれ電話をかけ質問や挨拶などをしました。先生は私たちと年齢も近くとても優しく親切でまた6人という少人数だったので質問や発言がしやすいとてもアットホームな雰囲気でした。事前研修といっても教室で授業を行うだけではなく沢山のアクティビティもありミュンスターを観光したり遊覧船にのったり、体験型博物館でクイズラリーをしたりと色々な体験をすることができました。しかし今年は事前研修とインターンの間に休みがなくスケジュールもかなりつらかったです。このプログラム中で一番忙しい1週間でしたがしっかりインターン備えることができました。なによりこの事前研修を通して他の参加者ともとても仲良くなることができたと思っています。

2.ホームステイ先について
もともと犬が好きでホームステイ先には犬のいる家を希望したこともあり約8週間、母・犬1匹のHeymann家に滞在しました。最寄駅は地下鉄47Hauptfriedhofでインターン先からは20分ほどでした。ホストマザーは耳が聞こえない方で常に補聴器をつけていましたが会話にはなんの問題もありませんでした。彼女はとても気さくで、私がドルトムントに到着したその日に彼女の父親の誕生日パーティーに参加しせてもらったり色々なところに出かけたりしました。またいろいろな場所に友達がいる方だったので突然アメリカからホストマザーの友達が泊まりに来たりすることありました。ホストマザーには現在オーストラリアに留学中の、私と同い年の娘がいたため本当の娘のようにかわいがってもらいました。彼女とは本当に話があい、一緒に夜ご飯を作ったり、平日は3時間近く、休日は1日中リビングで話し込むことも珍しくありませんでした。しかし会話については厳しい方で、「会話のキャッチボールを意識しろ」と言われたときにはとても落ち込みましたがめげずに毎日話すことでドイツ語の力だけでなくもっと基本的な会話の続けかたを学ぶことができたと思います。

3.インターン先について
もともと第二希望であったTierheimでインターンをする予定でしたが、ドルトムントに到着した日にAuslandgesellschaftSulimanさんにMusikschuleでも働くことができるといわれたため最初の1週間は2ヵ所でインターンをしていました。そのときは毎日8時から14時までTierheimで働き、そのあと18時近くまでMusikschuleで働いていました。しかしTierheimでの仕事内容が6時間猫の小屋の掃除のみで、大量の猫の毛によるアレルギーを発症してしまったため残念ながらTierheimでのインターンを断念し残りの7週間はMusikschuleで働きました。もともとウィーン大学で音楽学を専攻しているため結果的にはとても充実したインターンになりました。MusikschuleAuslandgesellschaftの裏側にあり毎日9時から15時までの勤務でした。またイベントやコンサートのある時には土曜日や日曜日も働きました。こちらが主な作業内容です。

Jekitsプログラムの楽器の貸し出し
0~2歳の赤ちゃんとその両親のための音楽教室のアシスタント
③小学校のオーケストラの授業でのアシスタント
④楽器の試奏、管理
⑤コンサートのパンフレット作成、チケット販売
江川1

大前提として仕事にはたくさんの音楽用語や基礎知識が必要でした。最初の2週間は主にJekitsというプログラムの手伝いで楽器の貸し出しを行いました。このプログラムはドルトムントの小学生のためのもので、参加すると1年生から4年生まで無料で好きな楽器を借りられるというものです。楽器を受け取りに来た両親と話をして倉庫から楽器を取り出し渡すだけの作業ですが最初から一人でやらなければならなかったのでとても緊張しました。しかし半日もすれば慣れてしまい、寧ろ受け取りに来た人と話ができ楽器に触れられるとても楽しい作業になりました。また、貸し出す楽器の点検などもあり私は昔からやっているクラリネットを試奏したりギターのチューニングなども行いました。私の世話役だったHartman-HilterさんはJekitsのプログラムの責任者であり、小学校のオーケストラの先生やMusikschuleでピアノの授業を受け持っていたためとても忙しく他の先生の手伝いを任されることも多かったです。毎週火曜日には0-2歳の赤ちゃんとその親向けの音楽教室にアシスタントとして参加しました。また毎週木曜日にはPeter-Vischergrundschuleという小学校で1,3,4年生のオーケストラの授業のアシスタントをしていました。1年生の授業では植木鉢と和紙で太鼓をつくりみんなで演奏したり日本の童謡を歌い、3.4年生の授業ではオーケストラの練習に参加し楽器の指導などを行いました。土曜日や日曜日はコンサートのためドルトムントの劇場などで券の販売やパソコンを使いパンフレット作成なども行いました。インターン最終日には有名なピア二ストのコンサートチケットをプレゼントしてもらいインターン先の人たちとコンサートハウスに行きました。最初から最後までいつも音楽と触れ合える、私にとって最高のインターン先でした。

3.まとめ
このプログラムに参加して日本とドイツでの労働環境の違いを知ることができ、自分の将来を考え直す良いきっかけになりました。たくさんの人にかかわる仕事だったのでこのインターン中にたくさんの人の優しさに触れることができました。このような貴重な機会を与えてくださった獨協大学、Auslandsgesellschaft、インターン先の皆様、全ての方々に感謝しています。本当にありがとうございました。

江川2

ART-isotope/ Galerie Schroeder(山口愛來)

山口愛來(ドイツ語学科3年)
インターンシップ先:ART-isotope/Galerie Schroeder

きっかけ
 就職活動を控えた大学三年生のこの時期に、私は「大学生活で一番力を入れたことは何か」を考えました。サークルもバイトもろくにやっていない私が語れることと言えば、必然的に大学での勉強、つまりドイツ語に絞られてきました。大学でドイツ語を頑張ったと胸を張って言えるためにもこのドイツでのインターンシップは最適だと考え、私はこのプログラムに参加することにしました。

事前研修
 ドイツでの最初の1週間はAuslandgesellschaftで事前研修を行いました。内容は、スモールトークや電話応対などの実際に仕事をすることを意識したものや、いままで習った文法のおさらいなどでした。少人数だったせいか、みんな集中して楽しんで授業ができたと思います。授業のほかにも、Sulimanさんにドルトムントを案内していただいたり、船に乗ったり、博物館や美術館などに皆で行ったりしました。遊びと勉強の差が激しく、この期間は忙しかったですが、すごく楽しくて他のインターンシップ生ととても仲良くなれました。

インターンシップについて
 私はこのドイツでのインターシップは、働く意識より学ぶ意識のほうが強く、実際に様々な経験をさせてもらいました。私のインターンシップ先はドルトムントにある小さなギャラリーと、週に一回だけ図書館で働かせてもらいました。それぞれの業務内容と得た経験を簡単に書いていきたいと思います。
ギャラリーは基本的にギャラリストが一人で運営していました。そのギャラリスト本人にしかできない仕事も多くあり、私がお手伝いできたのは、招待状の準備や配布、掃除、HP修正、翻訳、絵の額入れや引き取りなどでした。展示はギャラリーの15周年に向けたもので、Horst Janssenという画家の作品を取り扱いました。基本的には現役のアーティストの作品を扱っているギャラリーですが、Janssenはすでに亡くなられた有名なドイツの芸術家で、絵の値段もとても高いものばかりでした。
また、私以外にもドイツ人のインターンシップ生がいて、とても良くしてもらいました。仕事が終わった後、展覧会やKünstlerhausにも連れて行ってもらい、ドイツの芸術家の方々と知り合う機会を与えてくださいました。本当に親切で、貴重な経験をたくさんさせてもらいました。いままでお客さん側で見ていた美術を、展示側から見るいい機会になったと思います。
もう一つ、水曜日だけは図書館でインターンシップをさせてもらいました。普通の司書の方に近い仕事をさせていただき、とてもためになりました。業務は返却貸出、蔵書チェック、新しい本の登録、小学生の図書館ツアーのお手伝い、などでした。図書館の上司の方は日本に旅行されたことがあり、日本の写真を見せてもらったり、日本語を教えたり、週に一度だったにもかかわらずとても親切にしていただきました。休日には、お家に招待してもらってみんなでご飯を作ったり、ゲームしたりしました。


ホームステイ先について
ホームステイ先はホストファザーとホストマザーと19歳の娘さんの小さな家族でした。娘さんの誕生日が9月にあったので自立している2人のお兄さんも帰ってきていたのですが、彼らとはあまり話せずに残念でした。それでもドルトムントを案内してくれたり、休みの日には車で美術展に連れて行ってくれたり、Kirmesに家族みんなで行ったり、お寿司を食べに行ったり、サッカー観戦に行ったり、とても親切にしてくれました。普段の生活でも、なんでも好きに過ごしていいと言ってくれて、洗濯もお風呂も不自由なく過ごすことができました。夜はみんなバラバラに食べていましたが、休日はホストマザーが温かいご飯を作ってくれました。わたしも一度、抹茶を振舞ったらすごく喜んでくれて色んな人に写真をみせて話していました。

まとめ
インターンシップへ行く前はとても不安でした。しかし、いざ行ってみると意外とうまくやっていけて、何事もやる前からダメだと思わず、前向きに考えることが重要なのだと気づきました。三年生の夏となると、日本でインターンシップをするか迷う人もいると思います。私もそれで悩みました。しかし、私はドイツでのインターンシップをしてよかったと思います。確かに社会人としてのマナーや就職活動に直結するようなものではないかもしれませんが、私は知らなかった自分を知ることができ、また、ドイツという国で実際に2か月弱暮らすことで、日本人としてアイデンティティについて深く考え、結果としてそれが自己分析にも繋がったと思います。
このインターンシップを通じて、私は単なる語学力や知識以上に、人との繋がりや一歩踏み出す勇気を得ることができました。これらのことは、これからの人生においてずっと生きてくると思います。こうした機会を与えてくださった獨協大学、Auslandgesellschaftの関係者各位、また受け入れてくださったインターンシップ先の皆様、Gastfamilieにこの場を借りて心から感謝いたします。

Dicke & Partner(金子周平)

金子周平(ドイツ語学科4年)
インターンシップ先:Dicke&Partner

はじめに
 「将来ドイツで働きたい」という目標の第一歩として、今回のこのドルトムントでのインターンシップの機会を与えてくださり、大変感謝しております。インターンシップ参加以前に私はトリーアという小さな街で1年半の留学をしておりました。そこで得た生活のためのドイツ語力を基に、研修を通じて仕事のドイツ語にステップアップして学べたことに満足しております。
金子1

事前語学研修
 最初の一週間は、獨協生のみで語学研修がありました。そこではビジネスドイツ語の授業だけでなく、ドルトムントの街観光やミュンスターへの遠足、遊覧船でのランチ、博物館見学など課外活動も盛りだくさんでした。ドイツ到着後の一週間だったということもあり、時差ボケと闘いながらも朝から晩までの研修を何とかやり抜き、ハードな一週間を過ごした後は少し達成感がありました。今回の参加者は計6人(4年生2名、3年生2名、2年生2名)で、私が唯一の男性でした。6人全員の仲は非常によく、たまにみんなで集まって近況報告から将来への悩みなど色々な話をしました。

インターンシップ
語学研修から一日も休むことなく私のインターンシップは始まりました。私は、「Dicke&Partner」という企業宣伝用商品の会社で働かせていただきました。最初この会社の名前だけを聞いたときは正直言って、「一体なんの会社なのか、ちゃんとした会社なのか」などと余計な心配をしたのを覚えています。それはともあれ、そこでは9名が働いており、子会社を含めると30名程度の規模の会社でした。そこで取り扱っている商品や取引先企業はとても多く、2か月ではなかなか仕事を覚えられないため、社長の計らいでドイツにある日本企業に営業や、オンラインショップの翻訳など、日本人である私にしかできないことをさせて頂きました。その他にも、お手伝いとしてデータ入力、書類整理、会社内メッセの会場設営、お客様の接待などを行いました。日本企業の営業では、仕事内容も十分に把握していない2日目あたりから任され、ドイツ語・日本語での営業電話や、メールでのやりとり、商品カタログから抜粋した商品にドイツ語の商品説明や価格を加えた資料作成などを行いました。営業という仕事において当初は大変緊張し、うまくいかないことが多かったですが、場数を踏むことにうまく対応できることが実感でき、また毎回電話を切るたびに達成感をもたらしていました。オンラインショップは「Dicke&Partner」が管理している独自のもので、それの日本語への翻訳を行いました。初めて翻訳作業だったということもあり、かなりの時間を要しました。一番苦労したのはドイツ語の文章の内容的理解もそうですが、なんといってもドイツ語と日本語の一致した専門用語を探すことでした。最終的に数週間かけて行った翻訳業務を終えて社長からお褒めの言葉を頂いた時の感動は、今でも忘れられません。
 社長や同僚は基本的には親切でしたが、常に忙しそうで話しかけづらい時もありました。しかし、それも2週間を過ぎれば遠慮なく質問できるようになりました。
金子2

ホストファミリー
 私のホストファミリーは、父母、長男、長女、次男という構成で、長男と長女は大学生で一人暮らし、次男は高校生で実家にいました。ホストファザーは数学学者、ホストマザーは公文で算数の先生として働いておりました。長男はドルトムントの大学で物理を専攻しておりましたが、私が滞在していた時はちょうど大学を終え、大学院に向けての準備をしておりました。次女はハノーファーの医学部の学生で、つねに勉強している印象があり、次男は8月の終わりにカナダに留学に行ってしまいました。そのため家族5人が揃うことは結局なかったのが残念です。お気づきかもしれませんが、この家族は「The理系ファミリー」で文系大学生である私が今の知識で学問の話をすることは不可能でした。しかし、9月に入ってからは長男、長女ともに私が帰国する日までは帰省してくれて、(学問以外の会話で)楽しく時間を過ごすことができました。ただ一番息があったのはなんといってもホストマザーとで、料理という共通の趣味で意気投合し、いろいろなドイツの家庭料理をふるまっていただきました。そして私自身も日本の料理(とくに洋食、和食は具材が揃わなかったため)を披露し、日本の炊き方で炊いたお米のおいしさを伝えることができました。すっかりハマったようで、いつだかホストマザーが自分で炊いたお米を私に振る舞ってくれました。
金子3

週末・休暇
 今回のドイツは、想像していなかった刺激的な体験ばかりの滞在でした。「ドイツでのインターンシップ」というだけでも刺激的ですが、それをもはるかに上回る体験がいくつかありました。というのも、まず私が「Ruhr Nachricht」という新聞に載ったということです。日本人学生がドルトムントでインターンをやっているということで新聞社が興味を持ち、取材を受けることになりました。唯一の男性であったためか、私と私のインターン先の会社が選ばれ、記事用のインタビューを受け、仕事内容のプレゼンテーションをしました。そして今度は新聞の反響から「Lindenstrasse」というドイツの国民的長寿ドラマのエキストラとしての出演も果たしました。撮影現場にはおそらく大御所(?)の俳優の方がたくさんいましたが、私はそのドラマを一度も見たことがなかったため、誰一人とも知らず、そのためか撮影自体には全く緊張しませんでした。(笑)
その他にもホストブラザーとミニゴルフやローラースケートでの散歩、ドルトムントのサッカー観戦に行き、ホストファミリー全員でオランダにヨットに乗ったりして、家族との時間を充分に楽しめました。初めての体験が非常に多く目まぐるしく毎日が過ぎ去っていきました。

金子4

ドルトムントの滞在を終えて
 もちろん毎日が楽しいことばかりではありませんでした。いつもこういった報告書を書く際は決まって「最初は苦労がありながらも充実した日々を過ごせ、最終的には楽しかったです」という内容になりがちです。正直言って私は、モヤモヤしながら滞在を終えました。上記に述べたように一見楽しそうな出来事ばかりを体験しているようですが、あくまでもそれは一部であり、ほぼ毎日私はドイツ語能力で悩んでおりました。昔はたとえ理解できなくても聞き流して誤魔化してその場を乗り切っていましたが、しっかり情報を100%キャッチしないと情報量が足りず、行動もできないということに滞在中いつしか気づかされ、とにかく100%理解して100%自分の思っていることを正しく伝えることを私は目指しはじめました。もちろん急にはうまくすべてを理解できません。毎日につねに落胆しておりました。たまに文脈さえも把握できないこともあり、そういった場合はたとえホストファミリーの中にいても孤独を感じていました。語学の勉強は本当に終わりがありません。しかし、今までかなりの時間をかけて悩んできた分、簡単にドイツ語を放棄したくはないため、今後も自信と落胆を繰り返して、ドイツ語の勉強に専念していこうと思います。

金子5